居宅介護・重度訪問介護の加算一覧【2026年版】要件・単位数・取りやすさを早見表で整理

この記事は、居宅介護・重度訪問介護など訪問系の障害福祉サービスを運営する管理者・サービス提供責任者(サ責)・請求担当の方向けです。「うちの事業所が算定できる加算は何か」「単位数と要件はどうなっているか」「届出は必要か」を、1本で把握できるように整理しました。

結論から言うと、訪問系の加算は2種類に分かれます。1つは基本報酬に率で上乗せするもので、特定事業所加算(Ⅰ)20%、(Ⅱ)(Ⅲ)10%、(Ⅳ)5%などです。もう1つは回数・日数で定額を加算するもので、初回加算200単位/月、緊急時対応加算100単位/回、喀痰吸引等支援体制加算100単位/日などです。届出なしで算定できる加算から着手し、体制届が必要な加算は指定権者の締切(多くの自治体で算定開始月の前月15日)に合わせて準備するのが基本の進め方です。

記事は「基本報酬の構造→加算の早見表→取りやすい順→減算→体制届→請求時の注意→FAQ」の順に進みます。時間区分や実績記録票そのものの書き方は居宅介護・重度訪問介護の請求|実績記録票と算定のポイントに譲り、本記事は加算に絞って解説します。数値は令和8年6月(2026年6月)施行の報酬算定構造に基づく2026年9月時点の情報です。

記事でわかること

訪問系サービスの加算とは|基本報酬の構造と加算の位置づけ

訪問系サービスの報酬は「基本報酬×割増・割引の率+定額の加算-減算」で決まります。加算を理解するには、まず基本報酬がどう組み立てられているかを押さえる必要があります。

居宅介護の基本報酬|身体介護・家事援助・通院等介助の時間区分

居宅介護は「サービス内容×所要時間」で単位数が決まります。身体介護は30分未満256単位から始まり、3時間以上は921単位に30分ごとに83単位を加える体系です。家事援助は30分未満106単位から始まり、1時間30分以上は311単位に15分ごとに35単位を加えます。

所要時間 身体介護(単位) 家事援助(単位)
30分未満 256 106
30分以上1時間未満 404 153(30~45分)/197(45分~1時間)
1時間以上1時間30分未満 587 239(1時間~1時間15分)/275(1時間15分~1時間30分)
1時間30分以上2時間未満 669 311+15分ごとに35
2時間以上2時間30分未満 754 同上
2時間30分以上3時間未満 837 同上
3時間以上 921+30分ごとに83 同上

通院等介助は「身体介護を伴う場合」は身体介護と同じ体系、「身体介護を伴わない場合」は家事援助と同じ体系で算定します。通院等乗降介助は1回102単位の定額です。加算の多くは、この「所定単位数」に率を掛けるか、所定単位数に定額を足す形で算定します。

重度訪問介護の基本報酬|長時間の包括的な支援と区分6の上乗せ

重度訪問介護は1時間未満186単位から始まり、4時間以上は821単位に30分ごとに85単位を加えます。8時間以上12時間未満は1,505単位から、12時間以上16時間未満は2,184単位から、と長時間になるほど30分あたりの単位が下がる構造です。見守りを含む長時間の支援を前提にしているためです。

この基本報酬に、障害支援区分6の利用者は8.5%、重度障害者等包括支援の対象者は15%が上乗せされます。さらに外出時の移動中の介護には「移動介護加算」が付きます。移動介護加算は所要時間に応じて1時間未満100単位から3時間以上250単位までの6段階です。基本報酬とは別建てなので、実績記録票の移動介護欄に時間を記入しないと請求できません。

加算は「率で上乗せ」と「定額で上乗せ」の2種類

加算は次の2種類に整理すると理解しやすくなります。

  • 率で上乗せ:特定事業所加算(5~20%)、特別地域加算(15%)、早朝・夜間(25%増)・深夜(50%増)、2人派遣(200%)、処遇改善加算(サービスごとの率)。
  • 定額で上乗せ:初回加算(200単位/月)、緊急時対応加算(100単位/回)、利用者負担上限額管理加算(150単位/月)、喀痰吸引等支援体制加算(100単位/日)、福祉専門職員等連携加算(564単位/回)、移動介護緊急時支援加算(240単位/日)、入院時支援連携加算(300単位/回)など。

