【2023年】扶養内パートは月いくらまで働ける?103万・106万・130万・150万の壁と注意点について徹底解説!

この記事は、介護・福祉のパートや扶養内で働く方向けです。扶養はいくらまで・月いくらまで働けるのかを、2026年6月時点の最新制度にもとづいて整理します。

結論から言うと、2025年(令和7年)の税制改正でいわゆる「103万円の壁」は160万円へ大きく引き上げられました。社会保険の「106万円の壁」も撤廃が決まり、年収の壁は大きく変わりました。「扶養内で働きたいけれど、結局いくらまでなら大丈夫なのか」とお悩みの方に向けて、最新の壁を整理していきます。

この記事でわかること

  • 「年収の壁」と「扶養」の基本(税制上の扶養と社会保険上の扶養の違い)
  • 2025年の税制改正で103万円の壁が160万円に変わったこと
  • 住民税・所得税・社会保険それぞれの壁の最新金額と影響
  • 106万円の壁の撤廃、130万円の壁の新しい判定ルール
  • 介護パート向けの「時給×時間」早見表と働き方の選択肢

そもそも「扶養」と「年収の壁」とは

扶養とは、自分の収入だけでは生計を立てにくい人を、配偶者や親などの家族が養うことです。養う側を「扶養者」、養われる側を「被扶養者」と呼びます。被扶養者は一定の収入までなら、税金や社会保険料の負担を抑えながら働けます。この「一定の収入」のラインが、世間でいう「年収の壁」です。

年収の壁には、大きく分けて2つの種類があります。

  • 税制上の扶養:所得税・住民税や、配偶者控除・配偶者特別控除に関わる壁(おもに住民税110万円、所得税160万円、配偶者控除123万円など)
  • 社会保険上の扶養:健康保険・厚生年金に関わる壁(おもに106万円、130万円)

どちらの壁を超えるかによって、影響が変わります。「自分の手取りが減る」のか「配偶者の税負担が増える」のか、という違いです。まずはこの2種類があることを押さえておきましょう。

2025年の税制改正で「103万円の壁」は160万円へ

長く語られてきた「103万円の壁」は、2025年(令和7年)の税制改正で内容が大きく変わりました。所得税の基礎控除給与所得控除が引き上げられた結果、所得税がかからない給与収入の目安が、これまでの103万円から160万円に引き上げられたのです。この改正は2025年分(令和7年分)以後の所得税から適用されています。

仕組みを簡単に説明します。給与所得控除の最低額が55万円から65万円に、基礎控除が48万円から58万円に引き上げられました。さらに合計所得金額が一定以下の人には基礎控除に上乗せ(加算)があり、年収200万円以下の層では基礎控除が実質95万円になります。給与所得控除65万円と合わせて、年収160万円まで所得税がかからない計算です。

ただし、この上乗せ部分は2025年分・2026年分の暫定的な措置とされています。年収が高くなるほど非課税となるラインは160万円より下がる点には注意が必要です。扶養内パートの多くが該当する年収帯であれば、「所得税は160万円までかからない」と理解しておけばよいでしょう。

各「年収の壁」を最新金額で整理

住民税の壁(約110万円)

住民税は所得税より少し低いラインからかかり始めます。給与所得控除が65万円に引き上げられたことで、住民税(所得割)がかからない給与収入の目安も、これまでの約100万円から約110万円に引き上げられました。ただし住民税の非課税基準はお住まいの市区町村によって異なり、おおむね年収100万円~110万円の範囲です。正確なラインはお住まいの自治体でご確認ください。

所得税の壁(160万円)

前述のとおり、扶養内パートの年収帯では年収160万円まで所得税がかからないのが2026年現在の目安です。「103万円を超えたら所得税がかかる」という古い情報のままで働き方を決めると、必要以上に働く時間を抑えてしまうおそれがあります。注意しましょう。

社会保険の壁(106万円)とその撤廃

106万円の壁とは、パートでも一定の条件を満たすと、勤務先で健康保険・厚生年金に加入し、保険料が給与から天引きされるラインです。2026年6月時点での加入条件はおおむね次のとおりです。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 1か月の賃金が8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)
  • 雇用期間が2か月を超える見込み
  • 勤務先の従業員(厚生年金の被保険者)が51人以上
  • 学生でないこと

