介護支援専門員(ケアマネジャー)とは、ケアプランの作成を通じて利用者の生活を支える専門職です。「介護支援専門員」が正式名称、「ケアマネジャー」が通称で、両者は同じ資格を指します。「なるにはどうすればいい?」「主任ケアマネとは何が違うの?」と迷っている方に向けて、仕事内容、なり方(受験資格・試験)、主任介護支援専門員との違い、給料までを1本にまとめました。2026年7月時点の最新の試験データや介護報酬改定をふまえています。
記事でわかること
この記事でわかること
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)とは何か、両者の関係
- なり方(受験資格・試験・研修)と最新の合格率
- 主任介護支援専門員(主任ケアマネ)の役割となり方
- 2024年度報酬改定と2026年6月の処遇改善加算新設
- ケアマネの働く場所と給料の目安
介護支援専門員(ケアマネジャー)とは?
介護支援専門員とは、介護保険法に位置づけられた専門職です。要介護・要支援の人の相談に応じ、ケアプラン(介護サービス計画)を作成し、市町村やサービス事業者との連絡調整を行います。「介護支援専門員」が正式名称、「ケアマネジャー(ケアマネ)」が通称で、両者は同じものを指します。介護保険制度の根幹である「ケアマネジメント」を担う、いわば介護サービスの司令塔です。
主な仕事は、一連の流れで進みます。利用者・家族との面談(インテーク)、心身の状況や生活課題の把握(アセスメント)、ケアプランの作成、サービス担当者会議の開催、そして利用開始後の経過確認(モニタリング)です。要介護認定の調査や更新申請の代行に関わることもあります。
介護支援専門員になるには
介護支援専門員になるには、次の3つのステップを踏みます。
- 介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)に合格する(例年10月、各都道府県が実施)
- 合格後、介護支援専門員実務研修(87時間)を修了する
- 都道府県に登録し、介護支援専門員証の交付を受けて業務開始
受験資格
ケアマネ試験の受験には、一定の実務経験が必要です。介護福祉士・看護師・社会福祉士などの法定資格にもとづく業務に通算5年以上かつ900日以上従事するか、生活相談員などの相談援助業務に通算5年以上かつ900日以上従事することが求められます。2018年(第21回)から受験資格が厳格化され、無資格でのヘルパー実務経験などのルートは廃止されました。介護の実務経験を積みながら国家資格を取得し、その先にケアマネを目指すのが一般的なルートです。
最新の試験データ(合格率)
直近の第28回(2025年度)試験の合格率は25.6%でした。2025年10月12日に行われ、受験者50,601人・合格者12,961人という結果です。合格率はおおむね2割前後で推移しています。近年の状況は次のとおりです。
| 回(年度) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第25回(2022年度) | 54,406人 | 10,328人 | 19.0% |
| 第26回(2023年度) | 56,494人 | 11,844人 | 21.0% |
| 第27回(2024年度) | 53,699人 | 17,228人 | 32.1% |
| 第28回(2025年度) | 50,601人 | 12,961人 | 25.6% |
なお、第29回(2026年度)試験は2026年10月11日(日)に予定されています。合格者の保有資格は介護福祉士が最も多く、第28回では合格者の約64%を占めました(参考:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」)。
資格の更新
介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新には更新研修の受講が必要です。研修の区分や時間数は、受講者の状況や都道府県によって異なります。更新時期が近づいたら、お住まいの都道府県の案内を確認しましょう。
主任介護支援専門員(主任ケアマネ)とは?
