【障害福祉業界で働きたい方必見】障害福祉サービス図鑑 ~施設や事業所のことがまる分かり~

障害福祉サービスは何種類あるのか、結論から言うと「介護給付9種類・訓練等給付8種類」の計17サービスに、地域生活支援事業を加えた体系で整理できます。これから障害福祉分野で働きたい方、家族の利用先を探している方、事業所の運営に携わる方に向けて、サービスの分類から働く職種、必要な資格や未経験からの始め方までを図鑑形式で整理しました。2026年7月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • 障害者総合支援法のサービス体系(自立支援給付と地域生活支援事業)の大枠
  • 介護給付・訓練等給付に含まれる主なサービスの一覧
  • 2025年10月に創設された「就労選択支援」など最新の動き
  • 障害支援区分(区分1~6)とサービス利用の関係
  • 生活支援員・世話人・サービス管理責任者など障害福祉で働く職種
  • 障害福祉の仕事のやりがいと、未経験から働く方法

障害福祉サービスの全体像|障害者総合支援法のしくみ

障害のある方の生活や就労を支える制度の中心が「障害者総合支援法」です。この法律にもとづくサービスは、大きく2つの柱に分かれています。「自立支援給付」と「地域生活支援事業」です。

自立支援給付は、利用者一人ひとりに個別に支給決定が行われる全国共通のサービスです。さらに、介護給付/訓練等給付/自立支援医療/補装具に分類され、利用計画づくりを支える相談支援も含まれます。このうち、介護給付と訓練等給付を合わせたものを、一般に「障害福祉サービス」と呼びます。

地域生活支援事業は、市区町村や都道府県が地域の実情に応じて柔軟に実施する事業です。移動支援や日中一時支援、相談支援などが含まれます。実施内容は自治体ごとに異なる点が特徴です。

大分類 区分 主な内容
自立支援給付 介護給付 居宅介護、生活介護、施設入所支援など介護に関する支援
訓練等給付 就労移行支援、就労継続支援、グループホームなど訓練や就労に関する支援
自立支援医療 更生医療、育成医療、精神通院医療の医療費の自己負担を軽減
補装具 車いすや義肢、補聴器などの購入・修理費の支給
地域生活支援事業 市区町村/都道府県 移動支援、日中一時支援、相談支援など地域独自の事業

介護給付の主なサービス一覧

介護給付は、日常生活で介護を必要とする方を対象としたサービスです。種類は大きく分かれます。自宅に来てもらう訪問系、日中に通う日中活動系、施設で生活する居住系などです。主なサービスを一覧で整理しました。

サービス名 内容
居宅介護(ホームヘルプ) 自宅で入浴・排せつ・食事の介助、調理や掃除などの家事援助を行う
重度訪問介護 重度の肢体不自由などがある方に、介護と外出時の移動支援を総合的に提供
同行援護 視覚障害により移動が困難な方に、外出時の同行と情報提供を行う
行動援護 知的障害や精神障害により行動が困難な方に、外出時の危険回避や支援を行う
重度障害者等包括支援 介護の必要性が著しく高い方に、複数のサービスを包括的に提供
短期入所(ショートステイ) 介護者の病気などの際に、短期間施設で介護を提供
療養介護 医療と常時の介護を必要とする方に、医療機関で機能訓練や看護・介護を提供
生活介護 常に介護を必要とする方に、日中、介護や創作・生産活動の機会を提供
施設入所支援 施設に入所する方に、夜間や休日の入浴・排せつ・食事の介助などを行う

このうち居宅介護は、障害福祉の入口として知られる代表的なサービスです。仕事内容をさらに詳しく知りたい方は、居宅介護とはの記事もあわせてご覧ください。

訓練等給付の主なサービス一覧

訓練等給付は、自立した生活や就労に向けた訓練・支援を行うサービスです。働きたい方を支える就労系のサービスが充実しているのが特徴です。

サービス名 内容
自立訓練(機能訓練/生活訓練) 身体機能や生活能力の維持・向上のための訓練を一定期間行う
就労移行支援 一般企業への就職を目指す方に、知識・能力の向上のための訓練を行う
就労継続支援A型 雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を得ながら働く機会を提供
就労継続支援B型 雇用契約は結ばず、工賃を得ながら自分のペースで働く機会を提供
就労定着支援 就職後の方に、職場定着に向けた相談や関係機関との連絡調整を行う
就労選択支援 本人に合った就労先・支援を選べるよう、作業体験や情報提供で支援(2025年10月創設)
自立生活援助 一人暮らしを始めた方の自宅を定期訪問し、生活上の相談に応じる
共同生活援助(グループホーム) 共同生活を送る住居で、相談や日常生活上の援助を行う

就労継続支援A型とB型の最大の違いは「雇用契約の有無」です。A型は雇用契約を結ぶため、最低賃金以上が保証されます。B型は雇用契約を結ばず、工賃が支払われます。それぞれの仕事については、就労移行支援B型作業所の記事で詳しく解説しています。

2025年10月に始まった「就労選択支援」とは

就労選択支援は、2025年10月1日から施行された新しいサービスです。令和6年度の報酬改定で新設されました。障害のある方が自分の希望や適性に合った就労先・支援を選べるよう、短期間の作業体験やアセスメント(本人の状況や希望を見立てる評価)を通じて支援します。まず就労継続支援B型の利用を希望する方が対象です。2027年4月からは、就労継続支援A型の希望者などへ順次対象が広がる予定とされています。

障害支援区分とサービス利用の関係

介護給付のサービスを利用する際には、多くの場合「障害支援区分」の認定が必要です。障害支援区分とは、支援の必要度を示す区分を指します。区分1から区分6までの6段階に分かれ、数字が大きいほど支援の必要度が高いことを意味します。

