介護福祉士の受験資格・ルート図|最短は実務3年+実務者研修【2026年6月更新】

介護福祉士になるには、国家試験の受験資格を満たす必要があります。働きながら目指す人の主流は「実務経験ルート」です。

このルートでは、実務経験3年以上に加えて「実務者研修」(介護の知識・技術を体系的に学ぶ研修)の修了が必須となります。

この記事では、4つの受験ルートを早見表で比較し、自分に合う最短ルートと申込・試験の流れ、つまずきやすい誤解までを一次情報ベースで整理します。

受験資格は4ルート|まず早見表で自分の位置を確認

介護福祉士の受験資格を得る道は、大きく4つに分かれます。今の自分がどこに当てはまるかを、先に下の表で確認してください。

ルート 主な対象者 必要要件 期間の目安
実務経験ルート 働きながら目指す介護職 実務経験3年以上+実務者研修の修了 働きながら最短3年
養成施設ルート 高校卒業後などに学校で学ぶ人 介護福祉士養成施設を卒業 1~2年(学歴等で変動)
福祉系高校ルート 福祉系の高校に進む人 福祉系高校で指定科目を履修・卒業 高校3年間
EPAルート 協定に基づき来日した外国人候補者 EPA介護福祉士候補者として就労・研修 受入後おおむね3~4年

現役で介護職をしている人や、これから介護職への転職を考える人の多くは、いちばん上の実務経験ルートに該当します。

どのルートでも、最後は同じ国家試験を受けて合格する点は共通です(EPAルートなど一部に登録時の追加要件あり)。次の章から各ルートを順番に見ていきます。

実務経験ルート|働きながら目指す主流ルート

結論として、現役介護職の最短はこのルートです。「実務経験3年以上」と「実務者研修の修了」の2つを満たせば受験できます。

注意したいのは、実務経験3年だけでは受験できない点です。研修とセットで初めて受験資格になります。

実務経験3年の数え方(従業期間と従事日数)

「3年以上」は、年数だけでなく日数でも条件があります。具体的には次の2つを両方満たす必要があります。

  • 従業期間が3年以上(1,095日以上)
  • そのうち実際に介護等の業務に従事した日数が540日以上

たとえば週3勤務など出勤が少ない働き方だと、在籍3年でも従事日数540日に届かないことがあります。自分の日数が不安な人は、試験センターの「従業期間計算表」で確認すると確実です。

対象になる職場は、高齢者施設だけではありません。障害者支援施設や障害福祉サービス、児童分野の一部など、介護等の業務を行う幅広い施設・職種が含まれます。

実務者研修の位置づけ

実務者研修は、医療的ケアなどを含む450時間のカリキュラムで、介護の実践力を体系的に学ぶ研修です。介護福祉士を受験するうえでの必須要件になっています。

すでに入門資格の初任者研修を修了している人は、その分の科目が一部免除され、受講負担が軽くなります。初任者研修と実務者研修の違いを整理してから申し込むと、二度手間を避けられます。

介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の両方を修了している場合は、実務者研修に代えて受験資格を満たせる扱いもあります。

養成施設ルート|学校で学んでから受験する

養成施設ルートは、介護福祉士養成施設(指定の専門学校や大学など)で学んでから受験する道です。福祉系大学や高卒からの進学など、入学前の学歴で在籍年数が変わります。

ここで重要な制度変更があります。これまで養成施設の卒業者には国家試験合格を5年猶予する経過措置がありましたが、令和9年度以降に卒業する人からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になれません。

これから養成施設への進学を考える人は、「卒業=資格」ではなく「卒業後に国家試験合格が必要」という前提で計画を立ててください。

福祉系高校ルート|高校在学中から準備する

福祉系高校ルートは、厚生労働大臣が定めた指定科目を福祉系の高校で履修・卒業し、国家試験に合格する道です。高校3年間で受験資格までたどり着けます。

入学年度によって扱いが異なる点に注意が必要です。平成20年度以前の入学者や特例高校の卒業者は、登録申請までに「介護過程3」の受講など追加要件が求められる場合があります。

