相談支援専門員とは?仕事内容や働ける場所、必要な資格、給料について詳しく解説!

相談支援専門員とは?仕事内容や働ける場所、必要な資格、給料について詳しく解説

相談支援専門員とは、障害のある人やその家族の相談に応じ、サービス等利用計画の作成や関係機関との連絡調整を行う障害福祉分野の専門職です。介護保険のケアマネジャーに相当する役割を障害福祉で担うため、福祉のキャリアとして注目を集めています。この記事は、相談支援専門員を目指す方に向けて、仕事内容、なるための実務経験や研修の要件、5年ごとの更新、ケアマネジャーとの違い、2024年度報酬改定のポイントまでを2026年7月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • 相談支援専門員とはどのような専門職か
  • 主な仕事内容(計画相談支援/地域相談支援/基本相談支援/障害児相談支援)
  • 相談支援専門員になるための実務経験と研修の要件
  • 5年ごとの現任研修による更新制度のしくみ
  • 主任相談支援専門員の役割と活躍する職場
  • ケアマネジャー(介護支援専門員)との違い
  • 2024年度(令和6年度)報酬改定の相談支援関連のポイント

相談支援専門員とは

相談支援専門員とは、障害のある人やその家族からの相談に応じ、適切な障害福祉サービスや社会資源につなぐ専門職です。障害者総合支援法にもとづく職種です。利用者一人ひとりの希望や生活課題を整理し、必要なサービスを組み合わせたサービス等利用計画(どのサービスをどう使うかをまとめた計画書)を作成します。そのうえで、関係機関との連絡調整を行います。

対象は子どもから高齢者まで幅広く、身体障害・知的障害・精神障害・難病など、すべての障害種別が含まれます。障害のある人が地域で自分らしく暮らせるよう、生活全体を見渡して伴走する役割を担う点が特徴です。介護保険分野でケアマネジャーが果たす役割を、障害福祉分野で担う専門職といえます。

相談支援専門員は、おもに指定特定相談支援事業所や指定一般相談支援事業所、障害児相談支援事業所、基幹相談支援センターなどに配置されます。これらの事業所には、相談支援専門員を置くことが基準で定められています。

相談支援専門員の主な仕事内容

相談支援専門員の業務は、大きく4つに分けられます。利用者の状況に応じて、これらを組み合わせながら支援を進めます。

基本相談支援

すべての相談のベースとなる業務です。障害のある人やその家族からの日常生活全般にわたる相談に応じ、必要な情報提供や助言を行います。後述する計画相談支援・地域相談支援・障害児相談支援をつなぐ土台としての役割を持ちます。

計画相談支援

障害福祉サービスを利用する際に必要となるサービス等利用計画を作成する業務です。利用者の希望や課題を聞き取り、どのサービスをどのように利用するかをまとめた計画を作成します(サービス利用支援)。サービス利用開始後も定期的にモニタリング(計画どおりに支援が進んでいるかの確認)を行い、状況の変化に応じて計画を見直します(継続サービス利用支援)。

地域相談支援

地域相談支援には、地域移行支援地域定着支援の2つがあります。地域移行支援は、施設や病院で暮らす人が地域での生活へ移行できるよう支える業務です。地域定着支援は、一人暮らしなどを始めた人が地域で安定して暮らし続けられるよう支えます。住まいの確保や日中の活動先の調整、緊急時の連絡体制づくりなどを通じて、地域生活への移行と定着を後押しします。

障害児相談支援

18歳未満の障害のある子どもを対象に、障害児支援利用計画を作成し、モニタリングを行う業務です。子どもの発達段階や家庭の状況を踏まえ、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの利用を支援します。

相談支援専門員になるための要件

相談支援専門員になるには、2つの要件を両方満たす必要があります。(1) 一定の実務経験を満たすこと、(2) 相談支援従事者初任者研修を修了することです。試験はなく、要件を満たせば資格が得られる点が特徴です。

必要な実務経験

実務経験の年数は、これまでに従事してきた業務の種類と、保有する資格によって異なります。おおまかな目安は次のとおりです。最終的な該当可否や年数は、研修を実施する各都道府県の要綱で必ず確認してください。

区分 必要な実務経験の目安
相談支援の業務(相談支援事業所、児童相談所、福祉事務所などでの相談業務) 通算5年以上(従事日数900日以上)
直接支援の業務(障害者支援施設や介護施設などでの介護・訓練。無資格の場合) 通算10年以上
直接支援の業務(社会福祉主事任用資格・訪問介護員2級以上・保育士・児童指導員任用資格などの有資格者) 通算5年以上
国家資格等(社会福祉士・精神保健福祉士・看護師など)に基づく業務に通算5年以上従事している場合 相談支援・直接支援の経験が通算3年以上

