介護福祉士の求人動向2026|資格を活かせる職場と年収相場

「介護福祉士の資格を取ったら、どんな求人があるのか知りたい」「資格を活かせる職場と年収の相場を比較したい」。この記事は、介護福祉士の資格保有者・取得予定者に向けて、求人動向と資格を活かせる職場の種類、年収相場を整理しています。読み終える頃には、自分に合う職場の探し方までイメージできます。

介護福祉士の求人動向|有効求人倍率は高水準が続く

結論から言うと、介護福祉士を含む介護職の求人倍率は、全職種平均と比べて依然として高い水準にあります。厚生労働省の職業安定業務統計によると、介護関係職種の有効求人倍率は3倍台後半から4倍台で推移しており、全職種平均の1倍台前半と比べて人材の需要が供給を大きく上回っています。

介護関係職種と全職種平均の有効求人倍率を比較した棒グラフ

グラフのとおり、介護関係職種の有効求人倍率は全職種平均の3倍前後に達しており、資格保有者にとって選べる求人の母数が多い状況が続いています。

理由は、高齢化の進行によって介護ニーズが増え続ける一方、介護の担い手が不足しているためです。厚生労働省が公表した第9期介護保険事業計画に基づく推計では、介護職員は2026年度に約240万人、2040年度には約272万人が必要とされています。2022年度の約215万人と比べると、2026年度までに約25万人、2040年度までに約57万人の上積みが必要な計算です。

介護職員の不足推計を2026年度と2040年度で比較した棒グラフ(2022年度比の上積み必要数)

この推計から、担い手の確保は今後さらに難しくなる見通しであり、介護福祉士資格の需要は当面下がりにくいと考えられます。

具体的には、資格を持たない無資格者の求人と比べて、介護福祉士資格の保有者向けの求人は、給与条件や勤務形態の選択肢が広い傾向があります。施設側にとって介護福祉士は「人員配置基準を満たせる人材」であり、採用意欲が高いためです。

つまり、介護福祉士資格を持つ人にとって、今は転職や就職の選択肢が豊富な売り手市場です。焦って条件を妥協する必要はなく、職場の種類ごとの特徴を比較したうえで選ぶことが重要です。

介護福祉士の資格を活かせる職場の種類

介護福祉士の資格は、介護保険サービスだけでなく障害福祉サービスでも評価される汎用性の高い国家資格です。職場は大きく「施設系」「在宅系」「障害福祉系」の3つに分けられます。介護福祉士とはどのような資格かを押さえたうえで、それぞれの特徴を見ていきましょう。

施設系(特養・老健・有料老人ホームなど)

施設系は、介護福祉士の求人でもっとも数が多い職場です。特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、有料老人ホーム、グループホームなどが該当します。

  • 特養:入居者の要介護度が高く、身体介護の専門性を積みやすい
  • 老健:リハビリ職と連携し、在宅復帰を支援する場面が多い
  • 有料老人ホーム:施設ごとに介護方針や設備の差が大きく、比較検討が必要
  • グループホーム:認知症ケアに特化し、少人数の家庭的な環境で働ける

夜勤や交代制勤務が発生する施設が多く、夜勤手当を含めると月収が上がりやすい点も特徴です。

在宅系(訪問介護・デイサービスなど)

在宅系は、利用者の自宅や通所施設で介護を提供する職場です。訪問介護(ホームヘルプ)やデイサービス(通所介護)、小規模多機能型居宅介護などが含まれます。

訪問介護では、介護福祉士がサービス提供責任者(サ責)を担うケースが多く、現場の介護業務に加えて調整業務も任されます。デイサービスは日勤中心の勤務が多く、生活リズムを整えやすい働き方を求める人に向いています。

在宅系は施設系に比べて夜勤が少ない一方、移動を伴う業務や利用者ごとの個別対応力が求められます。

障害福祉系(生活介護・グループホームなど)

障害福祉サービスの現場でも、介護福祉士は貴重な人材です。生活介護事業所、就労継続支援事業所、共同生活援助(障害者グループホーム)などで、身体介護や生活支援の専門職として採用されています。

障害福祉分野は高齢者介護と異なり、利用者の年齢層や障害特性に応じた支援スキルが求められます。相談支援や地域連携に関心がある人は、生活相談員などの職種へキャリアを広げる道もあります。

職場選びで押さえておきたい比較の視点

職場の種類 勤務形態の傾向 向いている人
施設系 夜勤・交代制が多い 専門性を高めたい、収入を重視したい人
在宅系 日勤中心、移動あり 生活リズムを保ちたい、調整業務も担いたい人
障害福祉系 事業所により様々 幅広い年齢層・特性の支援に関心がある人