率で上乗せする加算は、基本報酬が大きいほど効果も大きくなります。定額の加算は件数に比例します。自事業所の売上構造(長時間の重度訪問介護が中心か、短時間の身体介護が多数か)に合わせて優先順位を決めると、取り組みの効果が見えやすくなります。

居宅介護・重度訪問介護の加算一覧【早見表】

令和8年6月(2026年6月)施行の「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」に載っている加算・割増を一覧にしました。対象サービスは、居=居宅介護、重=重度訪問介護、同=同行援護、行=行動援護です。取りやすさ★は、届出の要否・体制整備の負担・算定機会の多さから編集部が5段階で付けた目安です。

加算名 単位数・率 主な要件 居/重/同/行 届出 取りやすさ
初回加算 200単位/月 新規に居宅介護計画等を作成した利用者への初回支援に、サ責が自ら行うか同行する ◯/◯/◯/◯ 不要 ★★★★★
緊急時対応加算 100単位/回(月2回まで) 計画に位置付けられていない支援を、利用者等の要請から24時間以内に行う ◯/◯/◯/◯ 不要 ★★★★
利用者負担上限額管理加算 150単位/月 上限額管理事業所として他事業所分を含む上限管理を行う ◯/◯/◯/◯ 不要(受給者証に管理事業所として記載) ★★★
福祉専門職員等連携加算 564単位/回(90日間で3回まで) 看護師等の専門職が居宅を訪問し、従業者に同行して支援方法を指導する ◯/×/×/× 不要 ★★★
喀痰吸引等支援体制加算 100単位/日 登録特定行為事業者として喀痰吸引等を行う。特定事業所加算(Ⅰ)を算定している場合は算定できない ◯/◯/◯/◯ 要 ★★
特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅳ) (Ⅰ)20%/(Ⅱ)10%/(Ⅲ)10%/(Ⅳ)5% 体制要件+人材要件+重度者対応要件の組合せ(後述)。重度訪問介護は(Ⅰ)~(Ⅲ)のみ ◯/◯/◯/◯ 要 ★★
移動介護加算 100~250単位/回(6段階) 重度訪問介護で外出時の移動中の介護を行う ×/◯/×/× 不要 ★★★★
移動介護緊急時支援加算 240単位/日 移動介護中に予定外の事態が生じ、緊急の対応を行う ×/◯/×/× 不要 ★★
行動障害支援連携加算 584単位/回(30日間で1回) 強度行動障害のある利用者について、行動援護事業所等と連携して支援計画シート等を作成する ×/◯/×/× 不要 ★★
行動障害支援指導連携加算 273単位/回(移行月に1回) 行動援護から重度訪問介護へ移行する際、行動援護側が支援方法を指導する ×/×/×/◯ 不要 ★★
入院時支援連携加算 300単位/回(入院前1回) 重度訪問介護の利用者の入院前に病院を訪問し、情報提供と調整を行う ×/◯/×/× 不要 ★★★
熟練従業者による同行支援 熟練・新任それぞれ所定単位数の90%(合計180%) 区分6の利用者等に対し、熟練従業者が新任従業者に同行する(新任1人につき120時間以内) ×/◯/×/× 不要 ★★★
2人の従業者による支援 所定単位数の200% 身体的理由・行動障害等により1人では支援が困難で、利用者等の同意がある ◯/◯/◯/◯ 不要 ★★★
早朝・夜間・深夜の割増 早朝・夜間25%増/深夜50%増 早朝(6~8時)・夜間(18~22時)・深夜(22~6時)に支援を行う ◯/◯/◯/◯ 不要 ★★★★★
特別地域加算 15% 厚労大臣が定める離島・中山間地域等の利用者に支援を行う ◯/◯/◯/◯ 要 ★(地域限定)
福祉・介護職員等処遇改善加算 サービスごとの率(居宅介護と重度訪問介護で異なる) 賃金改善計画・キャリアパス要件等。令和8年6月から区分が再編され率が引き上げ ◯/◯/◯/◯ 要 ★★★★

