意思決定支援とは|ガイドライン第2版の原則と個別支援計画・記録への反映

この記事は、障害福祉サービス事業所のサービス管理責任者(サビ管)・児童発達支援管理責任者(児発管)・相談支援専門員・管理者向けです。「意思決定支援とは何をすることか」「2026年9月の改訂で何が変わったか」「個別支援計画や記録にどう落とし込むか」に答えます。

結論から言うと、意思決定支援は、本人が自らの意思・選好・価値観に基づいて生活できるよう、迷いや修正を含めた意思決定の過程を支える取り組みです。厚生労働省は平成29年(2017年)3月にガイドラインを示し、令和8年(2026年)9月に第2版へ改訂しました。第2版では「本人の最善の利益」の記載が削除され、「意思と選好に基づく最善の解釈」という考え方に整理されています。

あわせて、令和6年度(2024年度)報酬改定で意思決定支援への配慮が指定基準に規定されました。サービス担当者会議・個別支援会議への本人参加も原則です。本記事では、定義と変更点、原則、支援のプロセス、会議、計画と記録、運営指導、研修と確認テストの順に整理します。個別支援計画の書き方は個別支援計画の書き方|記入例・作成の流れと未作成減算を防ぐ運用をご覧ください。

記事でわかること

意思決定支援とは|ガイドラインの定義と、2026年9月改訂(第2版)で変わった点

意思決定支援は、障害のある人が「自分で決める」ことを、周囲が肩代わりせずに支える取り組みです。第2版は、障害者が自らの意思・選好・価値観に基づき、その意思が反映された生活を送れるよう「本人の意思決定を可能な限り支えること」と定義しています。迷いや修正を繰り返す過程も含みます。

第1版(平成29年)は、支援を尽くしても意思や選好の推定が難しい場合に「最後の手段として本人の最善の利益」を検討する仕組みを含んでいました。この部分が第2版で大きく見直されています。

改訂の背景は3つです。1つ目は、国連の障害者権利委員会が令和4年(2022年)10月の総括所見で「本人の最善の利益」という言葉の使用に懸念を示したことです。2つ目は、第二期成年後見制度利用促進基本計画の中間検証報告書(令和7年3月)で、ガイドラインの見直しの検討が求められたことです。3つ目は、令和6年度報酬改定で意思決定支援の推進が指定基準に入ったことです。第2版案は令和8年7月10日の社会保障審議会障害者部会に示され、同年9月に公表されました。

項目 第1版(平成29年3月) 第2版(令和8年9月)
定義 意思の確認・推定が困難な場合は、最後の手段として本人の最善の利益を検討 本人の意思・選好・価値観に基づき、迷いや修正の過程を含めて意思決定を可能な限り支える
意思が確認できない場合 「本人の最善の利益」の検討 「意思と選好に基づく最善の解釈」。最善の利益の記載は削除
支援のプロセス ― 「意思形成支援」「意思表明支援」「意思実現支援」の3つに整理
意思決定能力 ― どのような障害があっても、本人には意思決定能力があることを前提とすると明記
本人参加 意思決定支援会議は本人参加のもとで開催 「わたしのことについて話し合う場には必ずわたしが参加できるようにしてください」を信条として明示
意思決定支援責任者 選任とアセスメントが中心(相談支援専門員・サビ管の兼務可) 意思決定支援計画の作成に中心的に関わり、会議を企画・運営する役割として整理
記録 記録の作成 記録項目を整理。ICTツールの活用と、人格的尊厳に関わる情報への配慮を追記
家族・成年後見人等 関係者として位置づけ 事業者・家族・成年後見人等の連携を強調。法定代理人にしかできない行為は解釈で代替できないと明記

事業所が押さえる変更点は2つです。1つ目は、会議や記録で「最善の利益」という言葉を使ってきた場合、本人の意思と選好を根拠にした「最善の解釈」へ書き方を改めることです。2つ目は、意思形成・意思表明・意思実現の3段階で、自事業所の支援の強いところと薄いところを点検することです。

基本的原則|自己決定の尊重・不合理に見える選択の尊重・意思と選好に基づく最善の解釈

第2版は、基本的原則を3つ示しています。いずれも第1版を引き継ぎつつ、表現が整理されました。

原則1|自己決定の尊重を基礎に、本人の意思・選好・価値観を反映する

支援は自己決定の尊重を基礎とし、本人の意思・選好・価値観ができる限り反映されるよう行います。情報は本人が理解できる形で伝え、選択肢を広げるための体験の機会を用意します。体験の機会は、支援者が望む方向へ導くために使ってはならないとされています。

