介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の
【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。
ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!
ご感想をお待ちしております。
そんな連載37回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩
介護サービスの事業者や専門職らで組織する関係10団体は8日、物価高騰が介護事業所・施設の経営に与える影響を明らかにする調査の結果を公表した。
【Joint編集部】給食の材料費、特にコメの価格の高騰が大きな打撃になっていると問題を提起した。
調査結果によると、今年1月の施設系サービスの給食関係費は前々年の同月比で110%に増加。材料費は同115%に増えていた。
また、通所介護など在宅系サービスの給食関係費も、同112%に膨らんでいた。「おコメは必ず提供したい。出さなければいけない。価格がこれだけ上がると非常に厳しくなる」
全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、会見で深いため息をついた。今回の調査結果では80床の施設のデータを紹介。今年1月のコメの仕入れ値が、昨年1月の225%に膨張していると報告した。
東会長は、「介護現場の食事ではおコメが非常に大切。多くの施設が質も重視しており、国産米を提供している」と説明。「現場では少し麦を混ぜるなど様々な工夫で乗り越えようとしているが、大変苦しい状況と言わざるを得ない」と吐露した。
また、全国老人福祉施設協議会の田中雅英副会長は、「ご利用者様の一番の楽しみは食事。おコメにこだわりを持っている方も多い」と強調。
「そのおコメの価格が2倍になっており、施設側の持ち出しも増えている。職員の福利厚生などに影響が及ぶ恐れもあり、負担にも限度がある」と指摘し、早急に更なる対策を講じるべきと訴えた。
この調査は、関係10団体が共同で今年4月に実施したもの。回答は1857件にのぼり、1万1203事業所・施設分のデータを集計した。
食料品や光熱費があがりっぱなし
昨今の物価高に関しては、貿易上の理由が大きく、アメリカの急激や方針転換だったりとか、ロシアとウクライナの戦争だったりが理由の一つではありますがとても一時的なものではなくこれから先も日本はしばらく物価高騰に頭を悩ませることになるのは明白な所でしょう。
食費の値上げはいろんなところが対応中
もちろん、昨今の物価高というのは介護業界だけではなく日本全体のことです。
飲食店だけに限らず、スーパー等の食材は値上がりをする一方。
食材を育てる肥料等は海外輸入に頼っている部分が大きいので値上がりしている。
更に、日本円が一人負け状態なので、円の価値が下がっているため輸入品は値上がりしていなくても結果的に高くなっている。
輸入品全てが実質値上げされている状況。
ガソリン代に関しては、円安と戦争の影響で高騰しているため日本国内で生産が完結するものに関しても値上げされているっていう四方八方が塞がっている形ですね。
そのため、全ての物価が上がっている状況。
介護業界も一般企業に合わせて値上げしたいところではありますが、それが出来ないのが現状です。
基本報酬は国が決めている
介護事業が値上げできない理由はとても簡単。
医療保険同様、保険事業であるため何をやったらいくらもらえるかっていうのが自分で決められないという所。
飲食店で言えば、珈琲一杯を今まで500円で提供していたけれど、電気代、豆代、人件費が上がってきたので一杯550円に値上げする。
これはどこもやっていることですが、介護保険事業は国が値段を決め、デイサービス一日8000円。
9割は国が払って、残り一割を利用者さんから徴収するっていう感じの仕組み。
国が値段を決めている以上、基本報酬の値上げは不可能です。
デイサービスは入浴や食事を辞めるところも…
基本報酬の値上げは出来ない。
その中でデイサービスは苦肉の策を取る所が増えてきました。
それはサービスの取捨選択。
余談ではありますが、なかでも入浴に関しては切り捨てるところが多くなってきましたね。
入浴の基本報酬は一人につき450円~500円。
水道代、ガス代、人件費を考えると割に合わないから入浴サービスをやめる事業所も増えてきています。
食事代は介護保険外なので唯一デイサービスにとって値上げが出来る項目。
ひと月に複数回値上げをするデイサービスも出てきており、値上げを何度も行って印象が悪くなるくらいだったらいっそのこと食事サービスを辞めるところも出てきたくらいです。
このまま行くと、デイサービスの食事サービスはぜいたく品。
当たり前だった1日デイサービスですごすという事も富裕層の介護サービスになるかもしれませんね。
その中でも特別養護老人ホームは値上げしづらい
デイサービスは値上げという選択肢もある一方で、多くの高齢者が年金だけで入居できる特別養護老人ホームは事情が違います。
特別養護老人ホームも食事代は自己負担なので値上げをすればいいんじゃないかと思う一方でそれができない事情があります。
なぜ、特別養護老人ホームが年金の範囲内で入れるか?
