介護保険の過誤申立・過誤調整とは|同月過誤と通常過誤の違い・申立書の書き方・期限【2026年版】

この記事は、介護保険サービス(訪問介護・通所介護・老健・特養・居宅介護支援など)の請求担当者・管理者向けです。国保連(国民健康保険団体連合会)から支払われた介護給付費に誤りが見つかったときの記事です。「どこに、何を出して、いつ再請求すればよいのか」に答えます。障害福祉サービスの過誤は制度が別です。障害福祉版は障害福祉の過誤申立・過誤調整とは|やり方・期限・再請求の手順をご覧ください。

結論から言うと、支払済みの請求を直す手続きは「過誤申立」です。国保連ではなく、利用者の保険者(市区町村)に「介護給付費過誤申立書」を提出します。保険者が国保連へ申し立て、国保連が翌月以降の支払額から取下げ分を差し引きます(過誤調整)。締切は保険者ごとに異なり、毎月15日・20日・月末などまちまちです。介護給付費の請求権は2年で時効を迎え(介護保険法第200条)、起算日はサービス提供月の翌々々月1日と案内されています。過誤を経た再請求の時効の扱いは保険者で異なるため、事前に確認が必要です。

この記事では、返戻との違い、4ステップの流れ、同月過誤と通常過誤の使い分けを先に解説します。続けて、申立事由コードの組み立て方、締切と時効、給付管理票の修正、運営指導後の自主返還まで順に見ていきます。毎月の請求の全体像は【介護保険】国保連請求の流れと毎月10日締切|返戻の原因と対処までで整理しています。

記事でわかること

介護保険の過誤とは|返戻との違いと「過誤申立」「過誤調整」の使い分け

介護保険の「過誤」とは、支払済みの請求明細書に誤りがあったとき、その請求をいったん取り下げる手続きです。対象は国保連の審査で確定し、すでに支払われた分です。福岡県国保連の説明は次のとおりです。「審査確定した内容に誤りがあった場合に、事業所から保険者に過誤申立をして、給付実績を取り下げる処理」。ポイントは3つです。対象は「支払済み」の明細書であること。申立先は国保連ではなく「保険者」であること。取り下げた分は次の支払から差し引かれることです。

返戻との違い|審査前に戻るのが返戻、支払後に取り下げるのが過誤

返戻と過誤は、起きるタイミングが違います。返戻は、国保連の審査でエラーとなり、支払われる前に事業所へ戻される状態です。修正して翌月以降の10日までに再提出すれば済み、保険者への申立は不要です。過誤は、審査を通過して支払われた後に誤りが分かった場合の手続きです。すでに支払われているため、保険者経由で取り下げないと直せません。

区分 返戻 過誤
発生する時点 国保連の審査中(支払前) 審査確定・支払後
お金の動き 支払われていない 支払済み分を次回支払から差し引く
手続き先 国保連へ修正データを再提出 保険者へ過誤申立書を提出
保険者の関与 不要 必要(保険者が国保連へ申し立てる)
再請求の時期 翌月以降の10日まで(時効の範囲内) 過誤決定後(同月過誤なら同じ月)

厚木市は「返戻や保留となっているデータは過誤申立ができません」と明記しています。返戻・保留の明細書に過誤申立をしても受理されません。国保連からの通知で、その請求が「支払確定」なのか「返戻・保留」なのかを先に確認してください。

「過誤申立」と「過誤調整」の使い分け

2つの用語は、行為の主体で整理すると分かりやすくなります。事業所(または保険者)が「この請求を取り下げてほしい」と申し立てる手続きが過誤申立です。国保連が申立を受けて、支払額から取下げ分を差し引く処理が過誤調整です。障害福祉版の記事で確認した整理と同じ考え方が、介護保険でもそのまま使えます。国保連から届く「介護給付費過誤決定通知書」には、この調整結果が載っています。

過誤申立の流れ|事業所→保険者→国保連→再請求の4ステップ

過誤申立は4段階で進みます。事業所が保険者に申立書を出し、保険者が国保連に申し立てます。国保連が翌月以降の支払で調整し、事業所が再請求します。京都府国保連の案内では、保険者が毎月20日まで(同月過誤は5日まで)に国保連へ過誤申立書を提出します。国保連は過誤決定通知書で、事業所と保険者に結果を通知します。

