「介護は派遣の方が自分には合っているのかな?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。働き方については、合う合わないは人によって変わります。時間や働き方の自由を優先したい人には派遣がいい一方、安定を重視する人には正社員が合うからです。
この記事では、正社員との年収比較や向き不向きの診断を通して、あなたにとって派遣がいいかを判断できるようにします。ぜひ働き方を検討する上で参考にしてみてください。
- 派遣が向いているかどうかの自己診断
- 派遣と正社員の年収シミュレーション(ヘルパー・介護福祉士)
- 「派遣の方がいいケース」と「正社員が向くケース」の見極め方
記事でわかること
介護は派遣の方がいい?まず3つの質問で自己診断
派遣が向いているかは、次の3つの質問で大まかに分かります。当てはまる数が多いほど、介護は派遣の方がいいタイプです。
- ボーナスより、毎月の手取りや自由な時間を優先したい
- 同じ職場に何年も縛られず、働く場所や期間を自分で選びたい
- 勤務日・勤務時間を自分の生活に合わせて決めたい
3つとも当てはまるなら、派遣の働き方が強みになります。1つも当てはまらず「安定して長く勤めたい」が本音なら、正社員の方が向いています。まずはこの感覚を持ったうえで、次の具体的な比較を見てください。
派遣と正社員を数字で比較|年収シミュレーション
「派遣の方がいい」と判断するには、実際の収入を知るのが近道です。都市部でフルタイム勤務した場合を例に、無資格~初任者研修の一般的なヘルパーと、介護福祉士の2パターンでモデル試算しました。
派遣は週5日・1日8時間(月168時間)勤務で、時給をヘルパー1,400円・介護福祉士1,600円と想定しました。正社員は厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」の平均給与(月収)をもとにしています。ヘルパー約30万円、介護福祉士約35万円が目安です。いずれも一例で、地域や職場で変わります。
一般的なヘルパー(無資格~初任者研修)の場合
| 項目 | 派遣(フルタイム) | 正社員 |
|---|---|---|
| 毎月の給与(額面) | 約23.5万円 | 約24万円 |
| 賞与 | 基本なし | あり(年約70万円) |
| 年収の目安 | 約282万円 | 約360万円 |
介護福祉士の場合
| 項目 | 派遣(フルタイム) | 正社員 |
|---|---|---|
| 毎月の給与(額面) | 約26.9万円 | 約28万円 |
| 賞与 | 基本なし | あり(年約80万円) |
| 年収の目安 | 約323万円 | 約420万円 |
ポイントは、毎月の給与だけ見ると派遣と正社員の差は小さいことです。一方で、賞与のある正社員は年収で上回りやすくなります。ただし派遣でも時給が高い求人や夜勤中心の働き方なら、差はぐっと縮まります。なお働く時間の自由度は、資格にかかわらず派遣の方が高い傾向です。
また、無資格より介護福祉士の方が、派遣・正社員のどちらも収入は上がります。働きながら資格を取ることで、収入アップも目指せます。
「毎月しっかり稼ぎつつ自由も欲しい」なら派遣、「年収の総額と安定を取りたい」なら正社員が向いています。時給の相場は資格で変わり、厚生労働省の同調査をもとにすると無資格が約1,330円、介護福祉士は約1,600円が目安です。
介護で「派遣の方がいい」と言える5つのケース
ここからは、派遣が特に力を発揮する具体的な場面を紹介します。自分の状況に近いものがあるか確認してみてください。
1. 子育てや家族の介護と両立したいとき
勤務日や時間を契約で決められるため、家庭の予定に合わせやすい働き方です。「平日の昼だけ」「週3日だけ」といった条件も、最初から希望として出せます。
2. ブランク明けで、まず様子を見たいとき
数年ぶりの復帰でいきなり正社員は不安、という場合に向いています。契約期間があるので、職場や自分の体力を確かめながら無理なく再スタートできます。
3. いろいろな職場を経験して、合う場所を探したいとき
派遣なら特養・老健・デイサービスなど、複数の施設形態を短期間で経験できます。自分に合う職場や利用者層を知ったうえで、腰を据える場所を選べます。
4. 副業やダブルワークをしたいとき
残業がほぼなく勤務時間が読めるため、他の仕事と組み合わせやすい働き方です。曜日を絞って介護派遣に入り、別日に副業という形も取りやすくなります。
5. 短期間で集中的に稼ぎたいとき
時給が高く、夜勤を組み合わせれば効率よく収入を得られます。目標額まで一気に働き、区切りをつけるといった稼ぎ方にも向いています。
逆に正社員の方がいいケース
