介護福祉士国家試験の難易度・合格率・勉強法ガイド|合格ラインと落ちる人の特徴【2026年最新】

介護福祉士国家試験は、国家資格の中では合格率が高く「受かりやすい試験」と言われてきました。しかし直近の第38回(2026年1月実施)の合格率は70.1%。2年前の82.8%から10ポイント以上下がり、「簡単な試験」とは言い切れなくなっています。

この記事では、これから介護福祉士の取得を目指す人に向けて、難易度と合格率の最新データ、合格基準(合格ライン)、勉強時間の目安と勉強方法を解説します。数値はすべて厚生労働省と社会福祉振興・試験センターの一次情報で確認しています。

介護福祉士国家試験の難易度|「簡単」とは言えなくなっている

結論から言うと、介護福祉士国家試験の難易度は「国家試験の中では合格しやすいが、無対策では落ちる」水準です。合格率は例年70~80%台で、看護師や社会福祉士と比べても高めです。

ただし受験者の多くは、実務経験3年以上で実務者研修を修了した現役の介護職員です。つまり「準備をして臨んだ人が7~8割受かる試験」であって、誰でも受かる試験ではありません。

合格率の推移(第34回~第38回)

直近5回の受験者数・合格者数・合格率・合格点は次のとおりです。

回(実施年月) 受験者数 合格者数 合格率 合格点
第34回(2022年1月) 83,082人 60,099人 72.3% 78点
第35回(2023年1月) 79,151人 66,711人 84.3% 75点
第36回(2024年1月) 74,595人 61,747人 82.8% 67点
第37回(2025年1月) 75,387人 58,992人 78.3% 70点
第38回(2026年1月) 78,469人 54,987人 70.1% 64点

出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」ほか各回の合格発表資料。合格点はいずれも総得点125点満点です。

「簡単すぎる」と言われた理由と実態

第35回84.3%、第36回82.8%と、合格率が2年連続で80%を超えた時期がありました。この時期に「介護福祉士は簡単すぎるのでは」という声が広がりました。

しかし実態は違います。合格率が高いのは、実務者研修で体系的に学んだ現役職員が受験者の中心だからです。試験問題そのものは、11科目群にわたる幅広い知識を問う内容です。医療的ケアや制度改正など、現場経験だけではカバーできない分野も出題されます。

回別の難易度比較(第36回~第38回)

直近3回を比べると、難化の流れがはっきり見えます。

合格率 合格点 難易度の特徴
第36回 82.8% 67点 合格率80%超。標準的な出題で得点しやすかった回
第37回 78.3% 70点 合格点が上がり、合格率は70%台に低下
第38回 70.1% 64点 合格点が下がったのに合格率も低下。事例問題が増え難化。パート合格制度が導入された回

注目すべきは第38回です。合格点が64点まで下がった(=難易度補正が入った)にもかかわらず、合格率は70.1%まで落ちました。問題自体が難しくなったと読み取れます。「過去問の答えを覚えるだけ」の対策では通用しにくくなっています。

合格基準・合格ライン|総得点の60%程度+全科目群で得点

合格基準(合格ライン)は毎年固定ではありません。仕組みを正しく理解しておくと、目標点を立てやすくなります。

合格基準は2つの条件

筆記試験は、次の2つの条件を両方満たすと合格です。

  • 総得点125点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数以上を得点すること
  • 11の試験科目群すべてで得点があること(0点の科目群が1つでもあると不合格)

詳細は社会福祉振興・試験センターの合格基準ページで公表されています。合格点は第36回67点、第37回70点、第38回64点と毎年動きます。本番では「75点以上」を目標にすると安全圏です。

第38回から始まった「パート合格」制度

第38回から、試験がA・B・Cの3パートに分かれました。Aパート60問(介護の基本、生活支援技術など)、Bパート45問(こころとからだのしくみ、医療的ケアなど)、Cパート20問(介護過程、総合問題)です。

全体では不合格でも、基準を満たしたパートは「パート合格」となります。合格したパートは、翌年と翌々年の試験で受験免除を選べます。第38回では計11,625人がパート別に合格しました。制度の詳細は試験センターのパート合格のお知らせで確認できます。

ただし、最初からパート合格を狙う戦略はおすすめしません。受験機会が複数年に分かれ、学習の負担がかえって長引くためです。あくまで「落ちても翌年が楽になる保険」と考えましょう。

合格点は毎年変わる(難易度補正)

「何点取れば受かるか」は試験後に決まります。問題が難しい年は合格点が下がり、易しい年は上がる仕組みです。だからこそ、直前の自己採点で一喜一憂するより、日々の過去問演習で「安定して7割超」を作ることが確実な対策になります。

実技試験はある?|ほとんどの受験者は筆記のみ

「実技試験が不安」という声をよく聞きますが、心配はほぼ不要です。現在の受験者の大半を占める実務経験ルートは、実務経験3年以上に加えて実務者研修の修了が受験資格です。このルートは実技試験がなく、筆記試験のみで合否が決まります。

実技試験の対象になり得るのは、次のような限られたケースです。

  • 福祉系高校の旧カリキュラム(平成20年度以前入学)ルートで受験する人
  • EPA(経済連携協定)ルートの介護福祉士候補者

これらのルートでも、実務者研修や介護技術講習などを修了すれば実技試験の免除を申請できます。自分のルートが不明な場合は、試験センターの受験資格ページで確認してから出願しましょう。

