介護施設の感染症対策|委員会・研修訓練の頻度とBCP感染症編【2026年版】

この記事は、特養・老健・介護医療院などの施設長、感染対策担当者(看護職員)、そして訪問介護や通所介護の管理者向けです。「感染対策委員会は何か月に1回開けばよいのか」「研修と訓練は年に何回必要か」「BCP(業務継続計画)の感染症編と、感染症の指針は何が違うのか」に、省令と解釈通知を根拠に答えます。

結論から言うと、感染症対策で省令が求めるのは3点です。①対策を検討する委員会の開催、②予防・まん延防止の指針の整備、③研修と訓練の定期実施です。令和3年度(2021年度)改定で全サービスに義務付けられ、3年の経過措置を経て令和6年(2024年)4月1日から完全義務化されました。頻度はサービスで違います。施設系は委員会がおおむね3か月に1回以上、研修・訓練が年2回以上です。特定施設・認知症グループホーム(居住系)は、委員会がおおむね6か月に1回以上、研修・訓練が年2回以上です。訪問系・通所系・短期入所・居宅介護支援などは、委員会がおおむね6か月に1回以上、研修・訓練が年1回以上です。

この記事では、まず3点の義務と頻度をサービス別に整理します。続けて委員会の運営、指針に書くこと、研修・訓練の中身、平時の備え、発生時の報告先、BCP感染症編との関係、令和6年度(2024年度)改定で加わった加算、運営指導の確認点と自主点検表まで順に見ていきます。法定研修全体の年間計画は介護施設の法定研修一覧|義務研修の頻度・対象と年間研修計画の立て方で整理しています。

記事でわかること

省令が求める感染症対策の3点|委員会・指針・研修訓練(令和6年4月から全サービス義務)

感染症対策の根拠は、各サービスの指定基準省令にある「衛生管理等」の条文です。特養(指定介護老人福祉施設)では基準省令第27条第2項、老健では第29条第2項、訪問介護では第31条第3項に、次の3つの措置が並んでいます。

  • 感染症および食中毒の予防とまん延防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、結果を介護職員その他の従業者に周知徹底すること
  • 感染症および食中毒の予防とまん延防止のための指針を整備すること
  • 介護職員その他の従業者に対し、感染症および食中毒の予防とまん延防止のための研修と訓練を定期的に実施すること

条文の「定期的に」の中身を具体化しているのが解釈通知です。ここでサービスの種類による差が出ます。

区分 委員会の開催 研修 訓練(シミュレーション) 新規採用時の研修
施設系(特養・老健・介護医療院・地域密着型特養) おおむね3か月に1回以上 年2回以上 年2回以上 必ず実施
訪問系(訪問介護・訪問看護・定期巡回など) おおむね6か月に1回以上 年1回以上 年1回以上 実施が望ましい
通所系(通所介護・通所リハなど) おおむね6か月に1回以上 年1回以上 年1回以上 実施が望ましい
居宅介護支援 おおむね6か月に1回以上(従業者1名の事業所は、指針を整備すれば委員会を開催しなくてもよい) 年1回以上 年1回以上 実施が望ましい
短期入所・小規模多機能など おおむね6か月に1回以上 年1回以上 年1回以上 実施が望ましい
居住系(特定施設・地域密着型特定施設・認知症GH) おおむね6か月に1回以上 年2回以上 年2回以上 実施する

施設系の頻度が高い理由は、入所者が24時間同じ建物で生活し、集団感染の影響が大きいためです。令和3年度改定より前から、施設系には委員会・指針・研修の義務がありました。令和3年度改定で新たに加わったのが「訓練」です。訪問系・通所系は委員会・指針・研修・訓練のすべてが令和3年度改定で新設され、令和6年3月31日までは努力義務でした。現在はどのサービスも、未実施なら運営基準違反です。居住系は、委員会の頻度が訪問・通所系と同じ6か月ですが、研修・訓練の回数は施設系と同じ年2回以上です。取り違えやすいので注意してください。

注意したいのは「おおむね」の読み方です。3か月に1回以上は「年4回」が目安ですが、感染症の流行時期には必要に応じて随時開催することが解釈通知で求められています。11月から3月のインフルエンザ・ノロウイルスの季節に臨時開催を1回足しておくと、運営指導でも説明しやすくなります。

