管理栄養士と栄養士の違いとは?資格についてと仕事内容、給料について詳しく解説!

管理栄養士と栄養士は、どちらも食と栄養の専門職ですが、資格の種類や受験資格、できる仕事の範囲に明確な違いがあります。「何が違うの?」「資格の取り方や年収にどんな差があるの?」と気になっている方も多いはずです。

この記事では、管理栄養士と栄養士の違いを、資格の種類・取り方・業務範囲・年収・国家試験の合格率まで、2026年7月時点の最新情報にもとづいて解説します。

この記事でわかること

  • 管理栄養士と栄養士の違い(早見表で対比)
  • 資格の種類と取り方の違い(国家資格か都道府県知事免許か)
  • 仕事内容・業務範囲の違い
  • 年収の違いと国家試験の合格率
  • 介護・福祉分野での管理栄養士・栄養士の役割

管理栄養士と栄養士の違い(早見表)

最大の違いは、資格の出どころです。管理栄養士は厚生労働大臣の免許による国家資格であるのに対し、栄養士は都道府県知事の免許です。まずは早見表で全体像を確認しましょう。

項目 管理栄養士 栄養士
資格の種類 厚生労働大臣の免許(国家資格) 都道府県知事の免許
取り方 養成施設で学び、国家試験に合格する 養成施設を卒業すれば取得(国家試験なし)
受験資格 管理栄養士養成施設(4年制)の卒業、または栄養士免許取得後に一定の実務経験が必要 国家試験がないため受験資格は不要
業務範囲 傷病者への栄養指導、個人に合わせた高度な栄養管理、給食管理など 主に健康な人を対象とした栄養指導・給食の管理
年収の目安 おおむね350万~450万円(資格手当などで栄養士より高めになりやすい) おおむね310万~390万円

※年収は公的統計や求人データをもとにした目安です。職場や経験によって幅があります。詳しくは後述します。

資格の取り方の違い

管理栄養士と栄養士は、資格を取得するまでの道のりが大きく異なります。それぞれ順に見ていきましょう。

栄養士の取り方

栄養士は、養成施設を卒業すれば国家試験なしで取得できます。厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設(2年制~4年制の大学・短大・専門学校)で学び、所定の課程を修めて卒業します。

卒業すれば国家試験を受けずに、都道府県知事の免許を受けて栄養士になれます。試験合格型ではなく、養成施設を修了するタイプの資格です。

管理栄養士の取り方

管理栄養士になるには、管理栄養士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。国家試験を受けるためのルートは大きく2つです。

  • 管理栄養士養成施設(4年制)を卒業するルート:卒業見込みで国家試験を受験できます。実務経験は不要です。
  • 栄養士養成施設を卒業し、実務経験を積むルート:栄養士免許を取得したうえで、養成施設の修業年限に応じた実務経験(栄養の指導に従事した経験)が必要です。

栄養士養成施設からのルートに必要な実務経験

栄養士養成施設を卒業して管理栄養士を目指す場合、修業年限によって必要な実務経験の年数が変わります。下の表のとおりです。

卒業した栄養士養成施設の修業年限 必要な実務経験
2年制 3年以上
3年制 2年以上
4年制 1年以上

つまり、4年制の管理栄養士養成施設に進めば、卒業後すぐに国家試験を受けられます。一方、栄養士養成施設からのルートでは資格取得まで時間がかかります。早く管理栄養士になりたい場合は、4年制の管理栄養士養成施設に進むのが近道です。

なお、2025年(令和7年)4月の制度改正により、管理栄養士養成施設の卒業者は、国家試験の受験資格として栄養士免許を取得しておく必要がなくなりました。受験前に最新の要件を公式情報で確認しておくと安心です。

仕事内容・業務範囲の違い

管理栄養士と栄養士は、栄養指導や給食管理という大きな仕事は共通しています。違いは、対象とする人や担える業務の範囲です。

栄養士の仕事内容

栄養士は、主に健康な人を対象に、栄養バランスのとれた献立の作成や調理指導、給食の管理などを行います。学校・保育所・社員食堂・飲食店・食品メーカーなど、活躍の場は幅広くあります。

管理栄養士の仕事内容

管理栄養士は、栄養士の業務に加えて、一人ひとりの状態に合わせた専門的な栄養指導・栄養管理を行えます。病気や高齢で食事がとりづらくなった人などが対象です。栄養士法では、管理栄養士は傷病者の療養に必要な栄養指導などを行う者と位置づけられています。

また、健康増進法では、特定多数の人に継続的に食事を提供する特定給食施設のうち、特別な栄養管理が必要な施設には管理栄養士の配置が義務づけられています。病院や介護老人保健施設など医学的な管理を必要とする施設(一号施設)などが対象です。医療や福祉の現場で求められる役割は、管理栄養士のほうが大きいといえます。

なお、管理栄養士・栄養士はいずれも名称独占資格(資格がなければその名前を名乗れない資格)です。一方で、傷病者への栄養指導や診療報酬の算定など、実質的に管理栄養士でなければ担えない場面がある点が、両者の大きな違いです。

年収の違い

結論から言うと、管理栄養士のほうが栄養士より年収は高めになりやすいです。差がつく理由は、資格手当の有無と、担える業務の幅の2つです。

データの出所 栄養士 管理栄養士
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 管理栄養士を含む集計でおおむね390万円前後
求人データ(求人ボックス 給料ナビ)の目安 おおむね310万~390万円 おおむね340万~450万円

