介護の夜勤は、手当によって収入が増えやすい働き方です。これから夜勤で働くか検討している方に向けて、仕事内容と手当の相場を整理しました。介護施設は24時間365日、利用者の生活を支える場所のため、夜間も職員が交代で勤務する夜勤が欠かせません。
一方で、生活リズムや体調管理の面で負担もあり、働き方をよく理解してから選ぶことが大切です。この記事では、夜勤の仕事内容、2交代制と3交代制の違い、夜勤手当の相場、夜勤専従という働き方、メリットとデメリット、深夜割増や仮眠のルールまでを、2026年7月時点の最新情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 介護の夜勤とはどんな働き方か
- 2交代制(ロング夜勤)と3交代制の違い
- 夜勤の具体的な仕事内容と1日の流れ
- 夜勤手当の相場と深夜割増のしくみ
- 夜勤専従という働き方とその特徴
- 夜勤で働くメリットとデメリット
介護の夜勤とは
介護の夜勤とは、入所系施設で夜間から早朝にかけて利用者の生活を支える勤務です。特別養護老人ホームやグループホーム、介護老人保健施設などが該当します。これらの施設では利用者が24時間生活しているため、日中だけでなく夜間も職員を配置します。就寝中の見守りや体調変化への対応、排泄介助などを行う必要があるからです。
夜勤の担い方には2つのパターンがあります。正規職員がシフトの一部として担当する場合と、夜勤だけを専門に担当する「夜勤専従」として働く場合です。
夜勤のある職場は、入所系の介護施設が中心です。訪問介護のように利用者宅を訪問する働き方では、夜勤がない場合も多くあります。夜勤の有無は施設の種類によって大きく変わります。働き方の選択肢を比較したい方は、ホームヘルパーの資格と仕事内容もあわせて確認しておくと、自分に合った働き方を見つけやすくなります。
2交代制と3交代制の違い
介護施設の夜勤には、大きく分けて「2交代制」と「3交代制」の2つの勤務形態があります。現在の主流は2交代制です。日本医療労働組合連合会(日本医労連)の「2025年介護施設夜勤実態調査」(2026年2月公表・131施設195職場3,682人回答)によると、2交代夜勤を実施している施設は91.1%を占めています。
2交代制は、日勤と夜勤の2つの勤務に分かれる形態です。夜勤の勤務時間は16時間前後と長く、「ロング夜勤」とも呼ばれます。同調査では、2交代夜勤を行う施設の87.5%が勤務時間16時間以上の長時間夜勤でした。夕方に出勤して翌日の午前中まで働くのが一般的です。勤務は長いものの、夜勤明けの翌日が休みになりやすく、まとまった休息を取りやすい点が特徴です。
一方の3交代制は、1日を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つに分ける形態です。それぞれが8時間程度の勤務になります。準夜勤は夕方から深夜にかけて、深夜勤は深夜から早朝にかけて働きます。1回あたりの勤務時間が短く、身体的な負担を抑えやすい反面、勤務の入れ替わりが多くシフトが複雑になりやすい傾向があります。2つの形態の主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 2交代制(ロング夜勤) | 3交代制 |
|---|---|---|
| 勤務の区分 | 日勤/夜勤の2区分 | 日勤/準夜勤/深夜勤の3区分 |
| 夜勤の勤務時間 | 16時間前後(休憩を含む) | 1回あたり8時間程度 |
| 1回の身体的負担 | 長時間で大きくなりやすい | 短時間で抑えやすい |
| 夜勤明けの休み | 翌日が休みになりやすい | 勤務明け後すぐ次の勤務になりやすい |
| 採用している施設 | 多数(全体の約9割) | 比較的少数 |
介護の夜勤の仕事内容と1日の流れ
夜勤の仕事は、利用者が就寝している時間帯が中心になります。主な業務は次のとおりです。定期的な見回り(巡視)、おむつ交換やトイレ誘導などの排泄介助、体位変換、ナースコールへの対応、利用者の急な体調変化や転倒などの緊急時対応です。あわせて、その日の様子をまとめる記録(介護記録)の作成も大切な仕事です。