介護福祉士の年収相場|職場・雇用形態別の違い

結論として、介護福祉士資格の保有者は、無資格者や実務者研修修了者と比べて給与水準が高い傾向にあります。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護福祉士の平均給与額は月額35万50円でした。これを単純に12倍すると、年収の目安は約420万円になります。

ただし、この数値は月給に賞与や手当を含めた平均額であり、実際の年収は勤務先の規模や地域、経験年数によって差があります。より詳しい年収の内訳や施設形態ごとの違いは、介護福祉士の年収平均を解説した記事で確認できます。

雇用形態による年収の違い

  • 正社員:賞与や各種手当が付き、年収は安定しやすい
  • パート・アルバイト:時給制が中心で、勤務時間に応じて収入が変動する
  • 派遣:時給が高めに設定される求人が多く、勤務先を選びやすい

収入の安定を重視するなら正社員、勤務日数や時間を調整したいならパートや派遣という選び方が一般的です。

年収アップにつながる要素

年収を上げる方法として、以下の3つが代表的です。

  1. 夜勤回数を増やす、または夜勤専従の求人を選ぶ
  2. 処遇改善加算(介護職員の賃金改善を目的とした加算制度)を積極的に活用している事業所を選ぶ
  3. 認定介護福祉士など上位資格を取得し、リーダー職や管理職を目指す

上位資格については、認定介護福祉士とはどのような資格かで詳しく解説しています。介護福祉士取得後のキャリアアップを考えている人は、あわせて確認しておくと将来の選択肢が広がります。

求人票の月収例を分解してみる|応募前の計算例

求人票の「月給26万円」という表示だけでは、実際の収入構造は分かりません。応募前に内訳を分解して確認すると、入職後の「思っていた金額と違う」を防げます。以下はモデルケースの一例です。

項目 金額(例) 確認したいこと
基本給 185,000円 賞与・退職金の算定基礎になるか
夜勤手当(月4回) 24,000円 夜勤が減ると月収も減る前提の金額か
処遇改善関係の手当 30,000円 毎月固定か、一時金でまとめて支給か
資格手当(介護福祉士) 15,000円 介護福祉士でいくら上乗せされるか
その他(住宅・通勤など) 6,000円 支給条件(距離・世帯主要件など)

このモデルでは月給26万円のうち基本給は18万5,000円です。賞与が「基本給の3カ月分」の職場なら年間55万5,000円となり、月給総額を基準に想像した金額より小さくなります。また、夜勤4回を前提にした月収は、夜勤が2回に減れば1万2,000円下がります。面接では「月収例は夜勤何回の想定ですか」「処遇改善分は毎月の給与に含まれますか」の2つを確認しましょう。同じ月給表示でも、答えによって年収が数十万円変わることがあります。

介護福祉士の求人の探し方|失敗しない3つのポイント

求人の探し方を誤ると、入職後に「思っていた職場と違う」というミスマッチが起きやすくなります。次の3点を押さえて求人を比較しましょう。

1.人員配置基準と業務範囲を確認する

求人票だけでは、実際の人員配置や1人あたりの担当利用者数が分かりにくいことがあります。面接や見学の際に、日中・夜間の配置人数を具体的に質問すると、業務負担の実態をつかみやすくなります。

2.給与の内訳(基本給・手当・賞与)を分解して見る

月給の総額だけでなく、基本給・夜勤手当・処遇改善加算分がそれぞれいくらかを確認しましょう。基本給が低く手当で総額を高く見せている求人もあるため、賞与の算定基礎になる基本給の水準は必ずチェックする必要があります。

3.職場の種類を複数比較してから決める

施設系・在宅系・障害福祉系のいずれか1つに絞る前に、複数の求人を比較することをおすすめします。介護福祉士の求人一覧で職場の種類を横断して見比べると、給与や勤務形態の違いが具体的につかめます。同じ介護福祉士の資格でも、職場によって業務内容や働き方が大きく異なるため、比較検討によって自分に合う環境を見極めやすくなります。

まとめ|介護福祉士の求人比較は職場の種類と年収相場の理解から

介護福祉士の求人は、有効求人倍率が高い水準で推移しており、選択肢が豊富な状況にあります。施設系・在宅系・障害福祉系という職場の種類ごとの特徴と、月額35万円前後という年収相場を踏まえたうえで、給与の内訳や人員配置を確認しながら求人を比較することが、ミスマッチのない転職・就職につながります。

次のアクションとして、まずは実際の求人情報を確認し、自分の希望条件(勤務形態・年収・職場の種類)に合う案件を探してみましょう。

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