放課後等デイサービスの自己評価表の書き方|保護者評価の回収・公表手順と未公表減算

この記事は、放課後等デイサービス・児童発達支援の管理者と児童発達支援管理責任者(児発管)向けです。「自己評価表は何を使い、誰がいつ書くのか」「保護者アンケートが集まらない」「公表したあと何をすればよいのか」に、年間の手順として答えます。

結論から言うと、放課後等デイサービスの自己評価は、こども家庭庁の参考様式(別紙1~5)を使い、おおむね1年に1回以上行います。順番は、従業者評価→保護者評価→事業所全体の自己評価→公表→届出→改善です。公表はインターネットなどで広く行い、公表した内容と方法を都道府県等(指定権者)に届け出ます。届出がない月は、自己評価結果等未公表減算(15%減算)が利用する障害児全員に適用されます。所定単位数の100分の85を算定する減算です(2026年10月時点)。様式は令和6年(2024年)7月のガイドライン全面改訂に合わせて改められ、支援プログラム・安全計画・こどもの意思の尊重などの項目が加わりました。

本記事では、様式の構成、年間スケジュール、保護者評価の回収率を上げる方法、公表と届出、未公表減算との関係、改善計画への落とし方の順に進みます。減算の単位数や3つの未公表・未報告系減算の違いは、自己評価結果等未公表減算とは?支援プログラム・情報公表との違い早見表で整理しています。本記事はその減算を受けないための「書き方・回収・公表の実務」に絞ります。

記事でわかること

放課後等デイサービスの自己評価とは|義務の根拠と令和6年7月の様式改訂

自己評価は、事業所が自分の支援の質を点検し、保護者の評価と合わせて改善につなげる仕組みです。理由は、基準省令第26条が、支援の質の評価と改善を義務として定めているからです。基準省令の正式名称は「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」です。放課後等デイサービスには第71条で準用されます。

基準省令が定める7つの評価項目と公表義務

第26条第6項は、質の評価にあたって、まず従業者による評価を受けたうえで自己評価を行い、保護者等による評価を受けて改善を図ると定めています。評価の対象は次の7つです。

  1. 利用者の意向等を踏まえた支援の体制整備の状況
  2. 従業者の勤務体制と資質向上の取組
  3. 設備・備品等の状況
  4. 関係機関・地域との連携、交流
  5. 情報提供・助言等の援助の実施状況
  6. 緊急時等の対応方法と非常災害対策
  7. 業務改善の措置の実施状況

第7項は、自己評価・保護者評価と改善内容を「おおむね一年に一回以上」保護者に示すよう求めています。あわせて「インターネットの利用その他の方法により公表」することも求めています。放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)も同じ考え方です。自己評価は「従業者評価及び保護者評価を踏まえ、全職員による共通理解の下で、事業所全体として行う必要がある」としています。結果は広く地域に向けて、ホームページや会報等で公表しなければなりません。保護者への示し方としては、事業所の通信への掲載や、保護者の目につきやすい場所への掲示が例に挙げられています。

令和6年7月の改訂で様式がどう変わったか

令和6年度の基準省令改正と報酬改定に合わせて、こども家庭庁は放課後等デイサービスガイドラインを全面改訂しました。新しい参考様式は、令和6年7月4日の事務連絡「障害児通所支援事業所における事業所全体の自己評価の流れについて」で示されています。改訂版の事業者向け自己評価表には、令和6年度改定で加わった考え方が項目として入っています。支援プログラムの作成・公表、安全計画と安全管理、業務継続計画(BCP)などです。こどもや保護者の意思の尊重、家族支援プログラム、きょうだい支援、児童発達支援センターからのスーパーバイズも加わりました。保護者等向け評価表も、支援プログラムと提供内容の一致、個別支援計画の「本人支援」「家族支援」「移行支援」の項目設定、安全計画の周知を尋ねる形に変わっています。

