国保連エラーコード一覧【介護保険】返戻(保留)一覧表の見方と再請求手順|2026年版

この記事は、国保連(国民健康保険団体連合会)から「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」が届いた介護保険事業所の請求担当者向けです。一覧表に並ぶ「事由B」「備考12P0」「ANNJ」といった記号の意味と、どこを直して、いつまでに再請求すればよいかに答えます。障害福祉サービスの返戻は制度も帳票も別なので、障害福祉の返戻対応の記事をご覧ください。

結論から言うと、一覧表で見るべき欄は3つです。「種別」でどの書類が戻ったかを確認し、「事由」のA~Eで原因の系統を掴み、「備考」の4桁コードで直す箇所を特定します。備考が「保留」なら請求明細書の再請求は不要で、ケアマネ(居宅介護支援事業所)に給付管理票の提出を依頼します。備考が「返戻」または4桁コードなら、修正して翌月1日~10日の受付期間に再請求します。ここで1か月ずれると、入金も1か月遅れます。

本記事では、返戻と保留の違い、一覧表の9つの欄の読み方、頻出コードの一覧と対処を順に整理します。後半では再請求と月遅れの期限、ケアマネとの給付管理票の突合の仕組みも扱います。毎月の請求サイクル全体は介護保険の国保連請求の流れと毎月10日締切で解説しているので、あわせて確認してください。

記事でわかること

返戻と保留の違い|介護保険の審査で「支払われない」2つの状態

返戻と保留は、どちらも「今月は支払われない」状態ですが、事業所がやることは正反対です。返戻は事業所側が直して再請求します。保留は事業所側の請求明細書に誤りはなく、ケアマネ側の給付管理票が届くのを待つ状態です。この区別を最初に付けないと、保留の明細書を再請求して重複エラー(ANN2)を増やす、という二次被害が起きます。

国保中央会の「介護給付費請求の手引き(審査支払結果帳票の解説)」は、2つを次のように定義しています。返戻は「請求明細書又は給付管理票に誤りがあったため、国保連合会から事業所へ返却された」もので、支払はありません。保留は「請求明細書に誤りはないが、給付管理票が未提出または返戻のため、支払が行われない」ものです。決められた期間内に給付管理票が提出されれば支払われます。

区分 状態 事業所がやること 入金
返戻 請求明細書または給付管理票に誤りがあり、審査で受け付けられなかった 誤りを直して翌月の受付期間(1日~10日)に再請求する 再請求月の支払日(約1か月遅れ)
保留 請求明細書は正しいが、対応する給付管理票が未提出または返戻中 再請求はしない。ケアマネに給付管理票の提出(修正)を依頼する 保留期間内に給付管理票が届けば、その審査月に支払われる
査定(減単位) 給付管理票の実績より多く請求した分などが減額されて決定した 再請求はしない。ケアマネに給付管理票の「修正」を依頼すると差額が復活する 減額後の金額で当月支払い。差額は給付管理票修正月の審査分で支払い

保留期間は国保連ごとに違います。国保中央会の手引きも「保留の有無、期間は国保連合会ごとに異なる」と明記しています。2026年9月時点で確認できた例では、滋賀県国保連と大阪府国保連は1か月、宮城県国保連は2か月です。期間内に給付管理票が届かないと、保留は返戻に変わり、今度は事業所側の再請求が必要になります。自県の保留期間は必ず国保連の案内で確認してください。

なお、保留は自県の被保険者に限る国保連もあります。滋賀県国保連は、他都道府県の被保険者分は保留期間なしで即返戻になると案内しています。住所地特例や県外の利用者が多い施設は注意が必要です。

「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」の見方|9つの欄

一覧表は、審査結果の通知として国保連から届きます。伝送請求の事業所は、電子請求受付システムの通知文書として取得します。届く時期は自県の国保連の案内で確認してください。見る順番は「種別→事由→備考→内容」です。この順に見ると、直す書類・原因の系統・具体的なエラー・修正箇所が一直線に分かります。

