ケアマネジャー(介護支援専門員)とは? 資格の取り方・仕事内容や給料事情について詳しく解説!

ケアマネジャー(介護支援専門員)の役割は、要介護の方と介護サービスをつなぐ「調整役」です。利用者やご家族の希望を聞き取り、必要なサービスを組み合わせて自立した生活を支える、ケアマネジメントの専門職にあたります。

「ケアプラン作成以外に何をしているの?」と疑問に思う方も多いはずです。この記事では、現場でケアマネと連携する介護職や管理職に向けて、役割・仕事内容・1日の流れ・他職種との関わりを整理します。2024年度の介護報酬改定もふまえ、2026年7月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • ケアマネジャー(介護支援専門員)の役割と立ち位置
  • 仕事内容=ケアマネジメントの7つのプロセス
  • 居宅ケアマネの1日の仕事の流れ
  • 他職種・事業所、利用者・家族との関わり方
  • 居宅/施設/地域包括での役割の違いと主任ケアマネ
  • 2024年度報酬改定と2026年の処遇改善の実務への影響

なお、ケアマネのなり方(受験資格・試験・主任ケアマネの要件など)は介護支援専門員とは?ケアマネとの違い・主任ケアマネを解説で詳しく扱います。この記事では「資格」よりも「役割・実務」に軸足を置きます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の役割とは

ケアマネジャーの役割を一言でいえば、要介護者と介護サービスをつなぐ「調整役」です。利用者やご家族の希望を聞き取り、必要なサービスを組み合わせて自立した生活を支えます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険法に位置づけられた専門職です。同法では、要介護者などの相談に応じる役割が定められています。適切なサービスを利用できるよう、市町村やサービス事業者との連絡調整を行う者とされています(出典:厚生労働省「介護支援専門員」関連資料)。

大きな特徴は、サービスを提供する事業者ではない点です。利用者の側に立って全体を見渡す「ケアマネジメントの専門職」であることが、ほかの介護職との違いです。

ケアマネジャーが担う主な役割

役割 内容
相談援助 利用者・家族の悩みや希望を聞き取り、制度やサービスの情報を提供する
ケアプランの作成 課題やニーズを分析し、サービスの種類・回数を計画にまとめる
連絡・調整 サービス事業者、医療機関、市町村などとの間をつなぐ
給付管理 利用したサービスの実績を管理し、介護給付費の請求にかかわる事務を行う
権利擁護・見守り 利用者の意思や権利を尊重し、状態の変化に気づいて支援につなげる

仕事内容=ケアマネジメントの7つの流れ

ケアマネジャーの仕事の中心はケアマネジメント(利用者の状態を把握し、計画を立てて実行・評価・改善する一連の流れ)です。利用者の状態を把握し、計画を立て、実行・評価して改善していきます。一般的な流れは、次の7段階です。

順番 プロセス 主な内容
1 インテーク(受付・初回面談) 相談を受け付け、利用者・家族と信頼関係を築き、状況を把握する
2 アセスメント(課題分析) 心身の状態・生活環境・本人の希望を調べ、課題やニーズを明らかにする
3 ケアプラン原案の作成 課題に応じて、必要なサービスの種類・回数・目標を計画にまとめる
4 サービス担当者会議 本人・家族・各サービス事業者が集まり、原案を検討・共有する
5 ケアプランの確定・交付 合意した内容で計画を確定し、利用者・事業者に交付してサービス開始
6 モニタリング 定期訪問などで実施状況を確認し、目標の達成度や新たな課題を点検する
7 給付管理・再アセスメント サービス実績を管理し、必要に応じて計画を見直す(2へ戻る)

このうちアセスメントケアプランのモニタリングは、計画の質を左右する工程です。とくに居宅では、原則として月1回以上、利用者宅を訪問してモニタリングを行うと定められています。

ケアプランの作成は「ニーズの引き出し」が要

ケアプラン作成の専門性は、本当のニーズを引き出すところに表れます。サービスを並べるだけの書類ではないからです。

本人が言葉にしにくい思いや、家族の負担まで含めて課題を見極めます。そのうえで目標に向けてサービスを組み立てていきます。

居宅ケアマネの1日の仕事の流れ(例)

