【2026年版】介護保険・障害福祉の請求用語集62語|返戻・過誤・給付管理票

この記事は、介護保険・障害福祉の請求業務を始めたばかりの担当者向けの用語集です。国保連請求で出てくる帳票名・制度用語・審査用語を62語に絞り、1語あたり2~4文の短い定義でまとめました。「返戻とは何か」「給付管理票は誰が出すのか」「過誤はどこに申し立てるのか」を、この1ページで一気に把握できます。

使い方は3通りです。最初に上から通読して全体像をつかむ。請求中にわからない語をページ内検索で引く。詳しく知りたい語は各項目末尾のリンクから解説記事へ進む。用語の並びは「共通」「介護保険」「障害福祉」の3章に分け、章の中はおおむね請求の流れの順にしています。

介護保険と障害福祉は、どちらも国保連(国民健康保険団体連合会)を通す点は同じです。ただし、同じ言葉でも帳票名・申立先・締切が違う語があります。そうした語には見出しに【要注意:制度で違う】の印を付け、記事後半の比較表にまとめました。介護保険の毎月の流れは国保連請求の流れと毎月10日締切を先に読んでください。障害福祉の流れは障害福祉サービスの国保連請求 完全ガイドが入口です。用語のつながりが見えやすくなります。

記事でわかること

共通の基本用語(介護保険・障害福祉のどちらでも出る言葉)

まずは両制度で共通して使う22語です。国保連に請求データを送り、審査を経て入金されるまでの流れで登場する順に並べています。

国保連(国民健康保険団体連合会)

各都道府県に1つある公法人で、介護保険と障害福祉の請求を審査し、事業所に支払う「審査支払機関」です。事業所は毎月10日までに前月分の請求データを国保連へ送り、国保連は市町村(介護保険では保険者)から委託を受けて中身を点検します。介護保険と障害福祉で電子請求の窓口やユーザIDは分かれますが、締切が毎月10日である点は共通です。介護保険側の流れは国保連請求の流れと毎月10日締切で確認できます。各都道府県の窓口と支払日は全国47都道府県の国保連一覧を参照してください。

国保中央会(国民健康保険中央会)

全国の国保連を束ねる公益社団法人で、請求で使うシステムや伝送ソフトの開発・運用を担っています。介護伝送ソフト、ケアプランデータ連携システム、2026年5月に移管されたLIFE(科学的介護情報システム)などが国保中央会の管轄です。「国保連」と「国保中央会」は別の組織なので、問い合わせ先を間違えないようにしましょう。移管の経緯はLIFEが国保中央会へ移管(2026年5月)が詳しいです。

保険者・市町村

介護保険の「保険者」は市町村(と特別区、広域連合)で、給付費の最終的な支払責任を負う主体です。障害福祉には保険者という言葉はなく、支給決定と給付費の支払責任を市町村が担います。国保連は市町村から審査支払の委託を受けているだけなので、過誤申立や資格情報の訂正は市町村に対して行います。「国保連に言えば直る」と思い込むと手続きが止まるので注意してください。

指定権者

事業所に「指定」を出し、指定基準を守っているかを監督する行政機関のことです。介護保険は都道府県・指定都市・中核市で、地域密着型サービスと居宅介護支援は市町村です。障害福祉は都道府県・指定都市・中核市などが担います(サービス種別で異なります)。体制届の提出先、運営指導の実施主体も原則として指定権者です。指定申請の全体像は障害福祉サービスの指定申請 完全ガイドを参照してください。

代理受領(法定代理受領)

本来は利用者に支払われる給付費を、事業所が利用者に代わって国保連から受け取る仕組みです。利用者は自己負担分だけを事業所に払い、残りを事業所が国保連を通じて市町村へ請求します。法律に根拠があるため「法定代理受領」とも呼ばれます。障害福祉では、代理受領した給付費の額を利用者に通知する義務があります。仕組みの全体は代理受領とはで解説しています。

請求書・明細書

「請求書」は事業所ごとの月の合計を示す帳票、「明細書」は利用者ごとにサービス内容と単位数を示す帳票です。国保連には請求書1枚と利用者分の明細書をセットで送ります。介護保険の正式名称は「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」です。障害福祉では「介護給付費・訓練等給付費等請求書」と「同明細書」で、名称が少し違います。障害児の通所・入所支援は「障害児通所給付費・入所給付費等」の請求書・明細書を使います。障害福祉側の月次の流れは障害福祉サービスの国保連請求 完全ガイドにまとまっています。