欄 表示される内容 読み方のポイント
被保険者氏名 保険者番号と被保険者番号から受給者台帳を引いて表示 番号を誤入力すると、請求したつもりの人と違う氏名が出る。氏名が違えば番号誤りを疑う
種別 「サ」サービス計画費/「請」請求明細書/「給」給付管理票/「ケ」介護予防ケアマネジメント費 「給」はケアマネ側の書類。サービス事業所の一覧表に「給」は載らない
サービス提供年月 実際にサービスを提供した月 請求月ではない。月遅れ請求分が戻ると、前月以前の年月が出る
サービス種類 返戻・保留になったサービス種類コード(例:11=訪問介護、52=介護老人保健施設) 複数サービスのうちエラー分だけ表示。ただし明細書は1件全体が戻る
サービス項目等 明細情報のエラーではサービスコード、特定診療費情報のエラーでは識別番号 どの行(コード)が引っかかったかの手がかり
単位数(特定入所者介護費等) エラーとなった単位数または費用額の合計 限度額超過(12P3・15P6)では超えた単位の確認に使う
事由 A~Eのアルファベット1文字 原因の系統。後述の表で確認
内容 エラーになった項目名とコメント 修正時に最初に読む欄。備考のコードと組み合わせて判断
備考 4桁のエラーコード(例:ABB0・ADD1・12P0)、または「返戻」「保留」の文字 4桁コードは一次・資格チェックの結果。「返戻」「保留」は給付管理票との突合結果

事由欄A~Eの意味|「国保連 返戻事由 B」は台帳との不一致

事由欄のアルファベットは、エラーがどの審査段階で出たかを表します。「B」は資格チェックのエラーで、受給者台帳・事業所台帳と請求内容が合わないケースです。Bは事業所だけでは直せないことがあり、保険者(市町村)や指定権者(都道府県等)への照会が必要になります。

事由 意味(国保中央会手引き・埼玉県国保連資料) 主な原因 誰に確認するか
A 請求明細書等の基本的な項目の入力誤り・入力漏れで、一次チェックエラーとなったもの 必須項目の空欄、日付の誤り、桁数の超過、計算誤り 自事業所の請求データ
B 保険者が登録する受給者台帳や、都道府県が登録する事業所台帳と突合し、不一致となったもの 被保険者番号の誤り、認定未登録・変更申請中、同じ明細書の重複提出(ANN系)、事業所の届出と請求内容の不一致 保険者(受給者台帳)または指定権者(事業所台帳)
C 請求明細書と給付管理票の突合で不一致となったもの(返戻と保留が混在) 給付管理票が未提出、給付管理票に自事業所のサービス種類が入力されていない、事業所番号の相違 担当ケアマネ(居宅介護支援事業所・地域包括支援センター)
D サービス計画費(居宅介護支援費)に対する給付管理票が未提出のもの ケアマネ側が給付管理票を出さずに居宅介護支援費だけ請求した 自事業所(居宅介護支援事業所の場合)
E 介護給付費等審査委員会で返戻となったもの 算定要件を満たさない加算、縦覧点検での重複など 国保連の審査担当

備考欄の4桁エラーコードの体系

備考欄の4桁コードは、先頭2文字でおおよその系統が分かります。数字で始まるコード(10QF・12P0・12PAなど)は、受給者台帳などとの資格チェックです。Aで始まるコードは形式・項目・台帳突合などの一次チェックが中心です。ただし、ANN2などの二重登録やAEF0は、大阪府国保連のマニュアルで「資格」チェックに分類されています。

先頭2文字 系統 代表的なコード
AB 項目の属性誤り(必須項目の未設定・最大桁数の超過など) ABB0・ABB7
AD 台帳との突合誤り(事業所台帳・サービス台帳・保険者台帳に該当なし) ADD0・ADD1・ADD2・ADDA
AE サービス提供年月・日数の誤り AEE2・AEEA・AEF0・AEFA・AEFB・AEFJ
AN 二重登録(同じ明細書・給付管理票を提出済みなど) ANN0・ANN2・ANN4・ANN7・ANN9・ANNJ・ANNK・ANNL・ANNM
AS・AT 計算誤り・数値の不正(単位数・請求額・給付率・負担限度額など) ASSA・ASS5・ASS6・ATT0・ATT5~ATT8・ATTC
10・12・13・14・15 資格チェック(受給者台帳・公費負担者台帳などとの不一致、限度額超過) 10QF・12P0・12P3・12P4・12P5・12PA・12PD・12QJ・12SA・13PS・14QR・15P6