表の「不要」は算定に体制届が要らないという意味で、居宅介護計画や実績記録票などの記録は必要です。届出の要否は指定権者によって取扱いが異なる場合があるため、最終的には指定権者の届出様式で確認してください。

取りやすい順|訪問系の加算に着手する4ステップ

結論として、着手順は「届出不要で日常業務の延長で取れる加算→記録を整えれば取れる加算→体制届が必要な加算→専門職の配置や研修が必要な加算」です。順番に見ていきます。

ステップ1|届出不要・日常業務で取れる加算(初回加算・早朝夜間・2人派遣)

初回加算は、新規利用者の初回支援にサ責が入るだけで月200単位が付きます。訪問系で最も取りこぼしが多い加算でもあります。サ責が同行した記録(実績記録票の備考、または居宅介護計画の初回訪問記録)を残すことが算定の根拠になります。

早朝・夜間・深夜の割増は、時間帯に該当すれば自動的に付きます。ただし、時間帯の区切りをまたぐ支援は時間帯ごとの所要時間の扱いが決まっています。実績の開始・終了時刻を正確に入力し、請求ソフトが選んだサービスコードを確認してください。2人派遣は、利用者本人または家族の同意を得た記録がないと運営指導で指摘されます。同意の日付と理由(体重、行動障害の内容など)を計画に書いておきましょう。

ステップ2|記録を整えれば取れる加算(緊急時対応・上限額管理・入院時支援連携)

緊急時対応加算は「計画外の支援を要請から24時間以内に行った」ことが要件です。要請を受けた日時・要請者・内容・実施日時を記録に残す必要があります。月2回が上限なので、3回目以降は基本報酬のみになります。

利用者負担上限額管理加算は、複数事業所を利用する利用者の上限管理を担う月に150単位を算定します。自事業所のみ利用の月は算定できません。管理の手順と管理結果票の書き方は障害福祉の利用者負担上限額管理|やり方・上限管理加算・他事業所連携で解説しています。

入院時支援連携加算は令和6年度(2024年度)改定で新設された重度訪問介護の加算です。入院前に事業所の職員が病院を訪問し、本人の状態やコミュニケーション方法を伝えて調整した場合に300単位を算定します。訪問日・面会相手・伝えた内容の記録が根拠になります。

ステップ3|体制届が必要な加算(処遇改善・喀痰吸引等支援体制・特別地域)

処遇改善加算は率が大きく、訪問系では最優先で届け出るべき加算です。令和8年6月(2026年6月)施行の改定で区分がⅠイ・Ⅰロなどに再編され、率も引き上げられました。要件と計画書の作り方は処遇改善加算 完全ガイド|計算方法・要件・2026年6月拡充対応にまとめています。

喀痰吸引等支援体制加算は、都道府県に登録した特定行為事業者として喀痰吸引等を行った日に100単位を算定します。認定特定行為業務従事者の認定証と登録通知が届出の添付書類です。特定事業所加算(Ⅰ)を算定している場合は算定できません(報酬告示)。(Ⅰ)の20%と、(Ⅱ)(Ⅲ)の10%に本加算を足した場合のどちらが有利かを試算してから届け出ましょう。

ステップ4|人材と体制を整えて取る加算(特定事業所加算・福祉専門職員等連携・行動障害支援連携)

特定事業所加算は率が最大20%と大きい一方、要件が4本柱で構成され、毎月の実績確認が必要です。福祉専門職員等連携加算は、看護師などの専門職が居宅を訪問し従業者に指導する仕組みなので、連携先の医療機関との調整が前提になります。行動障害支援連携加算は、行動援護事業所等と連携して支援計画シート等を作成する体制が必要です。いずれも準備に数か月かかるため、年度単位で計画を立てるのが現実的です。

