この記事は、退職・転職で失業手当の金額や手続きが気になる方に向けたものです。読めば、金額の決まり方・最新の上限額・もらえる日数・申請の流れが分かります。失業手当(雇用保険の基本手当。失業中の生活を支える給付)は、収入が途切れる不安を和らげ、安心して再就職活動ができるよう支給されます。金額は人によって異なります。上限額は毎年8月1日に改定されるため、最新の数値を確認しておくことが欠かせません。情報は2026年7月時点の最新内容です。
記事でわかること
この記事でわかること
- 失業手当(雇用保険の基本手当)の受給要件
- 失業手当の金額の決まり方(給付率と賃金日額)
- 2025年8月1日改定の基本手当日額の上限額・下限額
- もらえる日数(所定給付日数)の早見表
- 2025年4月から変わった給付制限のルール
- 失業手当のもらい方(申請の流れ)
失業手当(雇用保険の基本手当)とは
失業手当とは、正式には「雇用保険の基本手当」と呼ばれる給付です。雇用保険に加入していた方が離職して失業状態にあるとき、再就職までの生活を支えるために支給されます。受給には条件があります。働く意思と能力があり、求職活動をしているにもかかわらず職に就けない状態であることが前提です。病気やケガ、出産・育児などですぐに働けない場合は対象になりません。すでに就職・転職が決まっている場合も同様です。
受給するための要件
失業手当を受け取るには、被保険者期間の条件を満たす必要があります。原則として、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あることが必要です。ただし、会社都合で離職した「特定受給資格者」や、雇い止めなどの「特定理由離職者」は条件が緩やかです。これらに該当する場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上あれば受給資格を得られます。介護職のように転職や施設の移り変わりが多い働き方でも、被保険者期間は通算できます。複数の職場を合算して要件を満たせるケースもあります。
失業手当の金額はどう決まる?
失業手当の1日あたりの金額を「基本手当日額」といいます。これは、離職前の賃金をもとに計算する「賃金日額」に給付率をかけて求めます。賃金日額とは、離職直前6カ月間に支払われた賃金(賞与を除く)の合計を180で割った金額です。
給付率はおおむね50〜80%
基本手当日額は、賃金日額のおおむね50〜80%(60歳以上65歳未満は45〜80%)です。賃金が低かった方ほど給付率が高くなる仕組みです。生活への影響が大きい人ほど手厚く支えられるよう設計されています。逆に、在職中の給料が高かった人ほど給付率は下がります。上限額が設けられている点にも注意が必要です。
2025年8月1日改定の基本手当日額の上限額・下限額
基本手当日額には年齢区分ごとに上限額があり、毎年8月1日に平均給与額の変動に応じて改定されます。2025年(令和7年)8月1日からの最新の上限額・下限額は以下のとおりです。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限額 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,255円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,055円 |
| 45歳以上60歳未満 | 8,870円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,623円 |
下限額は年齢にかかわらず2,411円です(2025年8月1日改定)。この改定は、令和6年度の平均給与額が前年度より約2.7%上昇したことなどを反映したものです。前年より上限額・下限額ともに引き上げられました。次回の改定は2026年8月の見込みです。8月前後に申請する方は、特に最新の数値を確認してください。
失業手当をもらえる日数(所定給付日数)
失業手当が支給される日数を「所定給付日数」といいます。離職理由・年齢・被保険者であった期間によって決まります。会社都合で辞めた方のほうが、自己都合で辞めた方より手厚くなるのが特徴です。
自己都合・定年などで離職した方
自己都合退職や定年退職など、下記2・3以外の理由で離職した場合の所定給付日数です。年齢にかかわらず一律です。
| 被保険者であった期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合などで離職した方(特定受給資格者・一部の特定理由離職者)
倒産・解雇など会社都合で離職した特定受給資格者や、一部の特定理由離職者は、所定給付日数が手厚くなります。年齢と被保険者期間に応じて以下のように決まります。
| 年齢/被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
障害のある方など就職困難者
障害者手帳をお持ちの方など、就職が困難と認められる方(就職困難者)は、さらに長い日数が設定されています。45歳未満は、被保険者期間1年未満で150日、1年以上で300日です。45歳以上65歳未満は、1年以上で360日となります。