サービスコード

提供したサービスの種類・内容・加算を識別する番号で、明細書の各行に記載します。介護保険は「サービス種類コード2桁+サービス項目コード4桁」の6桁、障害福祉も同様に6桁の構成です。報酬改定のたびにコード表が差し替わるため、改定直後の請求は旧コードの残存が返戻の定番原因になります。請求ソフトのマスタ更新日を必ず確認しましょう。

単位数・単位数単価

報酬は「円」ではなく「単位」で定められ、単位数に地域ごとの単価(1単位あたりの円)を掛けて金額を出します。単価は基準の10円に、地域区分とサービス種類に応じた上乗せ率を反映したものです。明細書は単位数で記載し、金額換算は国保連側でも行われるため、単価設定の誤りは返戻や過誤の原因になります。

地域区分

人件費の地域差を報酬に反映するため、市町村を1級地から「その他」までの区分に分けたものです。事業所の所在地で決まり、区分によって単位数単価が変わります。介護保険と障害福祉で同じ市町村でも区分が異なる場合があるため、両事業を併設する法人は制度ごとに単価を確認してください。区分の一覧は厚生労働省の告示で公表されています。

審査・支払

国保連が請求データを点検し(審査)、問題のない分を事業所へ振り込む(支払)までの流れです。審査は台帳との突き合わせや、他事業所の請求との重複確認などを機械的に行います。介護保険は「翌月審査・翌々月支払」で、サービス提供から入金まで約2か月かかります。資金繰りの前提になる期間なので、開業時は必ず押さえておきましょう。支払日は国保連ごとに違い、介護保険は東京都が原則23日、神奈川県・愛知県が原則25日などです。障害福祉は請求した月の翌月15日ごろが目安で、都道府県の年間カレンダーで確認します。

支払決定額通知書(支払通知)

審査の結果、いくら支払うかを国保連が事業所に知らせる帳票です。請求額と支払決定額に差がある場合、返戻・保留・過誤調整のどれが原因かをこの帳票と返戻一覧から読み解きます。入金額と通知書の額を毎月突き合わせるのが、請求担当の基本動作です。差額を放置すると、時効や再請求期限を逃す原因になります。

返戻 【要注意:制度で違う】

国保連の審査でエラーとなり、請求が支払われずに事業所へ差し戻されることです。資格情報の不一致、給付管理票や実績記録票との不整合、加算の算定要件エラーが代表的な原因です。返戻分は翌月10日の受付期間に再請求すれば支払われますが、入金は1か月遅れます。障害福祉では「返戻等一覧表」、介護保険では「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」と帳票名が違うので、後述の比較表で確認してください。エラーコードの読み方は障害福祉の返戻対応|エラーコード・原因・再請求で解説しています。

保留

国保連が請求を受け付けたものの、審査に必要な情報がそろわず、支払を一時止めている状態です。介護保険では居宅介護支援事業所の給付管理票が届いていない場合が典型で、保留期間内に給付管理票が届けば支払われます。返戻と違って事業所からの再請求は不要です。ただし保留期間(国保連ごとに異なる)を過ぎると返戻に変わり、再請求が必要になります。保留一覧は毎月確認し、ケアマネジャーに給付管理票の提出を依頼しましょう。

過誤(過誤申立・過誤調整) 【要注意:制度で違う】

いったん支払が確定した請求に誤りが見つかり、取り下げて請求し直す手続きです。事業所が市町村に「過誤申立書」を出し、市町村が国保連へ情報を送って取り下げが成立します。取り下げと再請求を別月に行う「通常過誤」と、同じ審査月に合わせて差額だけ調整する「同月過誤」があります。申立書の締切は市町村ごとに違うため、必ず確認してください。手順は障害福祉の過誤申立・過誤調整とはが詳しいです。介護保険側の手順は介護保険の過誤申立・過誤調整で解説しています。

月遅れ請求

サービス提供月の翌月10日に請求できなかった分を、その後の月に請求することです。返戻の再請求、受給者証の遅れ、請求漏れの追加などが該当します。通常の請求と同じ受付期間(毎月1日~10日)に送るため、特別な様式はありません。ただし請求権には時効があるので、未請求分は放置せず一覧で管理しましょう。土日と10日の関係は障害福祉の国保連請求の締切はいつ?で整理しています。介護保険の締切と入金日は介護保険の請求締切と月遅れ請求で確認できます。

