この記事は、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を持ち、転職や求人探しを検討している方向けです。読めば、働き先別の給料相場の違いと、求人の探し方・転職を成功させる具体的な手順が分かります。ケアマネの有効求人倍率は9.82倍(令和7年6月時点)に達しており、資格を活かせる求人は選び放題の状況です。
記事でわかること
ケアマネの求人・転職市場は「売り手市場」が続く
結論として、ケアマネの転職市場は資格保有者に有利な状況が続いています。中央福祉人材センターの職業紹介実績によると、ケアマネを第一志望とする有効求人倍率は9.82倍(令和7年6月時点)です。これは求職者1人に対して求人が約10件ある状態を意味します。
背景には、資格保有者数に対して実際に現場で働く人材が少ないという構造的な事情があります。試験の受験資格が年々厳しくなったことに加え、業務負担の大きさや処遇面の課題もあります。資格を取得しても更新せず、他職種へ移る人が一定数いることも一因です。さらに、居宅介護支援事業所はこれまで処遇改善加算の対象外でした。他の介護職種に比べて賃上げの恩恵を受けにくい構造も、人材流出の一因とされてきました。
この状況は転職を考えるケアマネにとって追い風です。経験年数や希望条件に応じて、複数の求人を比較しながら働き先を選べる立場にあります。まずは自分の経験・保有資格・希望条件を整理しましょう。どの働き先が自分に合うかを見極めることが最初の一歩です。
2026年6月から居宅介護支援にも処遇改善加算が新設
ケアマネの転職市場を語るうえで見逃せないのが、処遇改善加算の動きです。厚生労働省は2026年1月、社会保障審議会介護給付費分科会の答申を経て、居宅介護支援事業所への処遇改善加算の新設を決定しました。これまで居宅介護支援は対象外でした。加算率2.1%で2026年6月から適用されます。
これまで施設系のケアマネは、法人全体の経営判断で処遇改善の恩恵を受けられるケースがありました。一方、居宅介護支援事業所は制度上の対象外だったため、賃上げの機会が限られていました。今回の新設には、職場環境の改善やケアプランデータ連携システムの活用などの要件があります。要件を満たした事業所では、ケアマネの給料アップが期待できます。転職先を選ぶ際は、求人票に処遇改善加算の算定状況が記載されているかも確認しましょう。
働き先別の給料相場の違い
ケアマネの給料は、働き先によって水準が異なります。厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、ケアマネジャー全体の平均年収は417.3万円です。内訳は月給29.1万円、賞与等67.6万円となっています。ただし、これはあくまで平均であり、施設系・居宅系・地域包括支援センターでは相場に差があります。
| 働き先 | 給料水準の傾向 | 働き方の特徴 |
|---|---|---|
| 施設系(特養・老健など) | 比較的高め。特養は月収41万円台、老健は月収40万円台という調査もある | ケアプラン業務に加え、介護業務や施設管理を兼務することが多い |
| 居宅介護支援事業所 | 平均的な水準。月給30万円前後が目安。2026年6月から処遇改善加算の対象に | 利用者ごとの個別サービスに特化。担当件数に応じた収入変動がある |
| 地域包括支援センター | 自治体・社会福祉法人運営が多く、公務員に準じた安定水準 | 権利擁護・虐待防止・認知症初期支援など地域全体を支える業務が中心。夜間対応が少ない |
施設系は給料水準が高めですが、介護業務との兼務で負担が大きくなりやすい傾向があります。居宅系は利用者との距離が近く、担当件数によって収入や忙しさが変わります。今後は処遇改善加算により水準が底上げされる見込みです。地域包括支援センターは給料の安定性と働きやすさを重視する人に向いています。
働き先別の月収目安を比較すると、次のグラフのとおりです。

施設系(特養・老健)は月収40万円台と高めですが、居宅介護支援は30万円前後が目安です。ただし居宅介護支援は2026年6月から処遇改善加算の対象となるため、今後は差が縮む可能性があります。
経験年数によっても給料は変わります。同調査では、経験年数5年未満のケアマネは月給・賞与ともに平均を下回ります。一方、15年以上になると所定内給与29万9千円、年間賞与73万4千円まで上昇する傾向が見られます。求人票を見る際は、給料だけでなく担当件数の上限や夜間・休日対応の有無も確認しましょう。
主任ケアマネジャーへのキャリアアップも視野に
転職と合わせて検討したいのが、主任ケアマネジャーへのキャリアアップです。主任ケアマネは、他のケアマネへの指導・助言や地域の多職種連携の中心的役割を担う上位資格です。居宅介護支援事業所の管理者になるには、原則として主任ケアマネの資格が必要とされています。
求人票で「主任ケアマネジャー歓迎」「管理者候補」といった条件を見かけたら、確認する価値があります。給料テーブルが一般のケアマネより高く設定されているケースが多いためです。転職を機にキャリアアップの道筋を採用担当者に相談してみるのも一つの方法です。
ケアマネ求人の探し方
