就労継続支援A型のスコア表とは|自己採点のやり方と改善ポイント

就労継続支援A型の基本報酬は、スコア表(スコア方式)の合計点で決まります。評価項目は7つ、満点は200点です。合計点が高いほど、1日あたりの単位数が上がります。

スコアは事業所が毎年度自己採点し、結果を公表する仕組みです。つまり、配点の構造を理解すれば、自事業所で報酬区分と改善余地を把握できます。

この記事では、令和6年度報酬改定後の評価項目と配点、自己採点の手順、点数を上げる改善ポイントを解説します。

就労継続支援A型のスコア表とは

スコア表とは、A型事業所の経営状況と支援の質を点数化する評価表です。正式にはスコア方式と呼ばれ、基本報酬の区分を決める根拠になります。

評価するのは労働時間・生産活動・多様な働き方・支援力向上・地域連携活動などの7項目です。各事業所が毎年度自己評価し、合計点を都道府県等へ届け出て公表します。

令和3年度報酬改定で導入された仕組み

スコア方式は、令和3年度の障害福祉サービス等報酬改定で導入されました。それまでの基本報酬は、1日の平均労働時間だけで決まっていました。

労働時間に加えて生産活動や支援の質を多面的に評価する形へ変わったのが、スコア方式です。導入の経緯は厚生労働省の令和3年度障害福祉サービス等報酬改定のページで確認できます。

就労継続支援A型事業所は、利用者と雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を支払う働く場です。賃金の原資となる生産活動の収支が評価に組み込まれている点が、スコア表の特徴です。

なお、雇用契約を結ばないB型にスコア方式はなく、平均工賃月額で基本報酬が決まります。両者の制度差はA型とB型の違いの記事で整理しています。

令和6年度報酬改定での見直しポイント

令和6年度報酬改定で、スコア表は経営面の評価を強める方向に見直されました。主な変更点は次の3つです。

  • 労働時間の配点を最大80点から90点へ、生産活動を最大40点から60点へ拡大
  • 生産活動が赤字の場合のマイナス評価(最大マイナス20点)を新設
  • 経営改善計画書が未提出の場合の減点(マイナス50点)を新設

一方で、多様な働き方と支援力向上は最大35点から15点へ縮小されました。賃金を生産活動収益で賄うという原則が、配点に強く反映された形です。改定内容の全体像は令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)に掲載されています。

報酬改定は3年ごとに行われ、次の施行が迫っています。令和8年6月施行の報酬改定の動向も、あわせて確認しておきましょう。

スコア表の評価項目と配点一覧【令和6年度改定後】

現行のスコア表は、7項目・満点200点で構成されています。マイナス評価を含めると、合計点はマイナス65点から200点の間で決まります。

評価項目 評価する内容 配点
労働時間 利用者の1日あたり平均労働時間 5~90点
生産活動 生産活動収支が賃金総額以上か(直近3年度) マイナス20~60点
多様な働き方 多様な働き方を支える制度の整備状況(8項目) 0~15点
支援力向上 研修参加など支援力を高める取組(8項目) 0~15点
地域連携活動 地域と連携した生産活動等の実施 0点または10点
利用者の知識・能力の向上 取組の実施と報告書の作成・公表 0点または10点
経営改善計画 対象事業所の期日までの提出状況 マイナス50点または0点

出典:厚生労働省「厚生労働大臣の定める事項及び評価方法の留意事項について

労働時間(5~90点)

労働時間は、利用者の1日あたり平均労働時間で評価します。配点は最大90点で、7項目の中で最も大きい割合を占めます。

平均7時間以上で90点、6時間30分以上7時間未満で80点です。以下はおおむね30分刻みで下がり、2時間未満は5点になります。

生産活動(マイナス20~60点)

生産活動は、生産活動収支(生産活動収益から必要経費を引いた額)が利用者の賃金総額以上かどうかで評価します。直近3年度の達成状況の組み合わせで、6段階に分かれます。

  • 3年度すべてで賃金総額以上:60点
  • 前年度と前々年度で賃金総額以上:50点
  • 前年度のみ賃金総額以上:40点
  • 前々年度のみ賃金総額以上:20点
  • 前年度と前々年度で賃金総額未満:マイナス10点
  • 3年度すべてで賃金総額未満:マイナス20点

令和6年度改定までは、赤字でも最低5点が付きました。現在は赤字の継続がそのまま減点になるため、収支の影響が大きくなっています。

取組系の4項目(多様な働き方・支援力向上など)

多様な働き方は、資格取得支援や短時間勤務制度など8項目の整備状況を点数化します。8項目の合計が5点以上で15点、3~4点で5点、2点以下は0点です。

支援力向上も同様に、外部研修への参加や資格保有者の配置など8項目を3段階で評価します。

地域連携活動は、地元企業などと連携した生産活動等を実施していれば10点です。利用者の知識・能力の向上は、取組を実施し報告書を作成・公表することで10点が付きます。

