認知症ケア指導管理士とは? 仕事内容・資格の取り方について分かりやすく解説

認知症ケア指導管理士とは、認知症ケアの知識と指導力を証明する民間資格です。この記事は、資格の概要や認知症ケア専門士との違いを知りたい方に向けて解説します。認知症ケア指導管理士は、認知症の方への適切なケアと、ケアを行う人への指導・管理ができる人材の育成を目的に創設されました。区分は、実務経験を問わない初級から、指導者を目指す上級まで用意されています。介護・医療の現場で認知症ケアに携わる方の専門性を示す資格として注目されています。資格概要や受験資格、試験内容、認知症ケア専門士との違いを、2026年7月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • 認知症ケア指導管理士とは何か(資格の概要と認定元)
  • 初級と上級の区分と、それぞれの受験資格
  • 試験内容・受験料・実施時期と、資格の更新について
  • よく似た「認知症ケア専門士」との違い
  • 資格を取得するメリットと活躍の場

認知症ケア指導管理士とは

認知症ケア指導管理士とは、認知症ケアの担い手を育てるための民間資格です。認知症の方への適切なケアを行い、ケアにあたるスタッフへの指導や管理ができる人材の育成を目的に創設されました。認定と試験の実施を行うのは、一般社団法人 総合ケア推進協議会です(国家資格ではありません)。2010年7月の第1回試験以降、これまでに2万人を超える資格所有者が誕生しています。第1回から第32回(2010年7月~2025年12月)の累計受験者数は37,565名、累計合格率は68.8%です。

高齢社会が進むなか、認知症の方は今後も増えると見込まれています。そのため、認知症ケアの知識を体系的に学んだ人材へのニーズは高まっています。認知症ケア指導管理士は、幅広い層が認知症ケアの知識を習得できる資格です。介護施設や医療機関で認知症ケアに携わる方はもちろん、家族の介護を考えている方や、これから介護の仕事を目指す方まで対象としています。

認知症ケア指導管理士には初級と上級がある

認知症ケア指導管理士には、2つの区分があります。基礎を学ぶ「認知症ケア指導管理士(初級)」と、その上位にあたる「上級認知症ケア指導管理士」です。初級では、認知症ケアに関する基礎知識を中心に学びます。上級では、現場における認知症ケアの専門性を高めます。あわせて、指導者として人材を育成する力も求められます。まず初級を取得し、さらにステップアップを目指す方が上級に挑戦する流れが一般的です。

認知症ケア指導管理士(初級)

初級の大きな特徴は、受験資格に資格や実務経験の有無を問わない点です。介護・医療の従事者だけでなく、家族の介護を考えている方やこれから介護を学びたい方など、どなたでも受験できます。なお、受験者の約6割は介護職、約3割は医療職の方が占めています。試験は年2回(7月および12月)、全国の主要都市で実施されます。2026年度は7月5日(第33回)と12月に実施予定です。形式は60問・五肢択一のマークシート方式です。合格基準は、総得点の7割を基準に、問題の難易度で補正した点数以上です。

上級認知症ケア指導管理士

上級は、初級資格を保持している方が対象の上位資格です。原則として初級合格から1年以上の経過が求められます(例外あり)。初級を保持していない場合は、初級試験と上級の一次試験を併願して受験します。試験は2段階です。一次試験(60問・五肢複択のマークシート方式/90分)と、一次試験合格者のみが受けられる二次試験(論述形式/90分)に分かれます。二次試験では、認知症ケアを含めたケア全般に関する状況設定問題などが出ます。対応力や判断力を問う論述問題です。第1回から第19回(2014年7月~2025年12月)の累計合格率は9.1%です。初級に比べて、難易度が高い試験といえます。

認知症ケア指導管理士の受験料と更新

受験料や更新の有無は、資格を検討するうえで押さえておきたいポイントです。2026年7月時点の主な費用は次のとおりです。

区分 受験料 備考
初級(一般) 7,500円 別途、認定登録料2,000円が必要
初級(学生) 4,000円 大学生・専門学校生・高校生が対象
上級(一次試験) 10,000円 一次・二次は別料金
上級(二次試験) 6,000円 一次試験合格者のみ受験可

合格後は、認定登録料を支払うことで認定証が交付されます。また、認知症ケア指導管理士の資格には2年ごとの更新制度があります。更新には更新料(5,000円)が必要です。ただし、再試験や講習の受講は求められず、所定の手続きで更新できます。受験料や日程などは改定されることがあります。申し込みの際は、認定元や試験実施団体の公式サイトで最新の受験要項を確認しましょう。

