介護職として働きながら、収入を増やす方法を探している人は多いはずです。この記事は、現職の介護士で副業やダブルワークを検討している人向けに書いています。読み終える頃には、副業がOKな職場の見分け方、介護職に向いた稼ぎ方の選択肢、確定申告が必要になる金額の目安まで分かります。
記事でわかること
介護職の副業は原則できる。ただし就業規則の確認が先
結論として、介護職も副業(ダブルワーク)を行うこと自体は法律上問題ありません。理由は、憲法が保障する職業選択の自由のもと、労働者が勤務時間外に何をするかは本来自由だからです。厚生労働省も副業・兼業の促進に関するガイドラインを公表し、企業に対して副業を認める方向での就業規則整備を促しています。
ただし、勤務先の就業規則で副業を禁止・許可制にしているケースは今も少なくありません。具体例を挙げると、社会福祉法人や医療法人が運営する施設では、副業を許可制にしている場合があります。理由は、利用者情報の管理や本業への専念義務を重視するためです。まずは自分の就業規則を確認し、禁止規定や届出義務がないかをチェックすることが最初の一歩です。
就業規則に定めがない場合でも、口頭で上司や人事に相談しておくと、後のトラブルを避けやすくなります。無断で副業を始めて懲戒の対象になる事例もあるため、確認を後回しにしないことが実務上のポイントです。
副業がOKな職場を見分ける3つのポイント
副業を前提に転職や求人選びをするなら、応募前に確認すべき点を押さえておくと安心です。次の3つを基準にすると、ミスマッチを防ぎやすくなります。
- 求人票や採用面接で「副業・兼業可」と明記されているか、直接質問して回答をもらう
- シフト制の職場か固定勤務の職場かを確認する。シフト制のほうが副業の予定を組みやすい
- 夜勤専従・パート・派遣など、もともと勤務日数が少ない雇用形態を選ぶ選択肢もある
特に効果的なのは、面接の場で「副業を考えているが問題ないか」と率直に聞くことです。曖昧な返答しか得られない場合は、入職後にトラブルになりやすい傾向があります。書面やメールで確認を残しておくと、後々の認識違いを防げます。
すでに正社員として働いていて転職までは考えていない人は、まず人事担当者に副業の届出制度があるかを確認しましょう。届出制であれば、規定の手続きを踏むだけで副業を始められる職場も多くあります。
職場に副業をどう伝えるか|そのまま使える言い方例
副業の相談は、切り出し方しだいで印象が大きく変わります。「収入が足りない」だけを前面に出すより、本業に支障を出さない設計を先に示すと許可を得やすくなります。次の言い方例を参考にしてください。
- 在職中に上司へ相談する場合:「家計の事情もあり、月2回ほど休日に他施設で単発の仕事を考えています。夜勤明けや連勤の後は入れないようにして、本業のシフトを最優先にします。届出などの手続きがあれば教えてください」
- 転職の面接で確認する場合:「現在、月数回の副業をしています。入職後も本業に支障のない範囲で続けたいのですが、貴施設では副業についてどのような規定がありますか」
- 届出書に添える一言:「勤務は本業の公休日のみ、月間◯時間以内とし、体調管理に支障が出る場合は縮小します」
ポイントは、頻度・曜日・時間の上限を自分から具体的に示すことです。管理者側は「疲労で本業に穴が空かないか」を最も心配しています。その不安に先回りして答える形にすると、話が通りやすくなります。
介護職に向いた副業の稼ぎ方3選
介護職が副業を選ぶ場合、資格や実務経験をそのまま活かせる働き方が現実的です。ここでは代表的な3つの選択肢を紹介します。
単発バイト(スキマバイト)で他施設に入る
タイミーなどのスキマバイトアプリを使えば、1日単位で他の介護施設の業務に応募できます。生活援助や見守りなど無資格でも入れる業務も多く、休日だけ数時間働くスタイルに向いています。手軽さが最大の特徴ですが、施設ごとにルールが異なるため、毎回の説明を聞く負担がある点は理解しておきましょう。単発バイトの始め方やタイミーとの違いは、介護の単発バイト・スポット勤務の記事で詳しく解説しています。
派遣で夜勤や日勤の単発案件に入る
派遣会社に登録し、本業の休日に合わせて単発の派遣案件に入る方法もあります。単発バイトより時給が安定しやすく、同じ派遣先に継続して呼ばれるケースもあります。介護の派遣で働くメリット・デメリットにまとめている通り、派遣は勤務条件を交渉しやすい点も副業向きです。
夜勤専従の掛け持ちで収入を最大化する
本業が日勤中心のパートや時短勤務であれば、別の施設で夜勤専従の勤務に入るという選択肢もあります。夜勤は1回あたりの手当が上乗せされるため、少ない出勤回数でも収入を増やしやすいのが特徴です。ただし、本業と副業を合わせた労働時間の管理が難しくなる点には注意が必要です。1回あたりの手当額は施設差が大きいため、夜勤専従の求人一覧で複数の施設を比較してみるとよいでしょう。
