認知症グループホームの請求|ユニット別単位・入院時・加算減算【2026年版】

この記事は、認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム。以下、認知症GH)の管理者・計画作成担当者・請求担当者向けです。介護保険の請求で「何を、いくらで、どこまで算定できるか」を、告示の単位数と一緒に整理します。障害福祉サービスの共同生活援助(障害者グループホーム)は別制度です。障害者GHの請求はグループホーム(共同生活援助)の請求実務をご覧ください。

結論から言うと、認知症GHの請求は「日額の基本報酬×在籍日数」に加算・減算を乗せる構造です。基本報酬は1ユニット(Ⅰ)と2ユニット以上(Ⅱ)で分かれます。要介護1で765単位/753単位、要介護5で859単位/845単位です(2026年9月時点の告示)。入院時は月6日を上限に1日246単位の「入院時の費用」を算定できます。身体拘束廃止未実施減算は所定単位数の10%で、加算の積み上げを一撃で消す規模です。

この記事は、基本報酬の構造、入院・外泊・短期利用の扱い、主な加算の注意点の順に進みます。その後に減算、保険外費用、返戻になりやすい例を扱います。国保連への提出手順や締切そのものは国保連請求の流れと毎月10日締切にまとめているので、あわせてお読みください。

記事でわかること

認知症グループホームの請求とは|障害者GHと別制度・日額報酬・ユニット単位

認知症GHの介護報酬は、地域密着型サービスの報酬告示(平成18年厚生労働省告示第126号)で決まります。該当するのは別表の「認知症対応型共同生活介護費」です。要支援2の方は介護予防認知症対応型共同生活介護費(平成18年厚生労働省告示第128号)です。名前が似ている障害者GH(共同生活援助)は障害者総合支援法の報酬告示で決まり、請求先のシステムも様式も別物です。

請求単位は「1日」です。通所系のように回数ではなく、入居している日数分を月ごとに国保連(国民健康保険団体連合会)へ請求します。単位数に地域区分ごとの1単位あたり単価(その他地域は10円。都市部は級地に応じて上乗せ)を掛けて金額にします。

基本報酬の区分は、事業所の共同生活住居(ユニット)の数で決まります。1ユニットの事業所は認知症対応型共同生活介護費(Ⅰ)、2ユニット以上は(Ⅱ)です。3ユニットの事業所も(Ⅱ)で請求します。

基本報酬の単位数(1日あたり・2026年9月時点)

告示に書かれている基本報酬(入居)の単位数は次のとおりです。要支援2の欄は介護予防の告示(128号)の単位数です。

要介護度 (Ⅰ)1ユニット (Ⅱ)2ユニット以上
要支援2 761単位 749単位
要介護1 765単位 753単位
要介護2 801単位 788単位
要介護3 824単位 812単位
要介護4 841単位 828単位
要介護5 859単位 845単位

短期利用認知症対応型共同生活介護費(短期利用)は、入居の単位数より1日あたり28単位程度高く設定されています。要介護1で793単位/781単位、要介護5で887単位/874単位、要支援2で789単位/777単位です。

要介護1の(Ⅰ)を例にすると、30日入居で765単位×30日=22,950単位です。その他地域なら229,500円で、1割負担の方の自己負担は22,950円になります。ここに加算と、家賃などの保険外費用が乗ります。

単位数が変わるタイミング(区分変更・月途中入退居)

月の途中で要介護度が変わった場合、新しい認定の有効期間の開始日から新しい区分の単位数で請求します。区分変更の認定は申請日にさかのぼって効力が生じます。認定の有効期間を受給者台帳と突き合わせておかないと、月をまたいだ返戻の原因になります。

月途中の入居・退居は、入居日と退居日の両方を算定できます。ただし退居日の翌日以降は当然算定できません。退居後に短期入所や他施設の請求と重なる日があると、国保連の審査で重複を指摘されることがあります。

入院・外泊・短期利用の請求|日数と要件

認知症GHの請求で最も返戻が多いのが「いない日」の扱いです。入院、外泊、短期利用の3つを分けて押さえます。

入院時の費用(1日246単位・月6日が上限)

