相談支援従事者研修について~研修内容や働ける場所についてご紹介!

相談支援従事者初任者研修は、障害福祉の「相談支援専門員」になるために必須の研修です。これから相談支援専門員を目指す方に向けて、受講資格と実務経験の要件を整理しました。相談支援専門員とは、障害のある人やその家族の相談に応じ、必要なサービスにつなぐ専門職を指します。

研修は都道府県などが実施しており、受講には一定の実務経験や事業所での従事予定が関わります。この記事では、受講資格や実務経験要件、研修内容、現任研修との関係を2026年7月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • 相談支援従事者初任者研修とは何か、その位置づけ
  • 受講資格と必要な実務経験(3~10年)の考え方
  • 研修の時間数や内容、サービス管理責任者研修との関係
  • 修了後に必要な現任研修(5年ごと)の仕組み
  • 研修の申し込み方法と注意点

相談支援従事者初任者研修とは

相談支援従事者初任者研修とは、障害福祉分野で「相談支援専門員」として働くために、必ず修了しなければならない研修です。相談支援専門員は、障害のある人が地域で安心して暮らせるよう支える専門職です。本人の意向をもとに「サービス等利用計画」(利用する障害福祉サービスをまとめた計画)を作成したり、関係機関と連携してサポート体制を整えたりします。介護分野のケアマネジャー(介護支援専門員)に近い役割をイメージすると分かりやすいでしょう。

この研修は、障害者総合支援法などにもとづいて実施されます。実施主体は各都道府県(または都道府県が指定した研修事業者)です。研修を修了し、かつ後述する実務経験の要件を満たすことで、はじめて相談支援専門員として事業所に配置できるようになります。

相談支援専門員になるための2つの要件

相談支援専門員として配置されるには、大きく2つの要件を満たす必要があります。

  • 一定の実務経験(3~10年)を満たしていること
  • 相談支援従事者初任者研修を修了していること

このうち初任者研修が、相談支援専門員への入口にあたる研修です。研修を修了しただけでは相談支援専門員にはなれません。実務経験の要件とあわせて満たすことが前提となります。

受講資格と実務経験の要件

受講資格の中心となるのが「実務経験」です。厚生労働省の告示にもとづき、障害者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における直接支援や相談支援などの業務経験が求められます。必要な年数は、保有資格や従事してきた業務の内容によって異なり、おおむね3~10年の幅があります。

区分 必要な実務経験 主な対象者の例
国家資格等にもとづく業務に従事 3年以上(通算) 社会福祉士、精神保健福祉士、看護師、介護福祉士などの国家資格を有し、その資格にもとづく業務に従事してきた方
相談支援・直接支援の業務(有資格者) 5年以上(通算) 社会福祉主事任用資格、介護職員初任者研修修了などを持ち、相談支援・介護等の業務に従事してきた方
相談支援・直接支援の業務(資格なし) 10年以上(通算) 資格は持たないが、施設や事業所で介護等の直接支援業務に従事してきた方

上の表は要点を整理したものです。実際には「相談支援の業務」「直接支援(介護等)の業務」など、業務の範囲ごとに細かく区分されています。従事先の施設・事業所の種類によっても扱いが変わります。詳しい該当可否は、お住まいの都道府県の実施要綱や実務経験証明書の様式で確認してください。

なお、実務経験を「いつ」満たしている必要があるかは自治体によって運用が分かれます。たとえば大阪府では、実務経験は相談支援専門員として配置される時点で満たしていればよく、研修受講時に満たしている必要はないとされています。一方で、定員を超えた場合は実務経験を満たす方が優先されるなど、選定方法にも違いがあります。

研修の内容と時間数

相談支援従事者初任者研修の時間数は、合計42.5時間です。令和2年度(2020年度)のカリキュラム見直しによって内容が大きく充実しました。意思決定支援への配慮や高齢障害者への対応、サービス等利用計画の質の向上などを重視した内容に改められています。以前のカリキュラムより約11時間ボリュームアップした形です。

研修は大きく「講義」と「演習・実習」で構成されます。実施方法は都道府県や研修事業者によって異なります。近年は講義部分を約11時間のeラーニングで行い、演習を5日間程度の集合研修で行う方式が広がっています。演習の合間には、実際の支援場面を想定したインターバル実習(課題)が組み込まれることもあります。

使用するテキストは、中央法規出版の「障害者相談支援従事者研修テキスト 初任者研修編」(2025年1月発行の改訂版)が用いられます。最新のカリキュラムに沿った内容で進められます。

サービス管理責任者・児発管研修との関係

相談支援従事者初任者研修の講義部分は、サビ管・児発管研修と共通科目になっています。共通するのは、サービス管理責任者児童発達支援管理責任者(児発管。障害児支援の計画づくりを統括する責任者)になるための研修です。