それは食事代とお部屋代が収入によって市町村から補助が出ているから。
市町村からの補助があるため、単純に食事代を三倍に上げれば市町村が行う補助金の金額も三倍になるだけかと思いますが、市町村から払われる補助金は一人あたり食事代の自己負担上限は500円という形で、自己負担金の上限を設けているため値上げ分はダイレクトに市町村の負担。
三倍に値上げすれば市町村が負担する金額は三倍以上に膨れ上がります。
ただ、市町村の負担が大きくならないように、全国の特別養護老人ホームには食事代やお部屋代はこのくらいにしてね?
っていう基準額が決まっています。
一日の食費は2024年度に1445円という価格が設定されており、それ以上の値上げはおいそれと行えないのが現状です。
もちろん、値上げが出来ないわけではありませんが、特別養護老人ホームが食費や部屋代を値上げするためには市町村との協議が必要。
もちろん、市町村は急に値上げされてもそれを払う予算は用意していない。
とてもじゃないですが特別養護老人ホームの経営が厳しいから食事代を値段上げたいって言われてすぐに値上げできる市町村があるとは思えません。
少なくとも、今のうちに市町村と協議、検討して来年度のために予算を確保してもらうっていうのがギリギリ実現可能な対策ではありますが、もちろん来年の物価予想なんてできるわけがありませんしその予算を確保できる所があるとは限らない…。
もちろん、来年度まですべての特別養護老人ホームが耐えきれるほど内部留保があるかといわれればそれも保証はありません。
昨今は特別養護老人ホームの内部留保が問題視されることが多かったため、それほど潤沢に資金を持っている所があるのかも疑問なくらいです。
食費を上げられない特別養護老人ホームと、食費を上げられても払えない市町村。
じゃあ日常生活費等の名目で別に利用者さんから費用を集めようにも年金以上の金額は払えない利用者さん。
もう特別養護老人ホームというシステム自体が傾き始めているのかもしれません。
食事の質を落とすも限界
値上げも出来ない中、どうするかといえばもちろん食事の質を落とすしかありません。
すでに多くの福祉事業者さんが食事の質を大きく落としています。
見た目だけでなく、決して敏感とは言えない高齢者の舌にもわかるくらい味にも影響が出てきているくらい質を落としているのが現状です。
デイサービスの施設内調理は調理員の人件費、電気代、ガス代が高くつく。
大型セントラルキッチンで作った冷凍を温めるだけのいわゆるゼロクックやワンクックだったりお弁当の方が安く仕上がります。
今まで地元の食材を使って、デイサービスや特別養護老人ホームの中で調理。
出来立て、作り立てだったものが出来合いのお弁当や温めるだけの調理になる。
どちらがおいしいかは明確でしょう。
また、セントラルキッチンのお弁当に関しても今まで国産の食材を使っていたのが外国産になったり生野菜が冷凍野菜に変わったりとどんどん質を落としている現状です。
質を落とすのも限界があり、いずれセントラルキッチンで作ったお弁当や料理も値段が高騰するでしょう。
実際に外注の弁当もどんどん値段が上がってきています。
安い業者、安い食事に切り替えるのに限界を感じ、食事のサービスを辞めるところが増えれば、食事付きのデイサービスが当たり前ではなくなる。
高級な食事か徹底したコストダウンの栄養だけ最低限取れればいいっていう安価な食事の二極化が進み、中間層は食事サービスを提供しない。
考えられる近い未来の姿ではないでしょうか?
食事だけが楽しみっていう名台詞も消滅
高齢者の代名詞、食べることだけが楽しみだというのもお金がなければ叶えられない時代になってきています。
お金がなければずっと味気ない栄養補給だけが目的の食事へと変わる。
抵抗のある介護サービス利用を促すためにデイサービスに食事を楽しみの一つとして誘うなんていう当たり前の誘い文句ももう使えなくなってきています。
利用者さん家族としても、一日いっぱいデイサービスに行ってほしいのに食事代が高いから半日でしか利用できない。
デイサービスも半日利用の利用者さんが多くなれば送迎のコストが増え、利用者獲得も一日の利用者さんに比べ、二倍の利用者さんが必要になります。
特別養護老人ホームは更に状況は悪く、値上げも対策も出来ないためただ単にコストの削減をしなければいけない状況。
まさに真綿で首を締めるという状況でしょう。
職員の福利厚生を削るという発言がトップから…
そんな真綿で首を締め続けられている状況の中、福祉業界のトップから現実的かつ、想像できる未来ではあるものの決して認めたくはない発言が出ましたね。
「経費が増えて、職員の福利厚生を削減するしかなくなる」っていう発言。
職員の福利厚生を削減するってことですが、実際にどんなことが考えられるのか?