入居者が病院や診療所に入院した場合、1月に6日を限度として、基本報酬に代えて1日につき246単位を算定できます。これが「入院時の費用」です。入院の初日と最終日はこの246単位を算定できませんが、その2日は入居者が事業所にいた日として基本報酬を算定します。

算定できる条件は、入院後3か月以内の退院が明らかに見込まれ、退院後に再び円滑に入居できる体制を確保していることです。算定期間中は、その方の居室を空けておくのが原則です。入院中の居室を一時的に他の方に使わせた場合、その期間の入院時の費用は算定できません。旭川市の平成30年度改定Q&A回答など、自治体Q&Aで示されています。

日数の数え方は次のとおりです。連続8日間の入院なら、初日と最終日を除いた6日が算定対象です。月をまたぐ1回の入院は、各月6日ずつで最大12日分まで算定できます。入院が長引いて退院困難になった場合も、6日を上限に算定できるとする自治体Q&Aがあります。退居扱いにした翌日からは算定できません。

日付 状況 算定するもの
4月10日 入院初日 基本報酬(所定単位数)
4月11日~16日 入院中(6日) 入院時の費用 246単位/日
4月17日~19日 入院中(7日目以降) 算定なし
4月20日 退院・帰居日 基本報酬(所定単位数)

記録として残すものは4つです。入院日・退院日、医師の退院見込み(3か月以内)を確認した日と内容、居室を確保していた事実、家族への説明です。運営指導では「6日分だけ請求した根拠」を入院日と突き合わせて見られます。

外泊時の扱い(外泊時費用の設定はない)

認知症GHには、特別養護老人ホームのような「外泊時費用」の設定がありません。告示の注にあるのは入院の場合だけです。家族宅への外泊で終日不在の日については、基本報酬を算定できるかどうかを保険者(市町村)に確認してください。外泊の初日と最終日をどう扱うかも、あわせて確認してください。

外泊の予定と実績は、介護記録と請求データを一致させておきます。保険者が算定できないとしている外泊日まで請求していると、運営指導で過誤調整の対象になります。

短期利用(短期利用認知症対応型共同生活介護費)の要件

短期利用は、在宅で暮らす認知症の方が一時的にGHに宿泊するサービスです。通常の短期利用は、定員の範囲内で空いている居室を使い、利用期間は30日以内が原則です。事業者には3年以上介護サービスを運営した経験が求められます。

緊急時の短期利用は、定員を超えて受け入れる仕組みです。居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、緊急に利用が必要と認めた場合に限ります。受入れは1ユニット1名まで、期間は7日以内が原則で、家族の疾病などやむを得ない事情がある場合は14日以内です。居室は個室的なしつらえが必要です。

これとは別に、認知症行動・心理症状緊急対応加算があります。医師が認知症の行動・心理症状(BPSD)により在宅生活が困難で、緊急の利用が適当と判断した方が対象です。短期利用のみが対象で、利用開始日から7日を限度に1日200単位です。この加算を算定している間は、若年性認知症利用者受入加算は算定しません。

請求上の注意は3つあります。第一に、短期利用は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが居宅サービス計画に位置付け、給付管理票を提出します。GH側の明細書とケアマネ側の給付管理票が一致しないと返戻です。第二に、短期利用でも身体拘束廃止未実施減算(短期利用は1%)などの減算対象になります。第三に、算定できる加算の範囲は入居と異なるため、国保連の算定構造で事前に確認してください。

初期加算(1日30単位・30日以内)

入居日から起算して30日以内は、初期加算として1日30単位を算定できます。30日を超える入院の後に再び入居した場合も、再入居日から30日間算定できます。逆に、30日以内の入院から戻った場合は再入居扱いにならず、初期加算はリセットされません。

主な加算の請求上の注意|医療連携・看取り・認知症ケア・夜間支援

加算は「体制届を出しているか」「対象者要件を満たすか」「記録が残っているか」の3点で返戻・過誤が決まります。単位数は2026年9月時点の告示(126号)です。

医療連携体制加算(Ⅰ)イ・ロ・ハと(Ⅱ)