国保連の返戻事由コード一覧|頻出コードの原因と直し方

ここでは、愛知県・埼玉県・大阪府・宮城県・鹿児島県の各国保連が公開する解説を基にしています。サービス事業所と居宅介護支援事業所の双方で頻出するコードを抜き出しました。コードの意味は全国共通ですが、対処の案内文は国保連ごとに表現が異なります。自県の国保連の解説PDFも参照してください。

サービス事業所側(請求明細書)に多いコード

コード 内容 主な原因 対処
ABB0 必須項目が未設定 被保険者情報欄などの入力漏れ 「内容」欄に示された項目を入力して再請求
ADD0 無効もしくは事業所基本台帳に未登録 事業所番号の誤入力。指定権者が事業所台帳を未登録 事業所番号を確認。正しければ指定権者に台帳登録状況を照会
ADD1 無効もしくはサービス台帳に未登録 サービス種類コードの誤り。そのサービスの指定が台帳に反映されていない サービス種類コードを確認。正しければ指定権者に照会
ADD2 当該保険者等情報が保険者台帳等に未登録 保険者番号の誤入力 被保険者証で保険者番号を確認し修正
ADDA 有効期間外の保険者 市町村合併などで、サービス提供年月時点に存在しない保険者番号 利用者の新しい保険者番号・被保険者番号で再請求
12P0 市町村の認定情報が未登録(受給者情報) 保険者番号・被保険者番号の誤入力。保険者が受給者台帳を未登録 被保険者証で番号を確認。正しければ保険者に登録状況を照会し、登録後に再請求
12PA 市町村の認定変更が未決定(変更申請中) 区分変更申請や特定入所者の申請が確定していない 保険者に変更申請の確定と受給者情報の登録を確認してから再請求。認定には約30日かかる
12PD 認定有効期間外の被保険者 有効期間切れの月を請求。保険者の更新登録漏れ 被保険者証の有効期間を確認。期間内なら保険者に照会、期間外なら請求不可
12QJ 市町村認定の要介護度と相違 請求した要介護度が台帳と違う 被保険者証の要介護度を確認して修正
10QF サービス内容と要介護度不一致 要介護度では算定できないサービスコードを請求(要支援用と要介護用の混同など) サービスコード表で要介護度に対応するコードに修正
12SA 市町村認定の給付率と相違 負担割合(1割・2割・3割)を誤って請求。台帳の給付率が古い 介護保険負担割合証を確認し給付率と保険請求額を修正。台帳側の誤りなら保険者に照会
ASSA 記載された値が計算値を超過 単位数×回数の合計や請求額が、国保連システムの検算値より大きい 「内容」欄のエラー箇所の計算をやり直し、単位数・請求額・利用者負担額を修正して再請求
ATT5 保険請求額>0は誤り(生保単独) 生活保護単独の被保険者(被保険者番号がHで始まる。いわゆるみなし2号)なのに保険請求額を計上 保険請求額を0にし、公費欄に全額計上して再請求
ATTC 公費給付率>90以外は誤り 「公費1給付率」欄に90以下の値を入力した この欄は「介護保険+公費1」の給付率を入れる。給付率を確認して修正
AEE2 日数が期間を超過 開始日・中止日と実日数の不整合 開始日・中止日・実日数の整合を取って修正
AEEA 年月日がサービス提供年月の期間外 開始年月日や中止年月日の誤入力 日付を確認して修正
AEF0・AEFA・AEFB 市町村認定の利用可能日数超過など 資格喪失日・認定日以降の日数を含めた。転居による保険者変更 利用可能な日数に修正。保険者が変わった場合は新旧の保険者に分けて請求
AEFJ サービス可能な日数を超過 入退所日と明細の日数・回数が合わない 入退所日と日数・回数を確認して修正
ANN2 同月に同じ請求明細書を提出済 同じ明細を複数回送信。保留中の明細を再請求した 正しい分が登録済みなら再提出不要。誤った分が登録済みなら過誤(取下げ)手続き後に再請求
ANN4 過去に同じ請求明細書を提出済 支払済みの月分を再請求。被保険者番号の誤りで他人の明細と一致 支払済みなら再請求不要。内容に誤りがあれば過誤調整後に再請求
ANNL 請求明細書内の情報が重複 同じサービスコードの行が2行ある 1行にまとめて単位数を合算し再請求
ANNM 支援事業所に給付管理票の修正依頼が必要 給付管理票との突合で全額マイナス(0単位)と決定済みの月分を再請求した ケアマネに給付管理票の「修正」提出を依頼。明細書の再請求は不要
14QR 摘要欄は必須項目です 摘要欄の記載が必要なコードで空欄 該当コードの記載要領に沿って摘要欄を入力

