運営指導で確認される書類一覧|標準確認文書・重説と運営規程の整合・保存年限

この記事は、介護保険サービスの施設長・事務長向けです。運営指導の通知が届いたとき、「どの書類を、どこまでそろえればよいのか」を標準確認項目に沿って整理します。重要事項説明書・運営規程・契約書・苦情記録といった、どのサービスでも確認される基本書類の整え方が中心です。

結論から言うと、運営指導で確認される書類は厚生労働省が「確認項目及び確認文書」として公表しており、これ以外の文書は原則として求められません。通所介護なら24の確認項目ごとに、見られる確認文書が決まっています。書類は「あるか」ではなく、「他の書類と合っているか」「変更が届け出られているか」「記録として残っているか」が見られます。記録の保存は国の基準で完結の日から2年間です。ただし返還請求権の時効が5年のため、請求に関する書類の5年保存を示す自治体もあります。

この記事では、標準確認文書の考え方、通所介護を例にした確認書類の一覧、サービス種別で違う書類を先に示します。続けて、重要事項説明書と運営規程の整合、変更届が要る項目、掲示とウェブサイト掲載、苦情と事故の記録様式、保存年限を解説します。運営指導の流れ全体は実地指導(運営指導)とは|流れ・確認書類・対策をご覧ください。

運営指導で確認される書類は「標準確認文書」で決まっている

厚生労働省の「介護保険施設等運営指導マニュアル」(令和6年7月改訂)は、別添で「確認項目」と「確認文書」を定めています。確認項目は運営指導で確認する事項、確認文書はその根拠として見る文書です。令和4年(2022年)3月の策定時に、自治体ごとにばらついていた確認内容を標準化したものです。マニュアルには「確認項目以外の項目は特段の事情がない限り確認を行わない」とあり、確認文書以外の文書も原則として求めないとされています。

事業所側にとって重要なルールは次の5つです。

  • 確認文書として複数が例示されていても、1つで確認できれば複数の提出は求められない。
  • 例示された文書が運営基準に明記されていないものなら、なくても基準違反にはならない。
  • 提出資料は原本でなく写しでよく、部数は1部。
  • 指定・更新・変更時に自治体へ提出済みの書類は、改めて求められない。
  • 電子的に管理している記録はディスプレイ上で確認し、印刷は求められない。

ただし、確認文書で確認項目を確認できない場合は、他の文書の提示を求めることができます。「記録はあるが要件を示せない」状態は、追加資料の要求と指摘につながります。運営指導で実際に確認される利用者は原則3名程度で、対象期間は前年度から直近(おおむね1か月前)までです。

確認書類の一覧|通所介護の標準確認項目と確認文書

別添「確認項目及び確認文書」の通所介護(106)を例に、確認項目と確認文書を一覧にします。条番号は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)のものです。項目は「個別サービスの質に関する事項」と「個別サービスの質を確保するための体制に関する事項」の2区分で、通所介護は質8項目・体制16項目の計24項目です。下の表は24項目をすべて掲載しています(確認文書は要約)。

