生活介護の加算一覧【2026年版】単位数・算定要件・届出の早見表と取りやすい順

この記事は、生活介護事業所の管理者、サービス管理責任者(サビ管)、請求担当者向けです。「うちの事業所はどの加算を取れるのか」「単位数はいくらで、体制届は必要か」を、一覧表で一度に確認できるようにまとめました。

結論から言うと、生活介護の加算は「届出と記録だけで取れるもの」「人員体制を整えて取るもの」「利用者ごとの個別要件で取るもの」の3層に分かれます。人員配置体制加算(Ⅰ)は定員20人以下で321単位/日、送迎加算(Ⅰ)は片道21単位、福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)は15単位/日です。加えて、令和8年6月(2026年6月)から処遇改善加算の率が引き上げられました。

本記事は生活介護に固有の加算を深く扱い、障害福祉サービス共通の加算は要点とリンクにとどめます。請求の流れ全体は生活介護の請求(区分・提供時間区分と実績記録)で解説しているので、あわせて確認してください。単位数は2026年9月時点の情報です。

記事でわかること

生活介護の加算とは|基本報酬との関係と全体像

生活介護の報酬は「基本報酬+加算-減算」で決まります。加算は基本報酬に上乗せする評価で、体制や支援内容に応じて単位数が加わります。減算は基準を満たさないときの減額で、加算で増やした分を一気に打ち消すこともあります。

基本報酬は「障害支援区分×定員規模×サービス提供時間区分」で決まる

生活介護の基本報酬は、利用者の障害支援区分(区分6~区分2以下)、事業所の利用定員規模、1日のサービス提供時間区分の3つで単位数が決まります。サービス提供時間区分は令和6年度(2024年度)改定で導入され、3時間未満から1時間刻みで区分されます。長時間の支援ほど単位数が高くなる仕組みです。

提供時間は、個別支援計画に定めた「標準的な支援時間」で算定するのが基本です。営業時間を超える提供は認められません。土日祝など営業時間が短い日は、実際に提供した時間で算定します(厚労省Q&A VOL.1 問26)。加算を検討する前に、この基本報酬の枠組みを正しく押さえておく必要があります。

加算は4分類で考えると整理しやすい

  • 体制系:人員配置体制加算、常勤看護職員等配置加算、福祉専門職員配置等加算、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算、高次脳機能障害者支援体制加算、就労移行支援体制加算など。体制届(体制等状況一覧表の届出)が必要です。
  • 実施系:送迎加算、食事提供体制加算、延長支援加算、リハビリテーション加算、入浴支援加算、喀痰吸引等実施加算、栄養スクリーニング加算、栄養改善加算など。実施した日ごとに算定し、実績記録票への記載が根拠になります。
  • 個別対応系:初期加算、欠席時対応加算、訪問支援特別加算、重度障害者支援加算、集中的支援加算、体験利用支援加算、緊急時受入加算、医療連携体制加算など。利用者ごとの状況と記録が要件です。
  • 処遇改善系:福祉・介護職員等処遇改善加算。単位数ではなく「所定単位数×加算率」で計算され、事業所全体の収入に効きます。

生活介護の加算一覧【早見表】単位数・要件・体制届・取りやすさ

まず生活介護に固有の加算、次に障害福祉サービス共通の加算を表にまとめます。単位数は令和6年度(2024年度)改定後の報酬算定構造に基づき、2026年9月時点の内容です。取りやすさは「★★★=届出と記録で取れる」「★★=体制整備が必要」「★=個別要件や専門職が必要」の3段階です。定員規模別に単位数が変わる加算は、代表値を示しています。

