介護職の転職活動では、履歴書とあわせて「職務経歴書」の提出を求められることが多くあります。職務経歴書とは、これまでの経験やスキルを採用担当者に伝え、「自社で活躍してくれそう」と感じてもらうための書類です。とはいえ、何を・どの順番で・どこまで具体的に書けばよいのか迷う方は少なくありません。この記事は、転職で職務経歴書を作成する介護職の方に向けて書いています。基本構成から、そのまま書き込める記載例ひな形、施設形態別の書き分け、自己PRや志望動機の例文までを、2026年7月時点の最新情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 職務経歴書と履歴書の違いと、職務経歴書の基本ルール(A4・1~2枚)
- 介護職の職務経歴書を構成する5つの要素と書き方
- そのまま書き込める記載例ひな形(穴埋め式)
- 特養/デイ/訪問/グループホームなど施設形態別の書き分けのコツ
- 未経験・ブランクがある場合の書き方
- そのまま使える自己PR・志望動機の例文
職務経歴書とは?履歴書との違い
履歴書と職務経歴書は、伝える内容が異なります。履歴書は、氏名・学歴・職歴・保有資格といった「基本的なプロフィール」を伝える書類です。一方、職務経歴書は「これまでどのような仕事をして、どんなスキルを身につけたか」を具体的に伝え、自分を応募先にアピールするための書類です。採用担当者は職務経歴書を通じて、応募者が求める人材像に合っているか、即戦力になりそうかを判断します。
つまり、履歴書が事実の一覧なら、職務経歴書はその中身を掘り下げて「自社で活かせる経験か」を示す書類です。両方を提出する場合は、志望動機や自己PRの方向性に一貫性を持たせましょう。ただし、まったく同じ文章のコピーにはしないことがポイントです。
職務経歴書の基本ルール
作成を始める前に、押さえておきたい基本ルールを確認しましょう。
- 用紙はA4サイズで1~2枚にまとめる(多くても3枚以内)。情報を詰め込みすぎず、読みやすさを優先します。
- パソコン作成がおすすめ。情報量が多くても見やすく、修正も容易で、PCスキルのアピールにもなります。手書きの場合は丁寧な字で、誤字があれば書き直します。
- 勤務先名・資格は正式名称で書く。「(株)」などの略称は避け、施設の公式サイトなどで正式名称を確認します。
- 具体的な数字を盛り込む。利用者数や定員、経験年数などを数字で示すと、経験の規模が伝わります。
職務経歴書を構成する5つの要素
介護職の職務経歴書は、おおむね次の5つの要素で構成します。経歴を時系列に並べる「編年体形式」が一般的です。ただし、転職回数が多い方や異業種からの転職の方は、職種・業務ごとにまとめる「キャリア形式」も選べます。
| 構成要素 | 書く内容 |
|---|---|
| 職務要約 | これまでの経歴を3~4行で端的にまとめる。略歴と主な経験を示し、続く本文の理解を助ける |
| 職務経歴 | 勤務先名・在籍期間・雇用形態・事業内容・利用者数や定員・役職・担当業務・実績を具体的に記載 |
| 保有資格 | 介護福祉士などの資格を取得年月とともに、業務との関連が深い順に記載 |
| 活かせる経験・スキル | 介護技術やレクリエーション、PCスキルなどアピールできる能力を箇条書きで整理 |
| 自己PR・志望動機 | 強みや仕事への姿勢、応募先で活かせる点、今後のキャリアプランを記載 |
職務要約
職務要約は、冒頭に置く経歴のダイジェストです。採用担当者が最初に目を通す部分なので、第一印象を左右します。経験年数・施設形態・主な役割を簡潔にまとめましょう。記載例は次のとおりです。「特別養護老人ホームで5年間、身体介護を中心に従事し、ユニットリーダーとして新人指導も担当しました」。
職務経歴
職務経歴は、最も重要なパートです。勤務先ごとに、以下のような情報を具体的に書きます。
- 施設の概要:施設形態(特養・デイ・訪問など)、定員や利用者数、ユニット型か従来型かなど
- 担当業務:食事・入浴・排せつ介助、移乗、見守り、レクリエーション、記録、家族対応など
- 役職・役割:リーダー、フロア担当、新人指導、委員会活動など
- 実績・工夫:数字や具体的なエピソードで示す(例:引き継ぎチェックリストを作成し、申し送りミスを削減)
「介護職として勤務」とだけ書くのは避けましょう。読み手が働く様子をイメージできる粒度で書くのがコツです。たとえば、次のような書き方です。「入所定員50名の従来型特養で、認知症フロア(20名)を担当し、生活介助・見守り・ご家族への状況説明を行っていました」。
保有資格
保有資格は、取得年月とともに業務関連の深い順に記載します。介護福祉士、社会福祉士、介護福祉士実務者研修、介護職員初任者研修などが対象です。普通自動車運転免許も、送迎のある職場では評価されるため忘れずに書きましょう。アピールにつながりやすい主な資格は次のとおりです。