区分 確認項目(条) 確認文書
質 設備及び備品等(第95条) 平面図(行政側が保存しているもの)。目視で合致と使用目的を確認
質 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意が分かるもの)、利用契約書
質 心身の状況等の把握(第13条) サービス担当者会議の記録
質 居宅介護支援事業者等との連携(第14条) サービス担当者会議の記録
質 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第16条) 居宅サービス計画、通所介護計画(同意が分かるもの)
質 サービスの提供の記録(第19条) 居宅サービス計画、サービス提供記録、送迎記録が分かるもの
質 指定通所介護の具体的取扱方針(第98条) 身体的拘束等の記録(該当がある場合)
質 通所介護計画の作成(第99条) 居宅サービス計画、通所介護計画(同意が分かるもの)、アセスメント結果、モニタリング結果
体制 従業者の員数(第93条) 勤務体制及び勤務実績が分かるもの、勤怠状況が分かるもの、資格証の写し等
体制 管理者(第94条) 雇用形態、勤務体制及び勤務実績、勤怠状況が分かるもの
体制 受給資格等の確認(第11条) 介護保険番号、有効期限等を確認している記録等
体制 利用料等の受領(第96条) 請求書、領収書
体制 緊急時等の対応(第27条) 運営規程、サービス提供記録
体制 運営規程(第100条) 運営規程
体制 勤務体制の確保等(第101条) 勤務体制及び勤務実績、雇用形態、研修の計画及び実績、ハラスメント防止のための方針
体制 業務継続計画の策定等(第30条の2) 業務継続計画、研修の計画及び実績、訓練の計画及び実績
体制 定員の遵守(第102条) 国保連への請求書控え
体制 非常災害対策(第103条) 非常災害時の対応計画(消防計画等)、運営規程、避難・救出訓練の実施状況、通報・連絡体制が分かるもの
体制 衛生管理等(第104条) 感染症対策委員会の開催状況・結果、指針、研修・訓練の実施状況・結果
体制 秘密保持等(第33条) 個人情報利用の同意書、従業者の秘密保持誓約書
体制 広告(第34条) パンフレット・チラシ、web広告
体制 苦情処理(第36条) 苦情の受付簿、苦情への対応記録
体制 事故発生時の対応(第104条の3) 連絡状況が分かるもの、処置の記録、損害賠償の実施状況が分かるもの
体制 虐待の防止(第37条の2) 委員会の開催状況・結果、指針、研修の計画及び実績、担当者を置いていることが分かるもの

通所介護の一覧には「掲示」「記録の整備」という独立した項目はありません。掲示やウェブサイト掲載は、重要事項説明書や運営規程を確認する流れで見られることが多く、自治体の指摘例にも登場します(後述)。感染症対策委員会はおおむね6か月に1回以上、虐待防止委員会は定期開催が確認項目に書かれています。

サービス種別で違う書類|訪問介護と施設(特養)の追加項目

確認項目はサービスごとに定められています。通所介護との違いが大きいのは、設備の有無と、施設系に固有の委員会・計画です。

サービス 通所介護との主な違い 準備しておく主な文書(例)
訪問介護(101) 設備・定員・非常災害対策の項目がない。訪問介護員等の員数(第5条、サービス提供責任者を含む)、具体的取扱方針(第23条、身体的拘束等)、訪問介護計画の作成(第24条)などを確認 訪問介護計画(同意が分かるもの)、訪問介護員等の勤務体制・勤務実績、資格証の写し、身体的拘束等の記録(該当がある場合)。加算の要件は各種加算等自己点検シートで別に点検
介護老人福祉施設(301) 施設サービス計画、入退所、身体的拘束等の適正化(委員会3か月に1回以上・指針・研修)、事故発生の防止(指針・報告と分析・委員会と研修・担当者)、協力医療機関など、施設に固有の基準が加わる 施設サービス計画(同意が分かるもの)、身体的拘束等の記録、身体的拘束適正化委員会の議事録・指針・研修記録、事故防止の指針・委員会と研修の記録・担当者が分かるもの、協力医療機関との取り決めが分かる文書
居宅介護支援(201) 居宅サービス計画の作成過程(アセスメント・担当者会議・同意・交付・モニタリング)が中心。運営基準減算の有無を確認 アセスメント記録、サービス担当者会議の記録、居宅サービス計画(同意・交付)、居宅訪問・面接とモニタリングの記録、医療サービスを位置づけた場合の主治医等の意見

特養の身体的拘束については、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」第11条に定めがあります。委員会を3か月に1回以上開催し、指針を整備し、研修を定期的に実施することが義務です。事故発生の防止は同基準第35条で、指針・報告と分析の体制・委員会と研修・担当者の4点が義務です。委員会の開催記録や担当者の選任が分かる文書が、そのまま確認文書になります。訪問介護・特養・居宅介護支援の文書例は、基準省令の義務と通所介護の確認文書をもとに編集部が整理したものです。自施設のサービスの確認文書は、別添の該当ページで確かめてください。委員会ごとの頻度と議事録の整え方は介護施設に設置義務のある委員会一覧で整理しています。

