介護は、未経験・無資格でも始められる仕事です。この記事は「介護に興味はあるが、本当に働けるのか」と迷っている方に向けて、始めやすい理由と始め方を整理します。求人に「未経験者歓迎」とあっても、続けられるか不安になるものです。そこで、よくある不安とその解消法、無資格からの具体的な始め方、志望動機の書き方、入職後のステップアップまでを、2026年7月時点の最新情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 介護が未経験・無資格でも始めやすい理由
- 未経験者が感じやすい不安の実際と解消法
- 無資格から介護の仕事を始める具体的なステップ
- 志望動機の書き方と例文
- 入職後のステップアップと求人の探し方
介護は未経験・無資格でも始めやすい仕事
介護は、未経験・無資格でも始めやすい仕事です。実際に、他業種から転職して活躍している人が多くいます。ここでは、なぜ始めやすいのか、その理由を整理します。
人手不足で未経験者を歓迎する求人が多い
介護業界は慢性的な人手不足が続き、多くの事業所が未経験者を積極的に採用しています。「未経験者歓迎」「資格取得支援あり」といった求人は数多くあります。入職後に研修を受けながら知識や技術を身につけられる職場も少なくありません。
年齢や経歴を問われにくい
介護は、幅広い年代が働ける仕事です。20代の若い方から、子育てが一段落した世代、セカンドキャリアとして始める50代・60代まで活躍しています。これまでの職歴が直接関係しない業務も多く、未経験からのスタートが受け入れられやすいのも特徴です。接客や子育て、家事などの経験は、利用者とのコミュニケーションに活かせる場面が多くあります。
無資格でもできる業務がある
介護の現場には、資格がなくても担当できる業務があります。食事や入浴、排せつなど身体に直接触れる介助(身体介護)には専門的な知識が求められます。ただし複数の職員がチームで対応する施設では、先輩のサポートを受けながら少しずつ覚えていけます。掃除や洗濯、レクリエーションの補助、見守りといった生活支援から始められる職場も多くあります。
なお、自宅を訪問してサービスを提供する訪問介護は、原則として介護職員初任者研修以上の資格が必要です。まずは施設や通所のサービスから始め、働きながら資格取得を目指すのが現実的なルートといえます。無資格でできる仕事の範囲は介護は無資格・未経験でも働けるかを解説した記事で詳しく紹介しています。
2024年4月から認知症介護基礎研修の受講が必要に
2024年4月から、介護に直接携わる無資格の職員には、原則として認知症介護基礎研修(認知症ケアの基本を学ぶ短い必須研修)の受講が義務づけられました。これはeラーニングで受けられる短時間の研修です。入職後の一定期間内に修了すればよいとされ、未経験で働き始めること自体を妨げるものではありません。多くの事業所では入職後に受講を案内してくれるため、過度に心配する必要はありません。詳しい受講時期や対象は、応募先の事業所に確認しておくと安心です。
未経験者が感じやすい不安と解消法
未経験者の不安の多くは、事前の確認や働き方の選び方で解消できます。介護を始めるとき、多くの方が同じような不安を抱えるものです。代表的な不安と、その実際・解消法を表にまとめました。
| 感じやすい不安 | 実際・解消法 |
|---|---|
| 体力が続くか心配 | 移乗や介助には負担がかかる場面もあります。ただし近年は介護リフトやスライディングシートなどの福祉用具、ボディメカニクス(体の使い方)の研修が普及し、負担は軽減されています。日勤のみ・短時間勤務から始める選択肢もあります。 |
| 知識・技術がない | 未経験者向けの研修やOJTを用意している職場が多く、先輩に教わりながら少しずつ覚えられます。働きながら初任者研修の取得を支援する制度を設ける事業所もあります。 |
| 人間関係がうまくいくか | チームで支え合う仕事のため、相談しやすい雰囲気の職場を選ぶことが大切です。見学や面接で職場の様子を確認しましょう。 |
| 夜勤がつらそう | 夜勤は手当がつき収入面のメリットがあります。デイサービスなど日勤中心の職場を選べば夜勤を避けられ、まずは日勤からという選び方も可能です。 |