そのため研修は、目的別に分かれて募集されるのが一般的です。相談支援専門員を目指す方向けの「演習まで含む課程(全日程)」と、サービス管理責任者・児発管を目指す方向けの「共通講義のみの課程」の2つに分かれます。

たとえば大阪府では、相談支援専門員として従事しようとする方は「7日課程」を受講します。サービス管理責任者または児発管として従事しようとする方は「2日課程(共通講義のみ)」を受講する形に整理されています。なお、講義のみを受講しただけでは、サービス管理責任者・児発管としては従事できません。別途「サービス管理責任者等基礎研修」などの受講が必要です。自分がどのコースに該当するかは、各都道府県・研修事業者の募集要項で必ず確認しましょう。

修了後に必要な現任研修(5年ごと)

相談支援専門員は、初任者研修を修了して終わりではありません。資格を維持し続けるためには、5年ごとに「相談支援従事者現任研修」を修了する必要があります。具体的には、初任者研修を修了した翌年度を初年度として、5年度ごとの年度末までに現任研修を修了することが求められます。

現任研修を受講するには、実務経験の要件があります。「過去5年間に2年以上の相談支援の実務経験があること」「現に相談支援業務に従事していること」などです。とくに初任者研修修了後、初回の現任研修を受講する際には、過去5年間に2年以上の相談支援経験という要件を必ず満たす必要があります。期限までに現任研修を修了しなかった場合は、改めて初任者研修を受け直さなければ相談支援専門員として従事できなくなるため注意が必要です。

さらにキャリアアップを目指す方向けには、地域の中核的役割を担う「主任相談支援専門員研修」も設けられています。主任研修を修了すると、現任研修を修了したものとみなされます。

研修の申し込み方法と注意点

研修は各都道府県またはその指定研修事業者が実施しており、募集時期や定員、受講料は地域によって異なります。多くの自治体では年に1回程度の募集です。定員を超えた場合は、実務経験の有無や事業所での従事予定などにもとづいて受講者が選定されます(先着順ではないケースが一般的です)。

申し込みにあたっては、実務経験証明書や法人推薦書などの提出が求められることが多く、書類の準備に時間がかかります。受講を検討している方は、早めに準備を進めましょう。お住まいの都道府県(障害福祉担当課)や指定研修事業者のホームページで、最新の募集要項と実務経験要件を確認しておくと安心です。相談支援専門員は、社会福祉士などの国家資格を活かして目指す方も多い職種です。

受講前に確認したい自己チェックと失敗しないコツ

結論として、相談支援従事者初任者研修は「申し込めば必ず受けられる」研修ではありません。実務経験の数え方や書類の準備でつまずく人が多いため、受講前に次の点を自分で確認しておきましょう。早めの準備が、貴重な年1回の機会を逃さないコツです。

  • 自分の必要年数を確認したか:国家資格にもとづく業務なら3年、有資格で相談・直接支援なら5年、資格なしの直接支援なら10年が目安です。複数の職場の経験を通算できる場合もあります。
  • 実務経験の「いつ時点」かを確認したか:研修受講時に満たす必要があるか、配置時でよいかは自治体で運用が分かれます。お住まいの都道府県の実施要綱で必ず確認しましょう。
  • 実務経験証明書を発行できるか:過去の勤務先に証明書を書いてもらう必要があります。退職済みの職場ほど時間がかかるため、早めに依頼しましょう。
  • 受講の目的に合うコースか:相談支援専門員を目指すなら演習まで含む全課程、サビ管・児発管目的なら共通講義のみの課程です。コースを間違えると目的の資格に進めません。

よくある失敗は「定員超過で受講できなかった」「書類の不備で締め切りに間に合わなかった」「コースを取り違えた」の3つです。定員を超えると実務経験者が優先されるなど、先着順でないことも多いです。募集が出る前から証明書を準備し、要件を満たしているかを整理しておけば、申し込みを落ち着いて進められます。最新の要件は厚生労働省 障害者福祉のページや、お住まいの都道府県の募集要項で確認してください。

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まとめ

相談支援従事者初任者研修は、障害福祉の相談支援専門員になるために必須の研修で、都道府県などが実施しています。受講には、保有資格や業務内容に応じて3~10年の実務経験が関わります。研修は講義と演習をあわせて42.5時間で構成されます。

講義部分はサービス管理責任者・児発管研修と共通で、修了後も5年ごとの現任研修が必要です。募集時期や要件は自治体ごとに異なるため、最新の募集要項を一次情報で確認しながら、計画的に受講準備を進めていきましょう。

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