医療連携体制加算(Ⅰ)は、看護体制で3段階に分かれます。イは事業所の職員として看護師を常勤換算で1名以上配置し、57単位/日です。ロは看護職員(准看護師を含む)を常勤換算で1名以上配置し、47単位/日です。ハは事業所の職員または病院・診療所・訪問看護ステーションとの連携で看護師を1名以上確保し、37単位/日です。いずれも重度化した場合の対応指針を定め、入居時に利用者・家族へ説明して同意を得ることが必要です。

医療連携体制加算(Ⅱ)は5単位/日で、(Ⅰ)を算定していることが前提です。要件は、前3か月間に医療的ケアを受けた入居者が1人以上いることです。医療的ケアは喀痰吸引、経管栄養、インスリン注射、褥瘡治療、留置カテーテルなどです。「前3か月」の該当者がいなくなった月は算定できないため、毎月の該当者確認を請求前のチェック項目に入れてください。

看取り介護加算(死亡日は1,280単位)

看取り介護加算は、医療連携体制加算(Ⅰ)を算定している事業所が対象です。単位数は4段階です。死亡日以前31日以上45日以下が72単位/日、4日以上30日以下が144単位/日です。死亡日の前日と前々日が680単位/日、死亡日が1,280単位です。

要件は、看取りに関する指針の整備と入居時の説明、医師が回復の見込みがないと判断したことです。さらに、多職種で計画を作り本人・家族へ説明して同意を得ることが必要です。取組は「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に沿って行います。請求時は、死亡日から遡って各区分の日数を数え、死亡月にまとめて算定します。前月にあたる日の分も死亡月の請求に載るため、家族へ事前に説明しておきます。入院先で亡くなった場合も、退居した日の翌日から死亡日までの間は算定できません(告示126号)。入院中で退居していない期間の扱いは、留意事項通知と保険者に確認してください。

認知症専門ケア加算・認知症チームケア推進加算・若年性認知症利用者受入加算

認知症専門ケア加算は(Ⅰ)3単位/日、(Ⅱ)4単位/日です。日常生活自立度Ⅲ以上の入居者が半数以上いることと、認知症介護実践リーダー研修(Ⅰ)・指導者養成研修(Ⅱ)の修了者配置が要件です。単位は小さい一方で研修要件が厳しく、全国の算定率は低い水準にとどまっています。算定率の実態と2027年度改定の論点は認知症専門ケア加算・チームケア推進加算の算定率で解説しています。

令和6年度(2024年度)改定で新設された認知症チームケア推進加算は(Ⅰ)150単位/月、(Ⅱ)120単位/月です。認知症専門ケア加算と同時には算定できません。どちらを取るかは研修修了者の顔ぶれで決まるため、体制届を出す前に両方の要件を並べて比較してください。

若年性認知症利用者受入加算は120単位/日です。担当者を定め、本人と家族の希望に沿ったサービスを提供することが要件です。65歳に達すると対象外になります。終了日の数え方を厚生労働省のQ&Aで確認し、誕生月の請求で終了日を間違えないようにします。

夜間支援体制加算と3ユニット夜勤緩和の減算

夜間支援体制加算は(Ⅰ)50単位/日(1ユニット)、(Ⅱ)25単位/日(2ユニット以上)です。夜勤職員の最低基準(1ユニット1人)に加えて常勤換算で1人以上の加配が必要です。見守り機器を入居者の10%以上に設置し、委員会を3か月に1回以上開いている場合は、加配が0.9人以上で足ります。

反対に、3ユニットの事業所が夜勤職員を2人以上(3人未満)で運営する場合は、1日につき50単位を差し引いた単位数で請求します。この緩和は、3ユニットが同一階に隣接し、職員が円滑に状況把握できる構造で、マニュアル策定と訓練などの安全対策をとっていることが条件です。緩和を使うのに減算を入れ忘れると過誤になります。