感染対策委員会の運営|構成員・担当者・議題・他の委員会との一体的運営

解釈通知は、委員会の構成を「幅広い職種」としています。施設長(管理者)、事務長、介護支援専門員、医師、看護職員、介護職員、栄養士、生活相談員などです。構成メンバーの責務と役割分担を明確にし、専任の感染対策担当者を決めます。担当者は看護師が望ましいとされています。

委員会は、運営委員会など施設内の他の委員会とは独立して設置・運営することが原則です。ただし、関係する職種や取り扱う事項が相互に関係が深いと認められる他の会議体がある場合、これと一体的に設置・運営して差し支えないとされています。例えば、事故発生防止検討委員会と同じ日に続けて開催し、議事録を分けて残す運用は可能です。テレビ電話装置などを使った開催も、個人情報の取扱いに配慮すれば可能とされています。委員会全体の兼ね方は介護施設に設置義務のある委員会一覧で整理しています。

議題の型|毎回これだけは入れる

  • 前回以降の発生状況(有症状者の数、疑い例、保健所への報告の有無)
  • 職員の健康管理の状況(体調不良時の休みやすさ、ワクチン接種の案内)
  • 指針・マニュアルの見直し点(新しい通知、手引きの改訂、BCPとの整合)
  • 研修・訓練の実施結果と次回の計画(日程、対象、欠席者のフォロー)
  • 備蓄の点検(マスク、手袋、ガウン、消毒薬の在庫と使用期限)
  • 季節対応(インフルエンザ・ノロウイルス・新型コロナの流行状況、熱中症との両立)

議事録には、開催日時・出席者・議題・決定事項・次回予定を残し、職員への周知方法(回覧、朝礼、掲示)まで書いておきます。省令は「結果を従業者に周知徹底する」ことまで求めているため、周知の記録が無いと「開いただけ」と見られます。

指針に書くこと|平常時の対策と発生時の対応の2部構成

感染症および食中毒の予防とまん延防止のための指針は、「平常時の対策」と「発生時の対応」を規定することが解釈通知で求められています。鳥取県の集団指導資料は、それぞれの中身を次のように整理しています。

  • 平常時の対策:事業所内の衛生管理(環境の整備、排せつ物の処理、血液・体液の処理など)/日常のケアにかかる感染対策(手洗い、標準予防策、個人防護具の使い方)
  • 発生時の対応:発生状況の把握/感染拡大の防止(隔離、ゾーニング、面会制限)/事業所内の連絡体制/医療機関・保健所・市町村(指定権者)との連携と報告

指針は「基本方針」を定める文書で、手順の細部はマニュアルに落とすのが一般的です。厚生労働省の「介護現場における感染対策の手引き 第3版」(令和5年9月)は、施設系・通所系・訪問系の別に、標準予防策や感染経路別の予防策、感染症ごとの対応をまとめています。指針の見直し時には、この手引きの章立てに沿って自施設のマニュアルを突き合わせると、抜けが見つけやすくなります。

研修と訓練|年2回(施設・居住系)・年1回(その他)+新規採用時

研修は、感染対策の基礎知識を職員に浸透させるためのものです。施設系と居住系は年2回以上、訪問系・通所系・短期入所・居宅介護支援などは年1回以上が解釈通知の目安です。施設系では新規採用時に必ず研修を実施することが示されています。訪問系・通所系などでは、新規採用時の研修は「望ましい」とされています。訓練は、発生時を想定して役割分担や連絡の流れを実際に動かすシミュレーションです。頻度は研修と同じく、施設・居住系が年2回以上、その他が年1回以上です。

研修の内容例

  • 標準予防策(手洗いの5つのタイミング、手袋・マスク・ガウンの着脱順)
  • 感染経路別の予防策(接触・飛沫・空気)と、インフルエンザ・ノロウイルス・新型コロナ・疥癬の違い
  • 排せつ物・吐物の処理手順(次亜塩素酸ナトリウムの濃度、処理キットの場所)
  • 職員自身の健康管理(出勤前の体温測定、体調不良時の連絡先、休む判断の基準)
  • 発生時の第一報の流れ(誰が、誰に、何を伝えるか)

訓練の内容例

  • 机上訓練:「夜勤帯に入所者2名が嘔吐」というシナリオで、連絡・隔離・消毒・記録の順番を確認する
  • 実技訓練:吐物処理キットを使った処理、ゾーニングの区切り方、個人防護具の着脱
  • BCPとの合同訓練:職員の出勤率が下がった場面を想定し、優先業務の絞り込みと応援要請の手順を動かす