生活介護に固有の加算

加算名 単位数(代表値) 要件の要点 体制届 取りやすさ
人員配置体制加算(Ⅰ) 321単位/日(定員20人以下)、263単位(21~60人)、245単位(61人以上) 生活支援員等を常勤換算で利用者1.5:1以上配置。区分5・6(これに準ずる者を含む)の利用者が60%以上の事業所に限る。 要 ★
人員配置体制加算(Ⅱ) 265単位/日(定員20人以下)、212単位(21~60人)、197単位(61人以上) 1.7:1以上の配置。区分5・6(これに準ずる者を含む)の利用者が60%以上の事業所に限る。 要 ★★
人員配置体制加算(Ⅲ) 181単位/日(定員20人以下)、136単位(21~60人)、125単位(61人以上) 2:1以上の配置。区分5・6(これに準ずる者を含む)の利用者が50%以上の事業所に限る。 要 ★★
人員配置体制加算(Ⅳ) 51単位/日(定員20人以下)、38単位(21~60人)、33単位(61人以上) 2.5:1以上の配置。区分5・6の割合要件はない。多機能型は生活介護の利用者数のみで計算し、定員は事業所全体(Q&A VOL.1 問31)。 要 ★★
常勤看護職員等配置加算 定員規模別の所定単位数(定員5人以下32単位/日~81人以上6単位/日)×常勤換算の看護職員数 看護職員を常勤換算で1人以上配置。(Ⅰ)(Ⅱ)のような区分はなく、単位数は定員規模で10段階。令和6年度改定で配置人数に比例する方式に変更。 要 ★★
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ) 51単位/日 視覚・聴覚・言語機能に重度の障害がある利用者が50%以上。手話通訳等の専門職員を利用者数÷40以上配置(令和6年度新設の上位区分)。 要 ★
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅱ) 41単位/日 対象利用者が30%以上。専門職員を利用者数÷50以上配置(従来の加算に相当)。 要 ★
高次脳機能障害者支援体制加算 41単位/日 高次脳機能障害の利用者が30%以上で、専門研修を修了した職員を配置(令和6年度新設)。 要 ★
重度障害者支援加算 (Ⅰ)50単位/日、(Ⅱ)360単位/日、(Ⅲ)180単位/日。上乗せは、算定開始から180日以内が(Ⅱ)+500単位、(Ⅲ)+400単位。中核的人材を配置し行動関連項目18点以上の人を支援すると+150単位(180日以内はさらに+200単位) (Ⅰ)は人員配置体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)と常勤看護職員等配置加算を算定し、看護職員を常勤換算3人以上配置して、重症心身障害者2人以上を支援した場合。(Ⅱ)(Ⅲ)は強度行動障害のある利用者((Ⅱ)は区分6、(Ⅲ)は区分4以上)に、研修修了者が支援した場合。(Ⅱ)と(Ⅲ)は併算定不可。施設入所者への生活介護には算定しない。 要 ★
延長支援加算 9時間以上10時間未満100単位/日、10時間以上200単位、11時間以上300単位、12時間以上400単位 8時間以上9時間未満の支援と、その前後の日常生活上の世話を合わせて9時間以上になる場合(施設入所者は対象外)。個別支援計画への位置づけと提供時間の記録が必要。 要 ★★
リハビリテーション加算(Ⅰ) 48単位/日 頸髄損傷による四肢の麻痺等がある利用者が対象。医師・理学療法士等が共同で実施計画を作成し、計画に基づいて実施。定期的に評価し計画を見直す。 要 ★
リハビリテーション加算(Ⅱ) 20単位/日 (Ⅰ)と同じ計画作成・実施・評価の要件を満たし、頸髄損傷等以外の利用者に実施した場合。 要 ★
喀痰吸引等実施加算 30単位/日 登録特定行為事業者の認定特定行為業務従事者が喀痰吸引等を実施(令和6年度新設)。 不要(登録特定行為事業者の登録は必要) ★
入浴支援加算 80単位/日 医療的ケアが必要な利用者等に入浴支援を実施(令和6年度新設)。 要 ★★
集中的支援加算 1,000単位/回(月4回限度・3月以内) 状態が悪化した強度行動障害の利用者に、広域的支援人材が訪問して助言。生活介護は区分のない1種類のみ(受入れ型の(Ⅱ)はない)。 不要 ★
障害福祉サービスの体験利用支援加算(Ⅰ)(Ⅱ) (Ⅰ)500単位/日(利用開始から5日以内)、(Ⅱ)250単位/日(6日以上15日以内)。地域生活支援拠点等は+50単位 障害者支援施設で生活介護を利用する人が、地域移行支援の体験利用をする際に、日中の支援や相談援助を行い記録。 上乗せ分は要 ★
就労移行支援体制加算 定員規模別の単位数(定員20人以下42単位/日~81人以上6単位/日)×前年度の就労定着者数 前年度に一般就労へ移行し6月以上定着した利用者が1人以上いる場合。 要 ★
栄養スクリーニング加算 5単位/回(6月に1回) 利用開始時と6月ごとに栄養状態を確認し、相談支援専門員等に情報提供(令和6年度新設)。 不要 ★★
栄養改善加算 200単位/回(3月以内・月2回限度) 管理栄養士を配置し、低栄養状態等の利用者に栄養ケア計画に基づく栄養改善サービスを実施(令和6年度新設)。 要 ★
緊急時受入加算 100単位/日 地域生活支援拠点等の事業所が、障害特性に起因する緊急事態で夜間に支援を行った場合(令和6年度新設)。 要 ★