2025年4月から変わった給付制限のルール
自己都合で退職した場合、すぐには失業手当を受け取れない期間があります。申請後の待期期間(7日間)が満了しても、しばらく受給できないのです。これを「給付制限」といいます。会社都合(倒産・解雇など)で離職した場合には、この給付制限はありません。
給付制限期間が原則2カ月から1カ月へ短縮
2025年(令和7年)4月1日以降に離職した方は、給付制限期間が短くなりました。正当な理由がない自己都合退職であっても、原則1カ月に短縮されています。改正前は原則2カ月でしたので、再就職活動の負担が軽くなりました。ただし、給付制限が3カ月となる場合もあります。離職日からさかのぼって5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けた場合や、重大な理由による解雇(重責解雇)の場合です。
教育訓練を受けると給付制限が解除される
さらに2025年4月以降は、教育訓練による給付制限の解除も始まりました。リ・スキリング(学び直し)のために自ら教育訓練等を受けた(受けている)場合、給付制限が解除され、すぐに失業手当を受給できるようになりました。学び直しを通じて再就職を目指す方を後押しする改正です。介護分野の資格取得やスキルアップを考えている方にも追い風となります。
失業手当のもらい方(申請の流れ)
失業手当の手続きは、住所地を管轄するハローワークで行います。大まかな流れは次のとおりです。
- 離職後、勤務先から「離職票」を受け取る
- ハローワークで求職の申込みを行い、離職票などを提出する
- 受給資格の決定を受け、7日間の待期期間を過ごす
- 雇用保険受給者初回説明会に参加する
- 原則4週間に1度の「失業認定」を受け、求職活動の実績を報告する
- 認定後、指定の口座に基本手当が振り込まれる
手続きには、マイナンバーカードや本人確認書類、写真、本人名義の預金通帳などが必要です。離職票が届かない、内容が違うといった場合は、早めに勤務先やハローワークに相談しましょう。なお、退職にともなう社会保険や扶養の手続きも気になるところです。働き方と収入のバランスについては扶養はいくらまで働けるかを解説した記事や、パートの社会保険の加入条件をまとめた記事もあわせてご覧ください。また、将来受け取る年金について知りたい方は国民年金と厚生年金の違いを解説した記事が参考になります。
申請でやりがちな失敗と、損しないためのチェックリスト
失業手当は、知らないと受給が遅れたり減ったりします。先に「つまずきやすい点」を押さえておくと安心です。退職前後に確認したいポイントを整理しました。
| ありがちな失敗 | どうなる | 回避のアクション |
|---|---|---|
| 離職票が届くのを待ち、申請が遅れる | 受給開始が後ろにずれる | 退職後10日前後で届かなければ勤務先・ハローワークに催促する |
| 5年内に2回目以降の自己都合退職 | 給付制限が3カ月に延びる | 転職の間隔と退職理由を事前に確認する |
| 失業認定日に求職活動実績がない | その期間が不認定になる | 認定日までに求人応募・相談など実績を作る |
| すぐ働ける状態でないのに申請 | 受給対象外になる | 傷病・出産時は受給期間の延長手続きを使う |
退職前に確認したい自己点検リスト
- 離職の日以前2年間(会社都合は1年間)の被保険者期間が足りているか
- 離職票の離職理由・賃金の記載が事実と合っているか
- 扶養や社会保険の切り替えで保険料の負担が増えないか
- 学び直し(教育訓練)で給付制限の解除が使えないか
離職理由は給付制限や日数に直結します。離職票の理由欄に納得できないときは、署名前にハローワークへ相談しましょう。詳しい要件や手続きは厚生労働省の雇用保険制度の案内でも確認できます。
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まとめ
失業手当(雇用保険の基本手当)の金額は、離職前の賃金をもとにした賃金日額のおおむね50〜80%で決まり、年齢ごとの上限額が設けられています。2025年8月1日改定の基本手当日額の上限額は、30歳未満7,255円・30歳以上45歳未満8,055円・45歳以上60歳未満8,870円・60歳以上65歳未満7,623円、下限額は2,411円です。もらえる日数は離職理由・年齢・被保険者期間で変わり、会社都合のほうが手厚くなります。2025年4月からは自己都合退職の給付制限が原則1カ月に短縮され、教育訓練を受けると給付制限が解除されるなど、再就職を後押しする改正も行われました。金額や日数の詳細は、お住まいの地域のハローワークで最新の情報を確認しながら、安心して次のステップへ進んでください。
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参考(一次情報)
- 厚生労働省「令和7年8月1日からの基本手当日額等の適用について」(上限額・下限額の原典)
- 厚生労働省「雇用保険制度」(受給要件・給付制限など制度全般の案内)
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