こども家庭庁の掲載ページでは、放課後等デイサービスの自己評価・保護者評価のExcelが令和8年4月9日に更新されています。古いファイルを使い続けている事業所は、最新版をダウンロードし直してください。放課後等デイサービスガイドラインの5領域と支援プログラムの作り方は、放課後等デイサービスのガイドライン5領域|支援プログラム作成・記載例で解説しています。

様式(別紙1~5)の構成|事業者向け・保護者等向けの項目

参考様式2(放課後等デイサービス関係)は、1つのExcelに5つの別紙が入っています。理由は、従業者が書く表、保護者が書く表、集計する表、公表する表を同じ項目番号でつなげるためです。別紙の役割を混同すると、公表する表に集計前の個人票を載せるといったミスが起きます。

別紙 名称 誰が書くか 用途
別紙1 従業者向け評価実施シート(事業者向け放課後等デイサービス自己評価表) 従業者1人ずつ 「はい/いいえ」に加え、課題や工夫している点を記入。できる限り全従業者から回収
別紙2 保護者向け評価実施シート(保護者等向け放課後等デイサービス評価表) 保護者1世帯ずつ アンケート。無記名で配布・回収するのが一般的
別紙3 自己評価総括表 事業所(全職員のミーティング) 強みと弱みの分析、改善策と目標。公表対象
別紙4 保護者評価集計シート(保護者等からの事業所評価の集計結果) 管理者・児発管 別紙2を項目ごとに人数で集計し、意見と対応を記載。公表対象
別紙5 事業者用自己評価シート(事業所における自己評価結果) 事業所(全職員のミーティング) 別紙1の集計と保護者評価を踏まえた事業所全体の評価。公表対象

事業者向け自己評価表(別紙1・別紙5)の区分

事業者向け自己評価表は、いくつかの区分で構成されます。環境・体制整備、業務改善、適切な支援の提供、関係機関や保護者との連携、保護者への説明責任等、非常時等の対応です。改訂版では、たとえば次のような項目が尋ねられます。

  • 利用定員が発達支援室等のスペースとの関係で適切か。利用定員やこどもの状態等に対して職員の配置数は適切か
  • 適切に支援プログラムが作成、公表されているか
  • 放課後等デイサービス計画の作成に、児発管だけでなく支援に関わる職員が共通理解の下で参加しているか
  • 定期的にモニタリングを行い、計画の見直しの必要性を判断し、適切な見直しを行っているか
  • こどもが自己選択できる支援の工夫など、自己決定する力を育てる支援を行っているか
  • 家族支援プログラム(ペアレント・トレーニング等)や、家族が参加できる研修の機会・情報提供を行っているか
  • 業務継続計画(BCP)を策定し、定期的に避難・救出等の訓練を行っているか
  • 安全計画を作成し、研修や訓練など安全管理が十分された中で支援が行われているか
  • どのような場合にやむを得ず身体拘束を行うかを組織的に決定し、事前に説明・了解を得て計画に記載しているか

各項目には「はい」「いいえ」などの選択欄と、「工夫している点」「課題や改善すべき点」の記述欄があります。書き方のコツは、「はい」の項目にも工夫している点を1行書くことです。理由は、別紙5(公表用)に転記したとき、保護者が読んで事業所の取り組みが分かる文章になるからです。「いいえ」の項目は、できていない事実と、いつまでに何をするかを分けて書きます。たとえば「BCPは策定済みだが訓練は未実施。2027年2月までに地震を想定した避難訓練を1回実施する」のように、期限と行動を入れます。

保護者等向け評価表(別紙2)の29項目

保護者等向け放課後等デイサービス評価表(令和6年7月の改訂版)は、5つの区分で計29項目です。環境・体制整備(4項目)、適切な支援の提供(7項目)、保護者への説明等(11項目)、非常時等の対応(4項目)、満足感(3項目)に分かれます。選択肢は「はい」「どちらともいえない」「いいえ」「わからない」で、各項目にご意見欄があり、末尾に自由記述欄があります。