加算の区分と事業所台帳(体制届)の不一致は、資格チェックで返戻になります。処遇改善加算は令和8年度(2026年度)の臨時改定で区分・率が見直されたため、届出区分と請求区分を突き合わせてください。区分の要件と届出の考え方は処遇改善加算 完全ガイドで確認してください。また、大阪府国保連の解説では、LIFEへの登録が要件の加算を未登録のまま請求すると「算定できない事業所」として返戻になると案内しています。LIFEは令和8年(2026年)5月11日から、国保中央会が運用する新LIFEに移行しました(移行期間は7月31日まで)。登録状況を再確認してください。

給付管理票側(ケアマネ側)に多いコード

以下は、給付管理票(種別「給」)などケアマネ側の書類で戻るコードです。サービス事業所の一覧表には出ませんが、ケアマネ側で給付管理票が返戻されると、サービス事業所の明細書は「保留」になります。サービス事業所の担当者も意味を知っておくと、ケアマネと会話が早くなります。

コード 内容 主な原因 対処(ケアマネ側)
ANN0 同月に同じ給付管理票(新規)を提出済 同じ給付管理票を複数回送信。被保険者番号の誤入力で他人の票と一致 登録済みなら再提出不要。内容を直すなら作成区分「修正」で提出。番号誤りなら「取消」の後に「新規」
ANNJ 過去に同じ給付管理票(新規)を提出済 登録済みの月分を「新規」で再提出した 直すべき内容があるなら「修正」で提出。登録済みで正しければ何もしない
ANN9 給付管理票の作成区分新規での提出が必要 修正対象の給付管理票が未登録(提出漏れ・返戻中)なのに「修正」で出した 作成区分を「新規」に変えて再提出
ANNK 給付管理票内でサービス情報が重複 同じ事業所番号・同じサービス種類の行が2行ある 1行にまとめて「新規」で再提出
ANN7 同月に市町村等による過誤調整を実施済 過誤調整と給付管理票の修正が同じ月に重なった 翌月以降に再提出
12P3 給付管理票と償還払いの合計が区分支給限度基準額超過 限度額管理対象の単位数が要介護度の限度額を超えている。台帳の要介護度と給付管理票の要介護度が違う 限度額内に計画を修正。要介護度が違う場合は保険者の登録内容を確認
12P4・12P5 市町村の認定情報と不一致(支援事業所/作成区分) 居宅サービス計画作成依頼の届出が未提出、または保険者の登録漏れ・誤り。届出と違う事業所番号で提出 保険者に届出の受理状況を照会し、登録後に再提出

備考が「返戻」「保留」と文字で出るとき|給付管理票との突合結果

備考欄に4桁コードではなく「返戻」「保留」と文字で出る行は、事由Cの給付管理票突合の結果です。「保留」は給付管理票が未提出または返戻中の状態で、明細書の再請求は不要です。ケアマネに給付管理票の提出状況を確認します。「返戻」は、給付管理票と明細書の内容が食い違う状態です。保留期間を過ぎても給付管理票が届かなかった場合も「返戻」になります(宮城県国保連)。滋賀県国保連のQ&Aは、給付管理票との突合でエラーになる例として次の3つを挙げています。

  • 請求明細書のサービス種類が給付管理票に入力されていない
  • 請求明細書を提出した事業所と給付管理票の事業所番号が違う(法人内の別事業所番号で登録されていたなど)
  • 給付管理票の実績を超える限度額管理対象単位数を請求し、かつ限度額管理対象外の単位数もある

この場合は、どちらの書類が正しいかで対応が分かれます。給付管理票が誤りならケアマネに「修正」提出を依頼し、明細書は翌月に再請求します。明細書が誤りなら明細書を直して再請求します。突合の詳しい仕組みは後述の「ケアマネ側との連携」で説明します。