原則2|他者の権利を侵害しない限り、不合理に見える選択も尊重する

支援者から見て不合理に思える選択でも、他者の権利を侵害しない限り尊重するよう努めます。失敗は試行錯誤の過程として受け止めます。「他者に迷惑をかけないこと」を拡大解釈して選択を制限しないよう注意し、環境や関係性への働きかけも考えます。リスクは予測して軽減策を検討しますが、リスクを理由に一律に制限はしません。

原則3|意思と選好を確認できない場合は、根拠を明確にして「最善の解釈」を行う

十分な支援を尽くしても意思と選好を確認できない場合は、関係者が根拠を明確にして「意思と選好に基づく最善の解釈」を行います。多数意見や支援者側の都合で判断を左右させないことが求められます。第2版は、本人の過去の表現・生活史・日常の反応から意思を読み解くことに重心を置いています。

意思形成支援・意思表明支援・意思実現支援|3つのプロセスを分けて考える

第2版は、支援のプロセスを3つに整理しました。この整理は、個別支援計画の目標や記録の項目を組み立てる軸にもなります。順番どおりに進める必要はなく、一度で終わらせずに続けるものとされています。

意思形成支援は、本人の選好と価値観に根ざした意思が形づくられるよう、説明と体験を繰り返して支えることです。「何を選ぶか」の前に「選べる状態をつくる」段階です。意思表明支援は、形成された意思を本人が表せるよう環境を整えることです。決断を迫らず、表情・行動・視線・絵カード・ICT機器など言葉以外の表現も読み取ります。意思実現支援は、表明された意思を生活に反映できるよう、社会資源も使いながら伴走することです。

たとえばグループホームの利用者が「一人暮らしをしたい」と言った場合です。意思形成支援は、一人暮らしの見学や体験の機会をつくることです。意思表明支援は、家族や相談支援専門員の前で希望を伝えられる場を用意することです。意思実現支援は、地域移行支援や自立生活援助につなぐ調整です。3つに分けると、「家族が反対しているから」と表明の段階で止めてしまう偏りに気づけます。

意思決定支援の進め方|責任者の選任・アセスメント・意思決定支援会議

進め方は、責任者の選任、アセスメント、意思決定支援会議、計画への反映、支援の実施と記録、モニタリングと評価の循環です。

意思決定支援責任者の選任

第2版は、事業者が意思決定支援責任者の役割を担う職員を選任することが必要だとしています。責任者は、意思決定支援計画の作成に中心的に関わり、意思決定支援会議を企画・運営し、アセスメントを担います。相談支援専門員またはサービス管理責任者が担うことが考えられ、別に置いて分担する運用も否定されていません。選任したら、辞令や会議録で記録を残しておくと説明しやすくなります。

アセスメント|意思・選好・判断能力を丁寧に把握する

令和6年度改定では、アセスメントの規定が指定基準に加わりました。利用者が自ら意思を決定することに困難を抱える場合は、意思と選好、判断能力などを丁寧に把握しなければならないという内容です。生活史、家族を含む生活の全体像、人間関係、嗜好、日常の意思表示の方法を集めます。本人が過去にどんな場面で何を選んできたかが、最善の解釈の根拠になります。

意思決定支援会議|本人参加が前提、第三者の参加が望ましい

意思決定支援会議は、本人を中心に、本人参加のもとで開きます。家族、知人、成年後見人等に加え、基幹相談支援センターの相談員など、直接サービスを提供しない第三者の参加が望ましいとされています。ピアサポーターや意思決定サポーターの同席も考えられます。サービス担当者会議や個別支援会議と一体で開いても、別に開いても構いません。

本人参加で開くときの工夫は3つです。1つ目は、写真・絵・短い言葉の資料を用意し、事前に本人と内容を確認することです。2つ目は、本人が疲れたり不安になったりしたら中断できる時間配分にすることです。3つ目は、進行役が本人への問いかけを先に置き、支援者が代わりに答えないことです。会議録には、本人がどう参加し、何を表明したかを具体的に残します。