区分 項目数 尋ねている内容の例
環境・体制整備 4 活動スペースの広さ、職員の配置数、特性に応じたバリアフリー・情報伝達の配慮、清潔で心地よい生活空間
適切な支援の提供 7 特性に応じた専門性のある支援、公表している支援プログラムと提供内容の一致、個別支援計画の作成と計画に沿った支援、活動プログラムの固定化防止、地域の他のこどもと活動する機会
保護者への説明等 11 運営規程・支援プログラム・利用者負担の説明、個別支援計画を示した説明、家族向け研修の情報提供、日頃の情報共有、面談や助言、保護者同士の交流、相談・苦情の体制、通信やホームページでの発信、個人情報の取扱い
非常時等の対応 4 各種マニュアルの周知と訓練、避難訓練、安全計画の周知、事故時の連絡と説明
満足感 3 こどもが安心して通所しているか、通所を楽しみにしているか、支援に満足しているか

令和8年4月9日に更新されたExcelで項目や区分が変わっていないかは、取得したときに確認してください。「わからない」の選択肢があるのは、保護者が事業所内の様子を直接見ていないためです。「わからない」が多い項目は、支援内容が保護者に伝わっていないサインとして読みます。「いいえ」と同じく改善の対象に含めてください。

実施の年間スケジュール|届出期限から逆算する

自己評価は年1回の行事ではなく、1~3か月かける年間業務です。理由は、保護者アンケートの配布・回収に2~4週間、集計と全職員ミーティングに2~3週間、公表と届出に1~2週間かかるからです。自治体の届出期限から逆算して、開始月を決めてください。

時期の目安 やること 担当
届出期限の3か月前 最新の参考様式をこども家庭庁のページから取得。前年の総括表(別紙3)を読み返し、改善目標の達成状況を確認 管理者・児発管
3か月前~2か月半前 従業者向け評価実施シート(別紙1)を全従業者に配布し、2週間で回収。非常勤・送迎担当も対象 児発管
2か月半前~2か月前 保護者向け評価実施シート(別紙2)を配布。回収期間は2~3週間、締切の1週間前に再案内 管理者
2か月前~1か月半前 別紙4で保護者評価を人数集計。別紙1の集計。全職員ミーティングで事業所全体の評価(別紙5)と総括表(別紙3)を作成 全職員
1か月半前~1か月前 別紙3・4・5をホームページに掲載。通信・掲示で保護者にフィードバック 管理者
1か月前~期限 指定権者へ公表の届出(届出書+公表したURLまたは掲示の写真等) 管理者
公表後 改善目標を職員会議の定例議題にし、四半期ごとに進捗を確認 管理者・児発管

届出期限は自治体によって異なります。たとえば長野県は「令和8年4月10日」まで、沖縄県は令和7年度分を「令和8年5月31日」までとしています。期限が年度末から春にある場合は、12月から1月に保護者アンケートを始めると間に合います。多機能型で児童発達支援を併設している場合は、サービスごとに評価と公表を行います。

保護者評価の回収率を上げる方法

保護者評価で最も多い悩みは回収率です。こども家庭庁の資料も、保護者評価は客観的な視点のデータであり、回答率の向上が望ましいとしています。回収率そのものに基準の数値はありませんが、回答が少ないと「わからない」が増え、改善の手がかりになりません。理由を一つずつ潰す方法を挙げます。

配布と回収の設計

  • 送迎時の手渡しだけにせず、連絡帳への同封と、QRコードからのオンライン回答(Googleフォーム等)を併用する。紙とオンラインの回答は別紙4で合算する
  • 回収期間は2~3週間とし、締切の1週間前に「現在○世帯からご回答いただいています」と再案内する
  • 無記名を明示し、回収箱を玄関に置く。職員に直接渡しにくい保護者への配慮になる
  • 保護者会・面談・モニタリング面談の日程に合わせて配布し、その場で記入できる時間を取る
  • きょうだいで複数の事業所を利用している家庭には、事業所ごとに回答が要る理由(サービスごとの公表)を添える

