この記事は、介護保険サービスを運営する施設長・法人本部の方向けです。「監査」という言葉を運営指導と同じ意味で使っている事業所は少なくありません。しかし両者は根拠条文も、強制力も、結果として起こり得ることもまったく違います。監査は、指定取消や報酬返還といった行政処分を見据えて事実を確認する手続きです。
結論から言うと、監査は「不正請求・基準違反・虐待の疑い」があるときに、都道府県や市町村が介護保険法第76条などの権限で行う検査(報告命令や立入検査)です。運営指導の途中で疑いが見つかれば、その場で監査に切り替わることもあります。厚生労働省の集計では、令和6年度(2024年度)に全国で1,190件の監査が行われました。指定取消・効力停止の処分は158件です。処分事由の約半数(51.9%)は不正請求です。
この記事では、運営指導と監査の違いを根拠条文から整理します。続けて、監査が始まるきっかけ、通知から処分までの流れ、指定取消の事由と事例類型、連座制、報酬返還への接続を順に解説します。運営指導そのものの流れや準備は実地指導(運営指導)とは|流れ・確認書類・対策をご覧ください。
記事でわかること
介護の監査とは|運営指導との違いを根拠条文で整理する
介護保険法には「指導」と「監査」という2つの仕組みがあります。厚生労働省の「介護保険施設等運営指導マニュアル」(令和6年7月改訂)は、指導を「行政指導であり強制力はない」ものと位置づけています。一方の監査は、人員・設備・運営基準の違反、不正請求、高齢者虐待などが認められる場合、またはその疑いがある場合に、事実関係を確認する手続きです。
違いがもっとも分かりやすいのは根拠条文です。運営指導の根拠は法第23条(市町村による文書の提出・提示の求め、質問・照会)と法第24条(都道府県知事等による報告命令・帳簿書類の提示命令・質問)です。この2つの条文には「立入検査」の権限がありません。マニュアルも「法第23条又は法第24条には立入検査の権限はない」と明記しています。監査の根拠は法第76条(指定居宅サービス事業者)や法第90条(介護保険施設)などです。報告・帳簿書類の提出や提示の命令、出頭の要求、関係者への質問に加え、事業所や事務所への立入検査ができます。
| 項目 | 運営指導 | 監査 |
|---|---|---|
| 目的 | サービスの質の確保、基準の理解、適正な請求への指導 | 基準違反・不正請求・虐待などの事実確認と、行政処分の要否の判断 |
| 根拠条文 | 法第23条・第24条 | 法第76条(居宅)、第78条の7(地域密着型)、第83条(居宅介護支援)、第90条(施設)など |
| 性質 | 行政指導(強制力なし) | 法に基づく権限行使(命令・立入検査) |
| 事前通知 | おおむね1か月前までに文書で通知 | 事前通知は不要。当日の通知でもよく、理由を伝える義務もない |
| 対象期間 | 原則、前年度から直近(おおむね1か月前)までの実績 | 疑いのある期間。不正指定なら指定時まで遡ることもある |
| 従わない・拒む場合 | 指導に従わなかったことのみを理由に行政処分はできない | 検査の拒否・妨害・忌避は指定取消等の事由(法第77条第1項第8号)。30万円以下の罰金(法第209条) |
| 結果 | 改善報告、単なる誤りなら自主点検のうえ過誤調整 | 改善勧告・命令、指定の取消し・効力停止、不正利得の徴収(返還+加算金40%) |
運営指導で「書類が見つからない」「説明が食い違う」という状況が続くと、指導担当者は過去の状況を確認するために監査の実施を検討します。運営指導と監査は別の制度ですが、現場では連続して起こり得ます。
監査はどんなきっかけで始まるのか|4つの切替条件と選定基準
監査は、無作為に選ばれて行われるものではありません。厚生労働省の「介護保険施設等監査指針」は、次のような情報を踏まえて、基準違反等を確認する必要があると認めた場合に監査を行うとしています。
- 利用者・家族・職員などからの通報、苦情、相談
- 国保連(国民健康保険団体連合会)や地域包括支援センターに寄せられた苦情
- 介護給付費適正化システムで特異な傾向を示す事業者(請求データの分析)
- 介護サービス情報の公表制度での報告拒否などに関する情報
- 運営指導で認められた基準違反や人格尊重義務違反(虐待など)
運営指導の途中で監査に切り替わるケースも、マニュアルに明記されています。切替の条件は4つです。人員・設備・運営基準に従っていない状況が著しい、またはその疑いがある場合。架空請求など不正な報酬請求、またはその疑いがある場合。不正の手段による指定、またはその疑いがある場合。高齢者虐待や不適切な身体的拘束等がある、またはその疑いがある場合です。虐待の疑いがあるときは、事前通告なく速やかに監査を行うとされています。
