居宅介護支援の請求|(Ⅰ)(Ⅱ)の逓減制・請求できない月・加算【2026年版】

この記事は、居宅介護支援事業所の管理者とケアマネジャー(介護支援専門員)向けです。答える疑問は4つです。居宅介護支援費(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い、45件・50件の数え方、請求できない月の判定、加算と返戻の注意点です。

結論から言うと、居宅介護支援費は要介護度と取扱件数で単位が決まります。逓減が始まるのは(Ⅰ)が45件、(Ⅱ)が50件です(2026年9月時点)。請求できるのは、その月に居宅サービスの給付管理を行い、月1回のモニタリングなど運営基準を満たした利用者分だけです。給付管理票を出さないと居宅介護支援費は返戻になり、運営基準を欠くと所定単位の50%減算、2か月以上続くと算定できません。さらに令和8年(2026年)6月からは、居宅介護支援にも介護職員等処遇改善加算(加算率2.1%)が新設されています。

この記事では、単位数の構造と取扱件数の数え方から始めます。続いて請求できる月の判定表、減算と加算、給付管理票との関係、返戻の例の順に整理します。国保連への提出締切や伝送の流れは、国保連請求の流れと毎月10日締切の記事にまとめています。

記事でわかること

居宅介護支援費とは|(Ⅰ)と(Ⅱ)の区分と単位数(2026年9月時点)

居宅介護支援費は、ケアプラン作成と給付管理に対して月単位で支払われる介護報酬です。単位は「要介護1・2」か「要介護3~5」か、そしてケアマネ1人当たりの取扱件数で決まります。根拠は厚生労働省の告示「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第20号)です。2026年9月時点の単位数は次のとおりです。

区分 取扱件数 要介護1・2 要介護3~5
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ) 45件未満の部分 1,086単位 1,411単位
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅱ) 45件以上60件未満の部分 544単位 704単位
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅲ) 60件以上の部分 326単位 422単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅰ) 50件未満の部分 1,086単位 1,411単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅱ) 50件以上60件未満の部分 527単位 683単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅲ) 60件以上の部分 316単位 410単位

(Ⅰ)と(Ⅱ)は、逓減が始まる件数(45件か50件か)と、逓減後の単位数が違います。(Ⅱ)を算定する場合は(Ⅰ)を算定しません。同じ月に両方を併用することはできない、という整理です。

居宅介護支援費(Ⅱ)の要件|ケアプランデータ連携システム+事務職員の配置

(Ⅱ)を算定できるのは、次の2つを満たし、市町村長に届け出た事業所です。告示では「国民健康保険中央会が運用管理する情報処理システムの利用及び事務職員配置」と定められています。

  • ケアプランデータ連携システム(国保中央会が運用するシステム)を利用していること
  • ケアマネの業務負担を軽減する事務職員を配置していること(非常勤や同一法人内の配置も可)

事務職員の人数は、集団指導資料でも「適切な人数」とされるにとどまります。常勤換算や兼務の可否は、届出前に指定権者へ確認してください。システムの導入手順と2027年1月の「介護WEBサービス」への移行は、ケアプランデータ連携システムの導入5ステップの記事で解説しています。

令和8年(2026年)6月から居宅介護支援にも処遇改善加算が新設

令和8年度(2026年度)の臨時改定で、これまで対象外だった居宅介護支援に「介護職員等処遇改善加算」が新設されました。告示の別表に「ヌ 介護職員等処遇改善加算」が追加されました。基本報酬と各加算(イからリまで)の合計単位数に1000分の21(2.1%)を乗じた単位数を加算します。適用は令和8年(2026年)6月1日からです。算定要件は2通りです。1つは加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件)です。もう1つは令和8年度の特例要件で、ケアプランデータ連携システムへの加入などが求められます。どちらも届出が必要です。要件の詳細は、記事末の「あわせて読みたい」にある臨時改定の記事を参照してください。

取扱件数の数え方|45件・50件の逓減制

逓減制は「ケアマネ1人当たりの担当件数が多い事業所は、単位を下げる」仕組みです。数え方を誤ると、単位区分の誤りとして過誤(返金)の対象になります。告示の注1で計算方法が定められています。

計算式|介護予防支援は3分の1で換算し、常勤換算のケアマネ数で割る

取扱件数は次の式で求めます。

  • 取扱件数=(居宅介護支援の利用者数+介護予防支援の利用者数×3分の1)÷介護支援専門員の員数(常勤換算)