もちろん社会保険や厚生年金を払わないとか基本給を下げるとかは日本の法律上難しいというか不可能。
じゃあどうするか…。
純粋な福利厚生の面で言えば、退職金制度の廃止や住宅手当、扶養手当等の部分になるでしょう。
もともと、退職金っていうのは必ず払わなければいけないものでもない。
住宅手当だったり扶養手当も同様。
会社が福利厚生の一環として任意で設定しているもの。
この辺が削減される可能性がどの福祉事業者にも起こり得るという事ですね。
他にもこの福利厚生に魅力を感じて入社したっていうような目玉的福利厚生が無くなってしまうかもしれません。
目玉の福利厚生があるという事は、他の企業に比べ、福利厚生にお金を使っているという事ですから。
手当が多い会社は特に危険
任意の福利厚生がない企業だったり、経営状態が悪い所はもっと直接的な所に踏み込む可能性があるでしょう。
一番はボーナス。
ボーナスは基本的に出しても出さなくてもいい。
もちろん、今年はボーナスありませんなんてなれば職員の大量離職になりかねないので諸刃の剣ではありますが、可能性は十分にあるでしょう。
特に、ボーナスを支給しなければ社会保険料の削減にもなる。
会社にとってはいいことだらけでしょう。
介護業界ではボーナスを処遇改善交付金で賄うことが出来ますので、しっかりと計算が出来る介護職員以外にはなんとなく今年はボーナスがすくなかったようなきがするなあ…。
程度で、気づかれないかもしれません。
実際は会社が収益から一円も出すことなく処遇改善のみで賄っているなんて言うのに気づかない人が多そうな印象です。
また、夜勤手当、早番手当、通勤手当等の月々の給与に影響しそうな手当にまで手を付ければもう末期状態ではありますが可能性がゼロではないでしょう。
職員不足がさらに加速
このように職員の福利厚生を削っていくと、職員不足がさらに加速。
取得していた加算や利用者さんの受け入れが困難になり施設の収入が落ちる。
人手不足が広まり職員の離職が加速、新たなスタッフも入らない。
新人教育する時間もない。
負のループが見えてきますがそれをしなければ会社の存続がないくらい追い込まれる施設がどんどん増えてくるでしょう。
コメ問題がクローズアップされているが…
日本国内でコメの高騰がクローズアップされている状況であり、国会やメディアでも注目が集まっておりますが、介護福祉業界においてはコメの高騰だけではない状況。
大臣も変わり、コメの価格を下げるというわかりやすいミッションを掲げている。
コメの値段が下がれば介護業界も息を吹き返すともし考えられているのであれば更に自体は長期化するかもしれませんね。
コメの値段が下がったところで他の物価が下がらなければ経営が苦しいのは変わらない。
最低賃金も上がり、働く人の獲得競争に関しては負けっぱなし。
決して介護業界はコメの値段が下がったところで解決しないというのを分かっていてもらいたいところではあります。
この長期化する可能性がある介護業界で生き残る企業で働くべき
福祉事業はめったなことでは潰れない。
社会福祉法人はいざとなれば公金が入るから潰れない。
昔はそう思われていましたが、今は民間企業の運営するなにか大きな特色がない福祉事業所は平気でつぶれるのが現実。
社会福祉法人も経営難であれば譲渡や統合が繰り返されている。
田舎の社会福祉法人は引き受け手がなく、仕方がないので市町村が取りあえず運営を引き受けるものの、社会福祉法人が運営していた時よりも赤字を垂れ流し結局閉鎖するっていうのが最近の流れになっています。
いつ、どこの会社も平気ではないこの状況の中で、どの会社で働くかは非常に重要になるでしょう。
働く介護職員も経営状況を見る力が必要
ここ数年で、社会福祉法人は経営状況を公開しなければならず、多くの福祉事業所ではホームページで公開しています。
どのくらいの赤字が出ていて、残りの資産がどのくらいか?
ここまでは最低でも知る必要があり、
どのくらいの借り入れがあってまだまだ借入できそうなのか?
もう借り入れは出来そうにないのか?
まで判断できればいいのかなと思いますが、なかなかそこまで理解できる人はいないでしょう。
そもそも自分が働いている会社のホームページを入職してから一度も見たことがないという人も多いのではないでしょうか?
そうなれば信頼できる転職エージェントに経営状態がいい会社を紹介してもらって転職するというのも一つの手段かもしれませんね。
転職エージェント側も紹介料の高低だけでなく、紹介したスタッフが長く働ける経営状況かどうかを判断できる能力が必要になってきているのでしょう。
この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。
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