通報の扱いも押さえておきたい点です。監査マニュアル(令和6年4月)は、通報を5W1Hで具体的に聞き取り、事業所に通報者が特定されないよう配慮して調査するとしています。職員からの通報も、監査の入口の一つです。日ごろの高齢者虐待防止の体制整備と、相談・通報を受け止める窓口の運用が、結果として監査リスクを下げます。
監査の流れ|通知から立入検査、勧告・命令、指定取消まで
監査の進み方は、監査マニュアルに沿って整理すると次の8段階です。運営指導との大きな違いは、証拠保全を優先する点と、処分の前に聴聞または弁明の機会が必ず置かれる点です。
| 段階 | 行政が行うこと | 事業所側の実務 |
|---|---|---|
| 1 情報入手・監査の決定 | 通報・運営指導結果などから疑いを把握し、検査手順・提出書類・聴取対象を準備 | この段階で事業所は知らされないことが多い |
| 2 実施通知 | 文書で通知。事前通知は不要で、当日の通知でもよい。監査の理由を伝える必要もない | 管理者が不在でも対応できる連絡体制を決めておく |
| 3 立入検査 | 証拠保全を優先して書類等を確認。関係者からは1人ずつ個別に聞き取り、内容を確認して署名を求める | 原本の所在を把握しておく。虚偽答弁は処分事由になる |
| 4 事実関係の確認 | 記録・証言・請求データの整合を確認。不正請求なら保険者へ連絡 | 追加資料の提出に期限内で応じる |
| 5 改善勧告・命令 | 基準違反に期限を定めて勧告(法第76条の2第1項)。従わなければ公表でき、正当な理由なく措置を取らなければ命令(同第3項)。命令は公示 | 勧告段階で期限内に改善し、報告する |
| 6 行政処分の検討 | 事由ごとの基本的な程度、重大性・悪質性、地域の基盤や運営体制を総合的に考慮。改善命令を除く処分の前に厚労省へ報告 | 組織的関与の有無、隠蔽の有無が重く見られる |
| 7 聴聞・弁明の機会 | 指定取消は聴聞が必須。効力停止や命令は弁明の機会でもよい | 事実関係への主張と、再発防止策を文書で示す |
| 8 処分・公示・返還 | 取消し・効力停止を公示(法第78条等)。不正請求分は保険者が返還+加算金40%を徴収 | 利用者の受け入れ先の調整、保険者との返還手続き |
廃止届で処分を免れることはできない
監査の途中で事業を廃止すれば処分を避けられる、という理解は誤りです。廃止届は廃止日の1か月前までに提出する必要があり(法第75条第2項)、届出後も1か月間は事業所が存在するため、その間に処分できます。さらに、立入検査の日から10日以内に「聴聞決定予定日」が通知されることがあります。その日までに廃止届を出した事業者は、相当の理由がない限り5年間の指定欠格事由になります(法第70条第2項第7号の2)。処分逃れを防ぐための仕組みです。
指定取消・効力停止の事由|法第77条第1項と令和6年度の処分158件
指定の取消しや効力停止ができる事由は、法第77条第1項(指定居宅サービス事業者の場合)に列挙されています。施設は第92条、地域密着型は第78条の10などに同様の規定があります。主な事由は次のとおりです。
- 従業者の知識・技能・人員が都道府県条例の基準を満たせなくなった(第3号)
- 設備・運営基準に従った適正な運営ができなくなった(第4号)
- 利用者の人格尊重義務(第74条第6項)に違反した(第5号)
- 介護給付費の請求に関して不正があった(第6号)
- 報告・帳簿書類の提出命令に従わず、または虚偽の報告をした(第7号)
- 出頭要求に応じない、質問に答弁しない、虚偽の答弁をする、検査を拒む・妨げる・忌避する(第8号)
- 不正の手段により指定を受けた(第9号)
- 居宅サービス等に関して不正または著しく不当な行為をした(第11号)
- 法人の役員等や事業所の管理者が、5年以内に不正・著しく不当な行為をしていた(第12号・第13号)
厚生労働省「令和6年度における指導及び指定取消処分等の状況」によると、令和6年度の処分は158件(指定取消59件、一部効力停止86件、全部効力停止13件)でした。令和4年度の86件から2年連続で増えています。事由別の内訳(1件に複数事由が重なる場合あり)は次のとおりです。
| 処分事由 | 件数(158件中) | 割合 |
|---|---|---|
| 不正請求 | 82件 | 51.9% |