押さえておきたいのは、この「賃金月8.8万円以上(106万円)」という賃金要件が、2026年10月をめどに撤廃される予定だという点です。さらに「従業員51人以上」という企業規模要件も2027年10月に撤廃される方向で議論が進んでいます。将来的には週20時間以上働く人は、勤務先の規模や年収を問わず厚生年金に加入していく見込みです。介護・福祉の事業所はパート比率が高いため、今後は「気づいたら社会保険の対象になっていた」というケースが増えると考えられます。

なお、社会保険に加入すると手取りは一時的に減ります。一方で、将来の年金額が増えたり、病気やケガで働けないときの傷病手当金が受けられたりするメリットもあります。詳しくは厚生労働省の「年収の壁」への対応のページもあわせてご確認ください。

社会保険の壁(130万円)と一時的な増収の特例

130万円の壁とは、106万円の壁の条件にあてはまらない人でも、年収130万円以上になると配偶者などの社会保険の被扶養者から外れるラインです。扶養から外れると、自分で国民健康保険・国民年金に加入するか、勤務先の社会保険に加入して保険料を負担することになります。

この130万円の壁については、一時的な増収の特例が設けられています。人手不足による残業などで一時的に年収が130万円を超えた場合、一時的な収入増である旨を事業主が証明すれば、原則として連続2回までは引き続き扶養にとどまれます。加えて、2026年4月以降は被扶養者の年収判定が「実績ベース」から、契約上の所定労働時間・時給などにもとづく判定へと整理されました。繁忙期の一時的な増収で扶養から外れにくくなる方向です。

なお、19歳以上23歳未満の方については、2025年10月以降の認定から社会保険の扶養基準が130万円未満から150万円未満に緩和されています。大学生世代の家族がいる方は覚えておくとよいでしょう。

配偶者控除の壁(123万円)と配偶者特別控除(160万円・約201万円)

配偶者がパートで働く場合、配偶者本人の税金だけでなく、扶養者である配偶者の税負担にも影響します。2025年の改正で、これらの控除の基準も引き上げられました。

  • 配偶者控除:配偶者の給与年収が123万円以下なら、扶養者は最大38万円の配偶者控除を受けられます(従来は103万円以下)。
  • 配偶者特別控除:配偶者の年収が123万円を超えても、160万円までは満額38万円の控除が受けられます(従来の満額ラインは150万円)。これを超えると控除額は段階的に減り、年収が約201万円(201万5,999円)を超えると控除はゼロになります。

つまり「150万円の壁」は160万円の壁に、「201万円の壁」はそのまま約201万円として残っている、と理解するとわかりやすいでしょう。ただし配偶者控除・配偶者特別控除は、扶養者本人の合計所得金額が1,000万円(給与年収約1,195万円)を超えると適用されません。

(参考:国税庁「No.1191 配偶者控除」「No.1195 配偶者特別控除」

大学生世代向けの「特定親族特別控除」(150万円)

2025年の改正では、19歳以上23歳未満の子どもなどを扶養する人向けに特定親族特別控除が新設されました。その親族の給与年収が150万円までなら、扶養者は従来と同じ63万円の控除を受けられます。150万円を超えても約188万円までは段階的に控除が受けられます。大学生のお子さんが介護施設などでアルバイトをしている家庭では、働きすぎで親の税負担が急に増える心配が和らぎました。

年収の壁 早見表(2026年6月時点)

壁の金額 区分 超えるとどうなる(おもな影響)
約110万円 税制(住民税) 本人に住民税(所得割)がかかり始める。基準は自治体で異なる
106万円 社会保険 一定の条件を満たすと勤務先の健康保険・厚生年金に加入。賃金要件は2026年10月めどに撤廃予定
123万円 税制(配偶者控除) これを超えると満額の配偶者控除(38万円)の対象外に。以後は配偶者特別控除へ
130万円 社会保険 配偶者などの社会保険の扶養から外れる。自分で保険料を負担(一時的増収の特例あり)
160万円 税制(所得税・配偶者特別控除) 本人に所得税がかかり始める目安。配偶者特別控除も満額からの減少が始まる
約201万円 税制(配偶者特別控除) これを超えると配偶者特別控除がゼロに。税制上の扶養から完全に外れる

※19歳以上23歳未満の方は、社会保険の扶養基準が150万円未満、特定親族特別控除の満額ラインが150万円です。

扶養内パートは月いくらまで働ける?(介護パートの早見表)