「書いても変わらない」をなくす

回収率を左右するのは、前年の意見に事業所がどう応えたかです。別紙4には、保護者の意見ごとに「ご意見を踏まえた対応」を書く欄があります。前年の意見と対応を今年の配布文書に1枚添え、「昨年いただいた○件のご意見のうち、○件はこう対応しました」と示してください。保護者は、自分の意見が運営に反映されると分かれば回答します。配布文書には、回答が匿名であること、集計結果を公表すること、結果を個別支援計画の見直しにも使うことを書きます。

回答しにくい項目への配慮

保護者等向け評価表には、保護者が支援プログラムを読んでいないと答えられない項目があります。「事業所が公表している支援プログラムは提供内容と合っているか」といった項目です。配布時に支援プログラムの掲載場所(ホームページのURLや玄関の掲示)を案内すると、「わからない」が減ります。外国籍の保護者や読み書きに配慮が要る保護者には、口頭での聞き取りや、ふりがな付きの用紙を用意します。

事業所全体の自己評価と総括表の書き方

従業者評価と保護者評価が集まったら、全職員で事業所全体の自己評価を行います。理由は、ガイドラインが「全職員による共通理解の下で、事業所全体として行う」と求めており、管理者が1人で書いた自己評価は趣旨に合わないからです。こども家庭庁の別添資料も、「はい」「いいえ」の集計結果を公表すること自体が趣旨ではないと明記しています。

ミーティングの進め方

  1. 別紙1の集計を項目ごとに見せ、「はい」と「いいえ」が分かれた項目を先に話す。職員間の認識のずれが課題の所在を示す
  2. 別紙4の保護者評価と並べ、職員は「はい」なのに保護者は「わからない」「いいえ」が多い項目を抽出する。伝え方の課題として扱う
  3. 項目ごとに事業所としての評価を決め、別紙5に「工夫している点」「課題や改善すべき点を踏まえた改善内容又は改善目標」を記入する
  4. 別紙3の総括表に、強み・弱み・改善策・目標をまとめる。弱みは3~5項目に絞り、担当者と期限を付ける

総括表の文例

総括表は保護者と地域が読む文書です。専門用語は言い換え、事実と計画を分けて書きます。

  • 強みの例:「送迎時の口頭連絡と連絡帳に加え、月1回の面談を全世帯で実施しており、保護者評価の『日頃の情報共有』は回答○世帯のうち○世帯が『はい』でした」
  • 弱みの例:「保護者評価の『支援プログラムと提供内容の一致』で『わからない』が○世帯ありました。支援プログラムの掲載場所を通信で案内しておらず、保護者に届いていませんでした」
  • 改善策の例:「2027年1月の通信に支援プログラムの掲載URLと概要を載せ、4月の個別支援計画の説明時に5領域との関連を口頭で説明します。担当は児発管、2027年4月までに全世帯へ実施します」

改善策は、個別支援計画の見直しや職員研修の年間計画とつなげると、運営指導でも「評価を改善に反映している」と説明できます。放課後等デイサービス計画の作成手順と記載例は、個別支援計画の書き方|記入例・作成の流れと未作成減算を防ぐ運用を参照してください。

公表の方法と届出|ホームページ・掲示・指定権者への届出書

公表は「ホームページ等での公表」「保護者へのフィードバック」「指定権者への届出」の3つを揃えて完了です。理由は、留意事項通知が、公表方法と内容を都道府県に届け出ていない月を減算の対象としているからです。ホームページに載せただけでは届出が済んでいません。