| 法令違反 | 44件 | 27.8% |
| 人格尊重義務違反(虐待・身体的拘束など) | 41件 | 25.9% |
| 虚偽答弁 | 25件 | 15.8% |
| 人員基準違反 | 21件 | 13.3% |
| 運営基準違反 | 18件 | 11.4% |
| 虚偽報告 | 16件 | 10.1% |
| 虚偽申請 | 13件 | 8.2% |
サービス別では訪問介護が30件と最多で、認知症対応型共同生活介護13件、特定施設入居者生活介護12件が続きます。指定取消59件のうち49件は営利法人でした。同年度の運営指導は50,424事業所(実施率16.2%)で行われ、24,360事業所に改善報告、3,658事業所に過誤調整が指示されています。運営指導の実施件数に比べれば、監査(1,190件)や処分(158件)に進むのは一部です。それでも処分件数が増えている点は、法人本部として把握しておくべき傾向です。
指定取消の事例類型|不正請求・人員基準違反・虚偽報告・虐待
処分の事由を、実務で起こりがちな類型に分けて整理します。監査マニュアルが示す「不正請求」の例と、都道府県の指導資料に載っている事例をもとにしています。
類型1 不正請求(架空請求・要件を満たさない加算)
監査マニュアルは不正請求を「法令・基準に違反し、それを偽って報酬を請求すること」と説明し、架空請求、人員不足を隠した加算請求、所要時間を超えた請求を例に挙げています。誤りか不正かは、監査で事実関係を確かめて判断されます。指摘を受けた後も同じ算定を続ければ、「制度の理解不足」という説明は通りにくくなります。
類型2 人員基準違反と虚偽の勤務記録
人員基準を満たしていないこと自体は、減算や改善勧告の対象です。しかし勤務表を書き換えて配置を満たしているように見せた場合は、虚偽報告・不正請求に変わります。京都府の「介護報酬の返還に係る考え方」は、本来は請求権が発生しない場合を4つ挙げています。その1つが、指定当初から人員基準を満たしていなかった場合(虚偽の指定申請)です。人員基準違反を指導されたのに、再指導でも改善していない場合も含まれます。京都府は、これらの場合は全額返還もあり得るとしています。あわせて、法第22条第3項の加算金40%を加えて支払わせるよう保険者に指示するとしています。監査マニュアルは、明らかな人員基準違反を見過ごした場合など、重大な過失は故意と同等に扱われ得るとも述べています。
類型3 虚偽報告・虚偽答弁・検査忌避
令和6年度の処分158件のうち、虚偽答弁25件、虚偽報告16件、虚偽申請13件です。監査で問われるのは当初の誤りだけではありません。立入検査で事実と異なる説明をしたり、書類の提出を拒んだりすると、それ自体が独立した処分事由になります。関係者への聴取は個別に行われ、署名を求められます。職員が事実を話せる環境を、法人として保証しておくことが重要です。
類型4 高齢者虐待・身体的拘束(人格尊重義務違反)
人格尊重義務違反は158件中41件(25.9%)で、不正請求に次ぐ多さです。虐待の疑いは事前通告なしの監査につながり、市町村による高齢者虐待防止法上の対応と並行して進みます。身体的拘束についても、切迫性・非代替性・一時性の3要件と記録が確認され、不適切な拘束は人格尊重義務違反として扱われ得ます。
連座制と業務管理体制|5年間の再指定制限と役員等の範囲
指定取消は、その事業所だけで終わりません。法第70条第2項第6号は、指定を取り消された事業者は取消しの日から5年を経過するまで新たな指定を受けられないと定めています。法人の場合は、取消しに係る行政手続法の通知前60日以内に役員等であった者も含まれます。申請者の親会社など「密接な関係を有する者」が取消しを受けている場合(第6号の3)も同様です。法人の役員等に該当者がいる場合(第10号)も対象です。いわゆる連座制です。監査マニュアルは、不正で指定取消となり役員等の組織的関与が認められた場合の扱いを示しています。5年間は同一サービス類型で原則として新規指定・更新が認められません。
ただし、連座制は機械的に適用されるわけではありません。法第70条第2項第6号などにはただし書があります。処分理由となった事実、業務管理体制の整備についての取組の状況、事実に関する責任の程度を考慮し、該当しないとされる場合があります。ここで出てくる「業務管理体制」が、法第115条の32に基づく法人の法令遵守体制です。
| 事業所等の数 | 整備すべき業務管理体制 |
|---|---|
| 20未満 | 法令遵守責任者の選任 |