個別支援計画・サービス等利用計画への反映|令和6年度改定の指定基準との関係

令和6年度報酬改定では、相談支援と障害福祉サービスの指定基準に、意思決定支援に関する規定が入りました。主なものは次のとおりです。

  • 取扱方針:利用者の意思決定の支援に配慮するよう努める(努力義務)
  • 計画作成:自己決定の尊重と意思決定の支援に配慮しつつ、支援内容を検討する
  • アセスメント:意思決定に困難を抱える利用者の意思・選好・判断能力等を丁寧に把握する
  • サビ管の責務:意思決定に困難を抱える利用者への意思決定支援が適切に行われるよう努める
  • 会議:サービス担当者会議と個別支援会議は利用者本人が参加するものとし、生活に対する意向等を改めて確認する
  • 計画の交付:サビ管・児発管が作成した個別支援計画を相談支援事業者へ交付する(義務)

障害児通所支援と障害児入所施設にも、障害児と保護者の意思の尊重の観点から、これに準じた規定が置かれています。

個別支援計画への落とし方は3点です。第1に、「本人の意向」欄を支援者の要約ではなく本人の言葉や表現で書き、体験した選択肢や説明の方法を添えます。第2に、目標に意思表明や意思実現の支援を入れます(例:月1回、外出先を本人が写真カードで選び、出かける)。第3に、意思が確認しにくい利用者は、最善の解釈の根拠と協議の経過を備考や会議録に残します。

ガイドラインの「意思決定支援計画」は、意思決定を反映したサービス等利用計画・個別支援計画のことです。別の様式を新設する必要はありません。相談支援側では、サービス等利用計画とモニタリングが起点になります。計画相談支援の実務は計画相談支援・障害児相談支援の請求|モニタリング月と加算【2026年版】にまとめています。

記録様式|残す項目と書き方の例

第2版は、意思決定支援の記録として残す項目を整理しています。既存の支援記録や個別支援計画の様式に、項目を足す形で十分です。最低限の項目と記入例を示します(記入例は編集部作成の架空例です)。

記録項目 内容 記入例
生活の全体像・生活史 家族を含む生活環境、生活史、人間関係、嗜好 20代まで実家で母と二人暮らし。音楽番組を毎晩見る習慣。甘いものが好きで酸味は苦手
過去の経験と選択 生活史の中での経験、選択、そのときの表情・感情・行動 令和5年の旅行先選びで海の写真を繰り返し指差し、到着後は笑顔で砂浜を歩いた
日常的な意思表示の方法 言葉以外の表現、表情・行動から読み取れる意思 嫌なときは手で押し返す。好きな活動の前は玄関で靴を手に取る
意思形成・表明の支援内容 提供した情報・体験・選択肢と本人の反応 日中活動2か所を各2回体験。B事業所の見学時のみ自分から作業机に座った
意思決定の判断根拠 確認できた意思、または最善の解釈とその根拠、協議した関係者 体験時の反応と母からの聞き取りを根拠に、B事業所の利用を本人の意思と解釈。相談支援専門員・基幹センター相談員と協議(会議録別紙)
支援の結果と評価 意思を反映した支援の結果、生活の変化、満足度 利用開始2か月。欠席なし。帰宅後に作業の話を母にする日が増えた

第2版は、記録の負担軽減と情報共有のため、クラウドなどのICTツールの活用を検討することが望ましいとしています。一方で、写真や動画は本人の人格的尊厳に関わる情報でもあるため、取得・共有・保存には慎重な配慮が必要です。動画で記録する場合は、本人・家族への説明と同意、閲覧できる職員の範囲、保存期間を決めてください。記録は、指定基準に沿って5年間保存します。

運営指導で見られる点|本人参加の記録・同意・会議録・研修

令和6年度改定で指定基準に規定が入ったため、運営指導でも本人参加や計画の手続きが確認されます。問われるのは「やっているか」より「記録で示せるか」です。見られやすい点は5つです。

  • 個別支援会議・サービス担当者会議に本人が参加した記録があるか。参加できなかった場合、理由と本人の意向を別に確認した記録があるか
  • 計画の本人の意向欄が本人の表現を反映しているか。計画への本人(または保護者)の同意があるか
  • 意思が確認しにくい利用者について、最善の解釈の根拠と協議の経過が会議録に残っているか
  • 意思決定支援責任者の選任、職員への周知、研修の実施記録があるか
  • 相談支援事業者へ個別支援計画を交付した記録があるか(令和6年度改定で義務化)