再請求の手順と期限|翌月10日に間に合わせる

返戻分の再請求は、翌月1日~10日の通常の受付期間に、当月分と一緒に送ります。返戻専用の受付枠はありません。一覧表が届いてから翌月10日までに、原因の確認・修正・送信を終える必要があります。ここを逃すと再請求はさらに翌月になり、入金は2か月遅れます。

再請求の5ステップ

  1. 一覧表の「種別」で、戻ったのが請求明細書か給付管理票かを確認する。
  2. 「備考」を見て、「保留」なら再請求せずケアマネに連絡する。4桁コードまたは「返戻」なら次へ進む。
  3. 「事由」と「内容」で原因を特定する。事由Aは請求データ、事由Bは台帳(保険者・指定権者に照会)、事由Cはケアマネに確認する。
  4. 請求ソフトで該当月の明細を修正し、再請求データを作成する。同じ利用者の同じ月は1件にまとめる。
  5. 翌月1日~10日の受付期間に、当月分と一緒に伝送する。送信後は電子請求受付システムで受付結果(到達・受付点検)を確認する。

受付期間は毎月1日~10日です。大阪府国保連の案内では、伝送は土日祝も24時間受け付けています。持参分は通常土日祝は受け付けませんが、10日が土日祝の場合は午前9時~午後5時30分に受け付け、郵送分は10日必着です。媒体ごとの扱いは国保連によって違う場合があるため、10日が休日の月は自県の国保連の案内で確認してください。

なお、請求データの差替えができる仕組みを持つ国保連もあります。大阪府国保連の「Oh!Shien(介護版)」は、差替可能期間中であれば審査結果や件数を確認して差し替えられます。大阪府国保連は、エラーによる当月請求分の支払の遅れを防げると案内しています。自県にそうした仕組みがあるか確認してください。

月遅れ請求と請求権の時効(2年)

返戻分の再請求は、いわゆる月遅れ請求として扱われます。特別な手続きは不要で、サービス提供年月を元の月のまま、通常の請求と一緒に送ります。ただし、いつまでも再請求できるわけではありません。介護報酬の請求権は2年で時効消滅します。起算日は「サービスを提供した日の属する月の翌々々月の1日」です。たとえば令和6年(2024年)10月提供分は、令和7年(2025年)1月1日から2年です。

茨城県国保連の通知(介護発第102号、平成14年(2002年)10月10日)では、返戻は時効の中断事由に当たらない、と整理されています。返戻を放置している間も時効は進みます。時効直前の請求が返戻になった場合は、催告として6か月以内に再請求できるとされていますが、例外扱いです。返戻はその月のうちに処理する、を原則にしてください。

ケアマネ側との連携|給付管理票の修正・再提出の仕組み

介護保険の請求は、サービス事業所の「請求明細書」とケアマネの「給付管理票」を国保連が突き合わせて、初めて支払いが確定します。サービス事業所だけで完結しないのが、障害福祉の請求との一番の違いです。だからこそ、返戻・保留を減らす鍵は、ケアマネとの月初のやり取りにあります。

突合の結果は3通り|返戻・減単位・0単位決定

国保中央会の手引きによると、給付管理票との突合結果は、一覧表に載るものと「審査増減単位数通知書」に載るものに分かれます。

突合結果 載る帳票 記号 状態 再請求
給付管理票が未提出・返戻中 返戻(保留)一覧表 事由C・備考「保留」 保留期間内に給付管理票が届けば支払い 不要(ケアマネに依頼)
事業所番号やサービス種類が食い違う 返戻(保留)一覧表 事由C・備考「返戻」 支払われない 必要(正しい側に合わせて修正)
明細書の単位数が給付管理票の計画単位数より多い 審査増減単位数通知書 事由B(減単位) 給付管理票の単位数で確定。差額は減額 不要。給付管理票を「修正」すれば差額が復活
給付管理票に自事業所の実績がない 審査増減単位数通知書 事由A(減単位) 0単位(0円)で決定 不要。給付管理票を「修正」すれば復活。再請求するとANNMになる