16時間の2交代夜勤の場合、一般的な流れは次のとおりです。夕方に出勤して夕食の介助や服薬の確認から始まり、就寝の準備、消灯後の巡視や排泄介助、明け方の対応、翌朝の起床介助や朝食の準備までを担当します。夜間は職員数が少ないため、一人ひとりの判断力や対応力が求められます。
なお、同調査では、2交代夜勤を導入している職場のうち65.3%が1人体制(ワンオペ)で夜勤を担当していると報告されています。少人数体制のもとで急な体調変化や転倒、救急対応が必要になる場面もあるため、緊急時への備えが欠かせません。看護の補助的な役割に関心がある方は、看護助手の仕事内容もあわせて参考にしてみてください。
夜勤手当の相場と深夜割増のしくみ
夜勤で働く大きな魅力の一つが、夜勤手当による収入アップです。夜勤手当は施設が独自に定める手当で、1回の夜勤につき支給されます。日本医労連の「2025年介護施設夜勤実態調査」によると、正規職員の夜勤手当の平均額は次のとおりです。
| 勤務形態 | 1回あたりの夜勤手当(平均) |
|---|---|
| 2交代夜勤(16時間前後) | 5,973円 |
| 3交代・準夜勤 | 2,923円 |
| 3交代・深夜勤 | 4,870円 |
夜勤手当の金額は施設の種類や地域によって幅があります。一般的には1回あたり5,000円から8,000円程度が目安とされています。夜勤手当に加えて、労働基準法で定められた深夜割増賃金も支給されます。深夜割増とは、22時から翌5時までの深夜時間帯に働いた分について、通常の賃金に25%以上を上乗せして支払う制度です。
つまり、夜勤の収入は「夜勤手当」と「深夜割増賃金」の両方によって、日勤よりも高くなりやすいしくみです。月の夜勤回数を増やせば、その分だけ収入アップにつながります。
夜勤のないスキマ時間に短時間だけ働く方法もあります。働き方の幅を広げたい方は、スキマバイト(タイミー)と介護もチェックしてみるとよいでしょう。
夜勤専従という働き方
夜勤専従とは、その名のとおり夜勤だけを専門に担当する働き方です。日勤に入らず夜勤に絞って勤務するため、夜勤手当を効率よく得られ、収入を上げやすいのが特徴です。シフトが夜勤に固定されることで勤務時間帯が安定し、自分なりの生活リズムを整えやすいという声もあります。また、日中の時間を自由に使えるため、家庭の用事や趣味、ダブルワークなどに充てやすい点も魅力です。
夜勤専従には法律上の労働時間の上限があります。1か月単位の変形労働時間制を用いる場合でも、週あたりの平均労働時間が40時間を超えないように勤務日数が調整されます。そのため、2交代のロング夜勤であればおおむね月10回前後が一つの目安です。なお、看護師には国の指針で夜勤回数の目安がありますが、介護職には法的な上限規制がありません。勤務回数は施設ごとの取り決めや労使の協定によって決まる点に注意が必要です。
介護の夜勤のメリットとデメリット
夜勤で働くかどうかを判断するうえで、メリットとデメリットの両面を理解しておくことが大切です。まずメリットとしては、夜勤手当と深夜割増によって収入が増えやすいことが挙げられます。少ない勤務回数でまとまった収入を得られるため、効率よく稼ぎたい方に向いています。また、夜間は少人数で落ち着いて業務に取り組めること、日中の自由な時間を確保しやすいことも利点です。
一方でデメリットもあります。最も大きいのは、本来眠っている時間帯に働くことによる生活リズムの乱れや体調管理の難しさです。長時間の勤務になりやすい2交代制では、こまめに休憩を取りづらい場面もあります。夜間は職員数が少なく、急変や事故が起きた際に一人で判断・対応しなければならない場面があることも負担になりやすい点です。次の表で主なポイントを整理します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 夜勤手当と深夜割増で収入が増えやすい | 生活リズムが乱れやすく体調管理が難しい |
