この記事は、児童発達支援管理責任者(児発管)を目指す方や、放デイ・児発で人材育成を担う方向けです。児発管のなり方・実務経験・研修要件が、2026年6月時点の最新情報で分かります。
結論から言うと、児発管になるには「実務経験を満たす」ことと「所定の研修を修了する」ことの2つが必要です。配置が義務づけられた専門職のため需要が高く、キャリアアップにもつながります。
この記事では、仕事内容やなり方、研修体系、2024年度(令和6年度)報酬改定の影響、サービス管理責任者(サビ管)との違いまで解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 児童発達支援管理責任者(児発管)とは何か、仕事内容
- 児発管になるためのステップ(実務経験+研修)と最短期間
- 研修体系(基礎研修・実践研修・更新研修)の中身とOJT短縮
- 2024年度報酬改定による配置基準・経過措置の影響
- サービス管理責任者(サビ管)との違い・配置が必要なサービス
- 児発管の年収・将来性
児童発達支援管理責任者(児発管)とは?
児童発達支援管理責任者とは、障害のある子どもの療育や発達支援を担う責任者です。児童福祉法に基づく障害児支援施設に配置されます。略して「児発管(じはつかん)」と呼ばれ、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどには原則1名以上の配置が義務づけられています。
利用する子どもや家族への支援だけでなく、児童指導員や保育士など現場スタッフへの指導・助言も担います。現場をまとめるリーダー的な立場です。2012年の児童福祉法改正で設けられた比較的新しい資格で、その後も研修制度や要件の見直しが続いています。
児童発達支援管理責任者(児発管)の仕事内容
児発管のメインの仕事は、子ども一人ひとりに合わせた個別支援計画(その子に必要な支援の方向性や内容を定める計画書)を作成し、計画に基づく支援・療育が適切に行われているかを管理することです。
個別支援計画の作成
個別支援計画の作成は、児発管にしかできない代表的な業務です。児発管は子どもの心理面・発達面の課題を把握します。そのうえで家族のニーズと照らし合わせて目標を設定し、支援内容を組み立てます。学校の教育支援計画とも連携して作成することが求められます。
モニタリングと保護者対応
作成した計画は定期的にモニタリング(評価・見直し)を行います。保護者との面談を通じて信頼関係を築き、専門的な視点から不安や困りごとに助言するのも大切な仕事です。事業所によっては現場に入り、子どもの療育を直接行うこともあります。
スタッフへの指導・事業所運営への関与
職員への支援方法の指導・助言やケースカンファレンス(支援会議)の運営、多職種・地域連携も担います。事業所全体の支援の質を支える存在です。
児童発達支援管理責任者(児発管)になるためには
児発管になるには「実務経験の要件を満たす」ことと「所定の研修を修了する」ことの2つが必要です。研修は事業所からの推薦・申し込みが基本で、多くの都道府県で個人受講はできません。障害児支援の事業所で働きながら要件を満たすのが一般的です。
ステップ1:実務経験の要件を満たす
児発管の実務経験は、次の3つのいずれかのルートで満たします。いずれも老人福祉施設・医療機関等以外での実務経験が3年以上含まれる必要がある点が特徴です。
- 相談支援業務の経験が5年以上
- 直接支援業務の経験が8年以上(一定の資格保有者は5年以上)
- 国家資格等による業務の経験が5年以上(うち3年以上は相談支援または直接支援業務)
国家資格には医師・看護師・社会福祉士・介護福祉士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・精神保健福祉士などが含まれます。保育士・児童指導員・社会福祉主事任用資格・ホームヘルパー2級以上の保有者は、直接支援業務が5年以上で要件を満たせます。実務経験の範囲は都道府県ごとに違いがあります。必ず申請先の自治体の要件を確認してください。
ステップ2:研修を修了する
実務経験要件を満たした人(または満たす2年前から)は研修を受講します。研修は「基礎研修」「実践研修」「更新研修」の3段階です。サビ管と共通の「サービス管理責任者等研修」として実施されています。
児発管の研修体系とステップ
児発管になるまでの研修と実務経験の流れを表にまとめました。
| ステップ | 内容 | 受講時間・期間の目安 |
|---|---|---|
| (1) 実務経験 | 相談支援5年/直接支援8年(資格者5年)/国家資格等5年のいずれか | 5~8年 |
| (2) 基礎研修 | 相談支援従事者初任者研修の講義の一部+サービス管理責任者等基礎研修(講義・演習)。要件を満たす2年前から受講可能 | 合計約26時間 |
| (3) OJT(実務経験) | 基礎研修修了者として個別支援計画の原案作成などに従事。原則2年以上、条件を満たせば6か月以上 | 6か月~2年 |