認知症ケア指導管理士と認知症ケア専門士の違い

認知症ケア指導管理士とよく混同される資格に「認知症ケア専門士」があります。どちらも認知症ケアの専門性を示す民間資格です。ただし、実施団体・受験資格・更新制度などが大きく異なります。主な違いを整理すると、次のとおりです。

項目 認知症ケア指導管理士(初級) 認知症ケア専門士
認定・実施団体 一般社団法人 総合ケア推進協議会 一般社団法人 日本認知症ケア学会
受験資格 資格・実務経験を問わず誰でも受験可 過去10年間に3年以上の認知症ケア実務経験が必要
試験形式 60問・五肢択一のマークシート方式 第1次試験(筆記)と第2次試験(論述・面接)
更新 2年ごと(更新料のみ) 5年ごと(更新には単位の取得が必要)

大きな違いは受験資格です。認知症ケア専門士は、受験に認知症ケアの実務経験が3年以上必要です。一方、認知症ケア指導管理士の初級は、実務経験がなくても受験できます。そのため、これから認知症ケアを学び始める方には、初級が取り組みやすい資格です。認知症ケア専門士について詳しく知りたい方は認知症ケア専門士の受験資格や合格率を解説した記事もあわせてご覧ください。

このほか、認知症の方への接し方や知識を学べる資格には、より入門的な「認知症介助士」もあります。介護の現場以外でも役立つ資格を探している方は認知症介助士について解説した記事も参考になります。

認知症ケア指導管理士の資格を取得するメリット

認知症ケア指導管理士の資格を取得すると、介護・医療の現場で次のようなメリットがあります。

  • 認知症ケアの知識を客観的に証明できる:体系的に学んだ知識を、認定元のお墨付きで示せます。
  • 未経験からでも挑戦できる:初級は実務経験を問わないため、これから介護を始める方の第一歩になります。
  • 指導者へのステップにつながる:上級を取得すれば、現場スタッフへの指導や人材育成を担う立場を目指せます。
  • 幅広い職場で活かせる:認知症ケアの需要は高く、習得した知識をさまざまな現場で役立てられます。

認知症ケアの知識は、認知症の方が多く暮らすグループホームなどの現場でとくに力を発揮します。認知症対応型の施設に関心がある方はグループホームの特徴や仕事内容を解説した記事もご覧ください。

取得後の活かし方と費用回収の現実

資格は取って終わりではありません。結論から言うと、現場でどう活かすかで価値が決まります。受験前に「取得後の使い道」を決めておくと、学習も実務も無駄になりません。

取得後に現場でできる3つの行動

  • 声かけの言語化:学んだ知識を、新人へ「なぜこの対応が良いか」を自分の言葉で説明する材料にする。
  • ケア方針の根拠づけ:BPSD(行動・心理症状)への対応を、勘ではなく学んだ根拠で家族に説明できる。
  • 上級でのステップ:上級まで取れば、施設内研修の講師役や新人指導の担当として動ける。

費用と手当の現実を先に押さえる

注意点として、この資格に全国共通の資格手当はありません。給与への反映は事業所ごとに異なります。受験前に、自施設の資格手当規程を確認しましょう。手当がなくても、認知症ケアの質を上げる学びそのものに価値があります。費用は初級で受験料7,500円+認定登録料2,000円、さらに2年ごとの更新料5,000円がかかります。回収の見込みは、勤務先の手当の有無で先に試算しておくと安心です。

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まとめ

認知症ケア指導管理士とは、認知症ケアの担い手を育てることを目的とした民間資格です。認知症の方への適切なケアと、ケアにあたるスタッフへの指導・管理ができる人材の育成を目指します。認定・実施するのは一般社団法人 総合ケア推進協議会です。基礎を学ぶ初級は、実務経験を問わず誰でも受験できます。上級は、初級資格を前提とした指導者向けの上位資格です。試験は年2回実施され、初級の受験料は一般7,500円です。合格後は、2年ごとの更新が必要です。よく似た認知症ケア専門士とは、実施団体や受験資格、更新制度が異なります。実務経験がなくても挑戦できる点が、認知症ケア指導管理士の特徴です。認知症ケアの知識を体系的に身につけたい方は、まず初級から取り組んでみてはいかがでしょうか。なお受験要項は改定される場合があるため、申し込み前に公式サイトで最新情報を確認しましょう。

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