重要事項説明書と運営規程の整合|ずれやすい7項目

重要事項説明書は、運営基準第8条が定める「運営規程の概要、従業者の勤務体制、その他利用申込者のサービスの選択に資する重要事項」を記した文書です。運営規程の概要を転記する文書である以上、運営規程と内容が食い違っていれば、どちらかが誤っていることになります。東京都の令和6年度指導検査報告書では、運営規程の整備に関する指摘が訪問看護10件、通所リハビリテーション8件ありました。短期入所生活介護でも5件(虐待防止措置の未規定)です。栃木県の令和7年度集団説明会資料も、重要事項説明書の記載項目の漏れをよく指摘される事項に挙げています。運営規程については、必要事項の未記載・実態との不一致・変更時の届出漏れです。

項目 ずれが起きる典型 確認のしかた
営業日・営業時間、サービス提供時間 祝日の扱いや延長時間を変えたのに運営規程だけ古い 運営規程・重要事項説明書・ウェブサイト掲載の3つを並べて照合
従業者の職種・員数・職務内容 欠員や増員で実態が変わり、どちらも更新されていない 勤務形態一覧表と照合。「○名以上」の記載なら下限を満たしているか
利用定員 定員変更の届出はしたが重要事項説明書が旧定員 変更届の控えと照合
利用料・その他の費用 食費・おやつ代・日用品費を改定したが運営規程に反映していない。利用者負担割合の説明が1割固定 請求書・領収書の実額と照合。負担割合は1~3割と記載
通常の事業の実施地域 送迎範囲を広げたのに規程は旧区域 区域が特定できる表記(市町村名・町名)になっているか
緊急時・事故発生時の対応、虐待防止の措置 令和6年度改定で義務化された虐待防止の措置が運営規程に未記載 運営規程に「虐待の防止のための措置に関する事項」があるか
苦情受付の窓口 事業所の窓口だけで、市町村・国保連の窓口や受付時間の記載がない 重要事項説明書と掲示の両方に窓口・連絡先・受付時間

契約書については、東京都の報告書に、法人から権限を委任されていない管理者が利用契約を結んでいた例(短期入所生活介護の契約手続き8件など)や、施設長が入所契約を結んでいた例(特養)があります。契約の当事者は法人です。管理者や施設長が契約者として署名する場合は、法人からの委任(権限の付与)を定款・規程・委任状で示せる必要があります。契約書と重要事項説明書の日付・署名・同意欄が、サービス開始日より前になっているかも確認してください。

変更届が要る項目と期限|10日以内・1か月前・事前承認

介護保険法第75条は、事業所の名称・所在地その他厚生労働省令で定める事項に変更があったとき、10日以内に都道府県知事(指定権者)へ届け出ることを義務づけています。廃止・休止は1か月前までの届出です。変更届の未提出は、東京都の令和6年度の文書指摘で訪問看護28件、通所リハビリテーション8件、老健7件と、件数の多い指摘でした。大阪府の施設指導でも、協力医療機関の変更届未提出が挙がっています。

変更の内容 届出の期限 添付書類の例(自治体による)
事業所の名称・所在地・電話番号 変更から10日以内 名称のふりがな。所在地変更は平面図等
法人の名称・所在地・代表者 10日以内 登記事項証明書、定款
管理者の氏名・住所 10日以内(老健・介護医療院は事前承認) 付表、経歴書、資格証の写し
建物の構造・平面図・設備 10日以内(老健・介護医療院は事前の変更許可。居室等の区画変更に事前協議を求める自治体もある) 変更前後の平面図、写真
運営規程 10日以内 新旧対照表。従業者の職種・員数・職務内容の変更は年1回のまとめ届出で足りる自治体もある
協力医療機関の名称・診療科目・契約内容 10日以内。施設は協力医療機関との連携の状況を年1回以上届出 契約書の写し
サービス提供責任者(訪問介護)、介護支援専門員(居宅介護支援・施設) 10日以内 資格証の写し、勤務形態一覧表
加算の体制(体制届) 算定開始前。居宅系は15日までの届出で翌月から、施設・短期入所は受理月の翌月から(月初の受理は当月)など 体制等状況一覧表、各加算の届出書
事業の廃止・休止 1か月前まで 利用者の引継ぎ状況

