介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の
【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。
ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!
ご感想をお待ちしております。
そんな連載36回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩
深刻な人手不足や経営環境の悪化で介護現場が苦境に立たされるなか、支援策の拡充を求める声が与党内からも出ている。【Joint編集部】
自民党の「地域の介護と福祉を考える参議院議員の会(末松信介会長)」は16日、介護現場への「特段の措置」を加藤勝信財務相、小野寺五典自民党・政調会長に申し入れた。介護事業者らで組織する団体も同席した。
要望書では、介護職員と全産業平均の給与格差が更に拡大している現状も踏まえ、「人材流出が生まれている」と問題を提起。長引く物価高騰の影響も大きく、多くの事業所・施設には現状に対抗し得る体力が残されていないと説明し、既存の支援策では足りないと訴えた。
そのうえで、「介護分野の更なる賃上げと物価高への対策について、政府・与党で検討を進めてほしい」と要請。「介護にかかる費用を、コストではなく国民生活の安定と充実に向けた投資と捉え、大胆かつ速やかな対応を」と呼びかけた。
政府が今国会では今年度の補正予算案の提出を見送ると報じられているなか、申し入れに同席した介護関係者は、「早期の支援策が必要なことに変わりはない。可能な限り早く次の措置を、と言い続けていくしかない」と語気を強めた。
介護分野から人材流出が止まらない
人手不足が社会問題になりつつある介護業界ですが、もともと介護職員として働こうという人が少ないという話と、もともと介護職員として働いていたけど、他分野へ転職する人が増えているという話の二点が大きい所でしょう。
その中でも、もともと介護職員として働いていたけど、他分野へ転職するというのは大きな問題ですね。
他分野から新規参入してくれる職員が少ないという問題よりも事態は深刻です。
それではもともと介護職員として働いてくれていた人が他分野へ転職してしまう理由とその問題点を挙げていきましょう。
好景気だと他分野へ人材が流れていきがち
【公式】ケアマネ介護福祉士は介護業界で20年以上働いていますが、好景気になると基本的に介護業界の人材不足や介護職員の質が低下するというのは統計的にみられており、【公式】ケアマネ介護福祉士個人的には全然好景気っていうイメージはないんですが、新型コロナウイルスの影響も収まり始め、景気が上り調子っていうのは間違いないのでしょうか?
基本的に介護保険の報酬で成り立っている介護業界は、景気の影響を受けないため給料はほぼ一定。
景気が上向いてきて、周りの給料がどんどん上がったにしても、介護業界は介護保険から一定の報酬しか入らないため給料が変わらないため他産業の給料がバンバンもらえる業界に流出しがちです。
逆に不況になると失業の心配や、給料が景気に左右されず一定額なのでもらえる介護業界へ倒産した会社とか派遣切り、雇止めを受けた人たちが失業保険を
もらった後に参入してくるというのがパターンでした。
ただ、今回はコロナショックがあったにもかかわらず、新型コロナウイルスのパンデミックが医療、介護業界を中心に起こってしまったというイメージがつきやや敬遠され思っているよりも人材が増え無かった印象はありますね。
無資格者は給料低い
それでも処遇改善加算のおかげで介護職員の給与平均は確実に上がり、中堅層以上を中心に割と生活に困らないくらいの給与を手にしている印象はあります。
ただ、これは中堅層以上の話。
処遇改善加算の特性上、無資格だったり介護経験が浅い人たちはほとんどその恩恵にあやかれない状況であるのは間違いありません。
故に無資格の方々は依然として給与が安く他分野で働いた方が給与はしっかりもらえるでしょう。
特に若手は給料低くてやめがち
上記で説明したとおり、介護経験だったり、勤めている年数だったりが短い。
更に介護福祉士等の資格の性質上、若手やこの業界に新規参入した職員というのはほとんどが無資格となればおのずと処遇改善加算の恩恵はほとんどない…。
本当にお金だけが目的であり、資格取得までの数年間を経済状況的にも身体的、精神的にも耐えられないのであればもうコンビニの深夜バイトをした方が給与は高いんじゃないかと思ってしまいます。