| 給料が低いのでは | 国の処遇改善加算による賃上げが続き、2026年6月にも加算率が引き上げられました。資格取得や経験に応じて収入を上げていけます。未経験スタートでも、キャリアを重ねれば待遇は変わります。 |
不安の多くは「事前に知らないこと」から生まれます。職場見学や面接で疑問を解消し、自分に合った働き方を選べば、安心してスタートできます。
未経験から介護を始める3つのステップ
未経験から介護を始めるには、次の3つのステップで考えると整理しやすくなります。各ステップの内容を表にまとめました。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 始め方を選ぶ | 「無資格OK求人にまず応募する」か「初任者研修を取ってから応募する」かを選びます。早く現場に出たいなら前者、基礎を学んでから始めたいなら後者が向いています。 |
| 2. 施設形態を選ぶ | 未経験者は比較的始めやすい職場から選ぶのがおすすめです。下の表を参考にしてください。 |
| 3. 応募・面接する | 志望動機を整理し、職場見学や面接で雰囲気を確認します。資格取得支援の有無もチェックしましょう。 |
始めやすい施設形態の選び方
未経験者には、日勤中心で始めやすい職場がおすすめです。同じ介護でも、施設の形態によって仕事の内容や利用者の状態は異なります。始めやすい職場の目安は次のとおりです。
| 施設形態 | 特徴 |
|---|---|
| デイサービス(通所介護) | 日中に通う利用者の介助やレクリエーションが中心。日勤のみで夜勤がなく、未経験者が始めやすい代表的な職場です。 |
| 特別養護老人ホームなどの施設 | 入所者をチームでケア。先輩のサポートを受けながら幅広い介護を経験でき、夜勤を含むシフト制が一般的です。 |
| グループホーム | 少人数の認知症の方と共同生活を支える職場。家庭的な雰囲気で、利用者一人ひとりとじっくり関われます。 |
| 訪問介護 | 利用者宅でサービスを提供。原則として初任者研修以上の資格が必要なため、まずは資格取得を。 |
「まず日勤から無理なく始めたい」ならデイサービス、「幅広い介護を経験したい」なら施設が向いています。自分の希望に合わせて選びましょう。施設形態ごとの違いをより詳しく知りたい方は、介護士とはの記事もあわせてご覧ください。
資格を取ってから始めたい場合
基礎を学んでから現場に出たい方は、介護職員初任者研修からの取得がおすすめです。これは介護の基本的な知識・技術を学べる入門資格です。修了すると、訪問介護を含めて仕事の幅が広がります。働きながら取得を支援する事業所もあります。資格の詳しい内容は介護職員初任者研修の記事を、未経験者におすすめの資格全体は介護未経験におすすめの資格の記事をご覧ください。
未経験者の志望動機の書き方と例文
未経験者の志望動機は、次の3点を押さえると説得力が増します。採用担当者は「なぜ介護を選んだのか」「長く続けてくれそうか」を重視するためです。
- 介護に興味を持ったきっかけを具体的に書く
- これまでの経験(接客・家事・子育てなど)をどう活かせるかを示す
- 働きながら資格取得などスキルアップに前向きな姿勢を伝える
例文を一つ紹介します。
例文:「祖母の介護を家族で支えた経験から、高齢者の生活を支える仕事に魅力を感じ、介護職を志望しました。前職の接客で培ったコミュニケーション力を活かし、利用者の方が安心して過ごせるよう努めたいと考えています。未経験ではありますが、働きながら介護職員初任者研修の取得を目指し、長く貢献していきたいです。」
志望動機は履歴書・面接の両方で問われます。履歴書全体の書き方は履歴書の書き方の記事も参考にしてください。
入職後のステップアップと求人の探し方
未経験で始めても、できる仕事や待遇は着実に広げていけます。現場で経験を積みながら資格を取得していくのが基本です。
キャリアアップの基本ルート
介護のキャリアは、次のように段階的に進むのが一般的です。
- 介護職員初任者研修:介護の基礎を学ぶ入門資格
- 介護福祉士実務者研修:より専門的な知識を学び、上位資格へつながる
- 介護福祉士:実務経験3年以上+実務者研修修了などで受験できる国家資格