社会福祉主事任用資格や訪問介護員(ホームヘルパー)2級以上、保育士、児童指導員任用資格などを持って直接支援に携わってきた場合は、必要年数が10年から5年に短縮されます。なお、よく似た職種であるサービス管理責任者(サビ管)の要件(相談支援3年・直接支援8年など)とは必要年数が異なるため、取り違えに注意してください。判定は複雑で、自分のケースがどの区分に当てはまるかは、研修申込時に都道府県へ確認するのが確実です。

相談支援従事者初任者研修の修了

実務経験の要件を満たしたうえで、相談支援従事者初任者研修を修了する必要があります。研修は各都道府県(または指定された機関)が実施します。カリキュラムは厚生労働省が定めているため、内容は全国で共通です。

研修時間は、2020年度(令和2年度)の新カリキュラム移行により、従来の31.5時間から42.5時間へと拡充されました。内訳は講義が11時間、講義・演習が31.5時間です。この42.5時間に加えて、相談支援の現場で学ぶ実習が組み込まれています。日程はおおむね7日間程度に分けて行われることが多くなっています。近年のカリキュラムでは、意思決定支援への配慮や高齢の障害者への対応などが強化されています。

5年ごとの更新(現任研修)が必要

相談支援専門員の資格は、初任者研修を修了して終わりではありません。更新制になっています。資格を継続するには、初任者研修を修了した翌年度から数えて5年度ごとに1回以上、相談支援従事者現任研修を修了する必要があります。

しくみは次のとおりです。初任者研修を修了すると、その後の5年度間は相談支援専門員として従事できます。その期間内に現任研修を修了すれば、資格がさらに5年度間更新されます。現任研修は、初任者研修よりも短い4日間程度で設定している自治体が一般的です。更新を忘れると相談支援専門員として配置できなくなるため、受講時期の管理が重要です。

主任相談支援専門員とは

主任相談支援専門員は、2018年度(平成30年度)の研修制度見直しで創設された上位資格です。事業所や地域において指導的役割を担い、相談支援体制の強化と地域づくりを推進する中核人材として位置づけられています。

具体的な役割は次のとおりです。相談支援専門員の養成にあたる実習指導、適切なサービス等利用計画づくりのための現場での助言・指導、地域の関係機関との連携や人材育成などを担います。主任相談支援専門員になるには、相談支援に関する一定の経験を積んだうえで、主任相談支援専門員研修を修了することが必要です。基幹相談支援センターなどへの配置を評価する加算も設けられており、相談支援専門員のキャリアパスの目標となる役割です。

相談支援専門員とケアマネジャーの違い

相談支援専門員はしばしば「障害福祉版のケアマネジャー」と説明されます。ただし、根拠となる法律や対象、資格の取り方には違いがあります。介護支援専門員(ケアマネジャー)との主な違いを表で整理します。

項目 相談支援専門員 ケアマネジャー(介護支援専門員)
根拠となる法律 障害者総合支援法 介護保険法
主な対象者 障害のある人(子どもから高齢者まで全年齢) おもに65歳以上の高齢者など要介護・要支援者
作成する計画 サービス等利用計画/障害児支援利用計画 ケアプラン(居宅サービス計画など)
資格の取り方 実務経験+初任者研修の修了(試験なし) 実務経験+介護支援専門員実務研修受講試験に合格+実務研修
更新 5年度ごとに現任研修を受講 5年ごとに更新研修を受講
主な勤務先 指定特定相談支援事業所、基幹相談支援センターなど 居宅介護支援事業所、介護施設、地域包括支援センターなど

大きな違いは2点です。1つは、相談支援専門員は障害福祉サービスを、ケアマネジャーは介護保険サービスを軸に支援する点です。もう1つは、資格取得に試験があるかどうかです。なお、高齢の障害者が介護保険サービスへ移行する場面などでは、相談支援専門員とケアマネジャーが連携して支援にあたることもあります。

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者との関係

障害福祉には、相談支援専門員のほかにも計画づくりを担う職種があります。サービス管理責任者(サビ管)や児童発達支援管理責任者(児発管)です。

両者には役割の違いがあります。相談支援専門員が、複数のサービスを横断してサービス等利用計画を作るのに対し、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者は、それぞれの事業所内で個別支援計画を作成し、サービス提供を統括します。いわば、相談支援専門員が利用者の生活全体を見る「外側の調整役」です。サービス管理責任者などは、各事業所内の支援を担う「内側の責任者」にあたります。互いに連携することで、利用者への支援が一貫したものになります。