年収の壁を「月いくらまで」に直すと、シフトを組むときにイメージしやすくなります。代表的な壁を月収に換算すると次のとおりです。

意識する壁 年収の上限 月収のおおよその上限
住民税をかけたくない 約110万円 約9万1,000円
社会保険(106万円)を避けたい 106万円 8万8,000円(賃金要件)
社会保険の扶養を維持(130万円) 130万円未満 約10万8,000円
所得税をかけたくない 160万円 約13万3,000円

さらに、介護パートでイメージしやすいよう「時給×勤務時間」でも考えてみましょう。下の表は、社会保険の扶養を維持したい場合の目安(年収130万円未満=月収約10万8,000円以内)を、時給別にまとめたものです。

時給 1か月に働ける時間の目安 働き方のイメージ
1,100円 約98時間まで 週4日×1日6時間程度
1,300円 約83時間まで 週4日×1日5時間程度
1,500円 約72時間まで 週3~4日×1日5時間程度
1,800円 約60時間まで 週3日×1日5時間程度

介護職は資格や夜勤の有無で時給差が大きい職種です。高時給で働く方ほど、少ない時間で壁に届いてしまう点に注意しましょう。逆にいえば、所得税の壁が160万円に上がったことで、「もう少し長く働いても税金面の影響は小さい」というケースも増えています。

扶養内で働くときに注意したいポイント

  • 交通費や賞与の扱いを確認する:壁ごとに数え方が異なります。社会保険の130万円の判定では通勤手当(交通費)も収入に含まれる一方、税制上の年収には原則含まれません。
  • 「働き損」になる年収帯を避ける:社会保険に加入すると保険料の負担で一時的に手取りが減ります。130万円を少し超える程度の働き方は、手取りが目減りしやすい区間です。超えるなら一定以上しっかり働くほうが手取りは増えやすくなります。
  • 勤務先の社会保険サポートを確認する:国の「年収の壁・支援強化パッケージ」では、事業主向けにキャリアアップ助成金(令和8年3月末までの取組が対象)などが用意されています。勤務先が活用しているか確認するとよいでしょう。

扶養内で働く以外の選択肢も考えてみる

年収の壁を意識する働き方は安心感がある一方で、「働きたいのに時間を抑える」状態でもあります。所得税の壁が160万円に上がり、社会保険の106万円の壁も撤廃に向かう今は、働き方を見直す好機です。介護・福祉の現場では、次のような選択肢があります。

  • あえて社会保険に加入してしっかり働く:厚生年金で将来の年金を増やし、傷病手当金などの保障も得る
  • 扶養の範囲を維持しつつ高時給の職場へ移る:同じ労働時間でも収入を上げる
  • 資格取得でキャリアアップを目指す:介護職員初任者研修や介護福祉士などで時給・正社員登用のチャンスを広げる

ご自身の家計やライフプランに合わせて、「壁を超えない」「あえて超える」のどちらが得かを一度シミュレーションしてみることをおすすめします。

「働き損」になりやすい年収帯と手取りの目安

結論から言うと、社会保険の扶養を外れる130万円を「少しだけ超える」働き方は、手取りが減りやすい区間です。具体的な数値でイメージしてみましょう。

たとえば年収129万円で扶養内のパートが、残業などで年収135万円になったとします。社会保険の扶養を外れて自分で保険料(健康保険・年金)を負担すると、年およそ19万円前後の負担増になることがあります。額面は6万円増えても、手取りはかえって十数万円減る計算です。これがいわゆる「働き損」です。

ただし、これは「中途半端に超える」場合の話です。年収160万円程度までしっかり働けば、保険料を払っても手取りは扶養内のときを上回るのが一般的です。さらに厚生年金で将来の年金も増えます。「壁の手前で抑える」か「壁を十分に超えて働く」かの二択で考えると、損をしにくくなります。

事業所・管理者向け:パート職員の壁とシフト・説明

パート比率の高い介護・福祉の現場では、年収の壁は職員のシフトにも直結します。管理者として押さえておきたい点です。

  • 年末にかけて「壁を超えそう」と勤務調整を希望する職員が増える。早めに意向を確認し、シフトに反映する
  • 106万円の賃金要件は2026年10月めどに撤廃予定。今後は短時間でも社会保険の対象が広がるため、職員への情報提供が欠かせない
  • 国の「年収の壁・支援強化パッケージ」の助成金(事業主向け、令和8年3月末までの取組が対象)を活用できないか確認する
  • 「扶養内で働きたい」職員には壁の最新情報を、「しっかり稼ぎたい」職員には社会保険加入のメリットを、立場に応じて説明する

よくある質問(FAQ)

Q.「103万円の壁」はなくなったのですか?