時効 【要注意:制度で違う】

給付費を請求できる権利が消滅するまでの期間です。介護保険は介護保険法第200条により2年で、起算日はサービス提供月の翌々々月1日と案内されています。障害福祉の請求時効は原則5年です。返戻は時効を止めないため、返戻を放置している間も時効は進みます。未請求や返戻の放置が続くと、数年後にまとめて請求できなくなります。「請求漏れ台帳」を作り、月遅れ請求の期限を管理するのが実務の基本です。

電子請求受付システム

国保連へ請求データを送るための入口となるWebシステムです。総合窓口のサイトは共通ですが、介護保険と障害福祉は別の窓口・別のユーザID・別の電子証明書で運用します。請求の送信だけでなく、返戻や支払通知の帳票もここからダウンロードします。障害福祉側の利用開始から毎月の操作までは電子請求受付システム(障害福祉)完全ガイドで手順化しています。介護保険側の始め方は介護の電子請求受付システムの始め方を参照してください。

電子証明書

電子請求受付システムで事業所を本人確認するための電子的な証明書です。事業所用の発行手数料は介護保険・障害福祉とも7,800円(2026年9月時点)で、給付費の支払額から相殺されます。有効期間は発行から3年間です。代理人用や介護・障害共通の証明書は金額が異なります。有効期限切れやパソコン入れ替え時の未移行は、10日直前にログインできなくなる典型パターンです。トラブル時の切り分けは電子請求受付システムにログインできない!原因の切り分けを参照してください。

伝送

請求データをインターネット経由で国保連に送信することです。介護保険では国保中央会の「介護伝送ソフト」または市販ソフト、障害福祉では簡易入力システムや取込送信システムを使います。介護保険は伝送または電子媒体(CD-R等)が原則で、紙は例外です。障害福祉はインターネットによる電子請求が基本です。ソフトの選び方は介護請求ソフトの比較と選び方にまとめています。

体制届(介護給付費算定に係る体制等に関する届出)

どの加算・減算を算定するかを、あらかじめ指定権者に届け出る書類です。届出が受理されていない加算は、要件を満たしていても請求できず返戻になります。提出期限は訪問・通所系なら「算定開始月の前月15日まで」が基本で、サービス種別や自治体で異なります。障害福祉では「介護給付費等の算定に係る体制等に関する届出書」の名称で出します。開業直後の提出漏れが多いので、開業後はじめての国保連請求チェックリストで順序を確認してください。

運営指導(旧:実地指導)

指定権者が事業所を訪問し、人員・設備・運営基準と報酬請求の適正さを確認する行政指導です。請求に関しては、加算の算定要件を裏付ける記録があるかを重点的に見られます。要件を満たさない請求は「自主返還」や過誤調整の対象になります。流れと準備書類は実地指導(運営指導)とはを参照してください。

代理人請求

法人本部や請求代行業者など、事業所以外の者が代わりに国保連へ請求を送る仕組みです。障害福祉では事前に「代理人情報申請」と委任状の提出が必要で、代理人用の電子証明書を使います。複数事業所をまとめて請求する法人や、外注する事業所が使います。申請手順は代理人請求とは?障害福祉の国保連請求を代行業者・法人本部に任せる申請手順で解説しています。

介護保険の請求用語(ケアマネ・介護サービス事業所向け)

介護保険特有の19語です。介護保険では「居宅介護支援事業所(ケアマネ)の給付管理」と「サービス事業所の請求」を国保連が突き合わせます。この点が障害福祉との最大の違いです。

給付管理票

居宅介護支援事業所(ケアマネジャー。要支援者は地域包括支援センター等)が、利用者ごとに「どの事業所がどのサービスを何単位使ったか」をまとめて国保連に提出する帳票です。国保連はサービス事業所の明細書と給付管理票を突き合わせ、一致しない分を返戻・保留・減単位にします。提出は毎月10日までで、ケアマネの遅れは他事業所の入金遅れに直結します。突合の考え方は国保連請求の流れ(介護保険)の「給付管理票との不整合」を参照してください。記載例と修正の手順は給付管理票の書き方にまとめています。

居宅介護支援費

居宅介護支援事業所がケアプラン作成と給付管理を行った対価として請求する報酬です。利用者負担は原則なく、全額を国保連に請求します。要介護度と担当件数で区分が分かれ、給付管理票の提出が請求の前提になります。事業所の役割は居宅介護支援事業所とは?で確認できます。