相談支援専門員の職場と求人

相談支援専門員の主な職場は、相談支援を担う各種の事業所です。計画相談支援を行う指定特定相談支援事業所のほか、地域相談支援を担う指定一般相談支援事業所、障害児相談支援事業所、そして地域の総合相談窓口である基幹相談支援センターがあります。基幹相談支援センターは地域の相談支援を包括するリーダー的なポジションで、扱う相談の幅が広く、業務内容も多岐にわたります。

厚生労働省の関連統計などによると、相談支援専門員の給与水準は職場や運営母体によって幅があります。市町村や公的施設が運営母体の場合は、公務員規定に準じた給与となることもあります。社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を併せ持つと、相談支援以外の業務でも力を発揮しやすくなります。社会福祉士などの資格保有者は、実務経験の要件で短縮の対象になる場合もあります。

2024年度(令和6年度)報酬改定のポイント

2024年度(令和6年度)の障害福祉サービス等報酬改定では、相談支援に関しても見直しが行われました。おもなポイントは次のとおりです。なお報酬や加算の単位数・要件は改定や自治体の取り扱いにより変わるため、最新の情報は厚生労働省や各自治体の公表資料で確認してください。

  • 機能強化型の評価拡充:体制を手厚く整えた機能強化型の事業所について、基本報酬の引き上げなどが行われました。
  • 社会福祉士・精神保健福祉士の活用:機能強化型の事業所で、社会福祉士または精神保健福祉士を相談支援の担当として配置できるようにするなど、人員配置の柔軟化が図られました。
  • ピアサポートの評価:障害のある当事者による支援の専門性を評価する観点から、ピアサポート(同じ障害のある当事者による支え合い)に関する加算が設けられました。
  • オンラインの活用:一定の要件のもとで、モニタリングなどの一部にオンラインを活用する取り扱いも認められるようになりました。

これらの改定は、相談支援の質を高めつつ、人材の確保や柔軟な働き方を後押しする方向で進められています。

さらに2026年(令和8年)6月からは、福祉・介護職員等処遇改善加算の対象が拡大され、計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援の相談支援3類型にも処遇改善加算が新設されました。相談支援専門員の処遇改善が、報酬上も直接評価されるようになっています。

自分は受験要件を満たす?実務経験の自己診断

結論として、相談支援専門員でつまずきやすいのは「自分の経験がどの区分に当たるか」の判断です。試験はないぶん、ここを誤ると研修にたどり着けません。申し込み前に自分の経歴を整理しましょう。

  1. これまでの職務は「相談支援」「直接支援」のどちらが中心だったかを書き出す。
  2. 社会福祉士・精神保健福祉士・保育士などの国家資格や任用資格を持っているか確認する。
  3. 該当しそうな区分の必要年数(相談支援5年、直接支援10年・有資格者は5年など)と、自分の通算年数・従事日数を照らす。
  4. 複数の職場の経験を合算できるか、在職証明で年数を裏づけられるかを確認する。

判定は複雑で、同じ職種でも事業の指定区分により扱いが変わります。最終確認は、研修を実施する都道府県の要綱と窓口で行うのが確実です。要件の根拠は厚生労働省の障害者福祉のページもあわせてご覧ください。

更新(現任研修)の失効を防ぐ管理術

資格取得後にもっとも怖いのが、現任研修の受け忘れによる失効です。失効すると相談支援専門員として配置できなくなり、事業所の運営にも影響します。次の習慣で防げます。

  • 期限を西暦と年度で控える:初任者研修修了の翌年度から5年度ごとが目安です。年度の数え方を取り違えないよう注意します。
  • 研修は前倒しで申し込む:自治体の現任研修は定員があり、最終年度に集中すると受けられないことがあります。
  • 事業所で台帳を共有する:在籍する相談支援専門員の更新期限を一覧化し、管理者と本人の双方で把握します。

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まとめ

相談支援専門員とは、障害のある人やその家族の相談に応じ、サービス等利用計画の作成や関係機関との調整を行う、障害福祉の中核を担う専門職です。なるには一定の実務経験と相談支援従事者初任者研修(42.5時間+実習)の修了が必要です。資格を続けるには、5年度ごとの現任研修による更新も求められます。試験がない一方で、5年ごとの更新がある点や、ケアマネジャーとの役割の違いを理解しておくことが大切です。障害のある人の地域生活を支えるやりがいの大きい仕事であり、社会福祉士などの資格や現場経験を活かして目指せるキャリアです。

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参考(一次情報)

最終更新:2026年7月

※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。実務経験の最終判定は研修実施先の都道府県でご確認ください。