届出事項の細目は介護保険法施行規則で定められ、自治体が一覧表と添付書類を公開しています。堺市の案内では、運営規程の変更は届出とは別に事業所内で規程を変更しておく必要があるとされています。従業者の職種・員数・職務内容の変更は、少なくとも年1回届け出ます。柏市は変更後10日以内の提出を求め、電子申請を優先しています。変更届の控え(受付印または電子申請の受理通知)は、運営指導で「提出済み」を示す文書になります。変更履歴と一緒に保管してください。請求に関わる届出は介護給付費等の請求及び受領に関する届も参照してください。

掲示とウェブサイト掲載|2025年4月から義務化

運営基準第32条は、事業所の見やすい場所に運営規程の概要・従業者の勤務体制・その他の重要事項を掲示することを求めています。書面を備え付けていつでも閲覧できるようにすれば掲示に代えられます。令和6年度改定で第3項が追加され、原則として重要事項をウェブサイトに掲載することが義務になりました。栃木県の資料は、ウェブサイトへの掲載を2025年4月1日から義務化された事項として、未掲載を指摘例に挙げています。

掲載先は法人のホームページでも、介護サービス情報公表システムでもかまいません。東京都の令和6年度の指摘では「重要事項の掲示」が訪問看護で6件ありました。墨田区では通所介護と介護予防支援で「運営規程の概要や勤務体制など重要事項の掲示」「苦情処理措置の概要の掲示」が指摘されています。掲示物・備え付け書面・ウェブサイト・重要事項説明書の4つが同じ内容かを、運営規程を変更するたびに確認してください。介護サービス情報公表システムの報告義務は介護サービス情報の公表制度とはで解説しています。

苦情受付・記録の様式|受付簿と対応記録に何を書くか

運営基準第36条は、苦情に迅速かつ適切に対応するための窓口設置などの措置と、受け付けた苦情の内容等の記録を義務づけています。あわせて、市町村(法第23条)や国保連(法第176条第1項第3号)の調査への協力も定めています。指導・助言を受けた場合は改善し、求めがあれば改善内容を報告します。確認文書は「苦情の受付簿」と「苦情への対応記録」です。栃木県の資料は、処理の体制・手順の未整備と、受け付けた苦情の記録がないことを指摘例に挙げています。

様式 記載する項目 ポイント
苦情受付簿(一覧) 受付番号、受付日時、受付方法(電話・来所・文書・第三者経由)、申出者(利用者本人・家族・ケアマネ等)、受付者、苦情の要旨、対応状況、完了日 「苦情ゼロ」の年は、受付簿に「該当なし」の記載と作成日を残す
苦情対応記録(個票) 苦情の内容(事実と申出者の要望)、事実確認の経過、原因、対応内容と結果、申出者への説明日と反応、再発防止策、管理者確認、市町村・国保連への報告の有無 対応記録はサービス提供記録とは別に綴る。関係職員への共有記録も残す
重要事項説明書・掲示の苦情窓口 事業所の窓口(担当者・電話・受付時間)、市町村の窓口、国保連の窓口 国保連の介護サービス苦情相談窓口の連絡先は都道府県ごとに異なる

苦情とヒヤリハット・事故は別の記録です。申し出が事故の発見につながることもあるため、両方の記録に相互の番号を書いておくと追跡しやすくなります。カスタマーハラスメントに該当する申し出についても、2026年10月1日から事業主の対策が義務化されています。相談窓口と対応方針を、苦情対応と区別して整えておく必要があります。詳しくは介護事業所のカスハラ対策をご覧ください。

