福祉用具販売・貸与(レンタル)とは?福祉用具の種類や仕事内容、働くために必要な資格を詳しく解説!

福祉用具販売・貸与(レンタル)とは?福祉用具の種類や仕事内容、働くために必要な資格を詳しく解説!

結論から言うと、介護保険の福祉用具サービスは「福祉用具貸与(レンタル)」と「特定福祉用具販売(購入)」の2本立てで、車いすや特殊寝台は原則レンタル、腰掛便座や入浴補助用具は購入という形で使い分けます。この記事は、これから福祉用具を使い始める要介護・要支援の方やその家族、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員として説明する立場の方に向けた内容です。対象品目・自己負担・利用の流れに加え、2024年4月に始まった「貸与か購入かを選べる選択制」の仕組みまで、2026年7月時点の最新情報で整理しました。まず全体像をつかみたい方は次の一覧から読み進めてください。

この記事でわかること

  • 介護保険の福祉用具サービス(貸与・販売)の全体像
  • 福祉用具貸与の対象13種目と要介護度による給付制限
  • 特定福祉用具販売の対象品目と年間10万円の上限
  • 2024年4月に始まった「選択制」の対象品目と仕組み
  • 自己負担の割合と、相談から利用開始までの流れ

介護保険の福祉用具サービスとは

福祉用具サービスとは、身体の状態や生活環境に合った福祉用具を整える介護保険のサービスです。要介護者や要支援者が自立した日常生活を送れるよう支えます。具体的には、用具の選定・調整・使用方法の説明などを行います。福祉用具は、日常生活の便宜を図り、機能訓練に役立てるための用具と位置づけられています。

福祉用具サービスは、大きく2つに分かれます。「福祉用具貸与(レンタル)」と「特定福祉用具販売(購入)」です。扱いは用具の性質によって分けられています。心身の状態に応じて適切な用具に交換できるものは、原則レンタルです。入浴や排泄に使い再利用しにくいものは購入となります。サービスの利用には、ケアマネジャー(介護支援専門員)や福祉用具専門相談員が関わり、利用者に合った用具を提案します。

福祉用具貸与(レンタル)の対象13種目

福祉用具貸与は、厚生労働大臣の告示で対象となる種目が定められています。原則としてレンタルで提供されるサービスです。心身の状態や用具の機能向上に合わせ、常に適切なものを利用できるようにする狙いがあります。対象は次の13種目です。

  • 車いす
  • 車いす付属品
  • 特殊寝台
  • 特殊寝台付属品
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 手すり(工事を伴わないもの)
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト(つり具の部分を除く)
  • 自動排泄処理装置

要介護度による給付制限に注意

福祉用具貸与には、要介護度が軽い人には原則として給付されない種目があります。これは給付を適正化するための仕組みです。軽度者の状態像から見て、一般に必要性が低いと考えられる用具が対象になります。

区分 対象となる主な種目 原則として給付対象となる要介護度
原則要介護2~5 車いす・車いす付属品・特殊寝台・特殊寝台付属品・床ずれ防止用具・体位変換器・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト 要介護2~5
原則要介護4~5 自動排泄処理装置 要介護4・要介護5
制限なし 手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ 要支援1~要介護5

ただし、上記の制限がある種目でも例外があります。医師の意見やケアマネジャーの判断などにより、一定の条件を満たすと給付が認められる場合があります。要介護度の考え方については要介護度の記事もあわせてご確認ください。

特定福祉用具販売(購入)の対象品目と上限

特定福祉用具販売は、再利用が難しい用具を対象とした購入のサービスです。入浴や排泄に使うため、他人が使ったものに心理的な抵抗が伴うものが含まれます。使ううちに形や品質が変わって再利用しにくいものも対象です。対象品目は次のとおりです。

  • 腰掛便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部品
  • 排泄予測支援機器
  • 入浴補助用具
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部分

購入できる金額には上限があります。毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間で、10万円までが支給限度基準額です。この範囲では、自己負担分(所得に応じて1~3割)を除いた費用が介護保険から支給されます。10万円を超えた分は全額自己負担です。

支払い方法は「償還払い」が基本です。いったん利用者が全額を支払い、後から保険給付分の払い戻しを受ける方法です。自治体によっては「受領委任払い」を選べる場合もあります。これは自己負担分のみを支払う方法です。なお保険給付の対象となるのは、都道府県等の指定を受けた事業者から購入した場合に限られます。

2024年4月から始まった福祉用具の選択制

2024年(令和6年)4月1日から、福祉用具の「選択制」が導入されました。比較的廉価で長期利用が見込まれる一部の用具が対象です。利用者が貸与(レンタル)か購入(販売)かを選べる仕組みです。これは利用者の負担を軽減しつつ、制度の持続可能性を確保するための見直しです。適時・適切な利用と安全を確保する狙いもあります。