| (4) 実践研修 | 個別支援計画の作成・アセスメント・人材育成・多職種連携などを学ぶ。修了で正式に児発管として配置可能 | 合計14.5時間 |
| (5) 更新研修 | 資格維持のため5年ごとに受講が必要 | 合計13時間 |
基礎研修
基礎研修は、相談支援従事者初任者研修の講義の一部とサービス管理責任者等基礎研修の講義・演習で構成され、合計約26時間です。実務経験要件を満たす2年前から受講できます。修了すると、すでに児発管が1名いる事業所では2人目の児発管として配置でき、個別支援計画の原案を作成できます。
OJT期間(2年→条件付きで6か月に短縮)
基礎研修修了後は、実践研修を受けるためにOJT(On the Job Training=実務を通じた研修)期間が必要です。原則2年以上ですが、短縮できる場合があります。基礎研修の受講開始時点ですでに実務経験(3~8年)を満たす人が、個別支援計画作成の一連の業務に従事する場合は6か月以上に短縮されます。人手不足への対応として導入されたものです。利用には事前の届出が必要なケースがあるため、自治体の運用を確認しましょう。
実践研修
OJT期間を経て実践研修(合計14.5時間)を修了すると、正式に児発管として配置できます。個別支援計画の作成・アセスメント・支援会議の運営・人材育成・多職種連携などを学びます。受講には、基礎研修修了後の直近5年間に2年以上の実務経験が必要です。
更新研修(5年ごと)
児発管の資格は取得して終わりではありません。5年ごとに更新研修(合計13時間)の受講が必要です。サービス提供の自己検証や人材育成のためのスーパービジョンなどを学びます。一定期間現場を離れると更新要件を満たせなくなる場合があるため注意しましょう。
2024年度(令和6年度)報酬改定による影響
2024年4月施行の令和6年度障害福祉サービス等報酬改定では、児童発達支援・放課後等デイサービスを中心に複数の見直しが行われました。児発管に関係する主なポイントは次のとおりです。
- みなし配置の延長:やむを得ない事由で児発管に欠員が出た場合、実務経験要件を満たす基礎研修修了者を児発管とみなして配置できる期間が、従来の1年から最長2年(実践研修修了まで)に延長されました。
- OJT期間の短縮:前述のとおり、条件を満たす場合に基礎研修修了後のOJT期間を6か月に短縮できる仕組みが整理され、人材確保の負担が軽減されました。
- 処遇改善加算の一本化:処遇改善加算(職員の賃金改善に充てる加算)について、2024年6月から従来の各加算が「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化され、加算率も引き上げられました。児発管も加算の対象職員です。
- 基本報酬・延長支援の見直し:児童発達支援・放課後等デイサービスで、支援時間に応じた報酬区分(時間で報酬を分ける仕組み)が導入されました。延長支援の時間帯は安全確保の観点から複数配置が求められるなど、人員配置の運用も整理されました。
これらの改定で、児発管を確保・育成しやすくする緩和が進みました。一方で、支援の質を担保する仕組みも強化されています。配置基準や加算の詳細は事業所の種別・地域で異なるため、最新の通知をこども家庭庁・厚生労働省・自治体で確認してください。
サービス管理責任者(サビ管)との違い
児発管とよく比較されるのがサービス管理責任者(サビ管)です。両者の主な違いは支援の対象です。児発管は子ども、サビ管は大人を支援します。
| 項目 | 児童発達支援管理責任者(児発管) | サービス管理責任者(サビ管) |
|---|---|---|
| 支援の対象 | 障害のある子ども(児童) | 障害のある大人 |
| 主な配置先 | 児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、障害児入所施設 など | 生活介護、就労支援、グループホーム、自立訓練 など |
| 研修制度 | 共通の「サービス管理責任者等研修」(基礎・実践・更新) | |
| 主な業務 | 個別支援計画の作成、モニタリング、スタッフ指導 など共通 | |
研修は共通のため、それぞれの実務経験要件を満たせばサビ管と児発管の両方になることも可能です。児発管の要件には「老人福祉施設・医療機関等以外での実務経験3年以上」が含まれる点が違いで、より児童・障害分野に特化した資格といえます。詳しくはサービス管理責任者(サビ管)とは?仕事内容・なり方を解説もあわせてご覧ください。
児発管の配置が必要なサービス・職場
児発管の配置が必要な施設は、大きく障害児通所支援と障害児入所支援に分けられます。
- 障害児通所支援:児童発達支援センター、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、居宅訪問型児童発達支援
- 障害児入所支援:福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設
近年は放課後等デイサービスや児童発達支援事業所が全国的に増えています。児発管の求人ニーズも高い状況が続いています。