意思決定支援に専用の減算はありません。しかし、計画の作成手続き(アセスメント・原案・会議・同意・交付・モニタリング)が欠けると、個別支援計画未作成減算の対象です。1~2か月目は所定単位数の70%、3か月目以降は50%で算定することになります。計画の作成日・同意日・交付日と請求月の整合は返還の論点になりやすいため、障害福祉専門の請求代行WITH福祉のように外部の目で突合する方法もあります。

運営指導の流れは実地指導(運営指導)とは|流れ・確認書類・対策、障害福祉の自主点検は障害福祉の運営指導チェックリストを参照してください。意思決定支援は虐待防止とも表裏の関係です。本人の意思を確かめずに支援者が決めることが常態化すると、不適切な支援につながります。虐待防止の義務は障害福祉事業所の虐待防止|義務化された3つの措置・1%減算・通報義務で確認してください。

研修の進め方|事例検討・専門コース別研修・外部の第三者

第2版は、事例検討を積み重ねることが重要だとしています。そのうえで、文献学習・内部の勉強会・OJT・外部研修を組み合わせた研修計画を立てることが効果的だとしています。サビ管と相談支援専門員は、都道府県の専門コース別研修「意思決定支援コース」の受講が望ましいとされています。意思決定サポーター、ピアサポーター、オンブズマンなど外部の第三者の受け入れも、質の向上に有効とされています。

事業所内研修は3段階で組むと進めやすくなります。第1段階(60分)は、定義・原則・3つのプロセスの講義と、第1版からの変更点の共有です。第2段階(60分)は、自事業所の利用者1名を題材にした事例検討です。「本人の意思を確認したと言える根拠は何か」「意思形成の機会を提供したか」を小グループで洗い出します。第3段階は、計画の本人の意向欄と会議録を見直し、次回のモニタリングで直す実務です。

意思決定支援は義務研修ではないため、頻度の定めはありません。ただし、サビ管・児発管の責務が指定基準に明記され、第2版も公表されました。2026年度中に一度、全職員へ第2版の内容を周知する研修を行っておくと、運営指導でも説明しやすくなります。年間研修計画では、虐待防止研修と近い月に置くと流れがつくれます。義務研修の全体像は障害福祉事業所の法定研修一覧をご覧ください。

確認テスト(5問・答えと解説つき)

事業所内研修の最後に使える確認テストです。研修スライドPDFにも同じ問題を収録しています。

問1|意思決定支援ガイドライン第2版(令和8年9月)で削除された記載はどれですか

A:自己決定の尊重 B:本人の最善の利益 C:意思決定支援会議 D:意思決定支援責任者

答え:B。国連障害者権利委員会の総括所見(令和4年10月)で「本人の最善の利益」という言葉の使用に懸念が示されました。これを踏まえて第2版では削除され、「意思と選好に基づく最善の解釈」に整理されています。A・C・Dは第2版でも引き続き位置づけられています。

問2|第2版が整理した意思決定支援の3つのプロセスの組み合わせとして正しいものはどれですか

A:意思確認・意思推定・最善の利益 B:アセスメント・会議・モニタリング C:意思形成支援・意思表明支援・意思実現支援 D:計画・実施・評価

答え:C。選べる状態をつくる意思形成支援、表明できる環境を整える意思表明支援、実現に向けて伴走する意思実現支援の3つです。Bは進め方の手順、Dは一般的なPDCAです。

問3|支援者から見て不合理に思える選択を本人がした場合、基本的原則に沿った対応はどれですか

A:本人の安全のため一律に制限する B:他者の権利を侵害しない限り尊重し、リスクの予測と軽減策を検討する C:家族の意見で決める D:多数決で決める

答え:B。原則2では、他者の権利を侵害しない限り不合理に見える選択も尊重します。リスクは予測して軽減策を考えますが、一律の制限はしません。C・Dは、多数意見や支援者側の都合で判断しないという原則3の留意点に反します。

問4|令和6年度報酬改定で指定基準に規定された内容として正しいものはどれですか

A:意思決定支援研修を年1回以上実施する義務 B:意思決定支援未実施減算の新設 C:サービス担当者会議・個別支援会議に本人が参加することを原則とする D:意思決定支援責任者を人員基準に追加