ステップ 誰が 何をする 実務のポイント
1 誤りの発見 事業所 支払済み明細書の誤りを特定し、保険者に連絡 複数月・複数利用者に及ぶか先に洗い出す
2 過誤申立 事業所→保険者 介護給付費過誤申立書を保険者に提出 締切・提出方法(電子申請など)は保険者ごとに異なる
3 国保連への申立と調整 保険者→国保連 保険者が国保連に過誤を申し立て、国保連が翌月以降の支払で差し引く 結果は「介護給付費過誤決定通知書」で届く
4 再請求 事業所→国保連 正しい内容の明細書を国保連に再提出 通常過誤は取下げ確定後、同月過誤は取下げと同じ審査月

通知を確認してから再請求する

通常過誤では、過誤決定通知書で取下げが確定してから再請求するのが原則です。取下げが確定する前に同じ内容を再請求すると、国保連の審査で重複として返戻されます。福岡県国保連も「過誤決定通知書確認後に再請求が可能」としています。同月過誤だけは例外で、取下げと再請求を同じ月の審査に載せます(次章)。

保険者への「事前連絡」も、多くの保険者・国保連が求めています。京都府国保連は「保険者により申立方法が異なるため保険者に連絡のうえ確認」と案内しています。件数が多い場合はなおさらです。江東区は50名を超える場合、港区は100件を超える場合に事前相談やExcel添付を求めています。

同月過誤と通常過誤の違い|どちらを選ぶかの判断基準

過誤には「通常過誤」と「同月過誤」の2種類があります。違いは、取下げと再請求を別の月に処理するか、同じ月に処理するかです。資金繰りへの影響が大きく変わるため、申立前に必ず選びます。

項目 通常過誤 同月過誤
処理の順番 先に全額を取り下げ、確定後(翌月以降)に再請求 取下げと再請求を同じ審査月で処理
支払額への影響 取下げ月は申立分の全額が差し引かれる 取下げ分と再請求分が相殺され、差額のみ調整
再請求の時期 過誤決定後。京都府国保連の案内では翌々月に再請求が標準 保険者の締切までに申立し、保険者が示す審査月の10日までに再請求(江東区は締切の翌月10日)
向いているケース 取下げのみで再請求しない/件数が少ない 再請求を伴う/件数が多く入金の落ち込みを避けたい
受付の条件 基本的にどの保険者でも可 保険者との事前調整が必要。申立書に「同月過誤」と明記する保険者もある

同月過誤の仕組み

江東区の説明では、同月過誤は「国保連合会が過誤申立と再請求の審査を同時におこなう処理」です。取下げ分と再請求分が相殺されるため、事業所の一時的な負担が軽くなります。例えば、100,000円の請求を取り下げ、正しくは95,000円だったとします。通常過誤では過誤処理月の入金が100,000円減り、再請求分の95,000円はその後の支払で入ります。同月過誤なら差額の5,000円だけが差し引かれます。

通常過誤になる場合

江東区の案内はこうです。「再請求をおこなわない場合は通常過誤となり、過誤申立をおこなった給付費全額が介護報酬から減額される」。サービス提供の実態がなく取り下げるだけのケースは通常過誤です。同月過誤を選んだのに、保険者が示す期限(江東区なら翌月10日)までに再請求が間に合わないと、結果的に全額が差し引かれます。福岡県国保連は「同月過誤の場合は必ず同月に再請求を実施」と注意しています。

保険者によって受付の可否や締切が異なる

同月過誤の扱いは保険者ごとに差があります。京都府国保連は「必ず保険者と連絡調整し、申立書には『同月過誤』と記入」を求めています。同月過誤に対応しない、または件数に条件を付ける保険者もあります。自施設の利用者の保険者が複数ある場合は、保険者ごとに確認が必要です。

過誤申立書の書き方|記入項目と申立事由コードの組み立て

過誤申立書の正式名称は「介護給付費過誤申立書」です。総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)は別様式の保険者があります。富山県国保連は「介護予防・日常生活支援総合事業費過誤申立書」を分けています。様式は保険者のホームページからExcelで入手します。藤沢市(令和7年(2025年)2月から)や江東区(令和7年(2025年)11月から)のように、電子申請のみで受け付ける保険者もあります。

記入項目

保険者の様式で項目名は多少異なりますが、記入する情報は共通です。

  • 申立年月日、保険者名・保険者番号
  • 事業所番号(10桁)、事業所名、担当者名・連絡先
  • 被保険者番号(10桁)、被保険者氏名
  • サービス提供年月(取り下げる明細書の対象月)
  • 様式番号(サービス種類に対応する明細書様式)
  • 申立事由コード(4桁)
  • 単位数(取り下げる明細書の請求単位数)
  • 通常過誤/同月過誤の別(保険者により記入欄または備考)

港区は「被保険者番号は10桁で頭3桁が『000』の場合のみ対象」としています。頭が「H」で始まる番号(生活保護の単独請求など)は福祉事務所が窓口です。障害福祉サービスは障害担当課へ、と窓口が分かれます(江東区・世田谷区)。

