この記事は、計画作成担当者の役割や要件を知りたい介護職員・事業所担当者向けです。計画作成担当者とは、グループホームや小規模多機能型居宅介護などで、利用者一人ひとりのケアプラン(介護サービス計画)を作る専門職です。名前だけ見ると「ケアマネジャーと同じでは?」と感じるかもしれません。しかし、配置される事業所や求められる資格・研修には独自のルールがあります。この記事では、計画作成担当者の仕事内容や配置基準、必要な資格、ケアマネジャーとの違いを、2026年7月時点の最新情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 計画作成担当者とはどんな職種か(役割の概要)
- 計画作成担当者が配置される事業(地域密着型サービス)
- 事業の種類ごとの配置基準と必要な資格・研修
- 計画作成担当者の具体的な仕事内容
- 計画作成担当者とケアマネジャーの違い・兼務の可否
計画作成担当者とは
計画作成担当者とは、利用者ごとの介護サービス計画(ケアプラン)を作成する職種です。主に地域密着型サービスの事業所に配置されます。利用者や家族の状況を把握し、本人の望む暮らしに沿った支援内容を計画にまとめます。そして、実際のサービスへとつなげていきます。いわば事業所内のケアの司令塔です。
計画作成担当者は、すべての介護事業所に置かれるわけではありません。配置が義務づけられているのは、特定の地域密着型サービスです。指定基準(厚生労働省令)によって定められています。具体的には、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や小規模多機能型居宅介護などです。これらの事業では、施設のケアマネジャーに相当する役割として「計画作成担当者」という名称が使われています。
計画作成担当者が配置される事業
計画作成担当者の配置が定められている主な事業は、次のとおりです。いずれも市町村が指定・指導を行う地域密着型サービスに位置づけられています。
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 小規模多機能型居宅介護
- 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
このうち、グループホームは認知症ケアを中心に行います。小規模多機能型・看護小規模多機能型は、通い・泊まり・訪問を組み合わせて柔軟に支援します。両者では求められる研修要件が異なります。次の章で事業ごとに整理します。
事業ごとの配置基準と資格・研修の要件
計画作成担当者になる要件は、配置される事業の種類によって変わります。共通するのは2つです。専らその職務に従事すること、そして認知症介護実践者研修などの所定の研修を修了していることです。そのうえで、グループホームと小規模多機能型では、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格や追加研修の扱いに差があります。主な要件を表で確認しましょう。
| 事業の種類 | 配置の単位 | 必要な資格・研修 |
|---|---|---|
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 事業所ごとに1人以上 | 介護支援専門員(少なくとも1人)+認知症介護実践者研修修了 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 事業所ごとに1人以上 | 介護支援専門員+認知症介護実践者研修修了+小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修修了 |
| 看護小規模多機能型居宅介護(看多機) | 事業所ごとに1人以上 | 介護支援専門員+認知症介護実践者研修修了+小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修修了 |
グループホームの場合
グループホームでは、計画作成担当者を事業所ごとに1人以上配置します。要件は認知症介護実践者研修を修了していることです。そのうち少なくとも1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を持っている必要があります。
従来は「ユニットごとに1人以上」の配置が求められていました。しかし、人材を有効に活用する観点から、2021年度の制度改正で「事業所ごとに1人以上」へ緩和されました。これにより、2ユニットの事業所で計画作成担当者を2人以上配置する場合でも、いずれか1人が介護支援専門員の資格を持っていれば足ります。ただし、計画作成担当者となる人は全員が認知症介護実践者研修を修了していることが必要です。なお、業務に支障がない範囲で、ほかの職務との兼務も認められています。
小規模多機能型・看護小規模多機能型の場合
小規模多機能型居宅介護および看護小規模多機能型居宅介護でも、計画作成担当者を事業所ごとに1人以上配置します。要件はグループホームより厳しいものです。介護支援専門員であることに加えて、2つの研修修了が必要です。認知症介護実践者研修と「小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修」の両方です。これらの事業は通い・泊まり・訪問を一体的に提供するため、それに対応した計画づくりの知識・技術が求められます。
なお、サテライト型の事業所など一部では、要件が緩和されるケースもあります。詳細は事業の指定権者である市町村の基準を確認しましょう。
計画作成担当者の仕事内容
計画作成担当者の中心的な業務は、利用者ごとのケアプラン(介護サービス計画)の作成です。ただし、計画を立てて終わりではありません。その前後の一連のケアマネジメントを担います。具体的な流れは次のとおりです。
- アセスメント:利用者本人や家族との面談を通じて、心身の状態や生活上の困りごと、本人の希望などを把握します(アセスメントとはを参照)。
- ケアプランの作成:アセスメントの結果をもとに、生活全般の目標や具体的な支援内容を計画としてまとめます。