児童発達支援管理責任者(児発管)の年収・将来性
児発管の年収は、賞与を含めて450~520万円程度が目安です(規模・地域・経験により差があります)。厚生労働省の障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査によると、児発管を含むサービス管理責任者等の常勤の平均給与額は月額およそ38~39万円で、福祉・介護職員(月額約31万円)より高い水準です。
児発管は配置が義務づけられた専門職で、障害児支援サービスの拡大とともに需要は安定しています。取得まで年数を要する分、希少性が高く、キャリアアップや待遇改善につながりやすい資格です。療育ニーズが高まるなか、将来性のある資格といえます。
事業所・管理者向け:児発管の確保と欠員への備え
結論として、児発管は「採用」だけでなく「自事業所で育てる」視点が重要です。配置が義務のため、欠員は減算や事業継続のリスクに直結します。管理者が押さえたい確保・育成のポイントを整理します。
みなし配置・OJT短縮を活かして確保する
2024年度報酬改定では、人材確保に向けた緩和が進みました。これらを使うと、欠員リスクを抑えながら児発管を確保しやすくなります。
- OJT短縮:基礎研修の開始時点で実務経験を満たす職員なら、OJTを6か月に短縮できます。早めに基礎研修へ送り出すと配置までの期間を縮められます。
- みなし配置の延長:やむを得ない欠員時は、要件を満たす基礎研修修了者を最長2年まで児発管とみなして配置できます。欠員が即減算につながるのを避ける備えになります。
- 計画的な育成:相談支援・直接支援の実務年数を満たす職員を早めに把握し、基礎研修の受講を計画に組み込みます。研修は事業所推薦が基本のため、申込時期の管理も必要です。
更新を切らさないためのチェックリスト
児発管の資格は5年ごとの更新研修が必要です。更新切れは配置に直結するため、管理者側でも管理しておくと安心です。
- 在籍する児発管それぞれの更新研修の期限を一覧化しているか
- 更新研修の募集時期(年1~2回が多い)を自治体サイトで確認しているか
- 長期休職・現場離脱で更新要件を満たせなくなる職員はいないか
- 欠員に備え、基礎研修修了者を1名以上確保できているか
配置基準・経過措置・加算の詳細は、こども家庭庁・厚生労働省・自治体の最新通知で確認してください。参考として厚生労働省「障害者福祉」のページもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. 児発管になるまでの最短期間はどのくらいですか?
相談支援5年または国家資格等5年のルートで、基礎研修(要件を満たす2年前から受講可)+OJT+実践研修を経るのが基本です。OJTが6か月に短縮される条件を満たせば、最短5年半程度で児発管になれます。直接支援8年ルートはより長くかかります。
Q2. 個人で研修に申し込めますか?
多くの都道府県では、研修の申し込みに勤務先の事業所からの推薦が必要で、個人での申し込みを受け付けていません。まずは障害児支援の事業所に就職し、実務経験を積みながら事業所を通して申し込むのが一般的です。
Q3. 資格に更新は必要ですか?
必要です。児発管は5年ごとに更新研修(合計13時間)を受講しないと資格を維持できません。一定期間現場を離れると更新要件を満たせなくなる場合があるため注意しましょう。
Q4. サビ管の資格があれば児発管にもなれますか?
研修は共通のため、児発管の実務経験要件(老人・医療分野以外での3年以上を含む)を満たしていれば、児発管としても配置できます。逆にサビ管の要件を満たせばサビ管にもなれます。
Q5. 無資格・未経験から児発管を目指せますか?
児発管には実務経験要件があるため、すぐにはなれません。まずは保育士や児童指導員などの資格を取得し、障害児支援や福祉の現場で実務経験を積むところから始めるのが近道です。
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まとめ
児童発達支援管理責任者(児発管)は、障害のある子どもの個別支援計画を作成・管理し、現場をまとめる専門職です。なるには実務経験要件を満たし、基礎研修・OJT・実践研修を経て、5年ごとの更新研修を受け続ける必要があります。
2024年度報酬改定では、OJT短縮やみなし配置の延長など人材確保に向けた緩和が進みました。要件は複雑ですが、待遇・将来性に恵まれた資格です。福祉・保育・医療分野での経験を活かせる児発管を、キャリアの目標にしてみてください。
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最終更新日:2026年6月
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。最新の要件は公式をご確認ください。
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