- 介護福祉士/実務者研修/初任者研修
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 社会福祉士/精神保健福祉士
- 認知症ケア専門士/福祉用具専門相談員/福祉住環境コーディネーター など
活かせる経験・スキル
業務に役立つ能力を箇条書きで整理します。応募先で求められそうなものを優先して並べましょう。たとえば「認知症の方への対応経験」「看取りケアの経験」「レクリエーションの企画・運営」「記録ソフトの入力」「新人スタッフの指導」などです。
自己PR・志望動機
自己PR・志望動機では、強みや仕事への姿勢を、過去の具体的なエピソードとともに伝えます。応募先の理念や特徴を調べ、「求める人材像」と「自分の強み」が重なる部分を中心に書くと説得力が増します。さらに、「身につけた強みを今後どう活かしたいか」というキャリアプランまで触れると、長く働く意欲が伝わります。介護の仕事と関係の薄いエピソードは避け、身体介護や利用者対応に結びつく内容に絞りましょう。
そのまま書き込める記載例ひな形
結論から言うと、白紙から書くよりも穴埋め式のひな形を使うほうが早く・抜け漏れなく仕上がります。次の項目を順番に埋めていけば、そのまま職務経歴書の下書きになります。カッコ内はあなたの情報に置き換えてください。
| 項目 | 記入ひな形 |
|---|---|
| 職務要約 | (施設形態)で(経験年数)、(担当業務)を中心に従事。(役職・役割があれば追記)。 |
| 勤務先 | (法人名・施設名)(正式名称)/(所在地の市区町村まででも可) |
| 在籍期間 | (西暦年月)~(西暦年月)(在職中の場合は「現在に至る」) |
| 雇用形態 | 正社員/契約社員/パート・アルバイト/派遣 のいずれか |
| 施設概要 | (施設形態)/定員(人数)名/(ユニット型・従来型などの別) |
| 担当業務 | (食事・入浴・排せつ介助、移乗、見守り、レクリエーション、記録、家族対応等から該当項目) |
| 実績・工夫 | (取り組んだこと)を行い、(結果・数字)につながった |
| 保有資格 | (資格名・正式名称)(取得年月) |
「実績・工夫」欄は、介護職では数字化しにくいと感じる方が多い部分です。売上のような数字がなくても、「新人指導を年間3名担当」「レクリエーションを月2回企画」「ヒヤリハット報告書の書式を見直し、記入漏れを削減」のように、頻度・人数・取り組みの前後変化を書けば十分に具体性が出ます。まずは箇条書きで思いつく限り書き出し、そこから応募先に合う実績を選んで文章化する進め方がおすすめです。
施設形態別の書き分けポイント
同じ介護職でも、施設形態によって求められる経験は異なります。応募先に合わせて、アピールする経験を選び取りましょう。
| 施設形態 | アピールしたい経験・強み |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 要介護度の高い方への身体介護、ユニット型/従来型の別、看取りやチームケアの経験 |
| デイサービス(通所介護) | レクリエーションの企画・運営、送迎、限られた時間での効率的なケア、機能訓練の補助 |
| 訪問介護 | 在宅での生活援助・身体介護、ご家族との連携、一人で判断し対応する力 |
| グループホーム | 認知症ケアの専門性、少人数での寄り添い、家庭的な生活支援や役割づくり |
特養の経験を書くときは「ユニット型」か「従来型」かを明記しましょう。どんな働き方をしてきたかが伝わります。訪問介護なら、その形態ならではのエピソードを添えると効果的です。たとえば「ご家族と頻繁に連絡を取り、要望に沿った在宅支援を行った」などです。
未経験・ブランクがある場合の書き方
介護未経験の方は、前職で培った力を介護の仕事と結びつけてアピールしましょう。接客業で身につけたコミュニケーション力や臨機応変な対応力、事務職で培った正確な記録・管理能力などは、介護現場でも十分に活かせます。あわせて、介護に興味を持ったきっかけや、仕事に対する価値観を書くと、人柄や意欲が伝わります。
ブランクがある方も心配は不要です。職務経歴書には働いていた期間だけを書けばよく、無業期間を細かく説明する必要はありません。出産・育児などライフスタイルの変化で離職する方は介護職に多く、空白期間だけでマイナス評価になることはほとんどありません。ブランク中に研修受講やボランティアなどの活動があれば、それを書き添えるとプラスに働きます。なお、在籍期間が短い職歴でも、省略せずすべて記載するのが原則です。