研修も訓練も、実施日・内容・講師・参加者・欠席者のフォロー方法を記録に残します。参加者が書いた感想文やレポートは、理解度の証拠になります。訓練で見つかった課題はBCPや指針の見直しに反映し、その記録も残します。

平時の備え|標準予防策・職員の健康管理・備蓄・環境整備

手引き第3版は、感染対策の基本を標準予防策(スタンダードプリコーション)に置いています。感染の有無にかかわらず、血液・体液(汗を除く)、排せつ物、損傷した皮膚、粘膜を感染性があるものとして扱う考え方です。手洗いと個人防護具の適切な使用がその中心になります。

  • 手洗い:ケアの前後、排せつ介助の後、食事介助の前など、タイミングを決めて徹底する。流水と石けん、またはアルコール手指消毒薬を使う
  • 個人防護具:マスク・手袋・ガウン・ゴーグルを場面別に使い分け、使用後は所定の場所で外して廃棄する
  • 職員の健康管理:出勤前の体温測定と症状チェック、体調不良時は出勤しない。ワクチン接種の情報提供
  • 環境整備:手が触れる場所(手すり、ドアノブ、テーブル)の定期清拭。排せつ物・吐物の処理場所と道具の整備
  • 備蓄:マスク、手袋、ガウン、消毒薬、検査キットなどを数日分確保し、在庫と使用期限を委員会で点検する
  • 面会・外部者の管理:面会者の体調確認と記録。業者やボランティアの出入り記録

夏場は感染対策と熱中症対策が重なります。マスク着用や換気と室温管理の両立は、委員会で季節ごとに確認してください。職場の熱中症対策は、2025年(令和7年)6月施行の改正労働安全衛生規則で、罰則付きの事業者の義務になりました。介護現場の熱中症対策は罰則付きの義務|2026年新ガイドラインで事業所がやるべきことをあわせて確認してください。

発生時の対応と報告先|保健所・市町村・家族への連絡と報告基準

感染症や食中毒が発生した、または疑われるときの初動は、「把握→隔離→報告→消毒→記録」の順です。看護職員が施設全体の状況を管理者へ報告し、管理者が外部への連絡と施設内の対応を判断する流れが基本です。発生時は管轄の保健所に連絡し、助言を受けることが推奨されています。保健所からは、感染症法に基づく積極的疫学調査への協力を求められることがあります。

行政への報告基準|3つのいずれかで保健所と市町村へ

厚生労働省通知「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」(平成17年2月22日、令和5年4月28日一部改正)は、次の場合に市町村等の社会福祉施設等主管部局へ迅速に報告し、保健所にも報告するよう求めています。

  1. 同一の感染症または食中毒による、またはそれらによると疑われる死亡者または重篤患者が、1週間以内に2名以上発生した場合
  2. 同一の感染症または食中毒の患者、またはそれらが疑われる者が、10名以上または全利用者の半数以上発生した場合
  3. 1・2に該当しなくても、通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合

報告の様式は、保健所が施設の種類ごとに用意しています(基本情報と発生状況の2枚組が多い)。自治体によって様式や提出方法(FAX・メール・電子申請)が異なるため、管轄保健所のページを指針に書き込んでおきます。行政への報告先は、①保健所と、②市町村(指定権者)の高齢者施設担当部局の2か所です。これとは別に、③利用者の家族への連絡も指針に書いておきます。食中毒の疑いがあれば、保健所の食品衛生部門への連絡と、検食の保存状況の確認も必要になります。

発生時の記録に残すこと

  • 発症者ごとの発症日、症状、受診・検査結果、隔離の開始日と解除日
  • 職員の発症状況と出勤状況(勤務表と突き合わせる)
  • 保健所・市町村・家族への連絡日時と内容、保健所からの指示
  • 消毒の実施場所・方法・実施者
  • 終息の判断とその根拠、委員会での振り返り

BCP感染症編との関係|指針・マニュアルとBCPの違い、未策定減算

感染症の指針・マニュアルとBCP(業務継続計画)は、別の義務です。指針・マニュアルは、感染を予防し拡大を防ぐ「方法」を扱います。BCPは、感染症が発生してもサービスを継続し、早期に業務を再開するための「体制・連絡先・優先業務・職員確保」を扱います。厚生労働省のガイドラインは「BCPは作成するだけでは実効性があるとは言えない」と明記し、研修・訓練と定期的な見直しを求めています。