求人を探す際は、複数の経路を組み合わせることで選択肢を広げられます。
- 介護職専門の求人サイトで「ケアマネ」「介護支援専門員」の職種で絞り込む
- ハローワークの介護分野専門窓口を利用する
- 知人や現職場の紹介(リファラル)で非公開求人の情報を得る
- 働きたい法人のホームページで直接募集状況を確認する
介護職専門の求人サイトを使うなら、ケアマネ求人の一覧のように職種で絞り込んだ状態から比較を始めると効率的です。給料だけでなく次の条件も併せて確認してください。「主任ケアマネジャー研修修了の有無」「担当利用者数の上限」「オンコール対応の頻度」「処遇改善加算の算定状況」などです。これらは実務の負担感に直結する情報です。介護支援専門員(ケアマネ)とはを基礎から復習しておくと、求人票の条件を正しく読み取れます。
応募前に使えるケアマネ求人票チェックリスト
求人票は「何が書いてあるか」だけでなく「何が書かれていないか」にも注目すると、職場の実態が見えてきます。応募前に次の5項目を確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント | 注意したいサイン |
|---|---|---|
| 担当件数 | 1人あたりの上限が数字で明記されているか | 「応相談」のみで具体的な数字がない |
| 処遇改善加算 | 算定状況と配分方針の記載 | 2026年6月の新設以降も記載が更新されない |
| 夜間・休日対応 | オンコールの頻度と手当額 | 「柔軟に対応」など曖昧な表現だけ |
| 指導体制 | 主任ケアマネの在籍・管理者の兼務状況 | 有資格者が管理者1人だけで相談相手がいない |
| 給料の内訳 | 基本給と手当の区分、賞与の算定基礎 | 総額表示のみで基本給が分からない |
面接や見学の機会があれば、「直近1年でケアマネの入退職は何名ありましたか」「困難事例のときは誰に相談できる体制ですか」と質問してみましょう。この2つは、定着率と支援体制という求人票に載らない情報を引き出せる質問です。回答が具体的な職場ほど、入職後のギャップが小さくなります。
転職を成功させる3つのコツ
転職を成功させるには、応募前の準備が重要です。以下の3点を押さえましょう。
1.自分の強みと希望条件を言語化する
これまでの担当件数、得意な利用者層(認知症・医療依存度が高い方など)、希望する働き方を整理します。残業の少なさや給料重視など、優先順位もはっきりさせておきましょう。面接では退職理由をどう前向きな志望動機に変換するかが重要です。「今の職場でできなかったことを、次の職場でどう実現したいか」を具体的に語れると、採用担当者の印象に残ります。
2.働き先の特性を理解して比較する
前述の通り、施設系・居宅系・地域包括支援センターでは給料水準も業務内容も異なります。居宅介護支援事業所とはどんな場所かを押さえたうえで、自分の希望する働き方に合う職場を選びましょう。経験年数が採用条件に少し満たなくても問題ありません。コミュニケーション能力や熱意を具体的に伝えられれば、前向きに検討されるケースは多くあります。
3.在職中に転職活動を進める
ケアマネは有効求人倍率が高い職種のため、退職前から求人を確認し始めても間に合うケースが多くあります。在職中に情報収集を進めることで、収入が途切れるリスクを避けながら、条件の合う求人をじっくり比較できます。応募前には履歴書・職務経歴書を整理しておきましょう。担当してきた利用者数やケアプラン作成件数など、具体的な実績を数字で示せるようにしておくと説得力が増します。
次のアクションとして、まずは求人サイトを開いてみましょう。施設系・居宅系・地域包括支援センターの求人を、自分の希望条件で1件ずつ比較することが大切です。給料水準の違いを実際の求人票で確認することが、転職成功への近道です。
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まとめ|求人を比較して自分に合う働き先を選ぼう
ケアマネの転職市場は有効求人倍率9.82倍と、資格保有者に有利な状況です。2026年6月からは居宅介護支援事業所にも処遇改善加算(2.1%)が新設され、給料水準の底上げが見込まれます。施設系・居宅系・地域包括支援センターで給料水準や働き方が異なるため、条件を比較したうえで自分に合う職場を選びましょう。
ケアマネの求人を探すなら、求人を探す(ケアマネ絞込み)から確認してみましょう。施設系・居宅系・地域包括支援センターなど、働き先別の求人を比較できます。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(ケアマネジャーの平均年収417.3万円の出典)
- 中央福祉人材センター「福祉分野の求人求職動向(職業紹介実績報告)」(ケアマネ有効求人倍率9.82倍・令和7年6月時点の出典)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(居宅介護支援の処遇改善加算2.1%・2026年6月施行の原文資料)
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