福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害のある人が暮らしやすい住まいを提案するための検定資格です。医療・福祉・建築の分野を横断して学べる点が特徴です。介護や建築の仕事への活かし方を知りたい方に向けて、資格の概要から級ごとの違い、試験方式や受験料、仕事での使いどころまでを2026年7月時点の最新情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 福祉住環境コーディネーターとはどんな資格か
- 1級・2級・3級の違いと試験方式・受験料・合格率
- 受験資格と申し込みの流れ
- 仕事で活かせる場面と勉強法
福祉住環境コーディネーターとは
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害のある人が安全で快適に暮らせる住環境を提案する専門家を認定する検定資格です。東京商工会議所が主催する「東商検定」のひとつです。医療・福祉・建築という、本来は別々の分野の知識を横断的に身につけられる点が大きな特徴です。
具体的には、利用者の身体状況や生活の困りごとを把握します。そのうえで手すりの設置や段差の解消といった住宅改修、福祉用具の選定などを提案します。ケアマネジャーや建築士、福祉用具専門相談員などの専門職と連携しながら進めます。高齢化が進むなか、退院後の在宅生活や介護を支える知識として注目されています。
なお、福祉住環境コーディネーターは名称独占や業務独占の資格ではありません(資格がなくても同じ仕事ができるタイプの資格)。資格がなくても住環境のアドバイス自体は可能です。ただし、検定で体系的な知識を証明できる点に価値があります。福祉系のほかの資格と合わせて知りたい方は、福祉の資格図鑑もあわせてご覧ください。
1級・2級・3級の違い
福祉住環境コーディネーターには1級・2級・3級の3つの級があります。上の級ほど求められる知識と実務レベルが高くなります。それぞれの位置づけは次のとおりです。
| 級 | レベルの目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 3級 | 基礎 | 福祉と住環境に関する基本的な知識。生活者の視点で福祉住環境整備の基礎を理解する |
| 2級 | 実務 | 3級の知識に加え、各専門職と連携して具体的な解決策を提案できる知識・技能 |
| 1級 | 応用・まちづくり | 新築や住宅改修の具体的なプランニング、福祉のまちづくりへの参画など幅広い活動ができる能力 |
就職や転職で評価されやすいのは、実務レベルとされる2級です。3級は入門として知識を整理したい人に向いています。1級はより専門性を高めたい人向けの上位資格と考えるとよいでしょう。
試験方式・受験料・合格基準
福祉住環境コーディネーター検定試験は、級によって試験方式が異なります。2026年度の試験概要を級ごとにまとめました。
| 項目 | 3級 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|---|
| 試験方式 | IBT/CBT | IBT/CBT | CBT(統一試験) |
| 出題形式 | 多肢選択式・90分 | 多肢選択式・90分 | 前半 多肢選択式90分+後半 記述式90分 |
| 受験料(税込) | 5,500円 | 7,700円 | 9,900円 |
| 合格基準 | 100点中70点以上 | 100点中70点以上 | 前半・後半 各100点中70点以上 |
IBT方式は、自宅や会社などで自分のパソコンとインターネット環境を使って受験する方式です。CBT方式は全国のテストセンターに出向き、備え付けのパソコンで受験します。CBT方式を選ぶ場合は、上記の受験料に加えてCBT利用料2,200円(税込)が必要です。
2級・3級は年2回の試験期間が設けられ、その期間内で都合のよい日時を選んで申し込みます。1級は年1回、全国共通の統一試験として実施され、日時の選択はできません。1級はCBT方式のみのため、受験料9,900円にCBT利用料2,200円(税込)が必ず加わります。
2026年度の試験日程は次のとおりです(東京商工会議所公表)。