若い人材は特に他分野で未経験でも雇ってくれる所が多いため他分野で働いた方がいいと介護業界から去っていく気持ちもすごくわかります。
ベテランも上と下の差が激しい
また、ベテランといえど、給与をある程度もらっている職員とそうではない職員に分かれるところでしょう。
ただ働いている年数が長いだけの無資格者だと、それほど給与は高くないでしょう。
処遇改善加算の恩恵もそこそこでしょうから同じく人手不足ではあるものの介護業界よりも全然給与が高いよっていう産業はそれなりにあるのが現状。
資格持ち+ベテランが給与で介護業界を去ることは少なくなりましたが、依然として給与水準的に他産業へ転職する理由の一端になるのは間違いありません。
ごく一部を除いて他分野への転職が進めば会社が上手く回らない
そんな中で、給与だけの話で言えば、ある程度のベテランで有資格者となれば転職する必要はないですが裏を返せば一部のベテラン有資格者以外は給与的に他産業へ転職することも十分にある…。
結果的に施設の中核を担えるであろう何人かだけを残して、あとの人材はほぼ新人みたいな事業所も多い…。
そうなってくると事業所としてもノウハウや経験、マニュアル的な部分を継承して一定の質を担保するっていう当たり前のようなことが難しくなったりしています。
職員の入れ替わりが激しいと、ケアが俗人的になっていきがち。
挙句、その中核を担っていた職員が不慮の事故や病気、転職等により経営が傾くなんてこともあります。
簡単な実例としては、レクリエーションや接遇が素晴らしい地域で評判のデイサービスだけど、一般の介護職員は入れ代わり立ち代わりでなかなか定着しない。
それでも相談員がレクリエーションや接遇をしっかりと新人教育してこれたため評判になっていた。
そんなやり手相談員が退職し、半年後には評判も悪く利用者さんも閑古鳥。
閉鎖に追い込まれるっていう所が実際にあります。
長い時間をかけ、理念や方針が他の職員にもしっかりと伝わっていればこんなことにはならなかったのでしょうがコロコロ職員が入れ替わる中、一人が支えていたような状況だったため、全てが崩れ去ってしまう。
俗人的になってしまうと、何かあった時に事業が回らなくなる典型と言えるでしょう。
介護職員以外の流出はさらにひどい
処遇改善加算の恩恵を通し、介護職員の流出問題を取り上げましたが、それ以上に大変なのは介護職員以外で介護業界に関わる人の流出も最近はとんでもなく多くなったなという印象です。
例えば、事務や経理に関しては他産業と基本的にはやることが大きくは変わらない。
それでいて、他産業の方が給与水準は高い。
まして、一般の経理とちがい、介護業界は報酬が介護保険から。
業者への大きな支払いは2か月後とかの所も多く、微妙に違うことも多い。
利用料の支払い自体も、国から7~9割であとは利用者さん負担とか一般の事務や経理からするとちょっと意味が分からない仕組みだったりもします。
その辺を考えると基本的に、事務や経理の経験者がわざわざ給料が低いうえに微妙に違う制度の所に行く必要っていうのはない。
処遇改善加算がもらえない訪問看護で勤めるセラピストなんかは低賃金に耐え切れず資格があるのにもかかわらず他産業へ転職したり資格を持ちながら介護職員として働く人が割と増えてきました。
4年制大学を卒業し、セラピストの免許を取ったんだからセラピストは意地でも続けていきたい。
でも、給与が低いため生活は出来ない。
だから土日で介護施設のアルバイトを行うっていうのが最近結構聞くパターンになりますね。
また、居宅ケアマネに至ってはさらに顕著であり割と処遇改善加算のおかげで給与が潤っているため、居宅のケアマネにジョブチェンジすると年収ベースで
100万円前後給料が下がります。
そこまでしてケアマネという仕事につきたい人はそれほど多くなく、ケアマネの平均年齢は毎年1歳以上上がり、現在では平均年齢53.6歳という状況。
もちろん施設ケアマネを含めた年齢になるのでおそらく居宅ケアマネはもっと
平均年齢が上だと予測します。
居宅ケアマネをやりたい人は減り続け、居宅ケアマネをやり続けている人がどんどん年齢を重ねているためこのような結果。
むしろ平均年齢以下のケアマネが介護職へ舞い戻る現象が続いており、ケアマネの人数は減少の一途をたどっていくだけにはなりますね。
処遇改善加算のおかげで介護職員の一部は潤っていますが、その弊害として一部の介護職員以外、特に新人の方々はやめていくだけっていう所ではありますね。
特段の措置が一体何か?