特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅳ)の要点|4本柱と区分の組合せ

特定事業所加算は、①体制要件、②人材要件(良質な人材の確保)、③重度障害者対応要件、④中重度障害者対応要件の4本柱のうち、どれを満たすかで区分が決まります。下表は要点を簡略化した整理です。なお、重度訪問介護には(Ⅳ)がなく、(Ⅰ)~(Ⅲ)の3区分です。

区分 率 満たす要件
(Ⅰ) 所定単位数の20% ①体制+②人材+③重度者対応
(Ⅱ) 所定単位数の10% ①体制+②人材
(Ⅲ) 所定単位数の10% ①体制+③重度者対応
(Ⅳ) 所定単位数の5% ①体制(従業者ごとに代えてサ責ごとの研修計画)+基準を上回る常勤サ責の配置+④中重度者対応

①体制要件は、従業者ごとの研修計画、定期的な会議の開催、サ責による文書での指示と業務報告、健康診断、緊急時対応の方針周知などです。②人材要件は、介護福祉士など有資格者の割合(介護福祉士30%以上など)か、サ責の資格・実務経験と常勤サ責の配置を問います。③重度者対応要件は、区分5以上や喀痰吸引等が必要な利用者の割合(30%以上)です。④中重度者対応要件は、区分4以上や喀痰吸引等が必要な利用者の割合(50%以上)です。令和6年度(2024年度)改定で、居宅介護の③④の対象者に重症心身障害児・医療的ケア児が加わりました。重度訪問介護は③の基準が区分5以上等50%以上と高く、体制要件に深夜帯を含む常時派遣の体制が加わります。同行援護と行動援護は、盲ろう者向け通訳・介助員や中核的人材養成研修修了者など、サービス固有の選択肢が追加されています。

割合要件は、前年度(3月を除く)または届出日の属する月の前3か月の、1月当たりの実績の平均で判定します。従業者の割合は常勤換算方法、利用者の割合は利用実人員で計算します。前3か月の実績で届け出た場合は、届出後も毎月、直近3か月の割合を記録し、下回ったら直ちに届け出ます。要件を満たさなくなった場合は、その事実が発生した月の翌月初日から算定できません。月末に人員と利用者の構成を確認する仕組みを作っておきましょう。

訪問系の減算一覧|同一建物・基礎研修修了者・入院中・体制未整備

加算と同じく、減算も報酬算定構造に一覧で載っています。訪問系で押さえるべき減算は次のとおりです。

減算名 率 内容
同一建物減算(居宅介護) 所定単位数の90% 事業所と同一建物の利用者、またはそれ以外の同一建物に住む利用者が月20人以上の場合
同一建物減算(居宅介護・50人以上) 所定単位数の85% 事業所と同一建物の利用者が月50人以上の場合
基礎研修課程修了者等による身体介護 所定単位数の70% 居宅介護の身体介護を、基礎研修課程修了者等が行う場合(家事援助・通院等介助は率が異なる)
入院中の重度訪問介護(90日超) 算定構造で確認 病院等に入院・入所中の支援が90日を超えた場合の減算。対象者は令和6年度改定で区分4以上(特別なコミュニケーション支援が必要な方)に拡大
身体拘束廃止未実施減算 所定単位数の99% 身体拘束の記録・委員会・指針・研修の未実施
虐待防止措置未実施減算 所定単位数の99% 虐待防止委員会・研修・担当者の未整備
業務継続計画未策定減算 所定単位数の99% BCP(業務継続計画)の未策定・未周知
情報公表未報告減算 所定単位数の95% 障害福祉サービス等情報公表システムへの未報告

同一建物減算は、サービス付き高齢者向け住宅やグループホーム併設の訪問系事業所で見落とされがちです。利用者の住所と建物の関係を毎月確認し、該当する場合は同一建物減算のサービスコード(居宅介護は「居介同一建物減算1・2」)を明細書に立てます。体制未整備の4減算は、令和6年度(2024年度)改定で導入または強化されたもので、運営指導で書類の有無を直接確認されます。