| 少ない勤務回数で効率よく稼げる | 16時間夜勤では休憩や仮眠を取りづらいことがある |
| 日中の時間を自由に使いやすい | 少人数のため緊急時の対応負担が大きい |
| 少人数で落ち着いて業務に集中しやすい | 施設によっては仮眠室がない場合がある |
仮眠と休憩のルール
長時間の夜勤では、仮眠や休憩の確保が体調管理のうえで重要です。労働基準法では、勤務時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えることが定められています。16時間前後の2交代夜勤では、この休憩時間に仮眠を取れる施設もあります。ただし、仮眠室の設備状況は施設によって差があります。日本医労連の「2025年介護施設夜勤実態調査」では、27.2%の施設で仮眠室がないと報告されています。
また、仮眠中であってもナースコールがあればすぐに対応しなければならない場合があります。その時間は「手待ち時間」として労働時間に含まれます。夜勤のある職場を選ぶ際は、仮眠室の有無や休憩の取り方、夜勤の人員体制などを事前に確認しておくと、入職後のギャップを防ぎやすくなります。
夜勤に向いている人・求人を見極めるチェックポイント
夜勤は収入面の魅力がある一方、体に合わなければ長く続きません。応募前に「自分に向いているか」「その求人が働きやすいか」を確かめましょう。後悔を防ぐ手助けになります。
夜勤に向いている人・注意したい人
- 向いている人:生活リズムを自分で整えられる、まとまった休みで効率よく稼ぎたい、日中の時間を使いたい、落ち着いた環境で働きたい人。
- 注意したい人:睡眠の質が崩れると体調を崩しやすい、持病があり夜間の負担が心配、一人での緊急対応に強い不安がある人。まずは月数回の夜勤から試す方法もあります。
求人で確認したいチェックポイント
| 確認項目 | 見極めの目安 |
|---|---|
| 夜勤手当の額 | 1回あたりいくらか。相場(5,000~8,000円程度)と比べる |
| 夜間の人員体制 | 1人夜勤か複数体制か。緊急時の応援やオンコールの有無 |
| 仮眠室・休憩 | 仮眠室があるか、休憩を実際に取れる体制か |
| 月の夜勤回数 | 2交代でおおむね月10回前後が目安。多すぎないか |
体調管理のコツは、夜勤前に短い仮眠を取る、夜勤明けは強い光を避けて休む、こまめに水分を取ることです。気になる職場は、見学時に夜間の人員体制や仮眠の取り方を直接確認しておくと、入職後のギャップを防げます。
参考(一次情報)
- 弁護士JPニュース「ワンオペ、仮眠室なし…夜勤の過酷な実態」(2026年2月16日)(日本医労連「2025年介護施設夜勤実態調査」の発表内容。2交代夜勤91.1%・16時間以上87.5%・仮眠室なし27.2%・1人夜勤65.3%を報告)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」時間外・休日労働と割増賃金(深夜(22時~5時)労働は25%以上の割増賃金が必要と規定)
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まとめ
介護の夜勤は、利用者の24時間の生活を支える大切な勤務であり、現在は16時間前後の2交代制が主流です。夜勤手当と深夜割増によって収入を上げやすく、日中の時間を活用しやすい働き方です。一方で、生活リズムの乱れや緊急時の対応など、相応の負担もあります。
2交代制と3交代制の違いや夜勤専従という働き方、手当の相場、仮眠や休憩のルールを理解したうえで、自分の体力やライフスタイルに合った働き方を選びましょう。それが長く働き続けるための鍵になります。気になる職場があれば、夜勤の体制や条件をしっかり確認してから検討してみてください。
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