区分支給限度基準額(限度額)

要介護度ごとに定められた、1か月に介護保険で使えるサービスの上限単位数です。限度額を超えた分は全額自己負担となり、保険請求はできません。ケアマネは限度額内でプランを組み、サービス提供票の別表で管理します。処遇改善加算など限度額管理の対象外となる加算もあり、施設サービスは限度額管理の対象外です。超過の判定は請求ソフトの計算結果を確認してください。

介護給付費明細書(様式第二~第十)

サービス種類ごとに定められた明細書の様式です。訪問介護・通所介護などの居宅サービスは様式第二、介護老人福祉施設は様式第八、介護老人保健施設は様式第九など番号で呼び分けます。利用者の被保険者番号、要介護度、認定有効期間、サービスコード、単位数を記載します。様式ごとに記載欄が異なるため、複数サービスを運営する法人は様式番号で帳票を管理すると混乱しません。欄ごとの記入例は介護給付費明細書・請求書の書き方で確認できます。

サービス提供票・提供票別表

ケアマネが月初に各事業所へ渡す「今月の予定表」で、別表には単位数と限度額管理の内訳が載ります。サービス事業所は提供票に実績を記入してケアマネに戻し、ケアマネはそれを基に給付管理票を作ります。提供票の予定と事業所の実績がずれたまま請求すると、給付管理票と明細書が一致せず返戻になります。

実績確定(実績報告)

月末にサービス事業所が当月の提供実績を確定し、ケアマネへ報告する作業です。一般に翌月1~3日ごろまでに提供票の実績欄を返し、ケアマネが給付管理票に反映します。キャンセルや追加訪問の反映漏れがそのまま返戻の原因になるため、実績確定のダブルチェックは請求業務の要です。

要介護認定・認定有効期間

市町村が利用者の介護の必要度を要支援1~要介護5に判定する手続きと、その判定が有効な期間です。明細書に記載する要介護度と認定有効期間が国保連の台帳と一致しないと返戻になります。新規申請や区分変更申請で結果が出ていない月は、認定が下りてから月遅れ請求する運用が一般的です。区分変更で要介護度が月途中で変わる場合は、変更日を境に算定する区分を分けます。要介護と要支援をまたぐ変更は様式が変わるため、明細書も分けます。

みなし2号

40~64歳の生活保護受給者で、医療保険に加入していないため介護保険の被保険者にならない人を指す実務用語です。介護サービスは生活保護の介護扶助として全額公費で給付され、被保険者番号は「H」から始まる番号を使います。請求は国保連経由ですが、公費の適用と負担割合の設定を誤ると返戻になります。福祉事務所の介護券を毎月確認しましょう。

公費併用

介護保険の給付に加えて、生活保護や特定疾患の医療費助成などの公費で自己負担分を賄う請求です。明細書に公費の法別番号・受給者番号・負担者番号を記載し、保険分と公費分を分けて計算します。公費の受給者番号の記載漏れや、公費の適用期間外の請求は返戻の定番です。介護券や受給者証の有効期間を台帳で管理してください。

同一建物減算

事業所と同一の建物や、同一敷地内・隣接する敷地内の建物に住む利用者へサービスを提供する場合に、報酬を減額する仕組みです。訪問系・通所系サービスで設定され、訪問介護では建物と利用者数によって減算率が変わります。減算の対象なのに適用せずに請求すると、運営指導で過誤調整の対象となります。利用者の住所と建物の関係は契約時に記録しておきましょう。

特定事業所加算

訪問介護や居宅介護支援などで、人員体制・研修・重度者対応が一定水準を満たす事業所に上乗せされる加算です。体制届の提出と、要件を裏付ける会議録・研修記録の保管が求められます。要件のうち1つでも欠けた月は算定できないため、毎月の要件確認を請求前の手順に組み込んでください。障害福祉の居宅介護等の要件は居宅介護等の特定事業所加算で整理しています。

介護職員等処遇改善加算

介護職員の賃金改善に充てることを条件に、所定単位数(基本報酬に加算・減算を反映した合計)に一定率を掛けて上乗せする加算です。計画書の提出、体制届、年度ごとの実績報告が必要で、賃金改善に使わなかった分は返還対象になります。令和8年(2026年)6月の臨時改定で拡充されました。計算方法と要件は処遇改善加算 完全ガイドで解説しています。