体制届の出し方|算定開始月と添付書類

体制届(介護給付費等の算定に係る体制等に関する届出書)は、加算の種類に応じて「体制等状況一覧表」と添付書類を指定権者に提出します。訪問系で届出が必要な主な加算は、特定事業所加算、喀痰吸引等支援体制加算、特別地域加算、処遇改善加算です。

  • 提出先:指定権者(都道府県・政令市・中核市など)。処遇改善加算は計画書とセットで提出します。
  • 締切:多くの自治体で「算定開始月の前月15日まで」ですが、月末締めの自治体もあります。指定権者の案内で確認してください。
  • 添付書類の例:特定事業所加算は従業者の資格証・経験年数の一覧・研修計画・会議録、喀痰吸引等支援体制加算は登録特定行為事業者の登録通知と認定証の写し。
  • 取下げ:要件を満たさなくなった場合は速やかに変更届を提出します。届出をせずに算定を続けると、過誤調整と返還の対象になります。

届出が受理されると、国保連の事業所台帳に加算情報が登録されます。台帳と請求内容が一致しないと返戻になるため、届出の控えと台帳の登録内容を突き合わせておきましょう。

請求時の注意|サービスコードの組合せと実績記録票の加算欄

加算は、明細書に加算のサービスコードを立てるか、基本報酬のコードに割増要素が組み込まれているかのどちらかで請求します。ここを誤ると返戻や過誤の原因になります。

コードに組み込まれる加算と別コードで立てる加算

早朝・夜間・深夜、2人派遣、基礎研修修了者等による減算、区分6の上乗せなどは、基本報酬のサービスコード自体に組み込まれています。請求ソフトで時間帯・人数・従業者資格を正しく入力すれば、対応するコードが選ばれます。一方、初回加算、緊急時対応加算、上限額管理加算、喀痰吸引等支援体制加算、福祉専門職員等連携加算、移動介護緊急時支援加算、入院時支援連携加算は、独立したサービスコードを明細書に立てます。特定事業所加算も独立したサービスコードです(厚生労働省のサービスコード表・令和6年4月施行版)。居宅介護は「居介特定事業所加算Ⅰ」~「Ⅳ」、重度訪問介護は「重訪特定事業所加算Ⅰ」~「Ⅲ」です。単位数は、対象となる基本報酬の単位数の合計に率を掛けて算出します。同一建物減算も、同じく独立した減算コードで立てます。処遇改善加算は、基本報酬と各種加算の合計に率を掛ける1月単位の加算コードです。

実績記録票の加算欄に書くこと

実績記録票(様式1)には、サービス内容ごとの開始・終了時刻に加え、派遣人数、初回加算、緊急時対応加算、移動介護(重度訪問介護)の欄があります。加算を算定した日に該当欄の記載がないと、審査や運営指導で「根拠なし」と判断されます。とくに移動介護加算は移動時間の欄が空欄のまま請求されるケースが目立ちます。様式ごとの記入例はサービス提供実績記録票の書き方|様式1・3-1・19の記入例を参照してください。

返戻・過誤になりやすい例

  • 初回加算を、居宅介護計画の作成前や、サ責が同行していない訪問に付けている。
  • 緊急時対応加算を月3回以上算定している(上限は月2回)。
  • 特定事業所加算(Ⅰ)を算定している事業所で、喀痰吸引等支援体制加算も算定している。
  • 上限額管理加算を、自事業所のみ利用の月に算定している。
  • 同一建物減算の対象利用者なのに、減算のサービスコードを立てずに請求している。
  • 体制届の受理前の月から特定事業所加算を算定している。

加算が増えるほど、毎月の実績とコードの突合作業は重くなります。自前での確認が難しい場合は、障害福祉専門の請求代行に実績記録票をFAXで送るだけで、コードの組合せと加算の付け漏れまで確認してもらう方法もあります(WITH福祉の詳細を見る)。