特に注意したいのは4行目です。0円で決定された明細書は「返戻ではない」ので、再請求するとANNM(支援事業所に給付管理票の修正依頼が必要)で弾かれます。やるべきことはケアマネへの給付管理票「修正」の依頼で、修正された月の審査分で差額が支払われます。手引きも「減単位された(0単位となった)請求明細書については、返戻となっているわけではないので、再請求する必要はありません」と明記しています。ただし、給付管理票に自事業所の行が無い場合に、事由Cの「返戻」になるか0単位決定になるかは、国保連の解説で書きぶりが異なります。一覧表と審査増減単位数通知書の両方を確認してください。

給付管理票の作成区分|新規・修正・取消の使い分け

ケアマネ側の修正で起きやすい誤りの一つが、作成区分の選び間違いです。国保連に登録済みの給付管理票を直すときは「修正」、未登録(初回または返戻後)なら「新規」です。登録済みの月分を「新規」で出すとANNJ、未登録の月分を「修正」で出すとANN9になります。

作成区分 使う場面 間違えたときのコード
新規(1) 初回提出。返戻後の再提出(国保連に登録されていない状態) 登録済みに新規を出すとANNJ・ANN0
修正(2) 登録済み・審査決定済みの給付管理票の単位数訂正、事業所の追加 未登録に修正を出すとANN9
取消 被保険者番号などを誤って登録した給付管理票を消す。消した後に正しい内容を「新規」で提出 ―

「修正」で出すときは、直す事業所の分だけでなく、その月の全事業所分を入力した完全な給付管理票を提出します。大阪府国保連の案内では、修正分は決定済みの給付管理票に上書きされる扱いです。一部の事業所だけ入力して修正すると、載らなかった事業所が0単位に落ちます。また、同月過誤と給付管理票の「修正」を同じ月に出せない運用もあるため、過誤が絡む場合は保険者に提出時期を確認してください。

サービス事業所からケアマネへ|月初に確認する3点

  • 提供票(実績)の単位数と、給付管理票に載せる単位数が一致しているか(限度額管理対象分)。
  • 給付管理票に載せる事業所番号が、請求に使う自事業所の番号と同じか(法人内に複数の事業所番号がある場合)。
  • 区分変更申請中の利用者について、認定確定を待って請求するか、確定前の要介護度で請求するかを揃えているか。

返戻を減らすチェックリスト|台帳・受給者証・給付管理票の突合

事由AとBの返戻は、「番号・区分・日付の不一致」と重複提出が中心です。送信前に次の項目を確認すると、防げるものが多くあります。青森県国保連が公開した平成18年(2006年)12月審査分の集計があります。給付管理票の返戻の6割以上(62%)が「既に当該給付管理票有り」(重複提出)でした。請求明細書でも、重複提出(ANN2・ANN4)が上位2つを占めていました。古い集計のため現在の割合とは異なる可能性がありますが、重複提出への注意は今も有効です。

  • 被保険者証の写しと請求データで、保険者番号・被保険者番号・要介護度・認定有効期間を突き合わせた(12P0・12QJ・12PD対策)。
  • 負担割合証の有効期間と割合を確認し、8月の切り替え時期は特に注意した(12SA・ASSA対策)。
  • 区分変更申請中・新規申請中の利用者を一覧にし、認定確定前の請求可否をケアマネと決めた(12PA対策)。
  • 加算の届出区分(処遇改善・サービス提供体制強化・人員配置区分など)と請求データの区分が一致している(事業所台帳との不一致対策)。
  • 入退所日・開始日・中止日と、明細の日数・回数が整合している(AEE2・AEFJ対策)。
  • 前月に保留・0単位決定になった分を、再請求せずケアマネに給付管理票の修正を依頼した(ANN2・ANNM対策)。
  • 再請求分と当月分で、同じ利用者・同じ月の明細が2件になっていない(ANN2・ANNL対策)。
  • 生活保護単独(みなし2号)の利用者は保険請求額0・公費100%で作成した(ATT5対策)。
  • 送信後に電子請求受付システムで「到達」「受付点検結果」を確認し、点検エラーがあれば10日までに再送した。

請求ソフトには、受給者台帳との突合や重複チェックを送信前に行う機能があります。手作業の突合が負担なら、ソフトの見直しも選択肢です。比較の観点は介護請求ソフトの比較と選び方で整理しています。