総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)

要支援者と事業対象者向けの訪問型・通所型サービスを、市町村が独自に実施する事業です。国保連経由で請求できる市町村が多い一方、サービスコードと単価を市町村ごとに定めているのが特徴です。市町村ごとのコード表を毎年度確認しないと、介護保険と同じ感覚で請求して返戻になります。請求の時効も介護給付とは扱いが異なる場合があるため、保険者に確認してください。

償還払い・受領委任

「償還払い」は利用者が費用を全額立て替え、後で市町村から払い戻しを受ける方式です。福祉用具購入費や住宅改修費が代表例です。「受領委任」は利用者が払い戻し分の受け取りを事業所に委任し、自己負担分だけを払う方式です。市町村が認めた事業所のみ使えます。代理受領との違いは代理受領とはで整理しています。

高額介護サービス費

1か月の自己負担額が所得に応じた上限を超えた場合に、超えた分が市町村から利用者に払い戻される制度です。事業所が請求業務で直接扱う帳票はありませんが、利用者から「自己負担が高すぎる」と相談されたときに案内できると信頼につながります。上限額は所得区分ごとに定められているため、市町村の案内で確認してください。

負担割合証

利用者の自己負担割合(原則1割、所得により2割・3割)を示す証書で、市町村が毎年発行します。明細書の負担割合と証書が一致しないと返戻や過誤の原因になります。毎年8月に切り替わるため、8月サービス分の請求前に全利用者の割合を確認するのが定番の手順です。2割負担の対象拡大の議論は2027年度の介護保険制度改正|2割負担・ケアプラン有料化の現在地を参照してください。

ケアプランデータ連携システム

居宅介護支援事業所とサービス事業所の間で、サービス提供票などをクラウド上で電子的にやりとりする基盤です。国保中央会が運用し、FAXや手入力の転記ミスを減らすことで返戻の抑制にもつながります。令和9年(2027年)1月に介護WEBサービスへ移行する予定で、移行後は利用料がかからない見込みです。導入手順はケアプランデータ連携システムの導入率が5割超にでまとめています。

介護WEBサービス(介護保険資格確認等WEBサービス)

国保中央会が提供するWebサービスで、被保険者の資格情報の確認と、ケアプランデータ連携の機能が統合される予定の基盤です。2027年1月からケアプランデータ連携システムがこのWEB画面へ移行します。資格確認がオンラインでできれば、認定情報の不一致による返戻を請求前に潰せます。移行の要点はケアプランデータ連携システムの2027年1月移行を参照してください。

LIFE(科学的介護情報システム)

利用者の状態やケアの内容を国に提出し、フィードバックを受けるシステムです。科学的介護推進体制加算など「LIFE関連加算」の算定要件になっており、提出が遅れると加算が算定できません。2026年5月に運用が国保中央会へ移管されました。加算の要件は科学的介護推進体制加算(LIFE加算)とは?で解説しています。

障害福祉の請求用語(放デイ・児発・GH・就労系事業所向け)

障害福祉特有の21語です。障害福祉は「受給者証に書かれた支給決定」と「実績記録票」が請求の根拠になり、給付管理票の代わりに上限額管理という仕組みがあります。

受給者証(障害福祉サービス受給者証・通所受給者証)

市町村が発行する、利用者が受けられるサービスの種類・支給量・負担上限月額を記載した証書です。請求内容はすべて受給者証の記載と一致している必要があり、有効期間外の請求は返戻になります。更新が遅れると翌月の請求ができない事態になるため、期限の2か月前から更新状況を追いかけましょう。対処法は受給者証の更新が間に合わない・期限切れ月の請求はどうなる?で解説しています。記載事項の見方は受給者証の見方にまとめています。

支給決定・支給量・契約支給量

「支給決定」は市町村がサービスの利用を認める処分、「支給量」は認められた月あたりの日数や時間です。「契約支給量」は、その支給量のうち自事業所が契約で引き受ける分で、受給者証の事業者記入欄に記載します。契約支給量を超えた請求は返戻になります。訪問系の考え方は居宅介護・重度訪問介護の請求を参照してください。

