介護職員初任者研修の修了試験は、研修で学んだ内容から出題され、ほとんどの受講者が合格しています。これから資格取得を目指す方に向けた記事です。試験というと身構えがちですが、過度に心配する必要はありません。この記事では、カリキュラムの全体像と修了試験の内容・難易度、受講の流れと試験対策のポイントを、2026年7月時点の最新情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 介護職員初任者研修の位置づけと受講資格
- 10科目130時間のカリキュラムの中身と時間配分
- 修了試験の問題数・合格点・所要時間などの試験内容
- 試験の難易度と不合格になった場合の再試験
- 受講の流れ・期間・費用の目安と試験対策のポイント
介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識と技術を身につける入門資格です。旧ホームヘルパー2級に相当し、介護資格の中で最初に取得することが多い「スタートの資格」とされています。受講に学歴や年齢、実務経験などの制限はありません。申し込めば誰でも受講できる点が大きな特徴です。
なお「介護職員初任者研修」がこの資格の正式名称です。「初任研」「初任者」などは略称、「ヘルパー2級」は2013年3月まで存在した旧資格の名称で、現在は初任者研修に一本化されています。
取得すると、できる仕事の幅が広がります。たとえば訪問介護で、利用者の身体に直接触れる身体介護を行えるようになります。資格の概要や取得後のキャリア全般については、ホームヘルパー(初任者研修)の記事でも詳しく紹介しています。本記事では、研修で学ぶカリキュラムと、最後に受ける修了試験の内容を中心に整理します。
カリキュラムは10科目・合計130時間
カリキュラムは全10科目・合計130時間で構成されます。科目と時間数の最低基準は、厚生労働省の通知によって定められています。すべての科目を受講したうえで修了試験に合格することが、資格取得の条件です。科目と時間配分は次のとおりです。
| 学習内容(科目) | 時間数 |
|---|---|
| 職務の理解 | 6時間 |
| 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
| 介護の基本 | 6時間 |
| 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 |
| 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
| 老化の理解 | 6時間 |
| 認知症の理解 | 6時間 |
| 障害の理解 | 3時間 |
| こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
| 振り返り | 4時間 |
| 合計 | 130時間 |
(参照:厚生労働省『介護員養成研修の取扱細則について』)
最も時間が多いのは「こころとからだのしくみと生活支援技術」の75時間です。食事・入浴・排泄の介助や移動の支援といった、現場で直接役立つ実技を中心に学びます。座学だけでなく演習(実技)も組み込まれているため、知識と技術を両面から身につけられます。
通信で学べる範囲と通学が必要な範囲
130時間のうち、実技演習を含む大部分は通学(対面)で受講する必要があります。一部は自宅での通信学習が認められています。通信で学べる時間数の上限は、スクールや科目によって扱いが異なります。申し込み前に各スクールへ確認すると安心です。仕事や家庭と両立したい場合は、通信を併用できるコースを選ぶと通学日数を抑えられます。
介護職員初任者研修の修了試験の内容
全科目を受講し終えると、最後に筆記による修了試験を受けます。これは研修の理解度を確認する試験で、合格すると研修の修了が認められます。試験は各スクールが研修内容にもとづいて作成するため、細部は異なります。一般的な内容の目安は次のとおりです。
| 項目 | 内容の目安 |
|---|---|
| 形式 | 筆記試験(選択式が中心。記述式を含む場合もある) |
| 所要時間 | 1時間程度 |
| 問題数 | 32問程度(全10科目から出題) |
| 合格点 | 100点満点でおおむね70点以上が目安 |
| 出題範囲 | 研修で学んだカリキュラムの内容 |
出題は、研修で習った範囲からです。応用力を問う難問や引っかけ問題が中心になることは、ほとんどありません。授業をきちんと受け、テキストの要点を押さえておけば対応できる内容です。問題数や合格点はスクールによって多少前後するため、受講先の案内で確認しておきましょう。
試験の難易度と再試験について
修了試験の難易度は高くなく、合格率はほぼ100%とされています。これは、研修内容の定着を確認することが目的の試験だからです。受講者を「ふるい落とす」ためのものではありません。授業に出席し、復習をしていれば、過度に心配する必要はありません。
万が一不合格になっても、多くのスクールが再試験(追試)を用意しています。ただし、再試験を実施するかどうか、追加費用がかかるかどうかはスクールによって異なります。試験そのものより、対面で受講が必要な日にきちんと出席し、全科目を修了できるかどうかのほうが重要です。
受講から修了までの流れ・期間・費用の目安
受講から資格取得までの大まかな流れは、次の順序です。スクールへの申し込み、通学・通信での受講、全科目の修了、修了試験の受験、合格・修了証明書の交付、という流れになります。期間は通い方によって変わります。平日に集中して通う短期コースなら最短で1カ月程度です。働きながら週1~2日のペースで通う場合は、3~4カ月ほどが目安になります。