区分によって、利用できるサービスの種類や量が決まる場合があります。たとえば生活介護や施設入所支援、重度訪問介護などは、一定の区分以上であることが利用要件とされることがあります。一方、訓練等給付のサービスは、原則として障害支援区分の認定を必要としません。この点が介護給付との大きな違いです。具体的な要件は自治体やサービスごとに異なるため、利用にあたっては市区町村の窓口に確認するとよいでしょう。

障害福祉サービスで働く主な職種

障害福祉サービスの事業所では、さまざまな職種が連携して利用者を支えています。代表的な職種と仕事内容を整理しました。

職種 主な仕事内容と働く場所
生活支援員 食事・入浴・排せつの介助や日常生活のサポート。生活介護やグループホームなどで働く
世話人 グループホームで食事の提供や金銭管理の助言など、生活全般の世話を行う
サービス管理責任者(サビ管) 個別支援計画の作成や職員への指導、関係機関との連携を担うリーダー的存在
職業指導員 就労継続支援や就労移行支援で、作業や職業訓練の指導を行う
就労支援員 就労移行支援で、職場探しや実習の調整、就職活動の支援を行う
児童発達支援管理責任者(児発管) 児童向け事業所で、療育の個別支援計画づくりと支援の中心を担う
ヘルパー(訪問介護員) 居宅介護や重度訪問介護で、利用者の自宅を訪問して介助を行う

未経験から始めやすいのは、生活支援員やヘルパーです。生活支援員の仕事をくわしく知りたい方は生活支援員の記事をご覧ください。事業所運営の要となる職種を知りたい方は、サービス管理責任者の記事が参考になります。

障害福祉の仕事のやりがいと未経験からの始め方

障害福祉の仕事のやりがいは、利用者の「できること」が増えていく過程に長く寄りそえる点にあります。就労を通じて社会とつながる姿や、自立した生活への一歩を間近で支えられること。これは、この仕事ならではの魅力です。

必要な資格と未経験から働く方法

生活支援員やヘルパー補助などの職種は、無資格・未経験から始められる求人も多くあります。働きながら、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの資格取得を目指すのが一般的です。段階的にキャリアアップしていけます。一方、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者は、一定の実務経験と研修の修了が必要です。現場経験を積んでから目指す職種といえます。

2024年度報酬改定で何が変わったか

障害福祉サービスの運営費にあたる報酬は、原則3年ごとに見直されます。令和6(2024)年度の報酬改定では、全体の改定率がプラス1.12%とされました。職員の処遇改善や支援の質の向上が重視されています。就労継続支援では成果に応じた評価のしくみが見直されるなど、サービスごとに内容が更新されました。さらに2026年(令和8年)6月には臨時の改定が行われ、処遇改善加算の対象が障害福祉分野の従事者全般へ広がり、相談支援にも新設されました。

就職や転職を考える際は、報酬改定の内容を求人票と照らし合わせると実態がつかみやすくなります。次の点を確認してみてください。

  • 基本給に処遇改善加算分が含まれているか、別途手当として支給されるか
  • 就労継続支援であれば、成果に応じた評価の見直しが賃金・工賃にどう反映されているか
  • 2026年6月の対象拡大により、自分の職種が処遇改善加算の対象に含まれるか

報酬や制度は改定のたびに変わります。最新の情報は、厚生労働省などの一次情報で確認することをおすすめします。

事業所視点|利用者へのサービス案内と運営の勘所

管理者や相談員の立場では、制度の全体像を「利用者・家族にどう案内するか」「運営でどこを外さないか」に置き換えると役立ちます。日々の相談対応と指定基準の両面から、押さえどころを整理します。

家族・利用者への言い換え例

専門用語のままでは家族に伝わりません。次のように身近な言葉へ翻訳すると、サービス選びの相談がスムーズになります。

  • 介護給付/訓練等給付 → 「身のまわりの介護を受けるサービス」と「働く・自立の練習をするサービス」
  • 障害支援区分 → 「どれくらい手助けが必要かを6段階で見る目安」
  • 支給決定 → 「市区町村が、使える日数や量を決めること」

「うちの子(家族)はどれを使える?」と聞かれたら、まず区分認定の要否(訓練等給付は原則不要)と、市区町村の窓口が決定権を持つ点を伝えると誤解が減ります。

運営でつまずきやすい点(失敗回避)

サービスを提供する側では、要件の取り違えが報酬返還や指定取消につながります。代表的な注意点を挙げます。

  • 支給決定の範囲(種類・支給量)を超えた提供は、報酬の対象外になりやすい
  • 個別支援計画の未作成・未交付・モニタリング漏れは、減算や指導の典型例
  • サービス管理責任者・児発管などの配置要件を満たさない期間は、減算の対象になりうる
  • 地域生活支援事業(移動支援など)は自治体ごとに要綱が異なり、自立支援給付と扱いを混同しない

自事業所で迷ったら、提供するサービスの指定基準と最新の報酬告示・解釈通知を、提供前に一次情報で確認しておくと安全です。最新の制度は厚生労働省 障害者福祉で確認できます。

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まとめ

障害福祉サービスは、障害者総合支援法のもとで自立支援給付と地域生活支援事業に大別されます。介護給付と訓練等給付に、多くのサービスが整理されています。2025年10月には就労選択支援が始まり、2026年6月には処遇改善加算の対象拡大も行われるなど、制度は今も進化を続けています。

生活支援員や世話人をはじめ、未経験から挑戦できる職種も多くあります。資格を取りながら長く働けるのが、この分野の魅力です。全体像をつかんだうえで、自分に合った仕事や働き方を見つけてみてください。

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参考(一次情報)