A. 所得税については、2025年の改正で非課税となる目安が103万円から160万円に引き上げられました。扶養内パートの年収帯では、実質的に「160万円の壁」に置き換わったと考えてよいでしょう。ただし配偶者控除や社会保険には別の基準があり、すべての壁がなくなったわけではありません。

Q. 月8万8,000円を超えると必ず社会保険に入るのですか?

A. 2026年6月時点では、週20時間以上・従業員51人以上の勤務先など一定の条件をすべて満たす場合に加入対象となります。条件を満たさない小規模な事業所では、月8.8万円を超えても直ちに加入とは限りません。ただし賃金要件は2026年10月めどに撤廃予定で、対象は今後広がる見込みです。

Q. 年収130万円を一度超えたら、すぐ扶養から外れますか?

A. 残業など一時的な理由で超えた場合は、事業主の証明があれば原則として連続2回までは扶養を続けられる特例があります。継続的に130万円を超える見込みなら、扶養から外れる手続きが必要です。判定方法は加入している健康保険組合によって異なるため、勤務先や保険者に確認しましょう。

Q. 大学生の子どもはいくらまで働けますか?

A. 19歳以上23歳未満の場合、新設された特定親族特別控除により、給与年収150万円までは親が満額63万円の控除を受けられます。社会保険の扶養基準も150万円未満に緩和されているため、以前より働きやすくなっています。

Q. 配偶者控除はいくらまで受けられますか?

A. 配偶者の給与年収が123万円以下なら満額38万円の配偶者控除、123万円超160万円以下なら配偶者特別控除として満額38万円が受けられます(扶養者本人の所得が900万円以下の場合)。約201万円を超えると控除はなくなります。

年収の壁 早見表(2025年改正に対応)

結論として、壁は「税金の壁」と「社会保険の壁」に分かれます。下の早見表で、金額・何が起きるか・誰に影響するかを確認してください。

区分 壁の金額 超えると何が起きる 誰に影響
所得税(本人) 160万円 本人に所得税がかかり始める(2025年改正で103万円から引上げ) 働く本人
住民税(本人) 約110万円 本人に住民税がかかり始める。基準は自治体で異なる 働く本人
配偶者控除 123万円 満額の配偶者控除(38万円)の対象外になり、配偶者特別控除へ移行 扶養する側
配偶者特別控除 160万円・約201万円 160万円で減り始め、約201万円で控除がゼロに 扶養する側
社会保険(106万円) 106万円 要件を満たすと勤務先の社会保険に加入。賃金要件は2026年10月めど撤廃予定 働く本人
社会保険(130万円) 130万円 扶養を外れ自分で社会保険に加入。一時的な超過は事業主証明で連続2回まで扶養継続が可能 働く本人

スタッフに説明する一言:「税金の壁は手取りが少し減るだけ。手取りが大きく逆転しやすいのは社会保険の106万円・130万円です」と伝えると誤解を防げます。

一次情報:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等」(2025年・https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm )/厚生労働省「年収の壁への対応」(2025年・https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html )。

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まとめ

2025年の税制改正と社会保険の見直しで、年収の壁は大きく動きました。ポイントは次の5点です。(1)所得税の壁が103万円から160万円へ、(2)住民税は約110万円、(3)配偶者控除は123万円・配偶者特別控除は160万円まで満額、(4)社会保険の106万円の壁は2026年10月めどに撤廃予定、(5)130万円の壁には一時的増収の特例がある。古い「103万円」「150万円」の感覚のままだと、必要以上に働き方を抑えてしまうおそれがあります。最新の壁を踏まえて、ご自身に合った働き方を選びましょう。

介護・福祉の現場では、扶養内のパートから社会保険ありの働き方まで、幅広い求人があります。「自分に合う働き方を相談したい」「扶養の範囲で働ける求人を見たい」という方は、お気軽にご相談ください。

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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。最新の制度は公式情報をご確認ください。