費用はスクールやコース、地域によって幅があり、数万円~十数万円程度が一般的です。自己負担を抑えられる制度もあります。介護職員初任者研修の多くの講座は、雇用保険の一般教育訓練給付制度の対象です。要件を満たす在職者・離職者は受講費用の20%(上限10万円・4千円未満は対象外)が受講後にハローワークから支給されるとされています。このほか、ハローワークの職業訓練や自治体の助成制度が使えるケースもあります。対象講座かどうかはスクールごとに指定の有無が異なるため、申し込み前に受講先とハローワークの双方で最新の要件を確認してください。
試験対策のポイント
修了試験は難易度が高くないとはいえ、効率よく準備しておくと安心して臨めます。次の点を意識すると、無理なく合格を目指せます。
- 毎回の授業に出席し、その日に学んだ要点をテキストで復習する
- 専門用語や介護保険・サービスの仕組みなど、暗記が必要な部分を早めに整理する
- 授業中に配られる小テストや確認問題を活用し、苦手分野を把握する
- 分からない点はその場で講師に質問し、疑問を残さない
- 試験範囲(全10科目)を一度通しで見直し、抜けがないか確認する
初任者研修取得後のステップアップ
介護職員初任者研修は、その後のキャリアアップの土台になる資格です。次の段階として、より実践的で幅広い内容を学ぶ介護職員実務者研修があります。これを修了すると、訪問介護のサービス提供責任者になれるほか、たんの吸引などの医療的ケアも学べます。さらに国家資格である介護福祉士を目指す道も開けます。介護にはさまざまな資格があるため、全体像を知りたい方は介護資格図鑑もあわせてご覧ください。
スクール選びの失敗回避と取得後の働き方
修了試験の難易度は高くありません。むしろ、最後までやり切れるスクールを選べるかどうかが、取得の分かれ目になります。費用や通い方の見落としを防ぎ、取得後の現実も知っておきましょう。
スクール選びで確認したいこと
- 通学日に通えるか:実技演習は対面が必須。仕事や家庭の予定と合うスケジュールか確認する
- 振替・欠席の扱い:欠席した回の振替制度があるか。振替がないと修了できないことがある
- 再試験の有無と費用:万が一の不合格に備え、追試の実施と追加費用を事前に確認する
- 給付制度の対象か:ハローワークの職業訓練や教育訓練給付金、自治体の助成で自己負担を抑えられる場合がある
取得後の働き方とキャリアの現実
初任者研修を取ると、訪問介護で身体介護を担えるようになり、未経験から介護職に就く際の入口になります。多くの施設で資格手当の対象となり、無資格より採用や待遇で有利になりやすい資格です。ただし、給与を大きく伸ばすには実務者研修や介護福祉士へのステップアップが現実的な道です。最初の一歩として取得し、働きながら上位資格を目指す流れが一般的です。費用の助成など制度の最新情報は厚生労働省 介護・高齢者福祉でも確認できます。
登録ヘルパーという働き方
初任者研修修了後の働き方の一つに「登録ヘルパー」があります。訪問介護事業所に登録し、都合の良い時間帯・件数だけ働く非常勤の勤務形態で、子育てやダブルワークと両立しやすい点が特徴です。ただし収入は訪問件数に左右されやすく、移動時間の扱いや待機時間の賃金など、契約内容を事前に確認しておくことが大切です。
ホームヘルパー2級など旧称との対応表
「ヘルパー2級」「介護職員基礎研修」といった名称は、2013年の制度改正で介護職員初任者研修・実務者研修へ一本化されました。今からこれらの旧資格を新たに取得することはできません。お持ちの資格が現行制度でどう扱われるかは、次の対応表で確認できます。
| 旧称(廃止済み) | 現行制度での位置づけ |
|---|---|
| ホームヘルパー2級 | 介護職員初任者研修とほぼ同等。研修修了者とみなされる |
| ホームヘルパー1級 | 実務者研修に相当。実務者研修を受講する場合は一部科目が免除される |
| ホームヘルパー3級 | 現行の資格制度には引き継がれていない(単独では資格として扱われない) |
| 介護職員基礎研修 | 実務者研修に相当。実務者研修受講時に一部科目・時間数が免除される |
旧資格をお持ちの方が実務者研修や介護福祉士を目指す場合、免除される科目があるため、受講前にスクールへ保有資格を伝えて時間数を確認しましょう。
通信講座と通学、どちらを選ぶべきか
初任者研修は、講義部分を自宅学習できる通信講座と、すべて教室に通う通学スタイルがあります。ただし実技演習(身体介護の実習など)は、通信講座でも対面での受講が必須です。全国どのスクールでも、講義の一部がオンライン・自宅学習でも、実技だけは通学が避けられません。
働きながら受講するなら、平日夜間・土日に実技日程が組まれた通信講座タイプが選びやすく、短期間で集中して取得したいなら、平日昼間に通う通学タイプが向いています。スクールを選ぶ際は、実技の開催日程が自分の勤務シフトと合うか、振替制度があるかを必ず確認してください。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「介護・高齢者福祉」(介護員養成研修のカリキュラム・時間数の根拠)
- 厚生労働省「Q&A~一般教育訓練給付金~」(支給率・支給要件の確認用)
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まとめ
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介護職員初任者研修は、10科目130時間のカリキュラムを受講し、最後の修了試験に合格することで取得できる入門資格です。試験は研修で学んだ内容から出題されます。所要時間は1時間程度、問題数は32問程度、合格点は100点満点で70点前後が目安です。合格率はほぼ100%と、難易度は高くありません。万が一不合格でも、再試験を用意しているスクールが多く、過度に心配する必要はないでしょう。受講資格に制限はないため、これから介護の仕事を目指す方は、キャリアの第一歩としてチャレンジしてみてください。
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