介護予防支援は、地域包括支援センターからの受託分も、事業所が指定を受けて直接提供する分も、3分の1を乗じて加えます。割る数は「常勤換算したケアマネの人数」です。管理者との兼務や非常勤がいる場合は、勤務時間から常勤換算した数を使います。

例えば常勤換算2.0のケアマネで、要介護の利用者80人、介護予防支援12人の事業所を考えます。(80+12×3分の1)÷2.0=42件です。この場合は45件未満なので、全員が(Ⅰ)(ⅰ)の単位で請求できます。

逓減がかかるのは「45件目以降の部分」だけ

取扱件数が45件を超えても、全員の単位が下がるわけではありません。告示の区分は「45件未満の部分」「45件以上60件未満の部分」「60件以上の部分」と書かれています。つまり45件目以降の利用者分だけが(ⅱ)の単位になり、44件目までは(ⅰ)の単位のままです。どの利用者を(ⅰ)にするかは、契約日が古い順に割り当てます。ケアマネが常勤換算で1人を超える事業所では、(ⅰ)の上限は「45×常勤換算数-1」件目までです。(Ⅱ)を算定する事業所は、この境目が50件に緩和されます。

厚生労働省が2026年6月の介護給付費分科会に示した資料があります。要介護1・2では、(Ⅰ)の算定件数の99.77%が45件未満、(Ⅱ)では99.25%が50件未満の区分でした。逓減区分での算定はごく一部ですが、退職などでケアマネが減った月は常勤換算が下がり、急に逓減区分に入ることがあります。人員変動があった月は必ず再計算してください。

特定事業所加算とのつながり|45件((Ⅱ)なら50件)未満が要件

特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)(A)には、ケアマネ1人当たりの利用者数の要件があります。「45名未満(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は50名未満)」です。取扱件数の数え方を誤ると、基本報酬だけでなく特定事業所加算まで過誤になる点に注意してください。

請求できる月・できない月の判定表

居宅介護支援費を請求できるのは「月の末日時点で担当している事業所」です。その月の給付管理票を国保連に提出することが前提になります。利用者ごとに、次の表で当てはまるケースを確認してください。

状況 居宅介護支援費の請求 根拠・注意点
月1回の居宅訪問モニタリングを行い、居宅サービスの利用実績がある 請求できる 通常の月。モニタリング結果の記録も月1回必要
月1回の居宅訪問をしなかった(利用者側の特段の事情なし) 50%減算。2か月以上続くと算定不可 運営基準減算。理由の記録が必須
月の初日から末日まで入院・入所し、居宅サービスの利用が1日もない 請求できない 給付管理票を作成できないため
月の途中で入院したが、それまでに居宅サービスの利用がある 請求できる 利用分で給付管理票を作成する
月の途中で死亡・施設入所した 請求できる その時点まで支援し、給付管理票を届け出た事業所が算定
月の途中で他の居宅介護支援事業所に変更した 月末時点の事業所のみ請求できる 変更前の事業所は請求できない(他市町村への転出は除く)
契約はしたが、サービス利用開始が翌月 契約月は請求できない 初回加算も利用開始月に算定
月の途中で要介護1・2から要介護3~5(またはその逆)に変わった 月末時点の要介護度の区分で請求 留意事項通知(老企第36号)第三の3「月末における要介護度区分に応じた報酬を請求する」。給付管理票の要介護状態区分(月を通じて重い方)とは基準が違う
月の途中で要支援と要介護をまたいで変わった 月末時点の担当事業所が請求 月末が要介護なら居宅介護支援費、要支援なら介護予防支援費。給付管理票も月末時点の担当事業所が1枚作成。細部は保険者に確認
他市町村へ転出した 転出前・転出後の担当事業所がそれぞれ請求できる 保険者が変わるため、給付管理票は転入日の前日までと転入日以降の2枚に分ける

「サービス利用のない月は請求できない」には例外があります。病院や介護保険施設等から退院・退所する人などで、医師が回復の見込みがないと診断した利用者が対象です。モニタリング等の必要なケアマネジメントを行い、給付管理票の作成など請求に必要な書類を整えていれば、居宅介護支援費を算定できます。算定した理由を説明できるよう、支援経過に記録を残してください。扱いに迷う場合は保険者に確認します。

モニタリングの要件|月1回の居宅訪問と記録、テレビ電話は2か月に1回の訪問が条件

運営基準では、少なくとも月1回は利用者の居宅を訪問して面接することが求められます。あわせて、少なくとも月1回はモニタリングの結果を記録します。訪問はしたが記録がない、記録はあるが訪問していない、どちらも運営基準減算の対象です。