人員配置体制加算の「利用者数」は、サービス提供時間区分に応じた係数で数えます。5時間未満の利用者は0.5人、5時間以上7時間未満は0.75人として計算します。令和6年4月当初は前月実績と聞き取りの見込みで計算してよいとされました(Q&A VOL.1 問30)。短時間利用者が多い事業所は、加算区分が一段下がる場合があるので注意してください。

障害福祉サービス共通の加算(要約とリンク)

加算名 単位数 要件の要点 体制届 取りやすさ
福祉専門職員配置等加算(Ⅰ) 15単位/日 常勤の生活支援員のうち社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師の割合が35%以上。 要 ★★
福祉専門職員配置等加算(Ⅱ) 10単位/日 同資格者の割合が25%以上。(Ⅰ)との併算定は不可。 要 ★★
福祉専門職員配置等加算(Ⅲ) 6単位/日 生活支援員の常勤割合75%以上、または勤続3年以上の常勤割合30%以上。生活介護では令和6年度改定から(Ⅰ)または(Ⅱ)と併せて算定できる。 要 ★★★
送迎加算(Ⅰ) 21単位/片道(重度の利用者が一定割合以上なら+28単位。(Ⅱ)も同様) 平均10人以上(定員20人未満は平均的に定員の50%以上)に送迎を実施し、週3回以上。同一敷地内の送迎は70%に減額。 要 ★★★
送迎加算(Ⅱ) 10単位/片道 (Ⅰ)の人数または回数のいずれか一方を満たす場合。 要 ★★★
食事提供体制加算 30単位/日 低所得の利用者に事業所内で調理した食事を提供。令和6年度から管理栄養士等の献立関与など栄養面の要件を追加。経過措置は令和9年3月31日まで。 要 ★★★
初期加算 30単位/日(利用開始から30日以内) 新規利用者に算定。届出不要。 不要 ★★★
欠席時対応加算 94単位/回(月4回限度) 急な欠席の連絡を受け、相談援助と次回利用の調整を行い記録。 不要 ★★★
訪問支援特別加算 1時間未満187単位/回、1時間以上280単位/回(月2回限度) おおむね3月以上利用した者が連続5日以上利用しない場合に居宅を訪問。 不要 ★★★
利用者負担上限額管理加算 150単位/月 上限額管理事業所として管理を実施。 不要 ★★★
医療連携体制加算(Ⅰ)~(Ⅶ) 看護職員の訪問時間・対象人数・喀痰吸引等の内容で区分 医療機関等との連携で看護職員が訪問し看護や医療的ケアを提供。詳細は個別記事で解説。 要 ★
福祉・介護職員等処遇改善加算 所定単位数×加算率(令和8年6月から引き上げ) キャリアパス要件・職場環境等要件・賃金改善計画の提出。年度の計画書と実績報告が必要。 要(計画書) ★★