生活機能向上連携・口腔衛生・栄養・科学的介護推進体制

生活機能向上連携加算は(Ⅰ)100単位(初回の月のみ)、(Ⅱ)200単位/月(初回の月以降3か月の間)です。外部のリハビリ専門職や医師と共同で評価し、計画に反映することが要件です。口腔衛生管理体制加算は30単位/月、栄養管理体制加算は30単位/月、口腔・栄養スクリーニング加算は20単位/回(6か月に1回)です。科学的介護推進体制加算は40単位/月で、LIFE(科学的介護情報システム)へ少なくとも3か月に1回データを提出します。提出が遅れた月は算定できないため、提出期限を請求カレンダーに組み込んでください。

協力医療機関連携加算・退居時情報提供加算・その他の体制加算

協力医療機関連携加算は、協力医療機関と入居者の病歴などを共有する会議を定期的に開くと、要件に応じて100単位/月または40単位/月です。医療連携体制加算を算定していない事業所は算定できません。令和8年(2026年)6月の算定分から、会議の頻度が見直されました。電子的システムで入居者情報を随時確認できる体制があれば、会議は年1回以上で足ります(介護保険最新情報Vol.1502)。

退居時情報提供加算は、医療機関へ退居する入居者について、同意を得て心身の状況や生活歴を文書で提供した場合に250単位(1人1回)です。同じ月に再入院しても2回目は算定できません。

そのほか、高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ)10単位/月・(Ⅱ)5単位/月があります。新興感染症等施設療養費は240単位/日(月1回・連続5日まで)です。生産性向上推進体制加算は(Ⅰ)100単位/月・(Ⅱ)10単位/月です。

サービス提供体制強化加算と介護職員等処遇改善加算

サービス提供体制強化加算は(Ⅰ)22単位/日、(Ⅱ)18単位/日、(Ⅲ)6単位/日です。(Ⅰ)は介護福祉士70%以上、または勤続10年以上の介護福祉士25%以上が要件です。(Ⅱ)は介護福祉士60%以上です。(Ⅲ)は介護福祉士50%以上・常勤職員75%以上・勤続7年以上30%以上のいずれかです。割合は前年度実績または直近3か月の常勤換算で計算し、届出区分を下回った月は変更届が必要です。

介護職員等処遇改善加算は、基本報酬と各加算の合計単位数に加算率を掛けて算定します。認知症GHの加算率は、令和8年(2026年)6月サービス提供分から次のとおりです。(Ⅰ)イ21.0%・(Ⅰ)ロ22.8%、(Ⅱ)イ20.2%・(Ⅱ)ロ22.0%、(Ⅲ)17.9%、(Ⅳ)14.9%です。ロは生産性向上推進体制加算の取得などの特例要件を満たした区分です。計算方法と配分ルールは処遇改善加算 完全ガイドを参照してください。

減算|身体拘束10%・虐待防止1%・BCP未策定3%・人員欠如

認知症GHの減算は、金額の大きい順に「身体拘束廃止未実施減算」「業務継続計画未策定減算」「高齢者虐待防止措置未実施減算」です。いずれも事業所全体、全入居者、該当期間の全日に掛かります。

減算 減算幅 主な要件(満たさないと減算)
身体拘束廃止未実施減算 入居:所定単位数の10%/短期利用:1% 拘束時の記録、委員会を3か月に1回以上、指針の整備、研修を年2回以上
業務継続計画未策定減算 所定単位数の3%(居住系) 感染症・災害のBCP策定、研修・訓練の実施。経過措置は令和7年(2025年)3月31日で終了
高齢者虐待防止措置未実施減算 所定単位数の1% 委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者の配置
3ユニット夜勤2人体制 1日50単位 緩和要件を満たして夜勤3人未満で運営する場合

身体拘束廃止未実施減算は、要件を満たさない事実が判明した月の翌月から改善が認められた月まで、所定単位数の10%を減算します。要介護3・(Ⅱ)・30日で計算すると、812単位×30日×10%=2,436単位、その他地域で24,360円が1人あたり1か月で消えます。9人ユニット2つなら月40万円超です。委員会の議事録と研修記録の日付を、運営指導の前ではなく毎月確認してください。