令和6年度(2024年度)改定で、テレビ電話装置などを使ったモニタリングが認められました。ただし条件があります。

  • 利用者の同意を得ていること(文書での同意を求める保険者もある)
  • サービス担当者会議などで合意を得ていること。合意する内容は3点です。利用者の状態が安定していること、テレビ電話で意思疎通ができること、他のサービス事業者との連携で情報を収集すること
  • それでも少なくとも2か月に1回は居宅を訪問すること(介護予防支援は6か月に1回)

テレビ電話でモニタリングした月も、居宅介護支援費は通常どおり請求できます。ただし同意書、担当者会議の記録、訪問した月と画面越しの月が分かるモニタリング記録の3点を残してください。運営指導で最初に見られる書類です。

「特段の事情」は利用者側の事情に限られる

入院や急な体調不良で訪問できなかった場合は「特段の事情」として減算を免れます。ただし集団指導資料では、特段の事情は「利用者の事情であり、介護支援専門員に起因する事情ではない」と明記されています。ケアマネの多忙や休暇は該当しません。該当する場合は、その内容を支援経過記録に残し、必要に応じて保険者に照会してください。

減算|運営基準減算(50%)と特定事業所集中減算(200単位)

請求で判定を誤りやすい減算は2つです。運営基準減算は利用者ごと、特定事業所集中減算は事業所全体にかかります。このほか告示には、同一建物に居住する利用者への減算(所定単位数の100分の95で算定)があります。高齢者虐待防止措置未実施減算と業務継続計画未策定減算(いずれも所定単位数の100分の1を減算)もあります。

運営基準減算|該当月は50%、2か月以上続くと算定できない

告示では、運営基準に該当する場合は所定単位数の100分の50で算定すると定めています。2月以上継続している場合は算定しません。該当事由は次のとおりです。

  • 契約時に、利用者が複数の事業所の紹介を求められることや、選定理由の説明を求められることを説明していない
  • ケアプランの新規作成・変更時に、居宅を訪問して利用者と家族に面接していない
  • サービス担当者会議を開いていない(新規作成時、要介護更新時、区分変更時)
  • ケアプラン原案を説明し、文書で同意を得て交付していない
  • 月1回の居宅訪問モニタリングや、月1回の記録をしていない

減算は「該当した利用者」の分だけです。ただし請求ソフトで減算コードを付け忘れ、満額で請求すると、後日の運営指導で過誤(返還)になります。減算に気づいた時点で、自主的に過誤申立てをする方が傷は浅く済みます。

特定事業所集中減算|80%超で1月200単位の減算

対象は訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与の4サービスです。判定期間に作成したケアプランのうち、同一法人が提供した割合が80%を超えると減算対象になります。正当な理由がない限り、1月につき200単位を減算します。判定期間と減算適用期間は次のとおりです。

判定期間 届出期限 減算適用期間
前期:3月1日~8月末日 9月15日 10月1日~翌年3月31日
後期:9月1日~2月末日 3月15日 4月1日~9月30日

80%を超えていなくても、判定結果の記録は事業所で保存する必要があります。正当な理由の範囲は保険者ごとに判断基準が公表されているので、届出前に確認してください。

主な加算の単位数と算定のポイント(2026年9月時点)