主任介護支援専門員(主任ケアマネ)は、2006年に新設された上位資格です。介護支援専門員が所定の研修を修了して取得します。役割は、地域包括支援センターへの配置のほか、他のケアマネへの助言・指導(スーパーバイズ)、困難事例への対応支援、地域全体のケアマネジメントの質の向上です。経験豊富なケアマネとして、現場のリーダー的存在となります。
また、居宅介護支援事業所の管理者は、原則として主任介護支援専門員であることが要件とされています(2021年度以降)。なお、2021年3月末時点で主任ケアマネでない人が管理者を務めている事業所には経過措置があります。期限は2027年(令和9年)3月末までです。
主任介護支援専門員になるには
主任介護支援専門員になるには、主任介護支援専門員研修(70時間)を修了する必要があります。主な受講要件は、専任の介護支援専門員として通算5年(60か月)以上の実務経験があることなどです(その他のルートもあり、要件は都道府県により細部が異なります)。主任資格にも5年ごとの更新研修があります。
介護報酬改定でのケアマネに関わる変更点(2024年度・2026年6月)
2024年度(令和6年度)の介護報酬改定では、居宅介護支援に関して次のような見直しが行われました。
- 取扱件数(逓減制)の緩和:報酬が下がり始めるケアマネ1人あたりの担当件数を緩和。居宅介護支援費(I)で「40件未満」から「45件未満」へ、ケアプランデータ連携システムと事務職員を活用する場合(II)は「50件未満」へ。
- テレワークの容認:個人情報を適切に管理し業務に支障がなければ、ケアマネの在宅勤務が明確に認められました。
- 特定事業所加算の要件見直し:ヤングケアラーや障害者、生活困窮者など、多様な事例に対応する研修への参加が要件に追加されました。
背景には、ケアマネの人材不足やなり手の減少という課題があります。ICTの活用や業務の効率化、処遇改善(職員の待遇を改善する取り組み)が改定の柱になっています。
さらに2026年(令和8年)6月の介護報酬臨時改定では、これまで対象外だった居宅介護支援・介護予防支援にも処遇改善加算(加算率2.1%)が新設されました。事業所が算定すれば、ケアマネの賃金改善に充てられる原資になります。ケアマネの待遇を底上げする動きは今後も続く見通しです。
ケアマネの働く場所と給料の目安
介護支援専門員が働く場所は、おもに次の3つです。
- 居宅介護支援事業所:在宅で暮らす利用者のケアプランを作成する「居宅ケアマネ」
- 地域包括支援センター:主任ケアマネなどが地域の相談・支援を担う
- 介護保険施設:特養・老健などで入所者のケアプランを作る「施設ケアマネ」
給料は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると平均年収が約416万円です(月額賃金約29.4万円+年間賞与等約63.4万円。調査や算出方法によって変わるため目安としてご覧ください)。2026年6月からは居宅介護支援への処遇改善加算という追い風もあります。介護職員初任者研修からのキャリアアップ先として、安定した需要のある職種です。
ケアマネから主任ケアマネまでのキャリアと、つまずき回避
ケアマネは取得して終わりではなく、更新と上位資格でキャリアが続きます。全体像を先に把握しておくと、計画的に準備できます。介護職からの道のりを整理しました。
| 段階 | 主な要件の目安 | 役割の広がり |
|---|---|---|
| 受験資格を得る | 法定資格の業務に通算5年かつ900日以上 | 試験への挑戦が可能になる |
| ケアマネになる | 試験合格+実務研修(87時間)+登録 | ケアプラン作成・調整を担う |
| 資格を維持する | 5年ごとの更新研修 | 失効を防ぎ業務を継続 |
| 主任ケアマネになる | 専任で通算5年以上+研修(70時間) | 指導・地域包括・管理者要件に対応 |
つまずきやすい点と備え
- 更新研修を受け忘れて資格が失効→更新時期を早めに確認する
- 受験資格の実務経験の年数・日数の数え間違い→従事日数を記録しておく
- 居宅介護支援事業所の管理者要件の経過措置(2027年3月末まで)→自事業所の管理者が主任ケアマネかを点検する
管理者要件にあたる事業所では、誰がいつ主任研修を受けるかを早めに決めておくと、経過措置の期限切れによる慌てを防げます。試験や研修の最新情報は、厚生労働省や各都道府県の案内で確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 介護支援専門員とケアマネジャーは違いますか?
A. 同じものです。「介護支援専門員」が正式名称で、「ケアマネジャー(ケアマネ)」はその通称です。
Q. ケアマネ試験は難しいですか?
A. 合格率はおおむね2割前後で、近年は19~32%の間で推移しています。受験には法定資格にもとづく5年以上の実務経験などが必要です。
Q. 主任ケアマネとケアマネは何が違いますか?
A. 主任ケアマネは、ケアマネとしての実務経験を積み、所定の研修を修了して取得する上位資格です。他のケアマネへの指導や地域包括支援センターでの業務、居宅介護支援事業所の管理者要件などに関わります。
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まとめ
介護支援専門員(ケアマネジャー)とは、ケアプランの作成を通じて利用者の生活を支える、介護保険制度の中心的な専門職です。なるには実務経験を経て試験に合格し、研修を修了する必要があります。直近の合格率は25.6%でした。さらに経験を積めば、地域や事業所をまとめる主任介護支援専門員へのステップアップも可能です。2024年度の報酬改定で働き方の見直しも進んでおり、長く活躍できる専門職といえます。
「ケアマネを目指したい」「資格を活かせる職場を探したい」という方は、お気軽にご相談ください。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(受験者数・合格率・職種別合格者の原典)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(居宅介護支援への処遇改善加算2.1%新設の原典)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(ケアマネを含む賃金データの原典)
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※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。試験日程・合格率・制度などの最新情報は公式情報をご確認ください。
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