項目 感染症の指針・マニュアル BCP感染症編
根拠 基準省令「衛生管理等」 基準省令「業務継続計画の策定等」
主な内容 平常時の対策、発生時の対応(予防と拡大防止の方法) 平時対応(体制構築・備蓄・研修訓練)、初動対応、感染拡大防止体制(職員確保、優先業務、情報発信)
研修・訓練 施設・居住系年2回以上、その他年1回以上 施設・居住系年2回以上、その他年1回以上(新規採用時は研修を実施)
未実施のペナルティ 運営基準違反(指導対象) 業務継続計画未策定減算(施設・居住系3%、その他1%)

業務継続計画未策定減算は令和6年度改定で新設されました。感染症または非常災害のどちらか一方でもBCPが無い、または計画に従った措置が講じられていないと、施設・居住系サービスは所定単位数の100分の3、その他のサービスは100分の1が減算されます。経過措置は令和7年(2025年)3月31日で終了しています。感染症の指針と非常災害の計画があれば減算しない特例も、訪問系・福祉用具貸与・居宅介護支援の猶予も、現在はありません。

BCP感染症編のひな形は、厚生労働省が入所系・通所系・訪問系の別にExcelで公開しています(例示入りのR5年度版もあります)。全体像と自然災害編を含む作り方は【2026年版】介護BCP義務化の全体像|未策定減算・ひな形の書き方・研修訓練の頻度で解説しています。感染対策委員会の訓練とBCPの訓練を同じ日に合同で行い、記録を両方の様式に残すと負担が減ります。

令和6年度改定で加わった加算と連携|感染対策向上加算・施設療養費・協力医療機関

令和6年度改定では、施設系・居住系サービスに感染症対応を評価する加算が新設されました。義務ではありませんが、委員会・指針・研修訓練を整えている施設なら、追加の手間は限られます。

加算・制度 単位数 主な要件 対象
高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ) 10単位/月 第二種協定指定医療機関と新興感染症発生時等の対応体制を確保/協力医療機関等と一般の感染症発生時の対応を取り決め/感染対策向上加算の届出医療機関または医師会が行う院内感染対策の研修・訓練に年1回以上参加 特養・地域密着型特養・老健・介護医療院・特定施設・地域密着型特定施設・認知症GH
高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ) 5単位/月 感染対策向上加算の届出医療機関から、施設内で感染者が発生した場合の感染制御等に関する実地指導を3年に1回以上受ける 同上
新興感染症等施設療養費 240単位/日(月1回、連続5日を限度) 相談・診療・入院調整を行う医療機関を確保し、厚生労働大臣が定める感染症に感染した入所者に適切な感染対策のもとでサービス提供 施設系・居住系(対象感染症は2026年10月時点で指定なし。パンデミック発生時に告示で指定)

また、施設系・居住系サービスには、第二種協定指定医療機関(新興感染症の発生時に診療等を行う医療機関)との間で、発生時等の対応を取り決める努力義務が省令に加わりました。協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合は、新興感染症の発生時等の対応について協議することが義務です。協力医療機関の義務化(施設系は令和9年3月末まで経過措置)とあわせて進めると効率的です。詳しくは協力医療機関の義務化とは|経過措置期限2027年3月までの対応チェックリストをご覧ください。

運営指導で確認される書類と自主点検チェックリスト

運営指導(旧実地指導)では、感染症対策は「書類で証明できるか」が見られます。確認されるのは主に次の5点です。委員会の議事録と周知の記録、指針(平常時・発生時の2部構成)、研修の実施記録、訓練の実施記録、新規採用者の研修記録です。令和7年4月以降はBCPの有無と研修訓練の記録も同時に確認されます。流れと準備の全体像は実地指導(運営指導)とは|流れ・確認書類・対策で解説しています。

点検項目 確認する証拠 施設系の目安 訪問・通所系の目安
感染対策委員会の開催 議事録(日時・出席者・議題・決定事項・周知方法) おおむね3か月に1回以上 おおむね6か月に1回以上
専任の感染対策担当者 任命の記録(看護師が望ましい) 必要 委員会の責任者を明確に
指針の整備 平常時の対策・発生時の対応の2部構成。改訂日と改訂履歴 必要 必要
研修の実施 実施記録、資料、参加者名簿、欠席者のフォロー 年2回以上+新規採用時 年1回以上(新規採用時が望ましい)
訓練の実施 シナリオ、実施記録、振り返りと改善点 年2回以上 年1回以上
発生時の報告体制 報告基準と報告先(保健所・市町村・家族)の一覧、様式の控え 必要 必要
BCP感染症編 計画本体、研修・訓練の記録、見直しの記録 研修・訓練 年2回以上 研修・訓練 年1回以上
備蓄 在庫一覧、使用期限、点検日 委員会で点検 委員会で点検