よくある誤りと運営指導・審査での指摘

運営指導(旧実地指導)で訪問系の加算について指摘されやすいのは、「要件は満たしているが記録がない」ケースです。代表的な指摘と対策を挙げます。

  • 初回加算:サ責の同行が記録で確認できない。対策として、初回訪問の記録にサ責の氏名と同行した旨を残す。
  • 緊急時対応加算:要請の日時と内容の記録がなく、計画外の支援であることが証明できない。電話受付簿や連絡票に要請日時・要請者・内容を残す。
  • 2人派遣:利用者・家族の同意が口頭のみ。同意書または計画書への記載と署名を求める。
  • 特定事業所加算:会議録や文書指示の記録が一部の月で欠けている。会議はおおむね1月に1回以上の開催が必要なので、月ごとのチェックリストで管理する。
  • 同一建物減算:併設住宅の入居者を減算対象としていない。利用者の住所と建物の一覧を月次で更新する。
  • 体制未整備の減算:BCPや虐待防止の研修を実施したが記録がない。実施日・参加者・内容を残す。

指摘を受けた場合は、過去に遡って自主返還を求められることがあります。加算ごとに「根拠となる記録は何か」を一覧にし、算定開始と同時に記録の様式を決めておくと、後からの対応が軽くなります。

よくある質問(FAQ)

初回加算は、同じ利用者に何度も算定できますか

原則として、新規に居宅介護計画を作成して支援を開始した月に1回です。過去に利用があっても、一定期間の中断後に改めて計画を作成した場合は算定できることがあります。中断期間の扱いは指定権者によって解釈が分かれるため、事前に確認してください。

緊急時対応加算は、計画に入っている時間を延長した場合も算定できますか

計画に位置付けられていない支援であることが要件なので、単なる時間延長では算定できません。計画外の日や時間帯に、利用者等の要請から24時間以内に支援を行った場合が対象です。要請の記録を残しておきましょう。

喀痰吸引等支援体制加算と特定事業所加算は同時に取れますか

特定事業所加算(Ⅰ)を算定している場合は、喀痰吸引等支援体制加算を算定できません(報酬告示)。重度訪問介護では、病院等に入院・入所中の利用者への支援の場合も算定できません。(Ⅰ)の20%を取るか、(Ⅱ)(Ⅲ)の10%に本加算を組み合わせるか、利用者の構成で試算してください。

重度訪問介護の移動介護加算は、通院の付き添いにも付きますか

移動介護加算は、重度訪問介護の利用者の外出時に移動中の介護を行った場合の加算です。通院を含む外出の移動中の介護が対象になりますが、居宅内の支援と外出の支援を一体的に行うことが前提です。実績記録票の移動介護欄に時間を記入し、所要時間に応じた段階で算定します。

体制届の締切を過ぎてしまった場合、加算はいつから算定できますか

多くの自治体では、締切後に受理された届出は翌月からの算定になります。届出日ではなく受理日で判断されるため、書類の不備で差し戻されると開始月がずれます。締切の1週間前には提出し、受理の連絡を確認してから請求ソフトの設定を変えてください。

まとめ|明日からの実務アクション

  • 初回加算・早朝夜間深夜・2人派遣など、届出不要の加算の取りこぼしを今月の実績で確認する。
  • 緊急時対応加算と入院時支援連携加算は、要請や訪問の記録様式を決めて運用を始める。
  • 処遇改善加算は令和8年6月(2026年6月)施行の新区分で率を確認し、未届けなら最優先で届け出る。
  • 特定事業所加算は4本柱のどれを満たせるかを試算し、喀痰吸引等支援体制加算との組合せも比較する。
  • 同一建物減算と体制未整備の4減算は、毎月のチェックリストで該当有無を確認する。

加算の数が増えるほど、毎月の請求では「体制届の登録内容」「実績記録票の加算欄」「明細書のサービスコード」の3つを一致させる作業が重くなります。WITH福祉は障害福祉専門の請求代行サービスで、実績記録票をFAXで送るだけで請求が完結します。導入約1,200事業所、毎月20,000件以上の請求を代行し、全国47都道府県に対応しています。

加算の付け漏れやコードの誤りは、返戻や過誤調整として数か月後に表面化します。請求事務の負担を90%削減しながら、算定漏れの確認まで任せたい事業所は、まず詳細を確認してみてください。

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参考(一次情報)