申立事由コード|「様式番号(前2桁)+申立理由番号(後2桁)」

申立事由コードは4桁です。前2桁がサービスの様式番号、後2桁が申立理由番号です。例えば、訪問介護の請求誤りで通常過誤なら「10」+「02」で「1002」です。南相馬市が公開する「介護給付費過誤申立事由コード一覧表」から、主なものを示します。

様式番号(前2桁) 対象サービス(明細書様式)
10 居宅サービス(訪問介護・通所介護など)
11 介護予防サービス
21/22/23 短期入所生活介護/老健の短期入所療養介護/病院・診療所の短期入所療養介護
30/32/34 認知症対応型共同生活介護/特定施設入居者生活介護/認知症GHの短期利用
40/41 居宅介護支援/介護予防支援
50/60/70 介護老人福祉施設/介護老人保健施設/介護療養型医療施設
申立理由番号(後2桁) 申立理由 使う場面
02 請求誤りによる実績取下げ 事業所の請求誤り(通常過誤)。最も多い
12 請求誤りによる実績取下げ(同月) 事業所の請求誤り(同月過誤)
01 台帳誤り修正による保険者申立の過誤調整 保険者側の受給者台帳の誤り
09 時効による保険者申立の取下げ 保険者が時効を理由に取り下げる
32 給付管理票取消による実績の取下げ 国保連のみが設定。申立書には書かない(過誤決定通知書にだけ表示)
42/49 適正化による保険者申立の過誤取下げ(49は同月) 給付適正化・指導等に伴う保険者申立
99 その他の事由による実績の取下げ 柏市の一覧では保険者・公費負担者から設定しないとされる。使う前に保険者に確認

事業所が自分の請求誤りを直す場合は、ほとんどが「02」か「12」です。厚木市も「申立理由番号は基本は『02』の請求誤り」と案内しています。申立理由番号の区分は保険者で異なることがあります。例えば柏市の一覧(平成27年(2015年)5月審査分から)は、適正化の42~47を点検の種類別に細かく分けています。介護医療院や総合事業など、この表にない明細書の様式番号も含め、必ず保険者が配布している一覧で確認してください。

記入例|老健で加算を誤って算定していたケース

老健(様式番号60)の例です。令和8年(2026年)6月提供分の加算を誤って算定し、8月に支払を受けたとします。正しい単位数で再請求するので、同月過誤を保険者と調整して申し立てます。申立事由コードは「60」+「12」で「6012」です。サービス提供年月は「令和8年6月」、単位数は取り下げる明細書の請求単位数(誤った単位数)を書きます。保険者の締切までに申立書を出し、保険者が示す審査月の10日までに正しい明細書を再請求します。通常過誤で申し立てるなら「6002」です。

過誤申立の締切と再請求の期限|保険者ごとの締切例と時効2年

過誤申立の締切は全国一律ではありません。保険者が国保連へ申し立てる期日から逆算して、各保険者が独自に決めています。過誤調整は、保険者の締切に間に合った月の翌月に国保連で処理されるのが一般的です。

保険者ごとの締切例(2026年9月時点の各公式ページ)

保険者・国保連 締切 備考
東京都港区 毎月20日午後5時(土日祝は前開庁日) 電子申請・窓口・郵送。FAX不可
東京都江東区 毎月20日(12月と2月は15日。土日祝は前日) 電子申請のみ。同月過誤は締切までに提出すれば翌月10日の再請求で差額調整
東京都世田谷区 月ごとに指定(令和8年度は4月21日・5月20日など) 4月処理分は過誤処理5月、決定通知6月
神奈川県藤沢市 審査月翌月の末日(4月審査分は5月31日) 電子申請のみ。1ファイル50件まで
神奈川県厚木市 毎月月末(土日祝は前日) 1月末までの提出分は2月に再請求可
富山県国保連(県内保険者向け) 毎月15日までに利用者の保険者へ提出 国保連が県内共通の目安を案内

同じ都内でも締切は違います。締切を1日過ぎると処理が1か月遅れ、通常過誤なら入金の落ち込みも1か月ずれます。利用者の保険者ごとに締切を一覧化し、請求カレンダーに入れておくのが実務の基本です。

再請求の期限|時効は2年、起算日はサービス提供月の翌々々月1日

介護給付費を請求できる権利は、2年で時効消滅します(介護保険法第200条)。起算日は「サービスを提供した日の属する月の翌々々月の1日」です(茨城県国保連の資料「介護報酬の請求に係る消滅時効について」)。港区も「サービス提供日の属する月の翌々々月の1日から2年以内」に再請求を伴う過誤に対応する、と案内しています。例えば令和6年(2024年)4月提供分は、令和6年7月1日が起算日で、令和8年(2026年)6月30日で時効を迎えます。