何を・どこに公表するか

  • 公表するのは別紙3(自己評価総括表)、別紙4(保護者等からの事業所評価の集計結果)、別紙5(事業所における自己評価結果)の3点です。別紙1・2の個人票は公表しません
  • 公表はインターネットが基本です。自社ホームページのほか、法人サイトに掲載する方法もあります。ホームページがない場合は、会報や事業所内の掲示で公表する方法を認める自治体があります。富山県は、掲示・配布で公表した場合に、公表物と公表状況が分かるもの(掲示箇所の写真等)を届出に添付するよう求めています
  • 公表する表には、事業所名と公表日、保護者評価の配布数と回収数が分かるようにしておきます
  • 多機能型は、放課後等デイサービスと児童発達支援を分けて公表します(富山県などがサービスごとの公表を案内しています)

届出書の提出

届出は、自治体の様式「自己評価結果等の公表に係る届出書」などに、公表した方法(URLまたは掲示場所)と公表日を記入して提出します。電子申請システム、メール、郵送のいずれかで、提出先は指定権者(都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市)です。沖縄県は、障害福祉サービス等情報公表制度で情報を公表している事業者も、自己評価結果の届出は別に必要としています。届出の控えと、公表したページの印刷またはスクリーンショットは、運営指導で提示できるように保管してください。

新規に指定を受けた事業所について、指定日から1年以内に初回の公表と届出を行えばよいとする自治体があります。長野県は、令和7年5月1日以降に新規指定を受けた事業所は、指定の日から1年以内に公表と届出を行うとしています。沖縄県も、令和7年7月以降に新設された事業所は指定日から1年以内に届出すればよく、その間は減算しないと案内しています。扱いは自治体で異なるため、指定権者の案内で確認してください。開設直後に自己評価の実績がなくても慌てる必要はありませんが、1年以内に1サイクルを回す計画は開設時に立ててください。

未公表減算との関係|15%減算が適用される月と解消のしかた

自己評価結果等未公表減算は、所定単位数の100分の85を算定する減算です。自己評価と保護者評価を「おおむね1年に1回以上」行い、その結果等を適切に公表していない場合に適用されます。実務で押さえる点は3つあります。

  • 減算は「届出がされていない月」から、状態が解消されるまで、利用する障害児全員に適用されます。一部の児童ではなく、全員の所定単位数が15%減ります
  • 公表の間隔が1年を大きく超えた場合も、「おおむね1年に1回以上」を満たさないと判断されることがあります。前年の公表日から1年以内に次の公表と届出を終える運用にしてください
  • 支援プログラム未公表減算(令和7年4月1日から、同じく100分の85)は別の減算です。自己評価の公表と支援プログラムの公表は、両方の届出が必要です

減算を解消するには、公表と届出を済ませたうえで、指定権者に減算の適用期間を確認します。過去に遡って減算が判明した場合は、該当月の請求を過誤調整します。減算の単位数の試算や、情報公表未報告減算(5%)との違いは、「児発・放デイ」の情報公表未報告減算について詳しく解説とあわせて確認してください。運営指導では、公表状況と届出の控え、評価の実施記録(ミーティングの議事録、アンケートの配布・回収の記録)が確認されます。運営指導の確認項目全体は、障害福祉の運営指導チェックリスト|サービス別の確認項目と準備【DL付き】にまとめています。

減算が遡って判明すると、処遇改善加算の計算にも影響し、返還額は減算分だけでは済みません。公表・届出の期日管理と、減算コードを含む請求の整合確認は、毎月の請求フローに組み込んでください。加算・減算の判定まで含めて障害福祉専門の請求代行WITH福祉のような外部に任せる方法もあります。

改善計画への落とし方|評価を次年度の運営に反映する

自己評価の目的は公表ではなく改善です。理由は、基準省令第26条が「評価を行い、常にその改善を図らなければならない」と定めているからです。ガイドラインも、課題について「速やかにその改善を図る必要がある」としています。公表後に総括表が棚に入ったままでは、翌年の評価で同じ弱みが並びます。

