この記事では、介護福祉士とは何か、仕事内容となり方が分かります。これから介護資格を取りたい方や、ほかの資格との違いを知りたい方に向けた内容です。介護福祉士は、介護の専門職の中で唯一の国家資格です。現場でも転職市場でも高く評価されます。資格の意味・仕事内容・なり方・メリットまで、2026年6月時点の最新情報で初心者にもわかりやすく解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 介護福祉士とは何か(介護分野で唯一の国家資格である意味)
- 介護福祉士の具体的な仕事内容とほかの介護職員との違い
- 介護福祉士になるための4つの取得ルート
- 介護福祉士国家試験の最新の概要(試験日・パート合格制度)
- 介護福祉士になるメリットと初任者研修・実務者研修との違い
介護福祉士とは?わかりやすく解説
介護福祉士とは、介護分野で唯一の国家資格です。「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律に基づいて定められています。専門的な知識と技術をもって、お年寄りや障害のある方など、日常生活を送るのが難しい方を支えます。身のまわりのお世話や心のケアを行い、その人らしい生活を支えるのが役割です。
かんたんに言えば「介護のプロであることを国が証明してくれる資格」です。資格がなくても介護の仕事に就けます。ただし、介護福祉士になると専門職としての信頼度がぐっと高まります。
「介護分野で唯一の国家資格」とはどういうこと?
介護に関する資格には初任者研修や実務者研修などさまざまなものがあります。その多くは民間資格や研修の修了証です。一方、介護福祉士は国家試験に合格して登録することで取得できる国家資格です。介護の専門職としては唯一の存在です。
また、介護福祉士は名称独占の資格です。名称独占とは、登録をして介護福祉士になった人だけが「介護福祉士」と名乗れるという意味です。試験に合格しても登録をしなければ名称を使えない点に注意しましょう(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)。
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士の仕事は、大きく4つに分けられます。「身体介護」「生活援助」「相談・助言」「スタッフの指導・チームのまとめ役」です。日々のケアは、利用者一人ひとりに合わせて立てられたケアプラン(介護計画)に基づいて行います。
身体介護
身体介護とは、利用者の体に直接触れて行う介護です。食事・入浴・排泄・着替え・移動などが当てはまります。要介護の状態は人それぞれです。その方に合わせて、安全で心地よい方法を選びながら支援します。
生活援助
生活援助とは、暮らしを支える家事の支援です。調理・洗濯・掃除・買い物などが含まれます。訪問介護では身体介護とあわせて担うことが多く、施設では業務分担によって範囲が変わります。
相談・助言
利用者本人やご家族の不安や悩みに耳を傾け、必要なアドバイスを行います。介護に直面した方の心に寄り添い、安心して生活を続けられるよう支えるのも大切な役割です。
スタッフの指導・チームのまとめ役
現場のリーダーとして、後輩や無資格職員の教育・指導を任されることもあります。看護師やケアマネジャーなど他職種と連携し、介護の質を高めるのも介護福祉士に期待される働きです。
たんの吸引などの医療的ケアも一定範囲で可能
一定の研修を修了した介護福祉士は、医療的ケア(喀痰吸引等)を一定範囲で行えます。たんの吸引や経管栄養といったケアを、医師や看護師との連携のもとで実施できます。これは介護福祉士ならではの専門性のひとつです。
介護福祉士と一般的な介護職員の違い
日々の業務内容そのものは、無資格の介護職員と大きく変わらない場面もあります。ただし介護福祉士は専門知識を持つ証明があります。そのため、資格手当が支給されたり、リーダーに抜擢されたりと待遇面で差が出ることが多くあります。施設側にとっても、介護福祉士が一定数いることで介護報酬の加算につながるため、確保したい人材です。
介護福祉士になるには?4つの取得ルート
介護福祉士になるには、原則として介護福祉士国家試験に合格し、登録する必要があります。受験資格を得るルートは、大きく次の4つに分かれます。自分の経歴に合わせてルートを選びましょう。
| ルート | 主な対象者 | 受験資格の主な要件 |
|---|---|---|
| 実務経験ルート | 働きながら資格を目指す人 | 実務経験3年以上(従事期間1,095日以上+従事日数540日以上)+実務者研修の修了 |
| 養成施設ルート | 専門学校・大学などで学ぶ人 | 介護福祉士養成施設を卒業(学歴により1年以上または2年以上) |
| 福祉系高校ルート | 福祉系高校の生徒 | 所定の科目を履修して福祉系高校を卒業 |
| EPAルート | 経済連携協定で来日した外国人 | EPA介護福祉士候補者として実務経験3年以上 |
最も多く選ばれているのが実務経験ルートです。未経験から介護現場で働き始め、3年の実務経験を積みながら実務者研修を修了すれば、受験資格を得られます。働きながら研修費用を補助してくれる職場もあるので、求人を探す際にチェックしてみましょう。詳しくは実務者研修とは?取得のメリットや方法を解説した記事もご覧ください。
なお、養成施設を令和8年度末までに卒業する方には経過措置があります。卒業後5年間は、国家試験を受けなくても介護福祉士になれます。ただし令和9年度以降に卒業する方からは、国家試験への合格が必須となります(出典:社会福祉振興・試験センター)。
介護福祉士国家試験の概要
受験資格を満たしたら、年に1回行われる介護福祉士国家試験を受けます。最新の試験概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容(第39回・令和8年度) |
|---|---|
| 試験日 | 2027年(令和9年)1月31日(日) |
| 受験申込期間 | 2026年7月22日(水)~2026年9月2日(水) |
| 合格発表 | 2027年(令和9年)3月23日(火)に試験センターのホームページで発表 |