在宅の利用者を担当する居宅ケアマネの1日は、訪問と事務がおおむね半々です。働く場所によって違いはありますが、目安となる流れは次のとおりです。

時間帯 主な業務
午前 出勤・メールや連絡の確認、利用者宅へのモニタリング訪問、関係機関への電話連絡
休憩、移動、サービス担当者会議の準備
午後 新規利用者のアセスメント訪問、サービス担当者会議への出席、事業所・医療機関との調整
夕方 ケアプランや記録の作成、給付管理などの事務作業

1人あたり数十人の利用者を継続的に担当します。連絡調整が多く、利用者の急な体調変化に応じて予定を組み替える柔軟さも求められます。

他職種・事業所、利用者・家族との関わり方

ケアマネジャーは、多くの専門職や事業所をつなぐハブ(結節点)として動く職種です。

他職種・事業所との連携

ケアマネが連携する相手は多岐にわたります。主な連携先は次のとおりです。

  • サービス事業者:訪問介護・通所介護(デイサービス)・福祉用具・訪問看護など
  • 医療機関:主治医や病院など
  • 市町村:要介護認定や給付を担う窓口
  • 地域包括支援センター:地域の相談窓口

サービス担当者会議は、これらの関係者が方針を共有する大切な場です。とくに在宅では、退院後の生活を支える医療と介護の橋渡しを担う場面が増えています。

利用者・家族との関わり(相談援助)

利用者やご家族にとって、ケアマネは介護の身近な相談相手です。介護の不安や制度の使い方など、さまざまな相談を受け止め、適切なサービスや窓口につなぎます。

本人の意思を尊重しつつ、家族の負担にも配慮します。全体のバランスを取ることが、ケアマネの腕の見せどころです。

居宅/施設/地域包括での役割の違い

同じケアマネジャーでも、働く場所によって役割や担当する利用者が変わります。主な違いは次のとおりです。

働く場所 主な役割
居宅介護支援事業所(居宅ケアマネ) 在宅で暮らす利用者のケアプランを作成し、多数の事業者と連絡調整する
介護保険施設(施設ケアマネ) 特養・老健などの入所者の施設サービス計画を作成し、施設内の職員と連携する
地域包括支援センター 主任ケアマネなどが、予防ケアマネジメントや地域全体の総合相談・支援を担う

在宅サービスの司令塔となる事業所のしくみは、居宅介護支援事業所とは?もあわせてご覧ください。

主任ケアマネジャーの役割

主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)は、経験を積んだケアマネが研修を修了して取得する上位の立場です。現場のリーダー的存在にあたります。

主な役割は、ほかのケアマネへの助言・指導(スーパーバイズ)、困難事例への対応支援、地域のケアマネジメントの質の向上などです。地域包括支援センターへの配置が必須とされるほか、居宅介護支援事業所の管理者要件にもかかわります。働く場所や収入の目安が気になる方はケアマネジャーの給料も参考にしてください。

2024年度報酬改定と2026年の処遇改善の実務への影響

2024年度(令和6年度)の介護報酬改定では、ケアマネの働き方や担当範囲が見直されました。実務に影響の大きい主な点は次のとおりです。

  • 取扱件数の見直し:報酬が下がり始める担当件数(逓減制)の基準が緩和されました。居宅介護支援費(I)で「45件未満」、ケアプランデータ連携システムと事務職員を活用する場合は「50件未満」となっています。1人あたりの受け持ちの目安は、おおむね44件程度とされます。
  • 介護予防支援の市町村指定:要支援者の介護予防支援(これまで地域包括支援センターが中心に担っていた支援)について、市町村の指定を受ければ居宅介護支援事業所も直接実施できるようになりました。
  • ICT活用・テレワーク:データ連携システムの活用や在宅勤務など、業務効率化の取り組みが後押しされています。
  • 処遇改善加算の新設(2026年6月):これまで対象外だった居宅介護支援・介護予防支援にも、介護職員等処遇改善加算(加算率2.1パーセント)が新設されました。ケアマネの賃金改善に充てる原資が、制度として位置づけられています。