事故の記録と市町村への報告

事故発生時の対応(通所介護は第104条の3、訪問介護は第37条)では、市町村・家族・居宅介護支援事業者等への連絡、処置の記録、損害賠償の実施状況が確認されます。東京都の令和6年度の文書指摘では、事故の未報告が特定施設25件、老健10件、特養6件と多くなっています。新潟県でも通所介護・通所リハ・短期入所・老健で「事故を市町村へ報告していなかった」が挙がっています。栃木県は、第1報が事故発生から5日を超えて提出された例を指摘例としています。

記録として残すのは、事故の発生日時・場所・状況、利用者の状態、とった処置、医療機関への受診です。加えて、家族・ケアマネ・市町村への連絡日時と相手、原因分析と再発防止策、損害賠償の対応を書きます。市町村への報告には国の標準様式があります。自治体の報告基準(骨折・入院・死亡など)と報告期限を、事故対応マニュアルに書き込んでおきます。事故報告書の書き方は介護事故報告書の書き方|記入例・市町村への報告義務と再発防止策【2026年版】で解説しています。

記録の保存年限|国は完結の日から2年、自治体条例は5年も

運営基準は、利用者へのサービス提供に関する記録を「その完結の日から二年間」保存することを義務づけています(訪問介護は第39条、通所介護は第104条の4)。対象は6種類です。訪問介護計画(通所介護なら通所介護計画)、提供した具体的なサービス内容等の記録、身体的拘束等の記録、市町村への通知の記録、苦情の内容等の記録、事故の状況及び処置の記録です。従業者・設備・備品・会計に関する諸記録も整備義務がありますが、省令上の保存年限は定められていません。

ただし、都道府県・市町村の条例や指導で、より長い保存を求める例があります。広島県の条例解説は、介護報酬の請求に関する書類を報酬の最終受領日から5年間保存することが望ましいとしています。背景にあるのは時効です。厚生労働省の監査マニュアルは、過誤調整による返還請求権の消滅時効を5年としています。2年で記録を廃棄すると、3年前の加算について返還を求められたときに困ります。要件を満たしていたことを示す記録が手元にない状態になるからです。

書類 国の基準 実務上の目安
計画・提供記録・身体的拘束・苦情・事故の記録 完結の日から2年(訪問介護は第39条第2項、通所介護は第104条の4第2項) 自治体条例を確認。請求の裏付けになるものは5年
請求書・明細書控え・国保連からの通知 省令に年限の定めなし 最終受領日から5年(返還請求権の時効に合わせる)
勤務表・勤務実績・資格証の写し 省令に年限の定めなし 加算の体制要件の裏付けとして5年
委員会議事録・研修記録・訓練記録 省令に年限の定めなし 次回運営指導まで(指定有効期間6年)を目安に
契約書・重要事項説明書(同意欄) 省令に年限の定めなし 契約終了(完結)から2年以上。請求関係とそろえて5年
変更届・体制届の控え 省令に年限の定めなし 次回の指定更新まで

「完結の日」は、契約の終了などで一連のサービス提供が終わった日と解するのが一般的です。記録を作成した日ではありません。長期に利用が続く利用者の記録は、開始から数年分が保存対象になります。起算点の考え方は、指定権者の条例や解釈も確認してください。

書類をそろえる順番|通知が届いてからの1か月

運営指導の通知は、実施予定日のおおむね1か月前までに届きます。通知には根拠規定、日時・場所、担当者、出席者、準備すべき書類、当日の進め方が書かれています。限られた時間で優先順位をつけるなら、次の順番が実務的です。