時効を過ぎた明細書は、過誤を経ていない請求なら国保連の審査で「時効による却下」として返戻されます。一方、過誤で取り下げた後の再請求は、時効でもいったん支払決定されます。その後、保険者が事業所に連絡して取り下げる扱いです(岩手県国保連が掲載する厚生労働省事務連絡)。

過誤を経た再請求の時効は、資料によって扱いが異なります。茨城県国保連の資料は、過払いを直すための再請求を返還手続きの一部とみなし、請求権の2年を考慮する必要はないとしています。一方、港区は再請求を伴う過誤を「翌々々月の1日から2年以内」に限っています。2年を過ぎた月を過誤で直すときは、申立前に保険者へ扱いを確認してください。過去分の算定漏れをまとめて増額再請求する場合は、古い月から時効が迫ります。過誤申立の処理月と再請求月を逆算し、時効を過ぎる月がないか先に確認してください。なお、保険者が事業所に返還を求める権利(過払い分)の時効は5年です(地方自治法第236条)。事業所の請求権より長い点に注意が必要です。

給付管理票の修正が必要なケース|ケアマネと連携する

居宅サービスの請求は、給付管理票と突合して審査されます。給付管理票はケアマネ(介護支援専門員)が提出します。事業所の明細書だけ直しても、給付管理票と合わなければ再請求は返戻になります。誤りの内容によって、給付管理票の修正が必要かどうかが分かれます。

誤りの内容 給付管理票の修正 事業所の過誤申立
加算の算定誤り(サービス種類・日数・単位数は給付管理票と一致) 不要な場合が多い 必要
サービス提供日数・単位数の誤り(給付管理票の単位数を超える等) 必要(ケアマネが「修正」で再提出) 必要(給付管理票の修正と順番を調整)
給付管理票の単位数不足で減額査定された 必要(修正で再審査・差額調整) 不要な場合がある(再審査で調整)
利用実態がなく給付管理票ごと取り消す 取消 自動的に過誤処理される

大阪府国保連の資料の手順はこうです。サービス事業所が「介護保険審査増減点通知書」で給付管理票の誤りに気づきます。すると、居宅介護支援事業所が「給付管理票(修正)」を国保連に提出します。修正箇所だけでなく、すべての正しいサービス内容を作成して出す必要があります。国保連が再審査して差額を調整し、「介護給付費再審査決定通知書」で通知します。この場合、事業所の過誤申立を経ずに調整されることがあります。

注意したいのは、給付管理票の「取消」です。給付管理票を取り消すと、居宅介護支援費と、その利用者のすべてのサービス事業所の請求が自動的に過誤処理されます。他事業所の入金にも影響するため、取消は最後の手段です。同じ審査月に、同じ利用者・同じ提供月の給付管理票修正と過誤が重なると、過誤が優先されて給付管理票は返戻になります(福岡県国保連)。大阪市も、過誤と同じ審査月に給付管理票の修正は提出できないと案内しています。ケアマネと「どちらを先に出すか」を決めてから動いてください。

運営指導で自主返還を求められた場合の過誤

運営指導(旧実地指導)で算定誤りを指摘された場合も、返還の手段は過誤申立です。厚生労働省の「介護保険施設等運営指導マニュアル」(令和6年7月改訂)を見てみます。マニュアルは「偽りその他不正の行為」と「制度の理解不足等による単なる誤り」を区別しています。誤りと判断された場合は、事業所が自己点検したうえで過誤調整を行うよう指導されます。マニュアルは、これは行政指導であり、従わなかったことのみを理由に不利益処分はできない、とも明記しています。

実務では、指定権者から「自主点検の結果と返還額の報告」を求められ、期限内に報告書を提出します。返還対象の月ごと・利用者ごとに過誤申立書を作成し、保険者に提出します。自主返還は取下げのみで再請求しないケースが多く、通常過誤で申し立てるのが基本です。加算の一部要件だけ欠けていた場合は、正しい単位数で再請求する同月過誤を保険者と調整することもあります。