背景には、ケアマネの人材不足やなり手の減少という課題があります。担当件数が広がる一方で、ケアマネジメントの質をどう保つかが問われています(出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」関連資料)。件数や算定要件は今後変わる可能性があるため、最新の公式情報をご確認ください。

連携する現場・管理職がケアマネと組むときの実務

ケアマネの役割を知るだけでは、現場の連携は良くなりません。介護職や管理職が「自分は何をするか」を決めることが、ケアの質と加算の取りこぼし防止につながります。

まず、自施設で次の3点をすぐ点検しましょう。

  • 情報共有の窓口:利用者の状態変化を、誰がいつケアマネへ伝えるか決まっているか
  • 担当者会議の準備:会議で出す現場の気づき(食事量・転倒・服薬)をまとめる担当がいるか
  • 記録の連動:ケアプランの目標と日々の記録の言葉がそろっているか

連携でありがちな失敗とNG例

連携不足は、加算の算定漏れや不適切なサービス提供につながります。次のNG例は避けましょう。

NG例 起きやすい問題 現場での対策
状態変化をケアマネへ伝えない プラン未修正のまま実態と乖離。事故・苦情の原因に 変化があったその日に連絡する基準を決める
担当者会議に現場が出ない・準備しない 計画が机上の内容になり、目標が形骸化 会議前に現場の声を1枚にまとめて持参
ケアプランを読まずにケアする 目標とずれた支援で、利用者・家族の不満を招く プラン目標を申し送り・記録に明記

部下に説明するときの言い換え

「ケアマネの言うとおりにやって」では部下は動きません。次のように役割で伝えると納得が得られます。

  • 「ケアマネは利用者の生活全体の設計図(ケアプラン)を作る人。私たちはその設計図を現場で形にする実行役」
  • 「だから状態の変化に気づいたら設計図を直してもらうために、必ずケアマネへ報告しよう」

制度や算定の根拠は、厚生労働省の介護・高齢者福祉のページで最新情報を確認できます。連携の質を上げることは、利用者満足の向上とスタッフの定着にもつながります。

よくある質問(FAQ)

Q. ケアマネジャーの一番の役割は何ですか?

A. 要介護の方と介護サービスをつなぐ「調整役」です。利用者の希望や課題を把握してケアプランを作成し、各事業者や医療機関との連絡調整を担います。

Q. ケアプランを作ったら仕事は終わりですか?

A. いいえ。作成後もモニタリング(居宅では原則月1回以上の訪問)で実施状況を確認し、状態の変化に応じて計画を見直し続けます。給付管理の事務も継続します。

Q. 居宅と施設のケアマネは何が違いますか?

A. 居宅ケアマネは在宅の利用者を対象に多くの事業者と調整します。施設ケアマネは入所者の施設サービス計画を作り、施設内の職員と連携する点が中心です。

Q. ケアマネジャーになるには何が必要ですか?

A. 介護福祉士などの国家資格等にもとづく実務経験が、通算5年以上かつ900日以上あると受験できます。直近の第28回試験(2025年10月)の合格率は25.6パーセントでした。次回の第29回試験は、2026年10月11日に実施される予定です。

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まとめ

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ケアマネジャー(介護支援専門員)の役割は、要介護の方と介護サービスをつなぐ調整役であり、ケアマネジメントの専門職である点にあります。仕事の中心は、インテークからアセスメント、ケアプラン作成、サービス担当者会議、モニタリング、給付管理へと続く一連のプロセスです。利用者・家族の相談を受け止め、多くの専門職をつなぐハブとして自立した生活を支えます。2024年度の報酬改定で担当範囲や働き方の見直しが進み、2026年6月には処遇改善加算も新設されました。経験を活かして長く活躍できる仕事です。

参考(一次情報)