公平に見ると、派遣が向かない人もいます。次のような希望が強い場合は、別の働き方を検討した方が後悔しません。
- リーダーや管理職を目指し、キャリアを上げていきたい
- 住宅ローンなど、雇用の安定した社会的信用が必要
- 賞与や退職金を積み上げて、老後の資金を準備したい
- とにかく1つの職場で腰を据えて長く働きたい
これらに当てはまるなら、正社員が向いています。派遣と正社員は優劣ではなく、何を優先したいかで選択したほうが良いです。
「介護派遣はやめとけ」は本当?よくある誤解を検証
ネットで「派遣はやめとけ」という声を見て不安になる方もいます。ただ、その多くは誤解や古い情報です。代表的な3つを検証します。
誤解1:収入が不安定でボーナスもないから損
派遣は賞与がない代わりに、その分が時給へ上乗せされる仕組みです。2020年施行の「同一労働同一賃金」により、派遣スタッフの待遇は法律で守られています。毎月の給与で受け取るか賞与で受け取るかの違い、と考えると分かりやすいです。
誤解2:派遣ではスキルが上がらない
むしろ逆で、複数の職場を経験することで介護技術の引き出しは増えます。派遣会社によっては、初任者研修や実務者研修の取得支援制度もあり、働きながらスキルアップを目指せます。
誤解3:派遣から正社員にはなれない
なれます。「紹介予定派遣」を使えば、一定期間派遣で働いた後に直接雇用へ切り替えられます。実際に働いて職場を確かめてから正社員になれるので、ミスマッチを防げる仕組みです。
年代・ライフステージ別|派遣が向いているのはどんな時期?
派遣が力を発揮する時期は、年代によっても変わります。今の自分に近い項目を参考にしてください。
20代:経験の幅を広げたい時期
いろいろな施設で働き、自分に合う分野を見極めるのに向いています。派遣で経験を積んでから、正社員として腰を据える進み方もできます。
30~40代:仕事と家庭を両立したい時期
子育てや家族の介護と重なりやすく、勤務日を選べる派遣の強みが生きます。ブランクからの復帰にも使いやすい働き方です。
50代以降:負担を抑えて働きたい時期
夜勤なし・日勤のみなど、体力に合わせて条件を絞れます。フルタイムにこだわらず、無理のないペースで介護の経験を活かせます。
後悔しない介護派遣の選び方3ステップ
「派遣がよさそう」と思えたら、次の3ステップで進めると失敗しにくくなります。
ステップ1:条件の優先順位を決める
時給・勤務地・曜日・夜勤の有無など、何を最優先するかを先に整理します。すべてを満たす求人は少ないため、順位づけが大切です。
ステップ2:複数の派遣会社を比べる
会社によって求人の傾向や担当者の対応は変わります。2~3社に登録して比べると、自分に合う一社が見つかります。派遣会社選びは介護派遣会社6社を実際に比較した記事を参考にしてみてください。
ステップ3:職場見学をしてから決める
可能なら就業前に職場を見学し、雰囲気やスタッフの人数を確認します。事前に見ておくと、入ってからのミスマッチを大きく減らせます。派遣で得られるメリットの詳細は介護派遣のメリットを7つ解説した記事にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 介護は派遣と正社員、どっちがいいですか?
一概には言えず、優先したいもので変わります。毎月の収入と働く時間の自由を重視するなら派遣、年収の総額と雇用の安定を重視するなら正社員が向いています。まずは自分が何を優先したいかを整理するのがおすすめです。
Q2. 未経験・無資格でも派遣で働けますか?
働けます。無資格・未経験可の派遣求人もあり、施設系や通所系なら資格がなくても始められます。働きながら介護職員初任者研修を取れば、時給も選べる求人も増えます。仕事の探し方は無資格・未経験からの探し方の記事で解説しています。
Q3. 派遣は扶養内でも働けますか?
働けます。勤務日数や時間を調整すれば、年収を扶養の範囲に収めることも可能です。ただし社会保険の加入条件に関わるため、契約前に派遣会社の担当者へ希望を伝えて確認しておくと安心です。
まとめ|”自分の優先順位”で決めれば介護は派遣が良い選択になる
介護は派遣の方がいいか、判断の要点は次の3つです。
- 毎月の収入と時間の自由を優先するなら派遣が向いている
- 年収の総額と雇用の安定を取るなら正社員が向いている
- 「やめとけ」の多くは誤解で、派遣から正社員への道もある
大切なのは、他人の意見ではなく自分が何を優先したいかです。それが決まれば、介護派遣はあなたらしく働ける良い選択肢になります。まずは求人を眺めて、時給や条件の相場感をつかむところから始めてみましょう。
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