| 20以上100未満 | 法令遵守責任者の選任+法令遵守規程の整備 |
| 100以上 | 上記+業務執行の状況の監査を定期的に実施 |
届出先は事業所の所在地で決まります。すべての事業所が同じ都道府県内なら都道府県、同じ指定都市・中核市内ならその市です。地域密着型サービスのみで同じ市町村内なら市町村、事業所が3以上の地方厚生局の管轄区域にまたがれば厚生労働大臣です。業務管理体制には一般検査と特別検査があり、令和6年度は一般検査9,748件、特別検査27件が行われました。特別検査は、指定取消相当の事案で法人本部に立ち入り、組織的関与の有無と体制の問題点を検証するものです。業務管理体制の届出が古いまま、法令遵守規程が形だけ、という状態は、連座制のただし書で不利に働くおそれがあります。
報酬返還への接続|不正利得の徴収と加算金40%
監査の結果、偽りその他不正の行為によって介護報酬を受け取っていたと認定されたとします。この場合、市町村(保険者)はその額を返還させ、さらに返還額の100分の40を乗じた額を加えて徴収できます(法第22条第3項)。監査指針は、取消処分等を行った際に不正請求があれば、原則として返還額に40%相当額を併せて徴収するよう保険者に要請するとしています。100万円の不正請求なら、140万円を納めることになります。
ここで注意したいのは、運営指導で「単なる誤り」と判断された返還との違いです。誤りの場合は、事業所が自主点検のうえ過誤申立を行い、国保連の支払額から差し引かれる過誤調整で処理されます。これは行政処分ではなく、加算金もありません。一方、不正と認定された場合の徴収金は強制徴収公債権で、期限までに返還しないと督促のうえ滞納処分(差押えなど)が可能です。令和6年度に指定取消等に伴って返還を求めた額は11億5,300万円で、返還済みは4億5,700万円にとどまります。
時効の扱いも異なります。監査マニュアルによると、過誤調整による返還請求権の消滅時効は5年、不正利得の徴収金は2年(法第200条)で、督促により時効が更新されます。不正の手段による指定を理由に取り消す場合は指定時に遡って返還を求められますが、効力停止にとどめた場合は遡及できません。悪質な場合は詐欺罪での告発も検討されます。自主返還の計算や過誤申立との関係は介護報酬の返還とは|自主返還の流れ・計算例・過誤申立との関係と加算金40%で、過誤申立の手続きは介護保険の過誤申立・過誤調整とはで解説しています。
処分の公表と事業への影響
指定の取消しや効力停止が行われると、都道府県知事等は事業所名・処分内容・期間などを公示します(法第78条等)。改善命令も公示が義務で(法第76条の2第4項)、勧告に従わなかった場合も公表できます(同第2項)。多くの自治体はホームページに処分事業所の一覧を掲載しており、報道されることもあります。
効力の一部停止の内容として、監査マニュアルは新規利用者の受入停止や、介護報酬の請求額の上限設定(期間を限って通常の70%とするなど)を例示しています。全部停止になれば、その期間は指定事業所としてサービスを提供できず、利用者は他事業所への移行が必要になります。ケアマネジャーや地域包括支援センターへの説明、職員の雇用維持、金融機関への説明など、法人本部が同時に対応すべき事項は多岐にわたります。処分の程度は、組織的関与や隠蔽の有無、地域の介護基盤への影響を総合して決まります。監査段階での誠実な対応が結果を左右します。
監査を受けないために|運営指導で「疑い」を残さない日常の整え方
監査の入口は、通報と運営指導です。どちらも日常の運営から生まれます。施設長・法人本部として押さえておきたいのは次の5点です。
- 勤務実績(タイムカード・シフト実績)と、請求している加算の体制要件を毎月突合する。人員不足の月は減算で請求し、後から勤務表を直さない。
- 請求の誤りに気づいたら、指導を待たずに保険者へ過誤申立をする。自主的な過誤は「誤り」として扱われ、放置や繰り返しは「不正」に近づく。
- 虐待・身体的拘束の記録と委員会運営を整え、職員が内部で相談・通報できる窓口を機能させる。
- 業務管理体制の届出内容(法令遵守責任者・規程)を現状に合わせて更新し、法人としての点検記録を残す。
- 運営指導の結果通知で求められた改善報告と自主点検結果の報告を期限内に出し、同じ指摘を翌回に残さない。
運営指導でよく見られる指摘の傾向は運営指導の指摘事項ランキング(東京都・大阪府の公表データ)で、確認される書類の整え方は運営指導で確認される書類一覧で整理しています。
よくある質問(FAQ)
監査の通知が来たら、弁護士に相談すべきですか?