障害支援区分

市町村が18歳以上の利用者の支援の必要度を区分1~6で判定したものです。生活介護や施設入所支援では、区分によって基本報酬の単位数が変わります。受給者証に記載された区分と明細書の区分が一致しないと返戻の原因になります。区分と報酬の関係は生活介護の請求|障害支援区分・サービス提供時間区分で解説しています。

利用者負担上限月額

利用者が1か月に負担する自己負担の上限額で、世帯の所得区分に応じて市町村が決定し受給者証に記載します。生活保護・低所得は0円、課税世帯は所得に応じた額です。事業所は原則1割の利用者負担を上限額の範囲で徴収し、残りを国保連へ請求します。区分と金額は障害福祉の利用者負担上限額管理を参照してください。

上限額管理(上限額管理事業所・上限額管理結果票) 【要注意:制度で違う】

複数の事業所を利用する人の自己負担が上限月額を超えないよう、代表の事業所が調整する仕組みです。上限額管理事業所は他事業所から利用者負担額を集めます。そして「利用者負担上限額管理結果票」を作り、翌月10日までに国保連へ送ります。管理事務を行った月は上限額管理加算(月1回・150単位)を算定できます。介護保険の給付管理票に相当する「事業所間の突合」の役割を担う帳票です。手順は上限額管理のやり方・上限管理加算・他事業所連携が詳しいです。

サービス提供実績記録票(実績記録票)

利用者ごとに、日付・提供時間・加算の有無・利用者の確認印などを記録する帳票で、明細書の根拠になります。サービス種別ごとに様式番号(居宅介護は様式1、重度訪問介護は様式3-1、同行援護は様式19など)が決まっています。明細書の提供量が実績記録票を超えると返戻(エラーコードPQ84など)になります。書き方はサービス提供実績記録票の書き方|様式1・3-1・19の記入例を参照してください。

契約内容報告書

利用者と契約を結んだ、または契約内容を変更したときに、契約支給量などを市町村へ報告する書類です。受給者証の事業者記入欄に記載した内容と一致させます。報告が遅れると市町村の台帳が更新されず、国保連の審査で受給者情報の不一致として返戻になります。提出期限と記入例は契約内容報告書の書き方・提出期限・記入例で解説しています。

介護給付費・訓練等給付費等明細書

障害福祉の請求で利用者ごとに作る明細書の正式名称です。介護保険の「介護給付費明細書」と名前が似ていますが、様式も記載欄も別物です。受給者証番号、サービスコード、利用日数、上限月額、利用者負担額を記載します。返戻になりやすい欄は介護給付費・訓練等給付費等明細書の書き方で確認できます。

簡易入力システム

国保中央会が無償で提供する障害福祉の請求ソフトです。実績記録票と明細書を画面で入力し、そのまま電子請求受付システムへ送信できます。無料である反面、利用者台帳や実績管理の機能は最小限で、事業所数が増えると手入力の負担が大きくなります。操作手順は簡易入力システムの使い方でまとめています。

取込送信システム

市販の請求ソフトで作成した請求データ(CSV)を取り込み、国保連へ送信するための無償ソフトです。簡易入力システムが「入力+送信」なのに対し、取込送信システムは「送信専用」と覚えると整理しやすいです。市販ソフトを使う事業所は、ソフト側の出力形式が取込送信システムに対応しているかを確認してください。ソフトの選び方は障害福祉の国保連請求ソフトの選び方を参照してください。

一次審査・二次審査(警告)

国保連が機械的に行う点検が「一次審査」、市町村が支給決定内容と照らして行う点検が「二次審査」です。一次審査で判断できない項目は「警告」として市町村に送られます。警告は原則として支払われますが、市町村が二次審査で返戻とする場合があります。警告は支払われるからと放置せず、翌月以降に過誤や返戻に変わる可能性を踏まえて原因を確認しましょう。警告と返戻の違いは返戻対応(エラーコード・原因・再請求)で整理しています。

返戻等一覧表・一次審査処理結果票

障害福祉で返戻や警告を確認するための2種類の帳票です。「返戻等一覧表」は支払われなかったエラーの一覧、「一次審査処理結果票」は支払われるが確認が必要な警告の一覧です。どちらも電子請求受付システムからダウンロードし、請求した月の翌月1日ごろに確認できます。毎月の確認手順は国保連請求 完全ガイド(月次チェックリスト付)に組み込まれています。