高齢者虐待防止措置未実施減算は1%ですが、指定取消につながる虐待事案の入口として運営指導で重点的に見られます。委員会・指針・研修・担当者の4点をそろえ、記録の日付を残してください。

人員基準欠如の減算には、令和8年(2026年)6月の算定分から特例が設けられました。突発的でやむを得ない事情で基準を下回った場合、求人活動などの要件を満たせば年1回に限り減算の適用が猶予されます(介護保険最新情報Vol.1502)。欠員が生じた月の翌月までに、有効な求人票の写しを添えて報告することが前提です。欠員が出た時点で指定権者に相談してください。

保険外費用と利用者請求書|家賃・食材料費・光熱水費・おむつ代

認知症GHの利用者請求書は「介護保険の自己負担」と「保険外費用」の2階建てです。保険外費用は、家賃、食材料費、光熱水費、理美容代、おむつ代、その他の日常生活費です。事業者は運営基準(平成18年厚生労働省令第34号)に基づき、これらの支払いを利用者から受けられます。

特別養護老人ホームなどの施設サービスと違い、認知症GHは特定入所者介護サービス費(補足給付)の対象外です。負担限度額認定証で食費・居住費が下がる仕組みは使えないと、入居前に本人・家族へ説明してください。おむつ代も施設サービスでは保険給付内ですが、認知症GHでは実費徴収の対象です。

保険外費用は、重要事項説明書と契約書に金額の根拠を明記し、変更時は事前に文書で同意を得ます。「日常生活費」の名目で包括的な費用を徴収することは認められないため、内訳を項目ごとに書きます。利用者請求書には、介護保険分(単位数、単価、給付率、自己負担額)と保険外分を分けて表示し、領収証には両者の内訳を記載します。

請求実務|給付管理票の要否・様式・締切・返戻になりやすい例

認知症GHの請求は、毎月10日までに国保連へ介護給付費請求書と明細書を伝送します。入居(通常利用)の場合、認知症対応型共同生活介護計画は事業所の計画作成担当者が作成します。そのため居宅介護支援事業所による給付管理は発生せず、明細書のみで請求する運用が一般的です。一方、短期利用は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが給付管理票を提出し、明細書と突合されます。自県の国保連の手引きで様式と提出パターンを必ず確認してください。

明細書には、要介護度ごとのサービスコードと日数、加算コード、入院時の費用の日数を記載します。サービスコードは認知症対応型共同生活介護費Ⅰ・Ⅱ、短期利用、介護予防で分かれます。処遇改善加算は明細書の合計単位に率を掛けて別コードで計上します。

返戻・過誤になりやすい例

  • 入院時の費用を7日以上、または入院初日・最終日に算定していた。
  • 月をまたぐ入院で、翌月分の6日に退院日(最終日)を含めていた。
  • 初期加算を、30日以内の入院から戻った日から再度算定していた。
  • 短期利用で、ケアマネジャーの給付管理票と明細書の日数・単位が一致しなかった。
  • 要介護度の区分変更日を反映せず、月初から新区分で請求していた。
  • 医療連携体制加算(Ⅱ)で「前3か月」に医療的ケアの該当者がいない月も算定していた。
  • 認知症専門ケア加算と認知症チームケア推進加算を同じ月に算定していた。
  • 夜間支援体制加算(Ⅰ)と(Ⅱ)をユニット数と取り違えて届け出ていた。
  • 3ユニット夜勤2人体制の減算を入れ忘れていた。
  • 身体拘束の委員会が3か月以上空いていたのに、減算を適用せず請求していた。
  • 退居時情報提供加算を、同月内の再入院で2回算定していた。
  • 被保険者番号、保険者番号、認定有効期間の入力ミス(受給者台帳との不一致)。

返戻通知が届いたら、エラーコードを見て「資格」「給付管理」「算定要件」のどれかに分類します。原因を潰してから翌月10日に再請求します。過誤は保険者に過誤申立をし、取下げの翌月以降に再請求します。返戻の分類と再請求の手順は、前述の国保連請求の記事に詳しくまとめています。