| 回・級 | 申込期間 | 試験日程 |
|---|---|---|
| 第56回(2・3級) | 2026年6月5日~6月16日 | 2026年7月9日~7月30日 |
| 第57回(2・3級) | 2026年10月9日~10月20日 | 2026年11月12日~12月3日 |
| 第57回(1級・統一試験) | 2026年11月4日~11月11日 | 2026年12月13日(日) |
第56回の申込受付はすでに終了しています。これから申し込む場合は、第57回(2・3級は11月、1級は12月)が対象です。試験日程や受験料は変更される場合があるため、申し込み前に必ず東京商工会議所の公式サイトで最新情報を確認してください。
受験資格と申し込み
2級・3級・1級のいずれも、学歴・年齢・性別・国籍による受験制限はありません。3級を飛ばして2級から受験することも、2級と3級を併願することも可能です。
1級についても、かつては2級合格が前提とされていました。しかし現在は、2級の合否にかかわらず誰でも受験できます。ただし出題範囲は2級・3級の内容を含みます。そのため実際には、2級レベルの知識を身につけてから挑戦するのが現実的です。古い情報では受験資格が異なって紹介されている場合があるので、最新の試験要項を確認しましょう。
合格率の目安
合格率は実施回によって変動します。2級・3級はおおむね30~45%程度で推移してきました。ただし、公式テキストが改訂7版になった2025年7月の第54回では合格率が下がるなど、回ごとに難易度が調整されることがあります。最新の合格率は公式サイトの発表で確認するのが確実です。
福祉住環境コーディネーターを活かせる仕事
福祉住環境コーディネーターの知識は、住環境にかかわるさまざまな場面で役立ちます。主な活躍の場は次のとおりです。
- ケアマネジャー(介護支援専門員)として在宅生活を支える
- 福祉用具専門相談員として用具の選定や提案を行う
- 建築・リフォーム業界でバリアフリー改修を提案する
- 地域包括支援センターや福祉施設で相談支援にあたる
とくに介護や福祉の仕事をしている人には、強みがあります。利用者の住まいの課題を、専門的な視点で捉えられるようになる点です。関連する仕事として福祉用具専門相談員もチェックしておくとよいでしょう。
2級で住宅改修の「理由書」作成者になれる
2級を取得する大きなメリットがあります。介護保険の住宅改修費を申請する際に必要な「住宅改修が必要な理由書」の作成者になり得る点です。この理由書は、利用者の身体状況や住宅改修で実現したい生活などをまとめる書類で、作成できる立場の人は限られています。
具体的には、ケアマネジャーや作業療法士・理学療法士などが作成できます。これに加え、福祉住環境コーディネーター2級以上の取得者も、理由書を作成できる立場に含まれます。住宅改修の仕組みそのものを知りたい方は、介護保険の住宅改修の記事もあわせてご覧ください。なお、ケアマネジャーの仕事内容は介護支援専門員(ケアマネ)の記事で詳しく解説しています。
勉強法と取得のステップ
福祉住環境コーディネーターは独学でも合格を目指せる資格です。試験は東京商工会議所が発行する公式テキストに準拠して出題されます。まずは受験する級の公式テキストを軸に学習を進めるのが基本です。
- 受験する級を決める(迷う場合は実務向けの2級がおすすめ)
- 公式テキストを通読し、全体像をつかむ
- 過去問題や問題集を繰り返し解いて知識を定着させる
- 法令や制度は最新情報を確認する
独学が不安な場合は、通信講座や対策講座を利用する方法もあります。働きながら学ぶ場合は、IBT方式で都合のよい日時に自宅受験できる2級・3級を選ぶと、スケジュールを立てやすいでしょう。
取得後の現実と、失敗しない級の選び方
結論から言うと、この資格だけで転職や昇給が約束されるわけではありません。福祉住環境コーディネーターは名称独占・業務独占ではないため、資格手当の有無や評価は職場によって差があります。価値が出るのは、現職の専門性に上乗せして使う場面です。取得を考える前に、自分の使いどころを具体化しておきましょう。
- ケアマネや福祉用具相談員が、住宅改修の理由書作成や提案力の裏づけにする