体制届の15日ルール

加算の算定開始には、算定開始月の前月15日までに体制届が受理されている必要がある、という実務上の目安です。16日以降に提出すると算定開始が1か月ずれる自治体が多く、届出漏れの加算は返戻になります。開業直後は指定日と同時に体制届を出すのが基本です。順序は開業後はじめての国保連請求チェックリスト|電子証明書・体制届から初回請求までで確認してください。障害福祉の年間の届出期限は障害福祉の請求カレンダーにまとめています。

サビ管・児発管

サビ管(サービス管理責任者)は成人向け、児発管(児童発達支援管理責任者)は児童向けの、個別支援計画を作る責任者です。配置が欠けると人員欠如減算や個別支援計画未作成減算に直結するため、請求担当も在籍状況を把握しておく必要があります。2026年6月からは欠如減算に猶予特例が設けられました。違いは児発管とサビ管の違いとは?で比較しています。

個別支援計画

サビ管・児発管が利用者ごとに作成する支援計画で、原則6か月ごとの見直しが求められます。計画がない、または同意・交付の記録がない期間は「個別支援計画未作成減算」の対象になります。運営指導では計画の日付とサービス提供日の前後関係を必ず見られます。書き方は個別支援計画の書き方|記入例・作成の流れと未作成減算を防ぐ運用を参照してください。

加算(代表例)

基本報酬に上乗せされる報酬で、体制届を出した加算のみ請求できます。放デイ・児発では送迎加算、欠席時対応加算、延長支援加算、就労系では就労移行支援体制加算などが代表例です。加算ごとに実績記録票への記載欄と保管すべき記録が決まっています。取得しやすい順の整理は障害福祉サービスの加算一覧【2026年版】が参考になります。

減算(代表例)

基準を満たさない場合に基本報酬から差し引かれる仕組みです。人員基準欠如減算、個別支援計画未作成減算、定員超過利用減算が代表例です。ほかにBCP未策定減算、虐待防止措置未実施減算、情報公表未報告減算があります。減算を適用せずに請求すると運営指導で返還を求められます。人員欠如の特例は人員基準欠如減算に3ヵ月の猶予特例で解説しています。

多機能型

児童発達支援と放課後等デイサービスなど、複数のサービスを1つの事業所で一体的に運営する形態です。指定は各サービスごとに受け、請求もサービスごとに分けて行います。定員や人員は合算で見る一方、明細書はサービス別に作るため、利用者がどちらのサービスで通ったかの記録が請求の分かれ目になります。開業時の設計は児童発達支援の開業ガイド|指定基準・児発管・多機能型を参照してください。請求の分け方は多機能型事業所の請求で解説しています。

日中一時支援

障害のある人の日中の一時的な見守りを提供する、市町村の地域生活支援事業の1つです。原則として市町村が定める方法で請求し、単価や様式も市町村ごとに異なります。放デイと同日に利用する場合の扱いも市町村判断です。請求手順は日中一時支援の請求と単価【2026年】でまとめています。

地域生活支援事業(市町村請求)

移動支援・日中一時支援・日常生活用具給付など、市町村が地域の実情に応じて実施する事業の総称です。障害福祉サービスの国保連請求とは別枠で、市町村が定めた方法で請求します。市町村に直接請求する地域が多い一方、神奈川県のように国保連のシステムを経由する地域もあります。締切や支払日も市町村ごとに違うため、国保連請求とは別のカレンダーで管理する必要があります。国保連との違いは地域生活支援事業の請求 完全ガイドで整理しています。

福祉・介護職員等処遇改善加算(障害福祉)

障害福祉の職員の賃金改善を目的に、所定単位数に一定率を掛けて上乗せする加算で、介護保険の処遇改善加算と同じ考え方です。計画書と体制届の提出、年度末の実績報告が必要です。介護保険と障害福祉を併設する法人は、それぞれ別々に届出と報告が必要な点に注意してください。要件は障害福祉の福祉・介護職員処遇改善加算を参照してください。

介護保険と障害福祉で意味・運用が違う言葉(比較表)

同じ言葉でも、介護保険と障害福祉では帳票名や締切後の扱い、時効が異なります。両制度を併設する法人や、片方から転職してきた担当者がつまずきやすい語を表にまとめました。市町村で運用が異なる項目は「要確認」としています。