特段の措置というのがどんなものになるかを今、話し合っている所ではありますがそれによっては介護業界が大きく変わる可能性もあります。
実際に介護業界を変えていく可能性がある特段の措置を【公式】ケアマネ介護福祉士的に希望を込めて予測してみましょう。
今までの処遇改善ではベテランしか残らない
今までの処遇改善加算は、高齢化がもうそろそろピークを迎えるにあたりなんとかベテラン勢を中心にこの業界に残ってもらえるように給料を下支えしよう。
どうせ高齢者も段々と減っていくわけだからこのまま高齢化ピークの壁を乗り越えればいいでしょうっていう方針だったのでしょう。
【公式】ケアマネ介護福祉士的にはそれも間違いではなかったんでしょうと思ってはいましたが、思った以上に処遇改善加算の恩恵を受けられていない新人さんや未経験者の流出が激しい。
逆に、ベテランで有資格者にならないと人並みの給料がもらえないのかっていう感じで見限られているような状態…。
若手や未経験も働きたくなる仕組みづくりが必要
介護業界の絶対的人数が減ってしまったけれど、その理由っていうのは単純。
若手や未経験者も働きたくなるような仕組みづくりが必要っていう話ですね。
そりゃあそうだ…。
このまま行くと若手や未経験の人達が入らなかったら業界の寿命が尽きてしまう…。
一律の給付か?
本当に介護業界を支えていたベテランが高齢化により働けなくなったころには若手はほぼゼロ。
そんな破綻した業界を再度持ち直すっていうのはかなり難しい事でしょう。
これから需要の数、つまり介護を要する高齢者の自体は減りますが、支える現役世代の人数も減り、介護の需要割合的なものは増えていくでしょう。
そんな中、予想以上に若手や業界未経験の職員が次々流出してしまうのを防ぐためにやること。
それは単純明快。
処遇改善加算的なものの一律の給付を行うってところでしょう。
介護業界の仕組み的に、今ある処遇改善加算の要件を急に変えるというのは正直なところ結構大変。
法改正まであと数年ある…。
近々の問題で早く対策を打ちたいとなれば、新たな加算を作るほかないでしょう。
ここ数年、処遇改善加算もそうやって何種類も追加に追加を重ね、最大で3つの処遇改善加算を同時に算定しなければいけない時期もあったほど…。
今回の法改正で一本化されたものの、居宅ケアマネや福祉用具貸与事業所等の今までもらっていなかった業種にも配れるような加算を作る必要があるでしょう。
介護業界そのものを下支えする構図を作らない限り抜本的改革にはならないというのが今回の処遇改善加算で得られた結果だと【公式】ケアマネ介護福祉士は考えます。
物価スライドも話題にはなっているが…
一部で議論が進められている物価スライドの導入ではありますが、景気に左右されない介護業界に物価スライド制度を運用するにしても、相当大きな幅で動かさない限り、好転はしないでしょう。
介護保険の基本点数×0.01パーセント程度で運用するくらいなら手続きや脛痠の手間が増えるだけで焼け石に水。
最低でも0.1~3%程度は毎年上下しないとお話にはならない。
ただ、訪問系の事業所は経費の5割以上が人件費となるため、物価スライドを大きくすればするほど事業の継続に過剰な資金だったり運営手腕が必要になってきます。
事業所が簡単に潰れるような荒波業界にするくらい事業所が飽和状態というわけではない中でこの選択枝はなかなか難しい所でしょう。
基本報酬へ臨時の上乗せがなければ事業所自体が潰れる
数年後の話にはなりますが、次回の報酬改定では基本報酬の改定が必須になるのは確定的でしょう。
いくら職員の給与を国が支えたところでその職員が働く場所が今まさに減少しているのは周知の事実です。
訪問介護を中心に倒産件数が過去最高を記録している状態。
次の法改正で大幅な上方改定でもない限り、ある程度資金力のある会社は黒字でも赤字でも撤退。
小規模事業所は、なんとかしがみつくも赤字を膨らまし続けて倒産。
そんなビジョンが見えています。
介護事業所が無くなれば困るのはそこに住む住民。
もちろん行政主体で介護事業所を運営するというのも手段の一つではありますが、民間の大手が経営しても撤退するような状況では、行政が運営して黒字化するわけでもなくそれ以上の赤字を垂れ流すだけ。
実際に、過疎地域では介護事業所が撤退し、介護保険料を支払ってはいるものの、在宅で介護サービスを受けることができない地域も出ている構図。
行政が一時的に運営していた地域もありますが、それも大赤字で致し方なく閉鎖している地域もすでに見えている…。
基本報酬の改定に関しても、もう少し地域ごとの実情に合わせた柔軟な報酬の改定を行う必要があるのではないでしょうか…。
この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。
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