  1. 通知に記載された事前提出資料を確認し、提出済みの書類(指定・変更時)は除く。写し1部でよい。
  2. 運営規程・重要事項説明書・契約書・掲示・ウェブサイト掲載の5つを並べ、営業時間・員数・利用料・虐待防止・苦情窓口の記載をそろえる。
  3. 直近1年の変更(管理者・協力医療機関・平面図・運営規程)を洗い出し、未提出の変更届があれば指導日の前に提出する。
  4. 勤務形態一覧表と勤務実績(タイムカード)、資格証の写しを対象期間分そろえ、算定中の加算の体制要件と照合する。
  5. 利用者の記録は、どの利用者が選ばれても出せるように、計画→同意→提供記録→請求の流れでファイルの並びをそろえる。
  6. 委員会(虐待防止・身体的拘束・感染症・事故防止)、研修、訓練、BCPの記録を実施日順に綴り、法定の頻度を満たしているか確認する。
  7. 苦情受付簿・事故記録・市町村への報告控えを対象期間分そろえる。

よく指摘される項目の傾向は運営指導の指摘事項ランキング(東京都・大阪府の公表データ)で、BCPの研修・訓練の頻度は介護BCP義務化の全体像で確認できます。

よくある質問(FAQ)

確認文書に載っていない書類を求められたら、断れますか?

マニュアル上、確認文書以外の文書は原則として求めないとされていますが、確認文書で確認項目を確認できない場合は他の文書の提示を求めることができます。求められた理由(どの確認項目を確認するためか)を聞き、該当する文書があれば提示するのが現実的な対応です。

重要事項説明書は、利用者全員から取り直す必要がありますか?

記載内容が変わった場合、変更部分の説明と同意が必要です。実務では、変更内容を記した文書を交付して説明し、同意の記録(署名または記録)を残す方法がとられます。利用料の変更など利用者の負担に関わる事項は、契約書の変更(覚書)も必要になることがあります。

苦情が1件もない年は、苦情記録はどうすればよいですか?

受付簿に「該当なし」と記載し、確認日と確認者を残してください。苦情がないことと、苦情を受け付ける体制がないことは別です。窓口の掲示、重要事項説明書への記載、職員への周知記録があれば、体制は確認できます。

電子データで保存している記録は、印刷して提出する必要がありますか?

マニュアルは、電子管理している記録はディスプレイ上で確認し、印刷物の提出は求めないとしています。当日、該当する利用者・期間の記録をすぐに表示できるよう、検索方法と担当者を決めておいてください。

【無料ダウンロード】運営指導 自主点検チェックリスト(介護版・PDF+Excel)人員・設備・運営・報酬の標準確認項目をサービス別に整理した点検表です。感染症・BCP・研修・委員会の確認欄つきで、この記事の確認文書の一覧を自施設の保管場所・担当者に落とし込めます。

運営指導 自主点検チェックリストをダウンロードする

まとめ|自施設で明日やること

  • 自施設のサービス種別の「確認項目及び確認文書」を印刷し、確認文書ごとに保管場所と担当者を書き込む。
  • 運営規程・重要事項説明書・契約書・掲示・ウェブサイト掲載の5つを並べ、営業時間・員数・利用料・虐待防止・苦情窓口の記載をそろえる。
  • 直近1年の変更を洗い出し、未提出の変更届(10日以内)がないか確認する。
  • 苦情受付簿と事故記録の様式を見直し、市町村・国保連の窓口と報告期限を明記する。
  • 記録の保存年限を「国2年・自治体条例・請求関係5年」で整理し、廃棄ルールを文書化する。

確認書類のうち、請求書・明細書控え・国保連からの通知・加算の体制要件の裏付けは、毎月の請求事務がそのまま運営指導の確認文書になります。請求と記録の整合確認まで任せたい場合は、介護保険専門の請求代行という選択肢があります。WITH介護は全国47都道府県・約1,000事業所、毎月約20,000件の請求を扱い、実績をFAXで送るだけで請求ソフトも不要です。返戻の原因調査から再請求まで対応し、請求事務の負担を約90%減らせます。詳しくはWITH介護の詳細を見るから確認してください。

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参考(一次情報)