用語 介護保険 障害福祉
返戻を確認する帳票 請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表(保留もここに載る) 返戻等一覧表(警告は一次審査処理結果票)
過誤の申立先 保険者(市町村)に介護給付費過誤申立書を提出(締切は保険者ごとに異なる) 支給決定を行った市町村に過誤申立書を提出(締切は市町村ごとに要確認)
請求の締切 毎月1日~10日(前月提供分)。10日が土日祝でも締切は延びない(締切時刻・窓口対応は国保連ごとに違う) 毎月1日~10日(前月提供分)。10日が土日祝でも原則そのまま
入金の目安 請求した月の翌月(提供月の翌々月)。支払日は国保連ごとに違う(東京都は原則23日、神奈川県・愛知県は原則25日など) 請求した月の翌月15日ごろが目安(国保連の年間カレンダーで確認)
事業所間の突合 給付管理票(居宅介護支援事業所・地域包括支援センター等が提出) 利用者負担上限額管理結果票(上限額管理事業所が提出)
利用者の資格を示す証書 介護保険被保険者証+負担割合証 受給者証(障害児は通所受給者証。支給量・上限月額を記載)
請求の根拠となる記録 サービス提供票の実績+サービス提供記録 サービス提供実績記録票(様式1・3-1・19など)
請求時効 2年(介護保険法第200条。起算日はサービス提供月の翌々々月1日) 原則5年
国保中央会の請求ソフト 介護伝送ソフト(有償) 簡易入力システム・取込送信システム(無償)
体制届の提出先 指定権者(都道府県・指定都市・中核市。地域密着型・居宅介護支援は市町村) 指定権者(都道府県・指定都市・中核市など。サービス種別で異なる)

表の内容は2026年9月時点の一般的な運用です。締切日と支払日は各都道府県の国保連が年間カレンダーで公表しているため、自事業所の都道府県の日程を必ず確認してください。

よくある質問

「返戻」と「過誤」は何が違うのですか?

返戻は、国保連の審査で支払われずに差し戻された請求です。事業所は翌月1日~10日の受付期間に修正して再請求します。過誤は、いったん支払が確定した請求に誤りがあった場合の取り下げ手続きで、市町村への申立が必要です。「まだ支払われていない」なら返戻、「もう支払われた」なら過誤、と覚えると整理しやすいです。

介護保険の「給付管理票」と障害福祉の「上限額管理結果票」は同じものですか?

役割は似ていますが別物です。給付管理票はケアマネジャーが利用者の全サービスの単位数をまとめる帳票で、国保連がサービス事業所の明細書と突き合わせます。上限額管理結果票は、複数事業所を使う利用者の自己負担が上限月額を超えないよう調整した結果を示す帳票です。どちらも「他事業所の請求と整合しているか」を国保連が確認する材料になる点は共通です。

介護保険と障害福祉の両方を運営しています。用語を混同しないコツはありますか?

帳票名と申立先を制度ごとに分けた「請求カレンダー」を1枚にまとめるのが有効です。この記事の比較表をベースに、自事業所の都道府県の締切・支払日と、市町村の過誤申立書の締切を書き込んでください。担当者が交代しても引き継げるよう、用語の意味と参照先リンクを社内マニュアルに転記しておくと属人化を防げます。

まとめ|請求担当が最初に押さえる5つのこと

  • 締切は介護保険・障害福祉とも毎月10日。返戻は翌月10日に再請求、過誤は市町村に申立と覚える。
  • 介護保険は「給付管理票との突合」、障害福祉は「受給者証・実績記録票との一致」が返戻を左右する。
  • 加算は体制届が受理されて初めて請求できる。提出期限は算定開始月の前月15日が基本。
  • 返戻一覧・支払決定額通知書・保留一覧は毎月ダウンロードし、入金額と突き合わせる。
  • わからない用語はこの記事のリンク先で確認し、社内マニュアルに定義と参照先を転記して属人化を防ぐ。

用語を覚えても、毎月の請求作業そのものは減りません。返戻の原因調査や再請求、上限額管理の調整に時間を取られている事業所は、請求代行に任せる選択肢があります。障害福祉の事業所はWITH福祉の詳細を見るから確認してください。障害福祉専門の請求代行で、導入約1,200事業所・毎月20,000件以上・全国47都道府県に対応し、FAXで完結します。

介護保険の事業所はWITH介護の詳細を見るから確認してください。介護保険専門の請求代行で、約1,000事業所・毎月約20,000件の実績があります。実績をFAXで送るだけで、返戻原因の調査から再請求まで対応します。どちらも請求事務の負担を約90%削減することを目指したサービスです。

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