行政処分の可能性がある段階では、介護保険法に詳しい弁護士や社会保険労務士に早めに相談する価値があります。ただし、立入検査そのものを拒んだり遅らせたりはできません。検査の拒否・妨害・忌避は処分事由であり罰金の対象にもなります。事実関係を正確に説明し、求められた書類を期限内に出すことが最優先です。
運営指導で指摘を受けただけで、指定取消になることはありますか?
運営指導は行政指導で、指摘や改善報告の要請だけでは不利益処分にはなりません。マニュアルも、指導に従わなかったことのみを理由に処分はできないとしています。ただし、運営指導で不正請求や著しい基準違反の疑いが見つかれば監査に切り替わり、監査の結果として処分に至ることはあります。
加算金40%はどんな場合に課されますか?
偽りその他不正の行為によって介護報酬を受けた場合です(法第22条第3項)。制度の理解不足による単なる誤りには課されず、過誤調整による返還だけで済みます。京都府の資料は、指定当初から人員基準を満たしていなかった場合や、人員基準違反の指導後も改善しない場合などを、加算金を加えて支払わせる対象としています。
連座制で、グループ内の別法人の指定にも影響しますか?
影響する可能性があります。法第70条第2項第6号の3は、申請者の親会社など「密接な関係を有する者」が指定取消を受けて5年を経過していない場合を欠格事由としています。役員等が重なる法人も第10号の対象です。ただし書により、業務管理体制の整備状況や責任の程度を考慮して該当しないと判断される余地はあります。
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まとめ|自施設で明日やること
- 運営指導(法第23条・第24条)と監査(法第76条等)の違いを管理者会議で共有し、「監査=処分を見据えた事実確認」と理解をそろえる。
- 直近3か月の勤務実績と加算の体制要件を突合し、不足があれば減算と過誤申立を自分から行う。
- 虐待防止委員会・身体的拘束の記録・職員の相談窓口が機能しているかを確認する。
- 業務管理体制の届出(法令遵守責任者・規程)が現状と一致しているか、法人本部で点検する。
- 前回の運営指導の改善報告を読み直し、同じ指摘が残っていないかを確かめる。
令和6年度の処分158件のうち、約半数の82件は不正請求が事由でした。加算要件の確認漏れや人員基準の見落としも、放置して繰り返せば「誤り」では済まなくなります。加算・減算の判定や、勤務実績と請求の整合確認まで外部に任せたい場合は、介護保険専門の請求代行という選択肢があります。WITH介護は全国47都道府県・約1,000事業所、毎月約20,000件の請求を扱い、実績をFAXで送るだけで請求ソフトも不要です。返戻の原因調査から再請求まで対応し、請求事務の負担を約90%減らせます。詳しくはWITH介護の詳細を見るから確認してください。
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参考(一次情報)
- 介護保険法(e-Gov法令検索)第22条・第23条・第24条・第70条・第75条・第76条・第76条の2・第77条・第200条
- 厚生労働省 介護保険施設等運営指導マニュアル(令和6年7月改訂)
- 厚生労働省 介護保険施設等に対する監査マニュアル(令和6年4月)
- 厚生労働省 介護保険施設等指導指針及び介護保険施設等監査指針
- 厚生労働省 令和6年度における指導及び指定取消処分等の状況
- 厚生労働省 介護保険制度等における指導監督
- 京都府 介護報酬の返還に係る考え方
- 島根県 業務管理体制の整備について(令和7年度集団指導資料)
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