共通加算の要件や他サービスとの違いは、障害福祉サービスの加算一覧(取得しやすい順)で横断的に解説しています。医療連携体制加算は区分が7つあり要件が複雑なため、医療連携体制加算(Ⅰ)~(Ⅶ)の算定要件と単位数を参照してください。

生活介護では算定できない、混同しやすい加算

加算名が似ていて、他サービスの加算と混同されやすいものがあります。自立生活支援加算は施設入所支援やグループホームの加算です。児童指導員等加配加算や専門的支援体制加算は放課後等デイサービス・児童発達支援の加算です。ピアサポート実施加算や通所自立支援加算も、生活介護の報酬告示には規定がありません。

反対に、障害福祉サービスの体験利用支援加算は施設入所支援の加算と思われがちですが、生活介護にも規定があります。名称だけで判断せず、生活介護の報酬算定構造に載っているかを必ず確認してください。

取りやすい順の解説|届出のみ→体制整備→個別要件の3層

加算は取りやすい順に着手すると、収入への効果が早く出ます。理由は、届出と記録だけで取れる加算は準備期間が短く、体制系は採用や資格取得に時間がかかるからです。以下の3層で優先順位を付けてください。

第1層:届出と記録だけで取れる加算(★★★)

送迎加算、食事提供体制加算、福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)、初期加算、欠席時対応加算、訪問支援特別加算、利用者負担上限額管理加算がこの層です。送迎と食事は多くの事業所で既に実施しており、体制届を出していないだけで取りこぼしているケースがあります。欠席時対応加算は、欠席連絡を受けた日の相談内容と次回利用の調整をサービス提供記録に残せば算定できます。記録がなければ運営指導で返還対象になります。

第2層:人員体制を整えて取る加算(★★)

人員配置体制加算(Ⅱ)~(Ⅳ)、福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)、常勤看護職員等配置加算、延長支援加算、入浴支援加算、処遇改善加算がこの層です。人員配置体制加算は単位数が大きく、定員20人以下で(Ⅲ)2:1なら181単位/日です。利用者20人×月20日なら月72,400単位で、1単位10円の地域なら約72万円の差になります。採用計画と合わせて、どの区分を狙うかを決めてください。

第3層:利用者ごとの個別要件や専門職が必要な加算(★)

人員配置体制加算(Ⅰ)1.5:1、重度障害者支援加算、リハビリテーション加算、医療連携体制加算がこの層です。視覚・聴覚言語障害者支援体制加算、高次脳機能障害者支援体制加算、喀痰吸引等実施加算、集中的支援加算、就労移行支援体制加算、栄養改善加算、緊急時受入加算も同じ層に入ります。研修修了者や理学療法士等の配置が必要で、対象利用者の割合要件もあります。取れれば単位数は大きいので、利用者の状況を棚卸しして中期で計画します。

処遇改善加算は「率」で効くため最優先で見直す

処遇改善加算は所定単位数に加算率を乗じるため、他の加算を取るほど処遇改善加算の額も増えます。令和8年6月(2026年6月)から率が引き上げられたので、上位区分の要件を満たせるかを最初に確認してください。計算方法と要件は処遇改善加算 完全ガイド(計算方法・要件・2026年6月拡充対応)で解説しています。

令和6年度改定と令和8年6月臨時改定で変わった点

生活介護の加算は令和6年度(2024年度)改定で大きく組み替えられ、令和8年6月(2026年6月)の臨時改定で処遇改善加算が拡充されました。過去の資料や請求ソフトの設定が古いままだと、単位数や区分を誤ります。