該当しそうな人は、自分の入学年度の条件を試験センターのルート図で必ず確認しましょう。

EPAルート|協定に基づき来日した候補者向け

EPAルートは、経済連携協定(EPA/国どうしの経済の取り決め)に基づき来日した、インドネシア・フィリピン・ベトナムの介護福祉士候補者が対象です。

受入施設で研修を受けながら働き、国家試験の合格を目指します。なお第37回(令和6年度)から実技試験は廃止され、筆記試験のみになりました。

このルートで受験できるのはEPA介護福祉士候補者に限られ、それ以外の在留資格(特定技能1号・技能実習など)で働く外国籍の人は実務経験ルートでの受験になります。

試験の概要と流れ|申込から合格発表まで

国家試験は年1回、例年1月に筆記で行われます。次回の第39回(令和8年度)は2027年1月下旬に実施予定です。

1年に1度しか機会がないため、申込時期を逃さないことが第一歩です。大まかな流れは次のとおりです。

  1. 受験申し込み(第39回は令和8年7月22日~9月2日の予定)
  2. 筆記試験(令和9年1月下旬の予定)
  3. 合格発表(令和9年3月23日にホームページ掲載の予定)

申込方法も変わります。第39回からは初めて受験する人を含め全員がインターネットで申し込む形になり、紙の「受験の手引き」請求は不要です。

合格基準とパート合格制度

合否は2つの条件で決まります。総得点(125点満点・1問1点)の60パーセント程度を難易度で補正した点数以上を取り、かつ11の試験科目群すべてで得点があることです。

直近の第38回(2026年1月実施)は、合格点64点・合格率70.1パーセント(合格者54,987人)でした。1科目でも0点があると不合格になるため、苦手科目を作らない学習が鍵になります。

さらに第39回からは「パート合格」が導入されます。試験をA・B・Cの3パートに分け、合格したパートは翌々年まで有効になる仕組みです。不合格でも、次回は残ったパートに集中して再挑戦できます。

自分に合う最短ルートの選び方

迷ったら、次の順で考えると整理しやすいです。今の状況を当てはめてみてください。

  • すでに介護職として働いている、または転職予定 → 実務経験ルート
  • これから学校に通う時間と費用を確保できる → 養成施設ルート
  • これから高校に進学する中学生・保護者 → 福祉系高校ルート
  • EPA協定で来日した候補者 → EPAルート

現役介護職にとっての最短行動は、実務経験を積みながら早めに実務者研修を受けることです。研修修了が遅れると、実務3年を満たしても受験できず1年待ちになりかねません。

具体的には、実務2年目あたりで実務者研修の受講を始め、3年目に修了させておくと、ちょうど受験資格がそろうタイミングになります。

よくある誤解・NG|ここでつまずく人が多い

受験資格まわりは勘違いが起きやすい部分です。下の点を事前に押さえておきましょう。

  • 「実務3年=受験できる」は誤り。実務者研修の修了(または修了見込み)がセットで必要です。
  • 「実務者研修は修了見込みでは無効」も誤解。申込時点は修了見込みでも申し込めますが、その場合は研修実施者が発行する修了見込証明書の提出が要ります。
  • 実務者研修を期限までに修了できないと、合格しても登録できない事態になります。研修のスケジュールに余裕を持たせてください。
  • 従事日数540日の確認漏れ。在籍年数だけで判断せず、勤務実日数を必ず数えておきましょう。

こうした要件の細部は年度で見直されることがあります。最終判断は、必ず試験センターの公式情報で確認してください。

まとめ|最短は実務3年+実務者研修から

介護福祉士になるには国家試験の受験資格が必要で、現役介護職の主流は実務経験ルートです。実務経験3年以上と実務者研修の修了の2つがそろえば受験できます。

まずは自分の従事日数を数え、実務者研修の受講時期を逆算するところから始めましょう。試験は年1回のため、申込時期の管理も忘れずに。介護福祉士の試験日程や、ほかの資格との位置づけは介護資格図鑑(資格一覧)もあわせて確認すると、キャリアの全体像が見えてきます。

受験資格や試験要件は、必ず一次情報で最新を確認してください。本記事は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターおよび厚生労働省の公表情報(令和8年度 第39回試験・第38回試験結果/2026年6月時点)をもとに作成しています。

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