※公的統計は栄養士と管理栄養士をまとめて集計しているため、両者を分けた比較は求人データが目安になります。職場や経験年数によって幅がある点に留意してください。

年収差が生まれる理由は主に2つです。ひとつは資格手当で、管理栄養士の配置が義務づけられた施設ほど手当がつきやすくなります。もうひとつは業務範囲の広さで、傷病者への栄養指導や栄養ケア計画の作成など、管理栄養士でなければ担えない業務が増えるほど評価につながります。応募先を比較する際は、基本給だけでなく資格手当の金額も求人票で確認しましょう。

国家試験の合格率

管理栄養士になるには国家試験の合格が必要です。直近の第40回管理栄養士国家試験(2026年3月実施)の結果は次のとおりです。

区分 合格率(第40回)
全体(受験者15,927人・合格者7,582人) 47.6%
管理栄養士養成課程の新卒 79.3%
栄養士養成課程の卒業者 11.0%

注目したいのは、ルートによる合格率の差です。管理栄養士養成課程の新卒は79.3%と高いのに対し、栄養士養成課程の卒業者(働きながら受験する人など)は11.0%にとどまります。全体の合格率が47.6%なのは、合格率の低い既卒者や栄養士課程の受験者が含まれるためです。

このことからも、管理栄養士を目指すなら、在学中に集中して学べる4年制の管理栄養士養成施設に進み、新卒で受験するのが合格への近道といえます。

介護・福祉分野での活躍

高齢化が進むなか、介護・福祉の現場では栄養の専門職へのニーズが高まっています。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などでは、入所者一人ひとりの栄養状態を管理する栄養ケア・マネジメントが重視されています。

代表例が、2021年度の介護報酬改定で新設された栄養マネジメント強化加算(要件を満たすと介護報酬に上乗せされるしくみ)です。要件は主に3つあります。

  • 常勤換算で一定数以上の管理栄養士を配置していること
  • 低栄養リスクの高い利用者について、多職種で栄養ケア計画を作成していること
  • 食事の様子を確認するミールラウンド(食事観察)を週3回以上行っていること

2024年度の改定でも栄養ケアの取り組みは引き続き重視されており、介護施設で管理栄養士が果たす役割は大きくなっています。自施設が加算を算定しているか、要件を満たせているかを確認したい管理職の方は、まず配置人数とミールラウンドの実施記録から見直すとよいでしょう。加算率や算定要件の詳細な計算は、厚生労働省の告示・通知で最新版を確認してください。

栄養士・管理栄養士は、こうした栄養面のケアを通じて、理学療法士や看護師など他職種と連携しながら利用者の生活を支えます。介護現場で連携する専門職については、理学療法士の仕事の記事や、あん摩マッサージ指圧師の記事もあわせてご覧ください。

資格を選ぶ前に知っておきたい働き方の現実

結論として、進路は「どこで働きたいか」から逆算して選ぶのが失敗しないコツです。資格名だけで決めると、入職後にミスマッチが起きやすくなります。栄養の仕事を目指す前に、次の3点を押さえておきましょう。

進路選びでよくある誤算

  • 栄養士で病院の栄養指導をしたい:傷病者への栄養指導は実質的に管理栄養士の役割です。病院での専門的な指導を望むなら、はじめから管理栄養士を目指すほうが近道です。
  • 働きながら管理栄養士を取れると思っていた:栄養士養成課程の卒業者の合格率は、直近の第40回試験で11.0%です。実務と試験勉強の両立は負担が大きく、想定より時間がかかります。
  • 資格を取れば年収が大きく上がると考えていた:資格手当の差は職場によります。年収は職場・経験で動くため、求人票の手当欄を必ず確認しましょう。

働き方別に向く資格の目安

希望する働き方 向く資格 確認したいこと
病院・介護施設で栄養管理を担いたい 管理栄養士 配置義務のある施設か/加算の取得方針
保育所・社員食堂・給食で献立を作りたい 栄養士 調理業務の有無/勤務時間
食品メーカー・商品開発に関わりたい 栄養士または管理栄養士 求められる資格/実務経験

進路に迷ったら、応募先の求人票で「資格手当」「配置義務の有無」「実務内容」を見比べましょう。資格と職場のミスマッチを防げます。

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まとめ

管理栄養士と栄養士の最大の違いは、資格の出どころです。管理栄養士は国家試験に合格して得る厚生労働大臣の国家資格であるのに対し、栄養士は養成施設を卒業すれば取得できる都道府県知事の免許です。

管理栄養士は傷病者への栄養指導など専門性の高い業務を担え、特定給食施設での配置義務もあるため、医療・介護の現場で広く求められています。年収も管理栄養士のほうが高めになりやすく、第40回国家試験(2026年)では新卒の合格率が79.3%でした。介護・福祉分野でも栄養ケアの中心的な担い手として、活躍の場は今後ますます広がっていきます。

「栄養の資格を活かして働きたい」「介護・福祉の現場で栄養の専門職として活躍したい」という方は、お気軽にご相談ください。

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参考(一次情報)

※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。資格制度・試験・給与・介護報酬などの最新情報は、厚生労働省や各養成施設の公式情報をご確認ください。