- 建築・リフォーム職が、高齢者・障害者向けの提案で差別化する
- 介護現場の職員が、退院後の在宅環境のアドバイス力を高める
級選びでよくある失敗は、目的に合わない級を受けることです。次の自己点検で、自分に必要な級を見極めてください。
- 仕事で評価につなげたい/理由書作成に関わりたい → 2級を選ぶ
- まず全体像を知りたい・入門したい → 3級から始める
- まちづくりや上位の専門性を目指す → 2級取得後に1級へ
もう一つの失敗が、古い情報での受験準備です。受験資格や試験方式、合格基準は改定されています。テキストも改訂版が出ると出題傾向が変わります。申し込み前に必ず東京商工会議所の公式サイトで最新の試験要項を確認しましょう。資格を活かした働き方を相談したい方は、介護・福祉の高齢者施策の最新情報として厚生労働省(介護・高齢者福祉)もあわせて参考にしてください。
あわせて読みたい
まとめ
福祉住環境コーディネーターとは、医療・福祉・建築の知識を横断して、高齢者や障害のある人が暮らしやすい住環境を提案できる検定資格です。東京商工会議所が主催しています。3級は基礎、2級は実務、1級は応用と段階的に学べます。なかでも2級は住宅改修の理由書作成にも関われるため、介護や建築の現場で評価されやすい資格です。
受験資格に制限はなく、独学でも挑戦できます。住環境のスキルを身につけたい方は、まず公式サイトで最新の試験情報を確認してみてください。
介護業界の求人を探す / 介護の求人を見る
LINEで気軽に相談する / LINEで相談する
参考(一次情報)
- 東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験 試験要項」(2026年度の試験方式・日程・受験料・合格基準の原典)
- 東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験 公式サイト」(最新のお知らせと申込窓口)
最終更新:2026年7月
※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。最新の試験情報は公式サイトでご確認ください。
e介護転職は、株式会社ベストパーソンが運営する、介護と福祉に特化した求人情報サイトです。
介護・福祉の求人情報を専門に扱う求人・転職サイトのため、介護・福祉の求人を探しやすいのが特徴です。
掲載求人件数は業界最大級で、全国の求人を取り扱っています。
介護・福祉に特化しているので、職種検索(介護職、ケアマネージャー、看護師、生活相談員、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者など)、サービス種類検索:介護(特養ホーム、有料老人ホーム、デイサービス、グループホーム、訪問介護など)・福祉の障害児/障害者支援関連(放課後等デイサービス、障害者就労支援など)、雇用形態での検索(正社員はもちろん、短時間パート、日勤のみ、夜勤のみなど)と充実しており、あなたに合った求人を探せます。
当サイトは、パソコンだけではなく、スマートフォンでも利用できます。これからの高齢化社会を支える業界で、是非あなたの力を発揮できる職場を見つけて下さい。
e介護転職に掲載している求人情報
- 介護職・ヘルパー
- サービス提供責任者
- 介護支援専門員
- 看護師
- 生活相談員
- 作業療法士
- 理学療法士
- 管理栄養士・栄養士
- 福祉用具専門相談員
- 福祉住環境コーディネーター
- 管理職
- 広報・営業職
- 介護事務・事務
- 送迎ドライバー
- 保健師
- 看護助手
- 言語聴覚士
- 医療事務
- 保育士
- 主任介護支援専門員
- 機能訓練指導員
- 相談員
- 訪問入浴オペレーター
- サービス管理責任者
- 児童発達支援管理責任者
- 児童指導員
- 調理職
- 支援員
- あん摩マッサージ指圧師
- 計画作成担当者
- 移動介護従事者(ガイドヘルパー)
- 居宅介護従事者
- 重度訪問介護従事者
- 行動援護従業者
- 相談支援専門員
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 視能訓練士
- 技師装具士
- 手話通訳士
- 歩行訓練士
- その他