選択制の対象となる品目

選択制の対象は、次の品目です。同じ名称でも、車輪付きのものなど一部は対象から除かれます。この点に注意が必要です。

  • 固定用スロープ(持ち運びを前提とする可搬型は除く)
  • 歩行器(脚部が杖先ゴム等の固定式・交互式のもの。車輪・キャスター付きの歩行車は除く)
  • 歩行補助つえ(多点杖、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホームクラッチ。松葉づえは除く)

貸与と販売のどちらを選ぶか

選択制の対象品目は、ケアマネジャーが制度の趣旨を説明したうえで提案します。不在の場合は福祉用具専門相談員が担当します。提案は、医師等の所見やサービス担当者会議での協議を踏まえて行われます。最終的に貸与・販売のどちらにするかは利用者が選びます。

判断の目安は利用期間です。短期間の利用が見込まれる場合はレンタルが向きます。長期にわたって使い続ける見込みがある場合は購入を選ぶのが一般的です。購入を選んだ場合でも、継続的な支援を受けられます。販売後に使用状況を確認してもらえるなどのサポートがあります。

福祉用具貸与と特定福祉用具販売の違い

2つのサービスの主な違いを表で整理します。

項目 福祉用具貸与(レンタル) 特定福祉用具販売(購入)
提供の形 用具を借りて使う 用具を購入する
主な対象 車いす・特殊寝台・手すり等の13種目 腰掛便座・入浴補助用具・簡易浴槽等
自己負担 レンタル料の1~3割 購入費の1~3割
上限 区分支給限度基準額の範囲内 年間10万円まで
向いているケース 状態の変化に合わせて交換したい用具 入浴・排泄に使う再利用しにくい用具

福祉用具サービス利用の流れ

福祉用具サービスは、おおむね次の流れで利用します。利用には、要介護・要支援の認定を受けていることが前提です。

  1. ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談し、困りごとや生活環境を伝える
  2. 専門相談員が身体状況や住環境を確認し、適した用具を提案する(選定相談)
  3. 「福祉用具サービス計画」を作成し、用具の種類や利用目的を整理する
  4. 用具を利用者に合わせて調整し、使い方や手入れ方法、注意点を説明する
  5. 契約を結び、貸与または販売を開始する
  6. 定期的に自宅を訪問するなどして用具や状態を確認する(モニタリング)

モニタリングでは、用具の点検だけを行うわけではありません。利用者の心身の状態や困りごとも改めて確認します。別の用具が適していると判断された場合は、計画を見直します。選択制の対象品目では、利用開始時か6か月以内に少なくとも1回モニタリングを行うこととされています。福祉用具と合わせて住まいの安全を整えたい場合は、介護保険の住宅改修もあわせて検討するとよいでしょう。

支援者が押さえたい失敗回避と家族への説明

福祉用具サービスは、要件の確認漏れがトラブルや給付の不支給につながりやすい分野です。ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、利用者を支える家族が押さえておきたい注意点を整理します。

給付されない・返還になりやすいケース

  • 軽度者の給付制限を見落とす:要支援~要介護1の人に車いす・特殊寝台などを安易に提案すると、原則給付対象外で算定できない。例外給付の要件確認が必要。
  • 選択制の説明・手続き漏れ:固定用スロープ・歩行器・歩行補助つえは、貸与・販売の説明とモニタリングを怠ると運営基準上の問題になりやすい。
  • 未指定事業者からの購入:特定福祉用具販売は、都道府県等の指定を受けた事業者からの購入でないと保険給付の対象にならない。
  • 年間10万円の上限超過:購入を重ねて上限を超えた分は全額自己負担になる。事前に残額を確認する。

利用者・家族へのわかりやすい伝え方

家族から「なぜ買えないの」「レンタルと購入どちらが得なの」と聞かれた場面では、専門用語を避けて次のように言い換えると伝わりやすくなります。

  • 「衛生面で他の方が使ったものを使いにくい用具(便座や入浴用品)は購入、状態に合わせて取り替えたい用具はレンタル、と分かれています」
  • 「長く使う見込みなら購入、短い期間ならレンタルの方が費用を抑えられることが多いです」
  • 「介護度が軽い段階では使えない用具もあるので、まず一緒に確認しましょう」

制度改正で対象や運用が変わることもあるため、判断に迷う場合は厚生労働省の介護・高齢者福祉のページや自治体の最新情報を確認しましょう。

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参考(一次情報)

まとめ

介護保険の福祉用具サービスは、2本立てです。状態に合わせて交換できる用具を借りる「福祉用具貸与」と、入浴・排泄に使う用具を買う「特定福祉用具販売」があります。貸与には、要介護度による給付制限があります。販売には、年間10万円までという上限があります。2024年4月からは選択制も始まりました。固定用スロープ・歩行器・歩行補助つえで、貸与か購入かを選べます。自己負担や対象品目は制度改正で変わることもあります。利用の際は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、お住まいの自治体に確認しながら、自分に合った形で活用しましょう。

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