合格に必要な勉強時間の目安

合格までの勉強時間は、一般に250時間前後が目安とされます(公的な基準はありません)。働きながらなら、1日1~1.5時間の学習を半年続けるイメージです。

学習開始時期 1日の学習時間 進め方の目安
試験6か月前(7~8月) 約1時間 テキストを1周→過去問1周目で全体像をつかむ
試験3か月前(10~11月) 約1.5~2時間 過去問2~3周目。間違えた分野をテキストで補強
試験1か月前(12月末~) 約2~3時間 年度別の過去問を時間を計って模試形式で解く

試験は例年1月下旬、受験申し込みは夏に締め切られます。この記事を読んでいる7月から始めれば、1日1時間ペースで十分間に合います。申し込み期限や試験日の詳細は「介護福祉士国家試験の日程カレンダー」で確認してください。

効果的な勉強方法|過去問中心で「捨て科目」を作らない

勉強方法の基本方針は2つです。過去問を軸にアウトプット中心で学ぶこと。そして、0点不合格ルールがあるため捨て科目を作らないことです。

過去問の使い方(3年分×3周が基本)

過去問は直近3年分を3周が基本です。1周目は解けなくて構いません。「どんな聞かれ方をするか」を知ることが目的です。2周目から、間違えた問題の選択肢を1つずつ「なぜ誤りか」まで説明できるように潰します。3周目で9割正解できれば仕上がりです。

過去の試験問題は試験センターの公式サイトで無料公開されています。まず1年分を解いて、現在地を測ることから始めましょう。

無料アプリ・予想問題の活用法

過去問を収録した無料の学習アプリは、スキマ時間の学習に向いています。効果的な使い方は次のとおりです。

  • 通勤や休憩の5~10分で一問一答を回す(1日30問が目安)
  • 分野別の正答率を見て、苦手な科目群を特定する
  • 間違えた問題だけを出題する機能で復習を効率化する
  • 直前期は紙の問題冊子に切り替え、本番の形式に慣れる

予想問題集や模擬試験は、過去問3周が終わった仕上げ期に1~2回で十分です。第38回のように新傾向の事例問題が増えているため、初見の問題への対応力を測る目的で使いましょう。

テキスト・参考書の選び方

テキスト選びで失敗しないポイントは3つです。

  • 必ず受験する回に対応した最新年度版を選ぶ(介護保険制度などの改正が反映されるため)
  • 1冊を繰り返す。複数冊に手を出すより、同じテキストを3周する方が定着する
  • 図表が多く、過去問集と同じシリーズのものを選ぶと相互参照しやすい

古いテキストの使い回しは危険です。制度や報酬の改正部分は出題されやすく、古い知識のままだと確実に失点します。

覚えられないときの対策とノート術

「覚えられない」と感じる人ほど、きれいなまとめノート作りに時間を使いがちです。ノートはテキストの書き写しではなく、「間違いノート」に絞りましょう。

  • 過去問で間違えた問題だけを書き出し、正しい根拠を1行添える
  • 寝る前に間違いノートを見直し、翌朝に同じ問題を解き直す
  • 暗記が苦手な分野は、声に出す・同僚に説明するなど出力で覚える
  • 制度の年号や数値は、現場の実務(加算や記録)と結びつけて覚える

落ちる人の特徴5つと対策

合格率7割の試験でも、3割の人は不合格になります。落ちる人には共通パターンがあり、裏を返せば事前に防げます。

落ちる人の特徴 対策
過去問の答えを丸暗記している 選択肢ごとに「なぜ正しい/誤りか」を説明できるようにする
苦手な科目群を捨てている 0点の科目群が1つでもあれば不合格。医療的ケアなど問題数の少ない科目群こそ基礎を固める
直前1か月の詰め込みだけで挑む 125問・11科目群の範囲は1か月では回らない。遅くとも3か月前に開始する
古いテキストで勉強している 最新年度版に買い替え、制度改正部分を重点確認する
本番形式の練習をしていない 時間を計った年度別演習でマークミスと時間切れを防ぐ

試験直前チェックリスト

試験1週間前~前日に、次の項目を確認しましょう。1月下旬の試験は雪などの交通トラブルも起こり得ます。

  • 受験票・筆記用具(鉛筆またはシャープペンシル・消しゴム)を前日までに準備した
  • 会場までの経路と所要時間を調べ、遅延時の代替ルートも確認した
  • 直近3年分の過去問で、合格点+10点(75点以上)を安定して取れる
  • 11科目群すべてで最低1問は確実に取れる状態になっている
  • 時間を計った演習で、全問を解き切る時間配分を体験済み
  • マークシートのずれを大問ごとに確認する癖をつけた
  • 当日の昼食と防寒対策(会場は冷えることがある)を用意した

まとめ|今日から始める3ステップ

介護福祉士国家試験は、直近の第38回で合格率70.1%まで下がり、難化傾向にあります。それでも、過去問中心の学習を3か月以上続けた人にとっては、十分合格できる試験です。

今日からできる行動は次の3つです。

  1. 試験センターの公式サイトで過去問1年分を解き、現在地の点数を知る
  2. 受験資格(実務者研修の修了見込み)と申し込み期限を確認する
  3. 最新年度版のテキストと過去問集を1冊ずつ用意し、学習計画を立てる

合格後は資格手当や役職への登用など、キャリアの選択肢が広がります。資格取得を機に職場環境を見直したい人は、転職サービスの活用も検討してみてください。

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