令和6年度(2024年度)改定の主な変更

  • 基本報酬にサービス提供時間区分を導入。3時間未満から1時間刻みで単位数が変わる。
  • 人員配置体制加算を1.5:1(Ⅰ)から2.5:1(Ⅳ)の4区分に再編。定員20人以下で(Ⅰ)321単位/日。
  • 常勤看護職員等配置加算を看護職員の配置人数に比例する方式に見直し。
  • 延長支援加算を9時間以上の支援に対し1時間刻みで100~400単位/日に。
  • 喀痰吸引等実施加算(30単位/日)と入浴支援加算(80単位/日)を新設。高次脳機能障害者支援体制加算(41単位/日)と、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の上位区分(Ⅰ)(51単位/日)も新設。栄養スクリーニング加算・栄養改善加算・緊急時受入加算も新設。
  • 重度障害者支援加算を(Ⅰ)~(Ⅲ)に再編し、区分4以上の強度行動障害のある利用者も対象に。集中的支援加算(1,000単位/回)を新設。
  • 食事提供体制加算に栄養面の要件を追加し、経過措置を令和9年3月31日まで延長。
  • 身体拘束廃止未実施減算を1%に、業務継続計画未策定減算(1%)と情報公表未報告減算(5%)を新設。

令和8年6月(2026年6月)臨時改定の主な変更

  • 福祉・介護職員等処遇改善加算の率を引き上げ。生活介護は加算Ⅰ(イ)9.3%、加算Ⅱ(イ)9.2%、加算Ⅲ7.9%、加算Ⅳ6.7%(改定前はⅠ8.1%、Ⅱ8.0%、Ⅲ6.7%、Ⅳ5.5%)。障害者支援施設が行う生活介護は別の率です。
  • 生産性向上や協働化に取り組む事業者向けに、加算Ⅰ・Ⅱの上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)を新設。生活介護は9.7%・9.6%。
  • 加算の対象職種を福祉・介護職員から障害福祉従事者に拡大。職場環境等要件は加算Ⅰ・Ⅱで「区分ごとに2つ以上、全体で14以上」に。
  • キャリアパス要件と職場環境等要件は、令和8年度中の対応を誓約すれば算定可能(実績報告で確認)。
  • 就労継続支援B型・共同生活援助・児童発達支援・放課後等デイサービスの新規指定事業所に応急的な報酬単価の特例を導入。生活介護は対象外で、基本報酬に変更なし。

上乗せ区分(ロ)の届出方法や適用条件は、指定権者の案内もあわせて確認してください。

減算との関係|加算を取っても減算で消える

減算は所定単位数(基本報酬と加算の合計)に率を乗じるため、加算を積み上げるほど減算の影響額も大きくなります。加算の届出を出す前に、減算に該当していないかを確認するのが順序です。生活介護に関係する主な減算は次のとおりです。

減算名 減算率・内容 加算への影響
定員超過利用減算 1日の利用者数が定員の150%超(定員51人以上は別計算)、または3月平均で125%超のとき所定単位数の70% 基本報酬・加算の合計に適用。人員配置体制加算の利用者数計算にも影響。
人員欠如減算 1割超の欠如は翌月から70%、1割以内は翌々月から70%。3月以上継続で50% 人員配置体制加算・福祉専門職員配置等加算は要件を満たさなくなり算定不可。
サービス管理責任者欠如減算 翌々月から70%、5月以上継続で50% 個別支援計画の作成にも影響し、未作成減算と重なる。
個別支援計画未作成減算 3月未満70%、3月以上50% 延長支援加算やリハビリテーション加算など計画に位置づける加算が根拠を失う。
開所時間減算 共生型生活介護・基準該当生活介護が対象。開所時間4時間未満は50%、4時間以上6時間未満は70% 通常の指定生活介護は提供時間区分で評価されるため対象外。
短時間利用減算 共生型生活介護・基準該当生活介護が対象。前3月の平均利用時間が5時間未満の利用者が50%以上のとき70% 通常の指定生活介護は提供時間区分で評価されるため対象外。
身体拘束廃止未実施減算 1% 委員会・指針・研修の記録が必要。
虐待防止措置未実施減算 1% 委員会・指針・研修・担当者の記録が必要。
業務継続計画未策定減算 1% BCPの策定と周知・研修・訓練の記録が必要。
情報公表未報告減算 5% 障害福祉サービス等情報公表システムへの報告が必要。

