結論からお伝えすると、介護職員基礎研修は2013年3月末で廃止され、現在は新しい資格制度へ移行しています。今から同じ名前の研修を受講することはできません。「今からでも取れるの?」と検索してたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
この記事では、2026年6月時点の最新情報にもとづいて、介護職員基礎研修が廃止された経緯を整理します。あわせて、今から介護資格を取るならどうすればよいのかを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 介護職員基礎研修がどんな資格で、なぜ廃止されたのか
- ホームヘルパー1級・2級や介護職員基礎研修が、現在どの資格に移行したのか
- 現行制度の介護職員初任者研修(130時間)と介護職員実務者研修(450時間)の違い
- 今から介護資格を取るときの正しいキャリアパスと、介護福祉士の目指し方
介護職員基礎研修とは(廃止された経緯)
介護職員基礎研修は、2013年3月末で廃止された研修制度です。2006年度に創設され、より専門的な知識と技術を持つ介護職員を育てることを目的に位置づけられていました。講義・演習が360時間、施設などでの実習が140時間で、合計500時間という大きなボリュームを学ぶ内容でした。
廃止の背景には、資格制度の分かりにくさがあります。当時の介護資格は「ホームヘルパー1級・2級」「介護職員基礎研修」など複数の制度が並立しており、それぞれの位置づけや上下関係がわかりにくいという課題がありました。そこで国は、介護のキャリアパスをシンプルなものに整理する方針を打ち出します。
この見直しによって、介護職員基礎研修は2013年(平成25年)3月末をもって廃止されました。同時にホームヘルパー1級も廃止され、両者は新設された「介護福祉士実務者研修」へと統合・移行しています。つまり現在は、介護職員基礎研修という名前の研修を新たに受講することはできず、その役割は実務者研修が引き継いでいます。
なお、すでに介護職員基礎研修を修了していた方には、救済措置があります。実務者研修を受講する際に一部科目が免除される取り扱いです。過去に修了した資格そのものが無効になるわけではないため、お持ちの方は受講予定のスクールに免除範囲を確認するとよいでしょう。
今は初任者研修・実務者研修に一本化
2013年4月の制度改正により、複数あった介護の入門・基礎資格は、現在は大きく次の2つに整理されています。旧資格との関係は下の表のとおりです。
| 現在の資格 | 標準的な学習時間 | 主に移行・統合された旧資格 |
|---|---|---|
| 介護職員初任者研修 | 130時間 | ホームヘルパー2級(訪問介護員2級) |
| 介護職員実務者研修 | 450時間(無資格から受講する場合) | ホームヘルパー1級・介護職員基礎研修 |
それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。
- 介護職員初任者研修(130時間):介護の基本的な知識・技術を学ぶ入門資格です。旧ホームヘルパー2級にあたり、これから介護の仕事を始める人の最初のステップになります。
- 介護職員実務者研修(450時間):初任者研修より専門的な内容を学ぶ資格で、旧ホームヘルパー1級・介護職員基礎研修の役割を引き継いでいます。後述する介護福祉士の国家試験を受けるためにも修了が必須です。無資格から受講すると450時間ですが、初任者研修を修了していれば130時間分が免除され、320時間で修了できます。
このように制度が一本化されたことで、「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」という形で、キャリアアップの道筋がわかりやすくなりました。介護の入門資格について詳しく知りたい方は、ホームヘルパー(初任者研修)の資格を解説した記事もあわせてご覧ください。
今から介護資格を取るなら
介護職員基礎研修が廃止された今、これから資格を取るなら、現行のキャリアパスに沿って進めるのが正解です。一般的な流れは次の3ステップになります。
ステップ1:介護職員初任者研修(130時間)
まずは入門資格である初任者研修からスタートするのが王道です。介護の基礎を体系的に学べるため、未経験から介護職を目指す方の多くがここから始めます。スクールに通う方法が一般的で、働きながらでも取得しやすい資格です。
ステップ2:介護職員実務者研修(450時間)
次のステップが実務者研修です。介護過程の展開や医療的ケアの基礎なども学び、より専門性の高い介護を実践できるようになります。前述のとおり、初任者研修を修了済みであれば免除があり、無資格からよりも短い時間で修了できます。実務者研修は、介護福祉士の国家試験を受けるための必須要件でもあります。
ステップ3:介護福祉士(国家資格)
介護分野で唯一の国家資格が介護福祉士です。働きながら目指す「実務経験ルート」の場合、次の2つを満たすと国家試験を受験できます。
- 実務経験3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)
- 介護職員実務者研修の修了
この2つを満たして介護福祉士国家試験に合格すれば、介護福祉士として登録できます。なお、介護福祉士国家試験は第37回試験から実技試験が廃止され、現在は筆記試験のみで実施されています。直近の第38回試験は2026年1月に行われました。試験制度は年度によって見直されるため、受験予定の方は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの最新情報を必ず確認しましょう。
介護福祉士になると、より専門的な業務や指導的な役割を担えるようになります。その先のケアマネジャー(介護支援専門員)などへのキャリアアップも見えてきます。介護の仕事の理解を深めるために、利用者の状態を表す介護度(要介護度)についての記事もチェックしておくと役立ちます。
初任者研修からのキャリアと年収の伸び方
結論として、今から始めるなら初任者研修が入口で、資格を重ねるほど任せられる仕事と年収が広がります。ゴールまでの全体像を持っておくと、途中で迷いにくくなります。
| 段階 | できること・役割の広がり | 収入の傾向 |
|---|---|---|
| 初任者研修 | 身体介護を含む基本的な介護に従事できる | 無資格より資格手当が付きやすい |
| 実務者研修 | たんの吸引などの基礎を学び、サービス提供責任者も視野に | 初任者よりさらに評価されやすい |
| 介護福祉士 | 専門業務や後輩指導、リーダーを担える | 処遇改善加算の対象になりやすく伸びやすい |
介護職員の処遇改善は国の加算制度で後押しされています。資格を取って長く働くほど、加算の恩恵を受けやすくなります。制度の最新情報は厚生労働省の介護・高齢者福祉のページで確認できます。
スクール選びで損しないための確認ポイント
初任者研修は多くのスクールが開講していますが、選び方で時間と費用の負担が変わります。申し込む前に次を確認しましょう。
- 通学日数と通学・オンラインの組み合わせ:働きながらなら、自分のシフトで通い切れる日程か。
- 費用と割引・助成:ハローワークの教育訓練給付や、就職を前提にした受講料の補助・キャッシュバックがあるか。
- 就職サポートの有無:修了後にそのまま働ける紹介先があるか。
「無料」とうたう講座は、提携先での就業が条件のことがあります。条件をよく読み、納得して申し込むのが失敗回避のコツです。
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まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 介護職員基礎研修(500時間)は2013年3月末で廃止され、今から受講することはできない。
- ホームヘルパー1級・介護職員基礎研修は実務者研修へ、ホームヘルパー2級は初任者研修へ移行・統合された。
- 現行制度は介護職員初任者研修(130時間)と介護職員実務者研修(450時間)に一本化されている。
- 今から目指すなら「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」の流れが王道。介護福祉士は実務経験3年以上と実務者研修修了で国家試験を受験できる。
古い情報のまま「介護職員基礎研修」を探していた方も、これで今取るべき資格の道筋がはっきりしたはずです。資格を活かして働ける職場を探したい方や、自分に合った進め方を相談したい方は、次の窓口をご活用ください。
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