答え:C。サービス担当者会議と個別支援会議は本人が参加するものとされ、生活に対する意向等を改めて確認します。Aの研修義務とBの専用減算はありません。Dの責任者はガイドラインで選任が求められるもので、人員基準ではありません。

問5|意思決定支援の記録として、ガイドラインが残すべきとしている項目に含まれないものはどれですか

A:生活史や嗜好など生活の全体像 B:日常的な意思表示の方法と表情・行動から読み取れる意思 C:意思決定の判断根拠と支援の結果 D:職員の勤務シフト

答え:D。A・B・Cはいずれもガイドラインが示す記録項目です。勤務シフトは意思決定支援の記録ではありません。なお、写真や動画は人格的尊厳に関わる情報でもあるため、取得・共有・保存に慎重な配慮が必要です。

よくある質問(FAQ)

意思決定支援会議は、個別支援会議と別に開かないといけませんか

別に開く必要はありません。第2版は、サービス担当者会議や個別支援会議と一体で行うことも、別に開くこともできるとしています。一体で開く場合は、会議録に本人の参加方法と確認した意思・選好を書きます。意思が確認しにくい場合は、最善の解釈の根拠と協議者も記載してください。

重度の知的障害で言葉での意思表示が難しい利用者には、どう進めればよいですか

第2版は、どのような障害があっても本人には意思決定能力があることを前提にするとしています。表情・視線・行動・身体の向きなど言葉以外の表現を記録し、体験の機会を複数回つくって反応の違いを見ます。それでも確認できない場合は、生活史や家族・支援者の情報を根拠に、関係者で最善の解釈を協議し、経過を記録します。会議は短時間・慣れた場所・慣れた職員の同席など、本人が参加しやすい形を工夫します。

家族の意向と本人の意思が違うときは、どちらを優先しますか

基本は本人の自己決定の尊重です。家族の意向は重要な情報ですが、本人の意思に置き換えるものではありません。家族が反対する選択は、まず本人の意思形成(情報提供・体験)を十分に行います。そのうえでリスクと軽減策を関係者で検討し、実現の方法を探ります。協議の経過を記録し、必要なら基幹相談支援センターなど第三者の参加を求めてください。

障害児通所支援(放デイ・児発)でも意思決定支援は必要ですか

必要です。令和6年度改定で、障害児通所支援と障害児入所施設にも、障害児と保護者の意思の尊重の観点から準じた規定が置かれました。第2版も、障害児については子どもの権利条約との関係に留意するとしています。年齢や発達に応じて活動の選択や計画への意向の反映を工夫し、保護者の意向と区別して記録します。

第2版への対応は、いつまでに何をすればよいですか

第2版に適用開始日や経過措置の記載はなく、公表された令和8年9月以降は第2版が現行のガイドラインです。期限の定めはありませんが、2026年度中に次の3点を済ませておくと安心です。職員への周知研修、計画の本人の意向欄と会議録の書き方の見直し、「最善の利益」と書いた様式・マニュアルの修正です。

【無料ダウンロード】意思決定支援 研修スライドPDF(A4横・確認テスト付き)本記事の要点(定義・第2版の変更点・基本的原則・3つのプロセス・会議の進め方・記録項目)をスライドにまとめ、確認テスト5問と解説を収録しています。

意思決定支援 研修スライドPDFをダウンロードする

まとめ|自施設で明日やること

  • 意思決定支援責任者(サビ管・児発管・相談支援専門員など)を選任し、記録に残す
  • 個別支援計画の「本人の意向」欄を、本人の言葉・表現と意思形成の過程で書く形に見直す
  • 会議録に、本人の参加方法と表明した内容、最善の解釈の根拠と協議者を書く欄を加える
  • マニュアル・様式の「本人の最善の利益」を「意思と選好に基づく最善の解釈」に改める
  • 2026年度中に第2版の周知研修(確認テスト付き)を全職員に行い、記録を残す
  • 相談支援事業者への個別支援計画の交付記録と、本人同意がそろっているかを点検する

意思決定支援は、書類を増やす仕事ではなく、本人の意思を軸に計画と記録を組み直す仕事です。会議への本人参加と記録の根拠がそろえば、運営指導でも説明できます。計画や記録に時間を割くには、請求や体制届といった事務の負担を軽くすることも有効です。

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参考(一次情報)