働きながら転職活動を進める方は、書類作成や面接日程の調整にも工夫が必要です。詳しくは在職中の転職活動の進め方もあわせてご覧ください。
自己PR・志望動機の例文
そのまま参考にできる例文を、ケース別に紹介します。固有のエピソードや数字を自分のものに置き換えて活用してください。
例1:デイサービスに応募する場合
「前職の有料老人ホームでは、職員同士の役割分担とチームワークが質の高いケアにつながると考え、独自の引き継ぎチェックリストを作成して施設全体で共有しました。その結果、申し送りの抜け漏れが減り、業務がスムーズに回るようになりました。デイサービスは利用者様と関われる時間が限られる分、段取り力や効率化が求められると考えています。これまで培った業務改善の視点を活かし、限られた時間でも一人ひとりに丁寧に向き合うケアを実践していきたいです。」
例2:訪問介護に応募する場合(経験者)
「有料老人ホームで4年、訪問介護で3年、計7年にわたり介護職に携わってきました。私が大切にしているのは、利用者様とご家族との信頼関係づくりです。訪問介護では、ご家族と頻繁に連絡を取りながらその日の支援内容を決め、ご要望に沿って自立した生活を後押しするお手伝いをしてきました。在宅では一人で判断する場面も多く、状況に応じて柔軟に対応する力が身につきました。貴事業所でも、ご家族に安心していただける在宅支援を続けていきたいと考えています。」
例3:介護未経験で応募する場合
「これまで7年間、接客業に携わってきました。その中で培ったコミュニケーション力と、お客様の要望をうかがって複数の提案を即座に示す判断力が私の強みです。介護は未経験ですが、相手の声に耳を傾け、状況に合わせて臨機応変に動く力は介護の現場でも必ず役立つと考えています。介護職員初任者研修の受講を予定しており、早く知識と技術を身につけて、利用者様に寄り添えるよう努めてまいります。」
提出前のチェックと面接準備
書き上げたら、時間をおいて採用担当者の視点で読み返しましょう。強調したいポイントが伝わるか、文章量は適切か、誤字脱字はないかを確認します。退職理由を書く場合は、簡潔にとどめましょう。「契約期間満了につき退職」「一身上の都合により退職」など、できるだけ前向きな表現を心がけます。
職務経歴書は面接の話題にもつながります。書いた内容は面接で深掘りされる前提で準備しておくと安心です。よく聞かれる質問への備えは介護職の面接でよく聞かれる質問を、応募先とのやり取りで日程変更が必要になったときは面接日程の調整メールの書き方を参考にしてください。
採用担当者が見るポイントとNG例
同じ経歴でも、書き方ひとつで印象は大きく変わります。結論から言うと、採用担当者は「自施設で何ができる人か」を具体的に読み取ろうとします。抽象的な表現を避け、行動と結果で示すことが通過率を上げる近道です。提出前に、次の視点で読み返しましょう。
採用担当者が特に見る点
- 定着しそうか:転職理由が前向きか、長く働く意欲が伝わるか
- 即戦力か:担当した利用者層・介助内容が応募先と近いか
- チームで動けるか:申し送りや家族対応、委員会など連携の経験
- 具体性があるか:定員・人数・年数などの数字が入っているか
よくあるNG例と改善のしかた
| NG例 | 改善後の書き方 |
|---|---|
| 介護職として勤務していました | 入所定員50名の従来型特養で、認知症フロア20名の生活介助・見守りを担当 |
| コミュニケーションが得意です | ご家族へ週1回状況を報告し、苦情ゼロで信頼関係を維持しました |
| 前職は人間関係が合わず退職 | より専門的な認知症ケアに携わりたく、退職して転職活動を開始 |
| 頑張りました/努力しました(抽象表現のみ) | 引き継ぎチェックリストを作成し、申し送りの抜け漏れを削減しました |
マイナスの転職理由をそのまま書くのは避けましょう。事実を前向きな言葉に置き換えるのがコツです。また、応募先と無関係な経験を並べると焦点がぼやけます。応募先で活かせる経験に絞って書きましょう。
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まとめ
介護職の職務経歴書は、A4で1~2枚にまとめます。職務要約・職務経歴・保有資格・活かせる経験スキル・自己PRの5要素で構成するのが基本です。施設形態や利用者数、担当業務、実績を具体的な数字とともに書きましょう。応募先に合わせて経験を選び取ることが、採用担当者に「自社で活躍してくれそう」と感じてもらう近道です。未経験やブランクがあっても、前職で培った力や意欲を結びつけて伝えれば十分にアピールできます。記載例ひな形と例文を土台に、あなたらしい一枚を仕上げて転職を成功させましょう。
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