人員欠如減算は、加算の要件も同時に崩します。生活支援員が退職して人員配置体制加算(Ⅱ)の1.7:1を下回った場合、加算区分の変更届が必要です。届出をせずに従前の区分で請求すると、返還と指導の対象になります。減算の起算月と加算の変更月を、同じ台帳で管理してください。

体制届の出し方と15日ルール

体制系の加算は「介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書」と「体制等状況一覧表」を指定権者に提出します。指定権者(都道府県・政令市・中核市)に受理されて初めて算定できます。提出のタイミングを間違えると、算定開始が1か月遅れます。

ルールは厚生労働省の留意事項通知に定められています。届出が月の15日以前に受理されれば翌月から、16日以降に受理されれば翌々月から算定できます。たとえば10月から人員配置体制加算を算定したいなら、9月15日までに受理される必要があります。郵送の場合は到達日ではなく受理日で判断されるため、余裕を持って提出してください。

要件を満たさなくなった場合は、速やかに変更の届出が必要です。届出をせずに請求を続けると、返還や指導の対象になります。多くの自治体では、加算の新規算定は「前月15日まで」、加算の取り下げは「速やかに」と案内しています。様式や添付書類(勤務形態一覧表、資格証の写し、送迎計画など)は指定権者ごとに異なるので、指定権者のページで確認してください。

  • 届出前:要件を満たす月の勤務形態一覧表を作り、常勤換算を再計算する。
  • 届出時:体制等状況一覧表の加算欄と添付書類の整合を確認し、受理日を控える。
  • 届出後:請求ソフトの事業所台帳に加算区分と開始月を登録し、初回請求の前に単位数を検算する。

請求時の注意|サービスコードと実績記録票への記載

加算は体制届が受理されても、請求データと実績記録票が揃わなければ支払われません。国保連の審査は「サービスコード」と「実績記録票の記載」を突き合わせるため、どちらかが欠けると返戻や過誤になります。

サービスコードは加算ごと・区分ごとに分かれる

生活介護のサービスコードは「22」で始まり、基本報酬は障害支援区分・定員規模・提供時間区分の組み合わせでコードが分かれます。加算も区分ごと(人員配置体制加算(Ⅰ)~(Ⅳ)、送迎加算(Ⅰ)(Ⅱ)など)にコードが異なります。令和6年度改定でコード表が全面的に更新され、令和8年6月からは処遇改善加算のコードも変わりました。請求ソフトのマスタ更新日を確認し、古いコードで請求していないかをチェックしてください。

実績記録票に残すべき項目

  • 提供日ごとの開始時刻・終了時刻と算定時間数(提供時間区分と延長支援加算の根拠)。
  • 送迎加算の往・復の別(片道ごとに算定するため、片道のみの日は1回)。
  • 食事提供加算の実施有無(提供した日のみ)。
  • 欠席時対応加算の対応日と内容(月4回まで。連絡を受けた日に相談援助を行った記録)。
  • 訪問支援特別加算の訪問日と時間(1時間未満か1時間以上か)。
  • 利用者の確認印またはサインと、サービス提供記録との突合。

提供時間の記録は、令和6年度改定後に指摘されやすい項目です。計画上の標準時間と実績の乖離が続くと、実績に合わせて計画を見直す必要があります(Q&A VOL.1 問28)。加算の届出と同じ月に、実績記録票の様式が新しい加算に対応しているかも確認してください。