居宅介護支援の加算は、告示の別表にロからリまで並んでいます。単位数と、請求で間違えやすい条件をまとめました。

加算 単位数 算定のポイント
初回加算 300単位/月 新規にケアプランを作成した利用者。要支援から要介護への変更、要介護度が2段階以上変わった場合も対象。運営基準減算に該当する場合と、退院・退所加算を算定する場合は算定不可
特定事業所加算(Ⅰ) 519単位/月 主任ケアマネの配置、常勤ケアマネ数、24時間連絡体制、研修、事例検討会への参加など。1人当たり45名未満((Ⅱ)算定なら50名未満)
特定事業所加算(Ⅱ) 421単位/月 同上(要件は(Ⅰ)より緩い)
特定事業所加算(Ⅲ) 323単位/月 同上
特定事業所加算(A) 114単位/月 小規模事業所向け。一部の要件は他事業所との連携で満たせる
特定事業所医療介護連携加算 125単位/月 特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)の算定が前提。退院・退所加算やターミナルケアマネジメント加算の実績要件あり
入院時情報連携加算(Ⅰ) 250単位 入院した日のうちに病院へ情報提供。利用者1人につき月1回
入院時情報連携加算(Ⅱ) 200単位 入院した日の翌日または翌々日に情報提供
退院・退所加算(Ⅰ)イ 450単位 病院等から情報提供を1回受けた(カンファレンス参加なし)
退院・退所加算(Ⅰ)ロ 600単位 情報提供1回(カンファレンスに参加)
退院・退所加算(Ⅱ)イ 600単位 情報提供2回以上(カンファレンス参加なし)
退院・退所加算(Ⅱ)ロ 750単位 情報提供2回以上(うちカンファレンス1回以上)
退院・退所加算(Ⅲ) 900単位 情報提供3回以上(うちカンファレンス1回以上)。退院・退所加算は(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれか1つを入院・入所期間中に1回限り
通院時情報連携加算 50単位 医師または歯科医師の診察に同席し、情報提供と情報収集をケアプランに記録。月1回
緊急時等居宅カンファレンス加算 200単位 病院・診療所の求めで医師や看護師等と居宅を訪問しカンファレンス。月2回まで
ターミナルケアマネジメント加算 400単位 在宅で死亡した利用者。死亡日と死亡日前14日以内に2日以上訪問し、記録して医師等へ提供。令和6年度から末期がん以外も対象。事前の届出が必要
介護職員等処遇改善加算 上記合計の2.1% 令和8年(2026年)6月1日から。届出が必要

特定事業所加算の詳細な人員要件と、特定事業所医療介護連携加算の実績回数は、厚生労働大臣が定める基準(告示)で確認してください。人員要件は主任ケアマネの退職などで満たせなくなることがあり、その月から届出の変更が必要です。

加算で返戻・過誤になりやすい3つのパターン

  • 入院時情報連携加算:情報提供した日付の記録がなく、(Ⅰ)と(Ⅱ)の区分を証明できない。提供した日時、方法(訪問・FAX・電話)、相手方の職種を支援経過に残す
  • 退院・退所加算:初回加算と同じ月に請求している。初回加算を算定する月は退院・退所加算を算定できない
  • ターミナルケアマネジメント加算:訪問日が死亡日前14日以内に2日に満たない、または医師への情報提供の記録がない

給付管理票と居宅介護支援費の請求の関係|同時提出と返戻

居宅介護支援費は、給付管理票とセットで初めて審査に通ります。国保連は、居宅介護支援事業所が出した給付管理票を基準に審査します。居宅介護支援費の明細書(サービス計画費)と各サービス事業所の請求明細書を、給付管理票と突合する仕組みです。

  • 給付管理票が提出されていないと、居宅介護支援費の明細書は返戻になります。返戻事由は「サービス計画費に対応した給付管理票の提出が必要」です
  • サービス事業所の請求明細書は、給付管理票が未提出または返戻の場合「保留」になります。保留期間は国保連ごとに異なります。大阪府国保連の資料では1か月で、翌月も給付管理票が出ないと返戻に変わります
  • 給付管理票の単位数を誤入力すると、サービス事業所の請求が減額(0円決定もあり)されます
  • 給付管理票を修正するときは、修正箇所だけでなく、その月の全サービス事業所分を正しく記入し直します。一部だけ記入すると、正しく支払われていた他事業所分まで再審査で減額されます

つまり、給付管理票の提出遅れや誤りは、自事業所の入金だけでなく、連携先の訪問介護や通所介護の入金まで止めます。給付管理票と居宅介護支援費の明細書は、同じ月の請求期間(毎月1日~10日)に同時に伝送するのが基本です。月遅れになった場合は、給付管理票と明細書を同じ月にそろえて出してください。