- サービス担当者会議:介護職員や看護職員、関係者と計画の内容を共有し、チームで支援の方向性をすり合わせます。
- モニタリング:計画どおりに支援が行われているか、目標の達成状況はどうかを定期的に確認し、必要に応じて計画を見直します(モニタリングとはを参照)。
また、計画作成担当者は事務的な計画づくりだけを行うのではありません。現場の介護業務を兼務することも少なくありません。実際にケアの様子を見て、利用者の変化を肌で感じながら計画に反映できます。これは、施設に常駐する計画作成担当者ならではの強みです。
計画作成担当者とケアマネジャーの違い
計画作成担当者とケアマネジャーは、どちらもケアプランを作る点では共通します。しかし、立場や働く場所、業務の幅に違いがあります。混同しやすいポイントを表で整理します。
| 項目 | 計画作成担当者 | 居宅のケアマネジャー |
|---|---|---|
| 主な勤務先 | グループホーム・小規模多機能型などの地域密着型サービス事業所 | 居宅介護支援事業所 |
| 作成する計画 | 事業所が提供するサービスの利用計画 | 在宅生活全体を支える居宅サービス計画 |
| 介護業務との兼務 | 兼務する場合が多い | 原則として計画業務が中心 |
| 資格 | 事業により介護支援専門員+研修修了が必要 | 介護支援専門員が必須 |
大きく分けると、両者は計画の対象範囲が異なります。居宅のケアマネジャーは、在宅の利用者の生活全体を見渡します。さまざまな事業者のサービスを組み合わせます。一方、計画作成担当者は、自分が所属する事業所の中で、そのサービスをどう提供するかの計画を立てます。また、計画作成担当者は介護現場にも入りやすく、利用者との距離が近いのも特徴です。なお、グループホームの計画作成担当者のうち介護支援専門員でない人は、ケアマネジャーである計画作成担当者の支援を受けながら計画づくりを進めます。
計画作成担当者として働くには
計画作成担当者を目指すなら、配置先となる事業に応じた要件を満たすことが第一歩です。グループホームの計画作成担当者として中心的に活躍するには、2つが大きな武器になります。介護支援専門員の資格と、認知症介護実践者研修の修了です。小規模多機能型・看護小規模多機能型では、これに加えて小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修の修了も必要です。
介護支援専門員の資格は、一定の手順で取得します。介護福祉士などの国家資格にもとづく実務経験を一定期間積みます。そのうえで、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了します。すでに介護福祉士として現場で経験を積んでいる方なら、キャリアアップの自然な延長線上にある職種です。
配置基準を満たせないと何が起きる?減算と自己点検チェックリスト
計画作成担当者は配置が義務づけられた職種です。要件を満たさないまま運営すると、人員基準違反として報酬の減算や、最悪の場合は指定取消につながります。管理者として「うちは大丈夫か」を定期的に点検しましょう。
つまずきやすい落とし穴
- 計画作成担当者全員が認知症介護実践者研修を修了していない(グループホームでも全員が要件)
- 介護支援専門員の資格者が事業所に1人もいない、または退職して欠員のまま運営している
- 小規模多機能型なのに「小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修」を未修了で配置している
- 研修修了証など、要件を満たすことを示す書類を整理・保管できていない
- 兼務の範囲が広すぎて、計画作成の業務に支障が出ている
自施設の自己点検チェックリスト
| 確認項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 資格・研修の充足 | 事業の種類ごとの要件(介護支援専門員+研修)を全員分そろえているか |
| 欠員時の対応 | 退職・休職で要件を満たせなくなった場合の補充計画があるか |
| 研修の受講予定 | 未修了者の研修申込み・受講スケジュールを管理できているか |
| 書類の整備 | 研修修了証や資格証の写しを、実地指導で提示できる状態にしているか |
要件の細部は事業の指定権者である市町村で異なる場合があります。判断に迷うときは、市町村の担当課や厚生労働省の介護・高齢者福祉の情報も確認してください。部下や新任の担当者へ説明するときは、この点検表をそのまま共有すると役割を伝えやすくなります。
参考(一次情報)
- e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生労働省令第34号)(計画作成担当者の配置・資格要件の根拠条文)
- 札幌市「認知症対応型共同生活介護 計画作成担当者の配置基準の緩和」(令和3年度介護報酬改定資料)(ユニットごと→事業所ごとに1人以上へ緩和された経緯と要件)
- 厚生労働省「介護・高齢者福祉」(指定基準・介護報酬に関する最新情報)
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まとめ
計画作成担当者とは、地域密着型サービスに配置され、利用者ごとのケアプランを作成する専門職です。グループホームや小規模多機能型居宅介護などで活躍します。配置は事業所ごとに1人以上が基本です。グループホームでは、少なくとも1人が介護支援専門員かつ認知症介護実践者研修の修了者である必要があります。小規模多機能型・看護小規模多機能型では、さらに小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修の修了も求められます。業務はアセスメントから計画作成、サービス担当者会議、モニタリングまで多岐にわたります。現場の介護業務を兼務することも多いのが特徴です。利用者に近い立場でケアの質を支える、やりがいの大きな職種です。
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