資格を取得し経験を積めば、リーダーや管理者といった役職に就く道も開けます。役職や資格に応じて手当が加わり、収入アップも期待できます。
給与の目安
資格を取得するほど、給与は高くなる傾向があります。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、月給・常勤の介護職員の平均給与額には、保有資格の有無によって次のような差がみられます(令和6年9月時点。地域・施設・経験により異なります)。
| 資格 | 平均給与額(月額) |
|---|---|
| 介護福祉士 | 約35.0万円 |
| 実務者研修 | 約32.7万円 |
| 初任者研修 | 約32.5万円 |
| 保有資格なし | 約29.1万円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(処遇改善加算を取得する事業所の平均)。これは全国平均の目安です。最新の正確な金額は厚生労働省の公表資料や各求人の募集要項でご確認ください。表のとおり、資格取得は待遇の向上につながりやすいといえます。
求人の探し方・面接のポイント
未経験者が求人を探すときは、次の点に注目すると失敗しにくくなります。
- 「未経験者歓迎」「資格取得支援あり」の記載があるか
- 研修制度やOJTが整っているか
- 日勤のみ・夜勤あり・短時間など、希望する働き方に合うか
面接では、わからないことは正直に質問し、研修体制やシフト、職場の雰囲気を確認しましょう。可能であれば職場見学をお願いすると、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
入職後によくある失敗と早期離職を防ぐコツ
未経験スタートでつまずく原因の多くは、能力ではなく「事前のすり合わせ不足」です。最初の3か月で辞めてしまう人には、共通するパターンがあります。先に知っておけば、ほとんどは避けられます。代表的な落とし穴と対策を整理しました。
| よくある失敗(NG例) | 避けるための行動 |
|---|---|
| 最初から完璧を目指して抱え込む | 未経験は「教わって覚える」立場です。わからないことはその場で先輩に確認し、自己判断で介助しないのが安全。1か月で覚えきれなくて当たり前と考えましょう。 |
| 体調を崩すほど無理に頑張る | 慣れるまでは心身の負担が大きい時期です。日勤のみ・短時間から始め、休日はしっかり休む。腰痛予防に福祉用具の使い方を早めに覚えましょう。 |
| 「聞きにくい雰囲気」を我慢する | 相談しづらさは離職の大きな要因です。面接や見学で「質問しやすいか」「教育担当(プリセプター)がいるか」を必ず確認しておきましょう。 |
| 求人票だけで決めて入職する | 夜勤回数・配置人数・残業の実態は、見学や面接で具体的に質問を。「実際の1日の流れ」を聞くとミスマッチを防げます。 |
新しい職場に慣れるまでは、誰でも戸惑うものです。最初のつまずきは想定内ととらえ、ひとりで抱え込まず先輩を頼る。これが長く続けるいちばんの近道です。介護の働き方や制度の最新情報は、厚生労働省の介護・高齢者福祉のページでも確認できます。
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まとめ
介護は、人手不足を背景に未経験・無資格でも始めやすい仕事です。体力や夜勤、人間関係といった不安の多くは、働き方の選択や事前の確認で解消できます。まずは無資格OKの求人や始めやすいデイサービスからスタートしましょう。働きながら初任者研修などの資格取得を目指せば、できる仕事の幅も待遇も着実に広げていけます。志望動機を整理し、研修制度の整った職場を選んで、自分らしい第一歩を踏み出してみてください。
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参考(一次情報)
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(保有資格別の平均給与データ)
- 厚生労働省「介護職員の処遇改善」特設サイト(2026年6月からの処遇改善加算の拡充)
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