改善目標を3つの計画につなげる

  • 職員研修の年間計画:「虐待防止の研修機会」「身体拘束の方針の共有」で課題が出た場合は、法定研修の年間計画に日程を入れる。研修記録は運営指導の確認文書にもなる
  • 個別支援計画:「活動プログラムの固定化」「自己決定を育てる支援」で課題が出た場合は、次回のモニタリングで各こどもの計画に反映する項目を決める
  • 支援プログラム:保護者評価で「支援プログラムと提供内容の一致」に「わからない」「いいえ」が多ければ、支援プログラムの見直しと再公表、保護者への説明機会を計画に入れる

進捗の確認と記録

総括表に書いた改善目標は、職員会議の定例議題にして四半期ごとに進捗を記録します。記録は「目標・担当・期限・実施日・結果」の5列で十分です。翌年の自己評価では、この記録をもとに「前年の課題がどう変わったか」を別紙5の工夫している点に書けます。改善の経過が文書で追えることが、保護者の信頼と運営指導での説明の両方に効きます。児発管が不在になると、計画作成だけでなく自己評価の進行も止まります。不在時の体制は児発管がいない・退職した場合どうなる?減算・受け入れへの影響と今すぐやることで確認してください。

よくある質問(FAQ)

保護者アンケートの回収率が低くても公表できますか

公表できます。基準省令とガイドラインは回収率の下限を定めていません。ただし、保護者等全員から回答を得ることを求める自治体もあります(沖縄県のQ&A)。同Q&Aは、配布・回収が難しい場合に職員の聞き取りで評価表を作成することも認めています。ただし、公表する集計結果(別紙4)には配布数と回収数を明記し、回収率が低い場合はその事実と、次回に向けた回収方法の改善を総括表に書いてください。回収率そのものが減算の要件になることはありませんが、運営指導で「保護者評価を受けた」と言える実態は必要です。

従業者評価は非常勤職員も対象ですか

こども家庭庁の別添資料は、できる限り全従業者から提出を求めることが望ましいとしています。非常勤や送迎担当の職員も、支援の実態を知る立場として対象に含めてください。回答しやすいよう、勤務時間内に記入する時間を確保します。

ホームページがない場合はどうすればよいですか

基準省令は「インターネットの利用その他の方法により公表」としているため、自治体の案内に沿って会報や事業所内の掲示で公表することができます。その場合、届出に公表物と公表状況が分かる写真などの添付を求める自治体があります。法人のサイトや無料のホームページ作成サービスに掲載する方法も検討してください。

評価の時期は年度末でないといけませんか

決まりはありません。「おおむね1年に1回以上」を満たし、自治体の届出期限に間に合えば、いつ実施しても構いません。ただし前年の公表日から1年以内に次の公表を終えるよう、毎年同じ時期に行うのが安全です。

自己評価の結果を情報公表システムに載せれば届出は不要ですか

不要にはなりません。障害福祉サービス等情報公表制度への報告と、自己評価結果等の公表の届出は別の手続きです。沖縄県も、情報公表制度で公表している事業者にも自己評価結果の届出が必要と案内しています。情報公表の未報告は別の減算(情報公表未報告減算・5%)の対象です。

まとめ|自施設で明日やること

  • こども家庭庁のページから放課後等デイサービスの参考様式(令和8年4月9日更新版)を取得し、前年に使った様式と項目を見比べる
  • 指定権者の届出期限と届出方法を確認し、逆算して従業者評価・保護者評価の配布日を決める
  • 前年の総括表の改善目標について、達成状況を「実施日・結果」で書き出す
  • 保護者向けの配布文書に、前年の意見への対応と支援プログラムの掲載場所を1枚添える
  • 公表する別紙3・4・5に、公表日と保護者評価の配布数・回収数が書かれているかを確認する
  • 前年の届出の控えと公表ページのスクリーンショットを、運営指導用のファイルに保管する

自己評価は、保護者の声と職員の実感を1つの表に並べ、翌年の支援を変えるための仕組みです。手順を年間業務に組み込めば、未公表減算は自然に遠ざかります。

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参考(一次情報)