特定施設・認知症GH(居住系)は、委員会を右列(おおむね6か月に1回以上)、研修・訓練とBCPを左列(年2回以上)で点検してください。議事録・研修記録・訓練記録は、年度ごとに1冊にまとめておくと、運営指導当日に探す時間がなくなります。委員会を他の会議と一体的に開いた場合は、感染症対策として検討した議題が分かるように議事録を分けて残してください。

【無料ダウンロード】運営指導 自主点検チェックリスト(介護版)人員・設備・運営・報酬の標準確認項目をサービス別に整理し、感染症・BCP・研修・委員会の確認欄を付けたPDFとExcelです。年度初めの自己点検と、運営指導の事前準備に使えます。

運営指導 自主点検チェックリストをダウンロードする

よくある質問(FAQ)

感染対策委員会は、職員が少ない事業所でも必ず設置が必要ですか?

原則として必要です。例外は従業者が1名のみの居宅介護支援事業所で、指針を整備すれば委員会を開催しなくても差し支えないとされています。小規模な訪問介護や通所介護は、管理者と数名の職員で構成する形で差し支えありません。関係の深い他の会議体と一体的に運営することも認められています。

研修は外部のオンライン研修を職員が個別に受講する形でも認められますか?

認められます。解釈通知は、事業所内での研修に限定していません。ただし、受講日・受講者・内容が分かる記録(修了証や受講一覧)を残し、委員会で結果を共有してください。年2回(施設・居住系)・年1回(その他)の回数と、新規採用時の研修は別に数えます。

新型コロナが5類になった今も、発生時に保健所へ報告が必要ですか?

必要です。報告基準は感染症の種類を限定していません。同一の感染症で死亡者・重篤患者が1週間以内に2名以上、または患者・疑い例が10名以上か全利用者の半数以上になれば、保健所と市町村へ報告します。新型コロナやインフルエンザの集団発生も対象です。

感染症の指針があれば、BCP感染症編は作らなくてもよいですか?

作る必要があります。指針とBCPは別の義務で、BCPが無いと業務継続計画未策定減算(施設・居住系3%、その他1%)の対象です。指針があれば減算しない特例は令和7年3月31日で終了しました。厚生労働省のひな形を使い、指針・マニュアルと重複する部分は参照で済ませると作業量を抑えられます。

高齢者施設等感染対策向上加算は、委員会や研修を実施していれば算定できますか?

できません。加算(Ⅰ)は第二種協定指定医療機関との体制確保、協力医療機関等との取り決め、医療機関や医師会が行う研修・訓練への年1回以上の参加が要件です。加算(Ⅱ)は医療機関からの実地指導を3年に1回以上受けることが要件です。施設内の委員会・研修とは別の要件なので、協力医療機関と相談して進めます。

まとめ|自施設で明日やること

  • 自施設のサービス区分で、委員会の頻度(3か月か6か月か)と研修・訓練の回数(年2回か年1回か)を確認し、年間予定表に落とす。居住系は「委員会6か月・研修訓練年2回」の組み合わせに注意する。
  • 直近1年分の議事録・研修記録・訓練記録を1冊にまとめ、周知の記録と新規採用者の研修記録が残っているか確認する。
  • 指針が「平常時の対策」と「発生時の対応」の2部構成になっているか、報告先(保健所・市町村・家族)と報告基準が書いてあるか見直す。
  • BCP感染症編の有無と、研修・訓練の実施記録を確認する。無ければ厚生労働省のひな形で着手する。
  • 備蓄の在庫と使用期限を点検し、次回の委員会で報告する。
  • 協力医療機関と、新興感染症を含む感染症発生時の対応について協議の場を設定する。

感染症対策の記録は、運営指導だけでなく、加算や減算の判定にも直結します。業務継続計画未策定減算や高齢者施設等感染対策向上加算の算定状況と、体制の実態が合っているかを毎月の請求で確認する作業は、現場の負担になりがちです。加算・減算の判定や請求の整合確認まで任せたい場合は、介護保険専門の国保連請求代行であるWITH介護という選択肢もあります。全国47都道府県・約1,000事業所、毎月約20,000件の請求を扱い、実績をFAXで送るだけで請求ソフトは不要です。返戻の原因調査から再請求まで対応し、請求事務の負担を90%減らせます。詳しくはWITH介護の詳細を見るから確認してください。

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参考(一次情報)