経営改善計画(未提出はマイナス50点)

生産活動収支が賃金総額を下回った事業所は、経営改善計画書の作成と提出を求められます。指定された期日までに提出しない場合、スコアから50点が減点されます。

生産活動のマイナス20点と重なると、最大70点分の減点です。赤字の事業所は、まず計画書の提出期日を確認してください。

スコア合計と基本報酬区分の対応

合計点は7区分に分けられ、区分ごとに1日あたりの単位数が決まります。定員20人以下・人員配置7.5対1の場合は次のとおりです。

スコア合計 基本報酬(1日あたり)
170点以上 791単位
150点以上170点未満 733単位
130点以上150点未満 701単位
105点以上130点未満 666単位
80点以上105点未満 533単位
60点以上80点未満 419単位
60点未満 325単位

出典:厚生労働省「就労継続支援A型の状況について(社会保障審議会障害者部会資料)

最上位と最下位の差は1日466単位です。定員20人・開所22日なら、月に約200万円の差になります。定員や人員配置区分で単位数は変わるため、自事業所の条件で確認してください。

スコア表の自己採点のやり方【5ステップ】

自己採点は、次の5ステップで進めると漏れがありません。毎年度の公表期限から逆算し、2~3月には着手しておくと余裕をもてます。

ステップ1:最新のスコア表様式を入手する

厚生労働省の通知に添付された様式か、都道府県のサイトで最新版を入手します。改定で項目が変わるため、前年のファイルの使い回しは避けてください。

ステップ2:平均労働時間を算出する

前年度の賃金台帳や勤怠記録から、利用者全体の1日あたり平均労働時間を計算します。30分の差で配点が10点変わるため、端数処理のルールも通知で確認します。

ステップ3:生産活動収支と賃金総額を突合する

会計データから直近3年度の生産活動収支を出し、各年度の賃金総額と比べます。就労支援事業会計を正しく区分できていないと、ここで判定を誤ります。

ステップ4:取組系4項目の該当状況をチェックする

多様な働き方・支援力向上・地域連携活動・知識能力向上の該当項目を確認します。規程や研修記録、報告書など、根拠書類もあわせて揃えておきます。

ステップ5:合計点から報酬区分を確認し公表・届出する

7項目を合計し、対応する基本報酬区分を確認します。結果は毎年度4月中に、ホームページなどで公表し都道府県等へ届け出ます。

スコアの点数を上げる改善ポイント

採点結果が出たら、区分の境目までの不足点を確認します。配点の大きい順に、次の3つから手を付けるのが効率的です。

労働時間を段階的に延ばす

平均労働時間は30分単位で点数が動きます。利用者の体調に配慮しながら、時間延長の目標を個別支援計画に組み込みましょう。

短時間の新規利用者が増えると平均が下がる点にも注意が必要です。採用時の想定労働時間と、既存利用者の延長支援をセットで管理します。

生産活動の黒字化を最優先にする

生産活動は60点からマイナス20点まで、80点の幅がある項目です。受注単価の見直し・原価管理・販路拡大で、賃金総額以上の収支を目指します。

赤字が避けられない年度は、経営改善計画書を期日までに必ず提出します。マイナス50点を回避するだけでも、区分の下落を抑えられます。

取組系の加点を取りこぼさない

多様な働き方や支援力向上は、規程の整備や研修計画の作成で加点できます。大きな費用をかけずに取れる項目から着手しましょう。

地域連携活動は、要件を満たす活動を年度内に実施すれば10点です。報告書の作成・公表による10点も含め、合計50点分の取りこぼしをなくすだけで区分が1つ上がる事業所は少なくありません。

スコアの公表義務と未公表の場合の減算

スコアの自己評価結果は、毎年度4月中の公表と届出が義務です。インターネットの活用など、誰でも確認できる方法での公表が求められます。

令和6年度報酬改定では、未公表の場合の減算が設けられました。公表と届出がない間は、所定単位数の85%で算定されます。届出がない月から解消した月まで、利用者全員分の報酬に適用されるため影響は大きいです。

なお、障害福祉サービス等情報公表制度への未報告に対する情報公表未報告減算は、これとは別の減算です。スコアの公表とあわせて、情報公表システムへの報告状況も点検しておきましょう。

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スコア改善に集中するために

スコアを上げる鍵は、生産活動と支援の質に使える時間をどれだけ確保できるかです。障害福祉専門の請求代行サービスWITH福祉は、FAXを送るだけで毎月の国保連請求の負担を大きく減らし、生産活動や支援力向上の取組に時間を回せるようにします。

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