3つの働き方に共通するのは、体力面の負担をどこまで許容できるかという視点です。無理なスケジュールを組むと本業のパフォーマンスに影響するため、まずは月1、2回のペースから試すことをおすすめします。
副業の労働時間はどう扱われるか
副業を始める際に見落とされがちなのが、労働時間の合算という考え方です。労働基準法では、複数の職場で働く場合、労働時間は通算して管理される決まりになっています。
具体的には、本業と副業の労働時間を合算し、1日8時間・週40時間を超えることがあります。この場合、原則として後から労働契約を結んだ職場側に割増賃金の支払い義務が生じます。例えば、本業で週40時間働いたうえで副業のシフトに入ると、副業側の時間はすべて時間外労働として扱われることがあります。
この仕組みを正確に把握していないと、副業先とのトラブルにつながることがあります。副業を始める前に、本業の週の労働時間を自分で把握し、副業先にも申告しておくと安心です。労働時間管理の考え方は、厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインに具体的に示されています。
確定申告が必要になる金額の目安
副業で得た収入は、一定額を超えると確定申告が必要になります。結論として、副業分が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業が単発バイトや派遣などの給与契約の場合は、年末調整されない側の「給与収入」が年20万円を超えるかどうかで判断します。
業務委託などで働く場合の「所得」とは、収入から経費を差し引いた金額を指します。一方、給与契約の副業には経費の考え方がなく、収入額そのもので判定される点に注意してください。
| 働き方 | 所得区分 | 申告の目安 |
|---|---|---|
| 単発バイト・派遣(給与契約) | 給与所得 | 年末調整されない副業分の給与収入が年20万円超で申告要 |
| 業務委託・訪問介護の個人受託 | 雑所得または事業所得 | 収入から経費を引いた所得が年20万円超で申告要 |
注意したいのは、20万円以下であれば税務署への確定申告は不要でも、住民税の申告は別途必要になる場合がある点です。市区町村の窓口や税務署の相談窓口で、自分のケースを確認しておくと安心です。申告を怠ると、後から追徴課税の対象になることもあるため、収入の記録はこまめに残しておきましょう。
また、副業の給与収入が増えると、社会保険の扶養から外れる年収の壁に影響することもあります。扶養内で働きたい人は、介護パートの収入と扶養の壁もあわせて確認しておきましょう。副業を始めた後の手取りをイメージしやすくなります。
副業を始める前に確認したい実務チェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、副業を始める前に確認しておきたい項目を整理します。
- 本業の就業規則で副業が禁止・許可制になっていないかを確認する
- 本業と副業の労働時間を合算し、割増賃金の対象にならないか把握する
- 副業先で「副業・兼業可」を明記した求人か、面接時に直接確認する
- 年間の副業収入の見込みを立て、20万円を超えそうか事前に把握する
- 体調管理を優先し、まずは月1、2回など少ない頻度から始める
チェックリストを一つずつ埋めていけば、トラブルなく副業をスタートできます。特に労働時間の合算と就業規則の確認は、後から発覚すると本業に影響しかねないため、最初に済ませておきましょう。
まとめ:まずは就業規則の確認と1回の単発勤務から
介護職の副業は、就業規則で禁止されていなければ基本的に可能です。単発バイト、派遣、夜勤専従の掛け持ちなど、資格や生活スタイルに合わせて選べる働き方が複数あります。労働時間は本業と合算して管理される点、副業分が年20万円を超えると確定申告が必要になる点は必ず押さえておきましょう。まずは自分の就業規則を確認し、1回だけ単発の勤務に応募してみることから始めてください。
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参考(一次情報)
- 厚生労働省「副業・兼業」(副業・兼業の促進に関するガイドライン・労働時間通算の解説資料)
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(20万円基準の原文)
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