よくある誤りと運営指導・審査での指摘

運営指導では、請求データと現場の記録の「日付の一致」を見られます。入院時の費用は入院日と退院日、看取り介護加算は医師の判断日と同意日、初期加算は入居日と再入居日です。記録が請求を裏付けられない加算は、運営指導で自主返還の対象になります。

次に多いのが体制届の遅れです。加算は届出が受理された月の翌月(月初受理は当月)から算定できるのが原則で、要件を満たしていても届出前の月は請求できません。サービス提供体制強化加算や夜間支援体制加算は、職員の退職で要件を割った月に変更届を出さないと、後から過誤になります。

審査では、介護予防(要支援2)と介護給付(要介護)の切替え月に誤りが出やすくなります。短期利用と入居の重複、他事業所との重複請求も指摘されやすい項目です。認定更新で要支援2から要介護1になった月は、サービスコードが介護予防から介護給付に変わります。認定結果通知が届いたら、その日のうちに受給者台帳を更新する運用にしてください。

よくある質問(FAQ)

入院が2か月続いた場合、入院時の費用はいくら請求できますか

各月6日を上限に、1日246単位を算定できます。1回の入院で月をまたぐ場合は最大12日分です。入院の初日と最終日は入院時の費用ではなく基本報酬を算定します。3か月以内の退院が見込めない場合は算定できないため、医師の見込みを記録に残してください。

3ユニットのGHは基本報酬(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらですか

(Ⅱ)です。(Ⅰ)は1ユニットの事業所のみで、2ユニット以上はすべて(Ⅱ)です。3ユニットで夜勤を2人体制にする緩和を使う場合は、(Ⅱ)の単位数から1日50単位を差し引きます。

看取り介護加算は医療連携体制加算を取っていなくても算定できますか

できません。看取り介護加算は医療連携体制加算(Ⅰ)イ・ロ・ハのいずれかを算定している事業所が対象です。看護師の確保が難しい場合は、訪問看護ステーションとの連携で確保する(Ⅰ)ハ(37単位/日)から検討してください。

家賃や食費を介護保険で請求できますか

できません。家賃、食材料費、光熱水費、おむつ代、理美容代は保険外で、利用者に直接請求します。認知症GHは補足給付(負担限度額認定)の対象外なので、低所得の方でも食費・居住費は減額されません。市町村によっては独自の家賃助成があるため、保険者に確認してください。

身体拘束廃止未実施減算はいつからいつまで減算されますか

要件を満たしていない事実が判明した月の翌月から、改善が認められた月まで減算されます。各月で入居者全員の所定単位数の10%です。短期利用は1%です。委員会を3か月に1回以上開き、指針を整備し、研修を年2回以上行い、拘束時の記録を残すことが要件です。

まとめ|明日からの実務アクション

  • 基本報酬はユニット数で(Ⅰ)(Ⅱ)を判定し、要介護度の変更日を受給者台帳と毎月突合する。
  • 入院時の費用は「月6日・初日と最終日を除く・3か月以内退院見込み」の3点を入院記録に残す。
  • 外泊時費用の設定はないため、終日不在の日の扱いを保険者に確認し、記録と請求を一致させる。
  • 医療連携体制加算(Ⅱ)の「前3か月の該当者」と、身体拘束・虐待防止・BCPの委員会日付を請求前に確認する。
  • 短期利用はケアマネジャーの給付管理票と日数を突き合わせてから伝送する。

認知症GHの請求は、入院や看取りが重なる月ほど日数の数え方が複雑になり、返戻・過誤の金額も大きくなりがちです。計画作成担当者が請求も兼ねている事業所では、月初の10日間に業務が集中しがちです。

WITH介護は介護保険専門の請求代行サービスです。約1,000事業所・全国47都道府県で、毎月約20,000件の請求を扱っています。実績をFAXで送るだけで請求事務の負担を約90%削減でき、返戻原因の調査から再請求まで対応します。既存の介護ソフトも不要です。認知症GHの入院時の費用や看取り介護加算の日数計算も任せられます。WITH介護の詳細を見る

人材採用にお困りの施設様は、e介護転職への求人掲載もご検討ください。

あわせて読みたい

参考(一次情報)