認知症介助士とは? 資格の取り方・仕事内容について分かりやすく解説

この記事は、認知症ケアの知識を身につけたい介護職や、接客業・家族介護者の方に向けたものです。認知症介助士とは何かを、取得方法・試験の難易度・費用・メリット、似た資格との違いまで解説します。2026年6月時点の最新情報でまとめました。

認知症介助士は、認知症の人への正しい知識と適切な対応を学べる民間資格です。介護職だけでなく、接客業や家族介護者にも役立ちます。

この記事でわかること

  • 認知症介助士とはどんな資格か
  • 取得方法(4つの受験方式)
  • 試験の難易度(問題数・合格基準・合格率)
  • 費用の目安
  • 認知症サポーター・認知症ケア専門士との違い

認知症介助士とは?

認知症介助士とは、公益財団法人 日本ケアフィット共育機構が認定・実施する民間資格です(国家資格ではありません)。認知症の人が安心して社会参加できるよう、認知症に関する正しい知識と、寄り添うコミュニケーションや接遇・環境づくりを身につけることを目的としています。

医療・福祉の専門職だけでなく、個人・企業・市民を幅広く対象にしているのが特徴です。「困りごとの原因を本人だけでなく周囲の環境にも求める」という視点で、接客や地域生活の場面に役立つ事例を学べます。資格に有効期限や更新の手続きはありません。

認知症介助士の取得方法(4つの受験方式)

認知症介助士は、検定試験に合格すれば認定される、ワンステップの資格です。受験資格はなく、誰でも受験できます。受験方法は次の4通りで、試験内容や合格基準はどの方式でも同じです。

受験方式 内容
セミナー受講+検定試験 認知症介助セミナーを受講し、同日に検定試験を受ける。試験対策の講義つき。
会場での検定試験のみ 東京・大阪などの会場で、指定日にマークシート方式で受験する。
CBT方式 全国のCBTセンター(テストセンター)のパソコンで受験する。
IBT方式 自宅のパソコンで、好きな時間に受験する(スマートフォンは不可)。

テキストや問題集での独学だけで試験に臨むこともできます(購入は任意)。自分の学習スタイルや都合に合わせて選べます。

認知症介助士の試験の難易度

合格率が約8割と高く、しっかり学べば取得しやすい資格です。検定試験の概要は次のとおりです。

  • 出題形式:選択肢式(マークシート、またはCBT・IBTでの選択)
  • 問題数:30問
  • 試験時間:40分
  • 合格基準:30点満点中21点以上(1問1点)
  • 合格率:約8割

何度でも再受験できる点も、取得しやすい理由です。ただし「ほぼ全員が合格する」わけではなく、テキストでの学習が前提になります。

認知症介助士の費用

費用の目安は次のとおりです(税込)。

項目 金額
検定試験 受験料 3,630円
認知症介助セミナー(テキストなしの人) 21,230円
認知症介助セミナー(テキストありの人) 17,600円
公認テキスト 3,630円
検定試験対策問題集 2,420円

試験のみ(会場・CBT・IBT)で受ける場合は、受験料3,630円のみです。テキストや問題集の購入は必須ではありません。費用を抑えて取得したい人は、独学+試験のみのルートが選べます。

認知症の現状と認知症介助士の意義

日本では認知症の人が増え続けています。2024年に公表された最新の推計では、認知症高齢者は2025年に約472万人と見込まれています(以前の推計では約700万人とされていましたが、生活習慣病対策などをふまえ下方修正されました)。軽度認知障害(MCI。認知症の前段階の状態)を含めると、さらに多くの人が関わる課題です。

こうした中、2024年1月には認知症基本法(共生社会の実現を推進するための認知症基本法)が施行されました。認知症の人が尊厳を持って暮らせる社会づくりが進められています。認知症介助士は、介護現場に限らず、接客や地域の場面で「認知症の人にどう接すればよいか」を学べる資格です。

認知症サポーター・認知症ケア専門士との違い

似た名前の資格との違いを整理しておきましょう。

資格 特徴
認知症介助士 民間資格。受験資格なし。検定試験(30問・21点以上で合格)あり。受験料3,630円。
認知症サポーター 厚生労働省の施策。約90分の養成講座を受講すればなれる。試験はなく、原則無料。
認知症ケア専門士 民間資格。過去10年で3年以上の認知症ケア実務経験が必要。介護の専門職向け。

認知症サポーターは「受講のみ・無料」、認知症ケア専門士は「実務経験が必要な専門職向け」という違いがあります。未経験でも試験で取得できる認知症介助士は、その中間的な位置づけです。専門職としてさらに深めたい人は、認知症ケア専門士の記事もあわせてご覧ください。

認知症介助士が活かせる場面

認知症介助士は、幅広い場面で役立ちます。

  • 介護・医療の現場:認知症の人への接し方の基礎を学べる。
  • 小売・金融・交通などの接客業:高齢のお客様への適切な応対に活かせる。
  • 家族介護者:家庭での関わり方のヒントになる。

ただし、資格を取得しても特別な権利が得られたり、就職が確約されたりするわけではありません。あくまで知識と対応力を身につける資格として活用しましょう。

学んだ知識を現場で活かす声かけ例

認知症介助士の価値は、資格そのものより「学んだ対応を実際の場面で使えること」にあります。試験勉強で覚えた知識を、明日からの声かけに落とし込む例を紹介します。介護現場でも家庭でも応用できます。

場面 避けたい対応(NG) 望ましい声かけ
同じ話を何度も繰り返す 「さっきも言いましたよ」と訂正する 初めて聞くように相づちを打ち、安心感を優先する
食事をしたのに「食べていない」と訴える 「もう食べたでしょう」と否定する 「今、準備しますね」と受け止め、お茶などで間を置く
外出しようとして落ち着かない 「行ってはダメ」と行動を止める 「どちらへ行かれますか」と理由を聞き、一緒に歩く

共通するのは、本人の言葉や気持ちを否定せず、まず受け止める姿勢です。資格取得を目指す段階から「自分ならどう声をかけるか」を意識すると、知識が定着しやすくなります。家族介護者は、施設のスタッフと対応をそろえると本人が混乱しにくくなります。認知症の制度や支援の基礎は、厚生労働省の介護・高齢者福祉のページもあわせて確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 認知症介助士は国家資格ですか?

A. 国家資格ではなく、日本ケアフィット共育機構が認定する民間資格です。履歴書に記載することはできます。

Q. 試験は自宅でも受けられますか?

A. 受けられます。IBT方式なら自宅のパソコンで好きな時間に受験できます(スマートフォンは不可)。

Q. 認知症サポーターとどちらがよいですか?

A. 目的次第です。無料で基礎を学ぶなら認知症サポーター、試験を経て資格として身につけたいなら認知症介助士が向いています。

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まとめ

認知症介助士とは、日本ケアフィット共育機構が認定する民間資格で、認知症の人への正しい知識と適切な対応を学べます。検定試験は30問・40分で、30点満点中21点以上が合格基準、合格率は約8割です。受験料は3,630円で、会場・CBT・IBTなど4つの方式から選べます。介護職だけでなく接客業や家族介護者にも役立つ、共生社会の時代に合った資格です。最新の費用や試験方式は公式情報もあわせてご確認ください。

「認知症ケアの知識を活かして働きたい」「介護の資格を取って転職したい」という方は、お気軽にご相談ください。

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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。費用・試験などの最新情報は公式情報をご確認ください。