小規模多機能型居宅介護とは?サービスの特徴や利用条件、利用する場合の費用について分かりやすく解説!

小規模多機能型居宅介護とは?サービスの特徴や利用条件、利用する場合の費用について分かりやすく解説!

この記事は、在宅介護のサービス選びを考える方や、地域密着型サービスへの転職を検討する方に向けたものです。小規模多機能型居宅介護の特徴・定員・人員基準・料金、看多機との違い、メリット・デメリットが分かります。

在宅で暮らし続けたいが、状態や予定に合わせてサービスを柔軟に変えたい。そんなときに頼りになるのが小規模多機能型居宅介護(小規模多機能ホーム)です。1つの事業所が「通い」を中心に「訪問」「泊まり」を組み合わせ、なじみの職員が一体的に支えます。本記事では、これらを2026年7月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • 小規模多機能型居宅介護とは何か、通い・訪問・泊まりをどう組み合わせるのか
  • 登録定員・通い・泊まりの定員と、人員基準のポイント
  • 月額定額制(包括報酬)の料金のしくみと対象者
  • 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)との違い、メリット・デメリット

小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護とは、住み慣れた地域や自宅での生活を続けられるよう支える介護保険サービスです。1つの事業所が「通い(デイサービス)」を中心に「訪問」「泊まり(ショートステイ)」を組み合わせて柔軟に提供します。利用者の状態や家族の都合に合わせて、なじみの職員が一体的に支援するのが大きな特徴です。「小規模多機能ホーム」「小多機(しょうたき)」とも呼ばれます。

制度上は地域密着型サービス(住み慣れた地域での生活を支えるサービス類型)に位置づけられます。原則として、その事業所と同じ市区町村に住む住民が対象です。市区町村の指定・指導のもとで運営され、運営推進会議の開催や地域密着型サービス評価などを通じて、地域とつながりながら運営されます(出典:介護サービス情報公表システム、厚生労働省)。

3つのサービスを組み合わせて使える

小規模多機能型居宅介護では、次の3つを同じ事業所・同じ職員が担います。1回ごとに別々の事業者を手配する必要がなく、状況に応じて利用回数や組み合わせを調整できます。

  • 通い(デイサービス):日中、事業所に通って食事・入浴・排泄などの介護やレクリエーション、機能訓練を受ける
  • 訪問:職員が自宅を訪ね、身体介護や生活援助、安否確認などを行う
  • 泊まり(ショートステイ):夜間に事業所へ宿泊し、見守りや夜間の介護を受ける

たとえば「ふだんは通いを中心に、家族が不在の日は泊まりを足す」「体調が優れない日は訪問に切り替える」といった使い方ができます。ケアマネジャーとの相談のうえで柔軟に組み立てられます。なお通いだけを使いたい場合は、一般的な通所サービスとの違いをデイサービスとデイケアの違いで確認できます。泊まり単独の仕組みは短期入所(ショートステイ)もあわせて見ると、サービスごとの位置づけが整理しやすくなります。

登録定員と通い・泊まりの定員

小規模多機能型居宅介護は「小規模」の名のとおり、定員に上限が設けられています。1つの事業所に登録できる人数(登録定員)と、1日あたりの通い・泊まりの定員は次のとおりです(出典:介護サービス情報公表システム、厚生労働省)。

区分 定員の上限
登録定員(1事業所あたり) 29人以下
通いの定員(1日あたり) 登録定員の2分の1~15人(登録定員26人以上の事業所は16~18人)
泊まりの定員(1日あたり) 通いの定員の3分の1~9人

このように利用者数を絞ることで、職員が一人ひとりの状態や生活背景を把握しやすくなります。なじみの関係のなかでケアを行える点が、小規模多機能型居宅介護の土台です。なお、登録者以外の人が緊急時などに限って泊まりを使える「短期利用居宅介護」を提供している事業所もあります。提供の有無は事業所によって異なります。

小規模多機能型居宅介護の人員基準

小規模多機能型居宅介護を運営するには、国が定める人員基準を満たす必要があります(出典:指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準、厚生労働省)。主な配置を表で整理します。

職種 主な配置の考え方
介護従業者 日中は通いの利用者おおむね3人に1人+訪問対応に1人以上。夜間・深夜は宿直および夜勤の体制を確保
看護職員 従業者のうち1人以上を看護師または准看護師とする
介護支援専門員(計画作成担当者) 小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了した介護支援専門員を1人以上
管理者 原則として常勤・専従。認知症介護の一定の経験と所定の研修修了が必要
代表者 認知症介護や保健医療・福祉サービスの経験があり、所定の研修を修了した者

計画作成担当者は、利用者の状態や希望をふまえて通い・訪問・泊まりを組み合わせた計画を作ります。いわば司令塔の役割です。担当者の要件や仕事内容は計画作成担当者もあわせて参考にしてください。詳細な配置数は事業所の規模やサテライト型かどうかで変わります。開設や就職を検討する際は、市区町村や事業所に最新の基準を確認しましょう。

小規模多機能型居宅介護の料金

小規模多機能型居宅介護の最大の特徴の1つが、要介護度別の月額定額制(包括報酬)です。通い・訪問・泊まりをどれだけ組み合わせても、原則として1か月の介護保険サービス費は要介護度ごとの定額です。利用回数が増えても料金は変わりません。

基本報酬(同一建物に居住する人以外に提供する場合の1か月あたりの単位)は、要介護1で10,458単位、要介護5で27,209単位などとなります。要介護度が上がるほど高くなります(出典:令和6年度介護報酬改定)。1単位はおおむね10円台で地域により異なり、実際の自己負担は所得に応じて原則1~3割です。