返戻・過誤になりやすい例と運営指導での指摘

国保連の返戻事由と、自治体の集団指導・運営指導で繰り返し指摘される事項を、居宅介護支援に絞って整理します。

場面 起きやすい誤り 防ぐ手順
国保連審査(返戻) 給付管理票の未提出・二重送信。同じデータを再送して「提出済み」エラーになる 伝送後に送信結果を確認してから請求を締める。返戻分だけを再提出する
国保連審査(返戻) 被保険者番号や要介護度が受給者台帳と不一致 認定更新・区分変更の結果が届いたら、利用者情報を当月中に更新する
国保連審査(返戻) 体制届が反映されていない加算を請求(審査月に届出しても反映されない) 加算の届出は原則として算定開始月の前月15日までに提出し、受理を確認する(16日以降は翌々月から)
国保連審査(減額) 給付管理票の単位数とサービス事業所の請求単位数が不一致 サービス事業所から実績を受け取り、給付管理票作成前に突き合わせる
運営指導(過誤) モニタリング未実施・記録漏れなのに減算せず満額請求 月末にモニタリング記録の有無を利用者ごとにチェックし、減算コードを付ける
運営指導(過誤) 取扱件数の計算誤りで逓減区分が違う ケアマネの入退職・勤務時間変更のたびに常勤換算と件数を再計算する
運営指導(過誤) 特定事業所集中減算の判定記録がない 80%を超えなくても半期ごとの判定結果を保存する

返戻の再請求は翌月以降の請求で行いますが、過誤の場合は保険者への過誤申立てを経て再請求します。月次の締め作業で「モニタリング記録」「給付管理票と実績の突合」「加算の記録」の3点を確認する仕組みを作ります。それだけで返戻も過誤も大半は防げます。請求ソフトで代替できる部分と代行に任せる部分の切り分けは、介護請求ソフトの比較と選び方の記事も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

入院中の利用者の居宅介護支援費は請求できますか?

月初から月末まで入院し、居宅サービスの利用が1日もない月は請求できません。給付管理票を作成できないためです。月の途中まで居宅サービスを使ってから入院した月は、利用分で給付管理票を作成して請求できます。入院時情報連携加算は、要件を満たせば入院月に算定できます。

モニタリングをテレビ電話で行った月も居宅介護支援費は満額請求できますか?

できます。利用者の同意、担当者会議などでの合意、2か月に1回以上の居宅訪問の3条件を満たせば、通常どおり算定します。同意書と担当者会議の記録、モニタリング記録を保存してください。

取扱件数は毎月計算し直す必要がありますか?

取扱件数は利用者数と常勤換算のケアマネ数で決まるため、どちらかが変われば区分も変わり得ます。ケアマネの入退職や勤務時間の変更、利用者の増減があった月は必ず再計算してください。請求ソフトの自動判定に頼る場合も、常勤換算の入力が正しいかを確認します。

居宅介護支援費(Ⅱ)に切り替えると、いつから50件の逓減になりますか?

ケアプランデータ連携システムの利用と事務職員の配置を整え、市町村に届け出てからです。単位数が増える届出は、毎月15日以前の届出なら翌月から、16日以降なら翌々月からが原則です。届出の受付方法は保険者により異なるため、算定開始月は指定権者に確認してください。加算と同様、審査月に届け出ても当月の審査には反映されません。

ケアプラン有料化は請求に影響しますか?

2026年9月時点で、一般の居宅介護支援に利用者負担(ケアプラン有料化)は導入されていません。居宅介護支援費は全額が保険給付です。制度改正の議論と、有料老人ホーム入居者向けに法制化された新サービスの動きは、2027年度の介護保険制度改正の記事で解説しています。

まとめ|明日からの実務アクション

  • 人員変動のあった月は取扱件数(介護予防支援は3分の1換算)を再計算し、45件((Ⅱ)は50件)との位置関係を確認する
  • 月末に利用者ごとに「月1回の居宅訪問モニタリングと記録」の有無を点検し、欠けた分は減算コードを付けて請求する
  • 入院・死亡・事業所変更・区分変更のあった利用者は、判定表で請求可否を確認し、給付管理票の作成範囲を決める
  • 給付管理票と居宅介護支援費の明細書は同じ請求期間に同時に伝送し、送信結果を確認してから締める
  • 令和8年(2026年)6月から新設された処遇改善加算(2.1%)の届出状況と、特定事業所集中減算の半期判定記録を確認する

居宅介護支援の請求は、給付管理票の作成、逓減制の判定、加算の記録確認と、ケアマネ本来の業務の合間に行うには負担が大きい作業です。返戻が出れば連携先のサービス事業所の入金まで止まり、過誤があれば返還が生じます。

介護保険専門の請求代行「WITH介護」は、約1,000事業所・全国47都道府県で毎月約20,000件の請求を扱っています。実績をFAXで送るだけで、請求事務の負担を約90%削減できます。返戻原因の調査から再請求まで対応し、既存の請求ソフトも不要です。給付管理と請求の締め作業を切り離したい居宅介護支援事業所は、WITH介護の詳細を見るから確認してください。

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参考(一次情報)