よくある質問(FAQ)

一覧表の備考に「保留」とあります。再請求は必要ですか

不要です。保留は請求明細書に誤りがなく、給付管理票が未提出または返戻中の状態です。担当ケアマネに給付管理票の提出状況を確認してください。保留期間(国保連ごとに異なり、1か月や2か月の例がある)内に給付管理票が届けば、その審査月に支払われます。期間を過ぎると返戻に変わるので、そのときは再請求が必要です。

「国保連 返戻事由 B」とは何ですか。事業所で直せますか

事由Bは、保険者が登録する受給者台帳、または都道府県等が登録する事業所台帳と請求内容が一致しないエラーです。まず被保険者証や体制届の控えと請求データを突き合わせます。事業所側の入力誤りなら直して再請求します。請求が正しいのに返戻された場合は台帳側の登録漏れや遅れなので、受給者台帳は保険者、事業所台帳は指定権者に照会し、登録後に再請求します。

再請求の期限はいつですか。翌月10日を過ぎたらどうなりますか

返戻分は翌月1日~10日の受付期間に当月分と一緒に送ります。10日を過ぎると次の月の受付期間まで送れず、入金がさらに1か月遅れます。請求権の時効は2年(起算日はサービス提供月の翌々々月1日)なので、その範囲内なら月遅れ請求として再請求できます。ただし返戻の放置は時効を止めないため、翌月に必ず処理してください。

給付管理票に自事業所の実績がなく0円で決定されました。再請求すべきですか

再請求はしません。0単位で決定された明細書は返戻ではないため、再請求するとANNM(支援事業所に給付管理票の修正依頼が必要)で返戻されます。担当ケアマネに、自事業所の実績を入れた給付管理票を作成区分「修正」で提出してもらいます。修正が登録された月の審査分で、減額されていた金額が支払われます。

ANN2(同月に同じ請求明細書を提出済)が出ました。何が起きていますか

同じ利用者・同じ月の明細書が、今月すでに受け付けられています。伝送を2回行った、保留中の明細を再請求した、当月分と再請求分が重なった、のいずれかが多い原因です。登録済みの内容が正しければ何もしなくて構いません。登録済みの内容が誤っている場合は、保険者に過誤申立(取下げ)を行い、取下げ後に正しい明細を再請求します。過誤の完了まで2~3か月かかるので、二重送信の防止が最も効果的です。

障害福祉の返戻とコード体系は同じですか

別です。障害福祉サービス(障害者総合支援法・児童福祉法)の請求には、介護保険の給付管理票にあたる書類がありません。審査結果の帳票やエラーコードの体系も、介護保険とは別です。同じ法人で介護保険と障害福祉の両方を請求している場合は、制度ごとに一覧表と対応手順を分けて管理してください。

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まとめ|一覧表は「種別→事由→備考」の順に読む

  • 一覧表が届いたら、まず備考欄が「保留」か「返戻・4桁コード」かを分ける。保留は再請求せずケアマネに連絡する。
  • 事由Aは請求データ、事由Bは台帳(保険者・指定権者に照会)、事由Cは給付管理票(ケアマネ)が原因。照会先を間違えない。
  • 返戻分は翌月1日~10日に当月分と一緒に再請求する。逃すと入金が1か月ずつ遅れる。時効は2年。
  • 0単位決定・減単位は返戻ではない。給付管理票の「修正」で復活するので、再請求してANNMを増やさない。
  • 送信前に被保険者証・負担割合証・体制届・入退所日と請求データを突き合わせ、重複送信を防ぐ。

返戻の原因調査は、コードの意味を知っていても、保険者・指定権者・ケアマネへの照会に時間がかかります。請求担当者が1人で、返戻の月に他の業務が止まってしまう施設も少なくありません。

介護保険専門の請求代行「WITH介護」は、実績をFAXで送るだけで請求データの作成から伝送までを代行します。返戻が出た場合は、原因調査と再請求まで対応します。既存の請求ソフトは不要で、全国47都道府県・約1,000事業所、毎月約20,000件の請求実績があります(2026年9月時点)。返戻対応に毎月追われている施設は、一度サービス内容を確認してみてください。

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参考(一次情報)