| 出題形式 | 筆記試験(マークシート方式)/125問 |
| 試験地 | 全国35試験地 |
筆記試験は13科目から出題されます。「人間の尊厳と自立」「介護の基本」「認知症の理解」「医療的ケア」などが含まれます(出典:社会福祉振興・試験センター)。
第38回から始まった「パート合格制度」
2026年1月実施の第38回試験から、新しくパート合格制度が導入されました。これは試験の科目をA・B・Cの3つのパートに分ける仕組みです。合格基準を満たしたパートだけを、部分的に合格として認めます。合格したパートは翌年・翌々年まで受験が免除されます。そのため、一度で全パートに合格できなくても、次回は不合格だったパートだけを受け直せばよくなりました。働きながら資格取得を目指す人の負担を軽くするための制度です(出典:社会福祉振興・試験センター)。
合格率の目安
2025年1月に実施された第37回試験は、受験者数75,387人に対して合格率78.3%でした(出典:厚生労働省)。介護福祉士国家試験の合格率は、おおむね70%台で推移しています。しっかり準備をすれば合格を狙いやすい試験です。過去問を繰り返し解き、苦手な科目を重点的に対策することが合格への近道です。
介護福祉士のメリット
介護福祉士の資格を取得すると、次のようなメリットがあります。
- 給与・手当が上がりやすい:資格手当が付くことが多く、収入アップにつながります。
- キャリアの幅が広がる:現場リーダーやサービス提供責任者、さらにケアマネジャーなど上位資格へのステップにもなります。
- 就職・転職に強い:国家資格としての信頼があり、求人で歓迎されやすくなります。
- 専門性が認められる:たんの吸引など、介護福祉士ならではの業務を任されることがあります。
実際にどのくらい収入が変わるのかは、介護福祉士の年収を詳しく解説した記事で確認できます。参考までに、厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査を見てみましょう。介護福祉士(月給制・常勤)の平均給与は350,050円で、無資格の職員より高い水準です(出典:厚生労働省)。
初任者研修・実務者研修との違い
介護の資格は、段階的にステップアップしていくのが一般的です。介護福祉士と、その前段階にあたる初任者研修・実務者研修の違いを整理しておきましょう。
| 資格・研修 | 位置づけ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 介護職員初任者研修 | 入門レベルの研修 | 介護の基礎を学ぶ最初のステップ。無資格・未経験から取得可能 |
| 実務者研修 | 中級レベルの研修 | 初任者研修より幅広い内容を学ぶ。実務経験ルートで受験するには必須 |
| 介護福祉士 | 国家資格 | 介護分野で唯一の国家資格。専門職として高い評価を得られる |
初任者研修・実務者研修は、いずれも研修を受ければ取得できます。一方、介護福祉士は国家試験への合格が必要です。まずは入門資格から始め、経験を積んで介護福祉士を目指すのが王道のキャリアパスです。各資格の詳細は介護職員初任者研修の記事や介護資格図鑑もチェックしてみてください。
介護福祉士の需要と将来性
少子高齢化が進む日本では、介護を必要とする人は今後も増え続ける見込みです。そのため、専門的なケアを担える介護福祉士の需要は高く、安定して働ける将来性のある仕事です。資格を持っていればライフステージに合わせて職場を選びやすく、長く活躍し続けられるのも魅力です。
取得後の現実とルート選びで後悔しないために
資格は「取ること」より「取った後にどう活きるか」が大切です。働き方の変化とルート選びの注意点を、現実に即して整理します。
資格を取ると現場で何が変わるか
合格直後に仕事の中身が劇的に変わるわけではありません。ただし、時間をかけて次のような変化が積み重なります。
- 資格手当が付き、月給ベースで収入が上がりやすくなる
- 新人や無資格職員の指導、リーダー業務を任されやすくなる
- たんの吸引などの医療的ケア(所定の研修修了が前提)に関われる
- サービス提供責任者やケアマネジャーへの道が開ける
一方で、指導や記録の責任が増える面もあります。手当の額や任される役割は施設ごとに差が大きいため、転職時は求人票で資格手当の金額を具体的に確認しましょう。
ルート選びでよくある後悔と回避策
| 後悔の例 | 回避策 |
|---|---|
| 実務経験の日数が足りず受験できなかった | 従事期間1,095日かつ従事日数540日を早めに自分で集計しておく |
| 実務者研修の修了が試験に間に合わなかった | 受験する年の前年までに研修を修了する計画を立てる |
| 養成施設の経過措置の期限を見落とした | 卒業年度ごとの国家試験の要否を入学前に確認する |
働きながら取得する人への現実的なアドバイス
最も多い実務経験ルートでは、3年間働きながら研修と試験準備を並行します。負担を抑えるには、研修費用の補助制度がある職場を選ぶのが近道です。第38回から始まったパート合格制度を使えば、一度で全パートに受からなくても、合格したパートは翌年・翌々年まで免除されます。最新の受験要件や日程は、社会福祉振興・試験センターや厚生労働省の介護・高齢者福祉の情報で必ず確認してください。
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まとめ
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介護福祉士とは、介護分野で唯一の国家資格です。専門的な知識と技術で利用者の生活を支える、介護のプロフェッショナルです。なり方には実務経験ルートをはじめ複数の道があり、未経験からでも着実にステップアップして目指せます。第38回からはパート合格制度も始まり、働きながらでも挑戦しやすくなりました。給与アップやキャリアの広がりにつながる資格なので、前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。
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