よくある誤りと運営指導・審査での指摘

加算に関する指摘は「要件を満たしていない」より「記録で証明できない」が目立ちます。次の5点は、生活介護の運営指導と国保連審査で繰り返し指摘される例です。

  • 常勤換算の誤り:管理者兼務や育児短時間勤務の職員を常勤1.0で数え、人員配置体制加算の比率を過大に届け出る。勤務形態一覧表と実際の勤務表を照合してください。
  • 短時間利用者の係数漏れ:5時間未満の利用者を1人として数え、人員配置体制加算の区分を誤る。係数0.5と0.75の適用を月ごとに検算します。
  • 送迎加算の要件割れ:平均利用人数や週3回の要件を下回ったのに(Ⅰ)のまま請求。同一敷地内の送迎に減額を適用していない例もあります。
  • 欠席時対応加算の記録不足:欠席連絡を受けただけで算定し、相談援助の内容が記録にない。月4回の上限超過も返戻対象です。
  • 変更届の遅れ:職員の退職や資格者の異動で要件を満たさなくなったのに、届出をせずに従前の区分で請求。返還と改善報告を求められます。

指摘を防ぐ最短の方法は、加算ごとに「根拠書類」を決めて月次で保管することです。人員配置体制加算なら勤務形態一覧表と出勤簿、送迎加算なら送迎記録と運転日報、欠席時対応加算ならサービス提供記録の該当欄です。監査当日に探すのではなく、請求前に揃える運用にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 生活介護で最初に取るべき加算はどれですか

送迎加算、食事提供体制加算、福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)の3つです。いずれも既存の運営を届け出るだけで算定でき、体制届を出していないだけで取りこぼしている事業所が多いからです。次に処遇改善加算の上位区分と人員配置体制加算を検討してください。

Q2. 人員配置体制加算の「利用者数」はどう数えますか

前年度の平均利用者数を基本に、サービス提供時間区分に応じた係数で数えます。5時間未満の利用者は0.5人、5時間以上7時間未満は0.75人です。多機能型事業所は生活介護の利用者数のみを勘案し、定員は事業所全体で判断します。

Q3. 体制届を9月20日に提出しました。加算はいつから算定できますか

16日以降の受理なので、翌々月の11月からです。10月分は算定できません。自治体によっては受理日の考え方や提出方法に差があるため、指定権者に確認してください。

Q4. 送迎加算は片道だけの日も算定できますか

できます。送迎加算は片道ごとに算定するため、行きだけ送迎した日は1回分です。実績記録票の往・復の欄に正確に記載してください。同一敷地内の送迎は所定単位数の70%になります。

Q5. 令和8年6月の改定で、生活介護の基本報酬は変わりましたか

変わっていません。令和8年6月(2026年6月)の臨時改定で変わったのは処遇改善加算の率と要件です。応急的な報酬単価の特例は就労継続支援B型・共同生活援助・児童発達支援・放課後等デイサービスの新規指定事業所が対象で、生活介護は含まれません。

まとめ

  • 生活介護の報酬は「基本報酬(区分×定員×提供時間区分)+加算-減算」。加算を取る前に減算の該当がないかを確認する。
  • 取りやすい順は「届出と記録のみ(送迎・食事・福祉専門職員配置等(Ⅲ)等)」が先。次に「体制整備(人員配置体制・看護・処遇改善)」、最後に「個別要件(重度障害者支援・リハ・医療連携等)」。
  • 人員配置体制加算は定員20人以下で(Ⅰ)321単位/日~(Ⅳ)51単位/日。利用者数は提供時間区分の係数で数える。
  • 体制届は15日以前の受理で翌月、16日以降で翌々月から算定。要件を欠いたら速やかに変更届。
  • 令和8年6月から処遇改善加算の率が引き上げ。請求ソフトのコードと実績記録票の様式を最新に更新する。

加算を増やすほど、サービスコードの選択や実績記録票との突合など請求チェックの負担は重くなります。人員配置体制加算や処遇改善加算の区分変更が重なる月は、請求担当者が1人で確認しきれず返戻が増えがちです。

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参考(一次情報)