この定額分とは別に、食費・宿泊費・おむつ代などの日常生活費は全額自己負担です。金額は事業所ごとに設定されています。契約前に重要事項説明書などで確認しておくと安心です。また、認知症の人への支援に対する加算(基本料金への上乗せ)など、各種加算・減算によって最終的な金額は変動します。なお、2026年(令和8年)6月の介護報酬改定では、職員の賃上げに充てる介護職員等処遇改善加算の加算率が引き上げられました。小規模多機能型居宅介護では加算Ⅰで所定単位数の17.1%(生産性向上などの要件を満たす上位区分は18.6%)です。

対象となる人

対象は、事業所と同じ市区町村に住み、要支援1・2または要介護1~5の認定を受けた人です。要支援の人は介護予防小規模多機能型居宅介護という形で利用します。月額定額制のため、通い・訪問・泊まりを頻繁に組み合わせて使う人ほど、メリットを感じやすいサービスです。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)との違い

名称がよく似たサービスに「看護小規模多機能型居宅介護(看多機・かんたき)」があります。看多機は、小規模多機能型居宅介護の通い・訪問・泊まりに「訪問看護」を加えたサービスです。医療的なケアへの対応力が高いことが特徴です。主な違いを表で整理します(出典:看護小規模多機能型居宅介護、厚生労働省/介護サービス情報公表システム)。

項目 小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)
提供サービス 通い+訪問(介護)+泊まり 通い+訪問(介護)+泊まり+訪問看護
医療・看護の手厚さ 看護職員1人以上を配置 訪問看護を含め看護職員を手厚く配置
対象者 要支援1・2/要介護1~5 要介護1~5(要支援は対象外)
向いている人 柔軟な在宅生活の支援を受けたい人 点滴やたんの吸引など医療的ケアが必要な人

選び分けの目安は次のとおりです。医療的なケアの必要性が高い場合は看多機、生活全般を柔軟に支えてほしい場合は小規模多機能型居宅介護が向きます。どちらも地域密着型サービスで、月額定額制という点は共通しています。

メリットとデメリット

利用を検討する際は、よい面と注意点の両方を理解しておくことが大切です。

メリット

  • なじみの職員が一体的に支援:通い・訪問・泊まりを同じ事業所が担うため、職員が利用者の状態を把握しやすい
  • 柔軟に組み合わせられる:体調や家族の予定に応じて、利用内容や回数を調整しやすい
  • 料金が分かりやすい:月額定額制のため、利用が増えても費用の見通しが立てやすい

デメリット・注意点

  • 他サービスの併用に制限:原則として訪問介護や通所介護など他事業所の介護サービスは併用できない(福祉用具貸与や訪問看護など一部を除く)
  • ケアマネが事業所所属:原則として小規模多機能型居宅介護の事業所に所属する計画作成担当者がケアプランを作るため、これまでの担当ケアマネから変更になる場合がある
  • あまり利用しない月も定額:利用回数が少ない月は、割高に感じることがある

同じ地域密着型サービスで、認知症の人が少人数で共同生活を送る形態としてはグループホーム(認知症対応型共同生活介護)もあります。在宅を続けるか、住まいを移すかを含めて、本人・家族・ケアマネで比較しながら検討するとよいでしょう。

家族・ケアマネのための「使いどき」と切り替えの失敗回避

小規模多機能型居宅介護は柔軟さが魅力ですが、「切り替えのタイミング」と「併用の制限」を理解せずに選ぶと後悔につながります。本人・家族・ケアマネで判断するための目安を整理しました。

こんな状態のときに向いている

  • 体調の波があり、通い・訪問・泊まりをこまめに切り替えたいとき
  • 家族の介護負担が大きく、急な泊まりにも対応してほしいとき
  • 複数の事業者を手配する手間を減らし、なじみの職員に一貫して支えてほしいとき
  • サービスを頻繁に組み合わせて使うため、月額定額制のほうが見通しが立つとき

切り替え前に確認したい失敗回避ポイント

注意点 確認すること
担当ケアマネが変わる これまでの担当から事業所所属の計画作成担当者に変わる。引き継ぎ内容を確認する
他サービスが併用できない 使っている訪問介護・通所介護が併用不可になる場合がある。福祉用具貸与・訪問看護など例外を確認する
利用が少ない月も定額 あまり使わない月は割高に感じる。月の利用見込みと定額を比べる
医療的ケアの必要性 たんの吸引・点滴など医療ニーズが高ければ看多機も検討する

「柔軟だから」とだけで決めず、いま使っているサービスとの兼ね合いや本人の医療ニーズを確認することが大切です。判断に迷うときは、ケアマネジャーや事業所に最新の運用を相談しましょう。制度の一次情報は厚生労働省 介護・高齢者福祉のページもあわせてご確認ください。

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まとめ

小規模多機能型居宅介護は、1つの事業所が通い・訪問・泊まりを柔軟に組み合わせ、なじみの職員が一体的に在宅生活を支える地域密着型サービスです。登録定員29人以下という小規模さと月額定額制により、状態や家族の都合に合わせた利用がしやすいのが特徴です。一方、他サービスの併用制限やケアマネの所属といった注意点もあります。医療的ケアの必要性が高い場合は看多機という選択肢もあります。本人の状態や希望をふまえ、ケアマネジャーや事業所に最新情報を確認しながら、自分に合ったサービスを選んでいきましょう。

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