指導に伴う過誤は、保険者が申立事由コードを指定することがあります。一覧表には「適正化による保険者申立の過誤取下げ(42/49)」の区分があり、保険者側で申し立てる運用もあります。自主返還でどのコードを使うかは保険者で運用が異なるため、指定権者・保険者の指示に従ってください。返還額がその月の審査決定額を上回ると、国保連から納付書が届き、期日までに支払う扱いになります(藤沢市の案内)。運営指導の準備全般は実地指導(運営指導)とは|流れ・確認書類・対策で解説しています。体制要件の未整備が遡って減算・返還につながる例もあります。高齢者虐待防止措置未実施減算については介護事業者の高齢者虐待防止|4つの義務措置・1%減算・通報・研修を参照してください。

よくある誤りと運営指導・審査での指摘

過誤で手戻りが起きるパターンは決まっています。代表的な5つを挙げます。

  • 返戻・保留中の明細書に過誤申立を出す。過誤の対象は支払確定分だけなので受理されません。
  • 過誤決定通知書を待たずに再請求する。取下げ前の再請求は重複として返戻になります。
  • 同月過誤で申し立てたのに、同じ審査月の再請求(10日締切)が間に合わない。全額が差し引かれ、入金が落ち込みます。
  • 給付管理票を直さずに事業所の明細書だけ再請求する。給付管理票との不一致で返戻になります。
  • 申立事由コードの様式番号を誤る(予防給付なのに「10」を使う等)。保険者で差し戻されます。

運営指導では、過誤の履歴そのものも確認されます。同じ加算で過誤を繰り返している場合、算定要件の理解不足として指摘されやすくなります。過誤申立書の控え、過誤決定通知書、再請求の明細書は利用者ごとに綴り、原因と再発防止策をメモしておいてください。過誤の件数が毎月減らない場合は、請求ソフトの設定やチェック体制の見直しが必要です。

よくある質問(FAQ)

過誤申立は国保連に直接出せますか?

出せません。介護保険の過誤申立は、利用者の保険者(市区町村)に提出します。保険者が国保連に申し立て、国保連が支払額を調整します。国保連は事業所からの申立書を受け付けていません。

過誤申立をしてからお金が戻るまで、どのくらいかかりますか?

通常過誤では、締切に間に合った月の翌月審査で全額が差し引かれます。再請求分は翌々月以降に支払われます。京都府国保連は通常過誤の再請求を翌々月が標準としています。同月過誤なら差額調整のため入金の落ち込みは差額分だけです。世田谷区の例では、4月処理分の過誤処理が5月、決定通知が6月です。

数か月前の算定漏れをまとめて増額再請求できますか?

できます。支払済みの明細書に加算を追加する場合も、いったん過誤で取り下げて正しい単位数で再請求します。同月過誤を使えば、増額分だけが上乗せされます。ただし請求権の時効はサービス提供月の翌々々月1日から2年です。2年を過ぎた月の扱いは保険者に確認し、古い月から順に時効を確認してください。

過誤申立書の単位数欄には、正しい単位数と誤った単位数のどちらを書きますか?

取り下げる明細書に記載した単位数(すでに支払われた単位数)を書くのが基本です。正しい単位数は再請求の明細書に反映します。ただし欄の定義は保険者の様式で異なる場合があるため、記入例で必ず確認してください。

利用者が亡くなった後に請求誤りが分かった場合も過誤できますか?

できます。過誤は支払済みの明細書に対する手続きなので、利用者の生死や資格喪失後でも保険者に申し立てます。転居などで保険者が変わっている場合は、サービス提供当時の保険者に申し立てます。

まとめ|自施設で明日やること

  • 誤りに気づいたら、その請求が「支払確定」か「返戻・保留」かを国保連の通知で確認する。
  • 利用者の保険者に連絡し、通常過誤か同月過誤か、締切と提出方法を確認する。
  • 申立事由コードは保険者配布の一覧で確認する(事業所の請求誤りは原則「02」、同月は「12」)。
  • 給付管理票の修正が要るかケアマネと確認し、どちらを先に出すか決める。
  • 再請求はサービス提供月の翌々々月1日から2年以内が目安(過誤を経た再請求は保険者に確認)。通常過誤は過誤決定通知書を確認してから出す。

過誤は「気づいた月の締切に間に合うか」で入金の遅れが1か月変わります。返戻や過誤の原因調査から再請求まで、毎月の請求事務を外部に任せる選択肢もあります。WITH介護は介護保険専門の請求代行です。全国47都道府県・約1,000事業所、毎月約20,000件の請求を扱っています(2026年9月時点)。

実績をFAXで送るだけで、既存の請求ソフトがなくても始められます。返戻原因の調査と再請求まで対応し、請求事務の負担を約90%削減できます。過誤や返戻の対応に毎月追われている事業所は、WITH介護の詳細を見るから確認してください。

人材採用にお困りの施設様は、e介護転職への求人掲載もご検討ください。

あわせて読みたい

参考(一次情報)