近年では「老老介護」や「認認介護」になる世帯も増えており、さまざまな問題が懸念されています。今回は、老老介護・認認介護の現状や問題点、共倒れにならないための対策を紹介していきます。
自分や家族が老老介護・認認介護の状態になっている方、将来的にそうなる可能性のある方はぜひ参考にしてください。
記事でわかること
老老介護・認認介護とは
まずは老老介護と認認介護の意味について解説します。
老老介護とは
老老介護とは、65歳以上の高齢者を65歳以上の高齢者が介護している状態を指します。たとえば「65歳以上の夫を65歳以上の妻が介護している」「65歳以上の子どもがさらに高齢の親を介護している」といったケースがあります。近年、介護が必要なのに若い家族がいない、施設に入れないなどさまざまな理由で老老介護をせざるを得ない世帯が増えています。
認認介護とは
老老介護の中でも、高齢の認知症患者を認知症である高齢の家族が介護することを認認介護と言います。認認介護ではお互いが認知症であるため介護どころではないケースもあり、介護放棄や虐待などに発展する可能性もあります。家族や周囲の人が認知症になっていることに気付かず、いつの間にか認認介護になっているケースも少なくありません。
老老介護・認認介護の現状
厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」によると、自宅で介護をしている人のうちお互いが65歳以上である老老介護の割合は59.7%となっています。さらにお互いが75歳以上である割合も3割を超えています。

引用:厚生労働省2019年国民生活基礎調査
また、要介護者と介護者の続柄については同居の配偶者や子ども、子どもの配偶者が半数以上を占めています。今後は高齢化による要介護者の増加に伴い、老老介護はさらに増えていくと予想されています。
認認介護の現状については、認知症の自覚がないまま介護を続けているケースも少なくないため、正確な割合を把握するのは難しいと言われています。しかし、要介護状態になる原因として最も多いのが認知症であるため、お互いが認知症であることも珍しくないと考えられます。

引用:厚生労働省2019年国民生活基礎調査
老老介護・認認介護の原因
昨今なぜ老老介護・認認介護が増えているのでしょうか?ここでは、老老介護・認認介護の状況になってしまう原因を解説します。
平均寿命と健康寿命
内閣府の「令和2年版高齢社会白書」によると、2016年の平均寿命と健康寿命は以下の通りです。
| 男性 | 女性 | |
| 平均寿命 | 80.98歳 | 87.14歳 |
| 健康寿命 | 72.14歳 | 74.79歳 |
このデータから計算すると、男性は平均で8.84年、女性は12.35年もの間要介護状態であることが分かります。約10年間介護が必要であることから、親の介護が始まる頃には50代だった子どもが60代になり、老老介護や認認介護になってしまうこともあるのです。
また、少子化により高齢の親を介護する子どもも減ってきており高齢の配偶者が介護をするケースも増えています。
生活スタイルの変化
核家族化や女性の社会進出、晩婚化といった生活スタイルの変化も老老介護・認認介護の増加に関係しています。たとえば、核家族化が進むと子どもが親の面倒を見ることが難しくなってしまいます。仕事で遠方に住んでいるから介護ができない、晩婚化により育児と介護の時期が重なってしまうといったケースも少なくありません。
子どもがいても親の介護ができる状況ではない場合、夫婦間での介護を余儀なくされます。中には離れて暮らす子どもに介護を任せることに罪悪感を持ち、配偶者による介護を選ぶ人もいます。
お金の問題
老人ホームなどの介護サービスを利用したくても、そのためのお金がなければ年金を受給しながら自宅で過ごすしかありません。そのため、金銭的な余裕がない場合は老老介護や認認介護に陥りやすいです。また、自宅介護の場合でも設備を揃えるための費用や訪問型の介護サービスの費用が必要です。金銭的な理由から、外部の助けを借りたいのに借りられない人も少なくありません。
老老介護・認認介護の問題点
介護が必要になったとき、身内に介護をしてもらえることには安心感がある一方で、問題点もいくつかあります。次に、老老介護・認認介護で生じ得る問題点について紹介します。
共倒れになる可能性がある
介護は腰痛が職業病とも言われるほど身体的な負担が大きな仕事です。また、精神的負担も大きく、ストレスにより虐待や介護放棄などの事件に発展するケースもあります。プロの介護士でさえ負担が多いことを、身体が衰えていく高齢者が行うのは簡単なことではありません。
そのため老老介護や認認介護が続くと、肉体的・精神的な限界が来て双方が平穏な生活をおくれなくなる、いわゆる「共倒れ」になる可能性があります。また、介護に追われ精神的に追い詰められてしまうと、強いストレスから認知症になるリスクも高まります。
外出の機会が少なくなる
介護者が高齢の場合、体力的問題から外出の機会が少なくなりやすいです。そうなると外部からの刺激を受けられず脳の機能が低下し、認知症になるリスクが高まります。また、運動量が少なくなることで介護者の身体能力はさらに低下します。介護に時間を割くことで趣味などを楽しむ余裕もなくなっていくでしょう。このようなストレスを抱えたまま誰にも相談できないと、介護うつに発展する可能性もあります。
介護以外の生活が困難になる
たとえば、妻が要介護状態になり夫が介護をする場合、家事など介護以外のことが困難になるという問題も起きやすいです。家事のほとんどを妻にやってもらっていた男性が、掃除や洗濯、お金の管理などを突然自分でしなければならなくなるからです。
介護サービスを利用した場合、入浴や排泄など1人では介護が難しい作業はサポートしてもらえますが、家事はそうではありません。そのため、介護以上に生活の困難さを訴える人も多いです。
老老介護・認認介護で共倒れとならないための対策
老老介護・認認介護になったときは、共倒れにならないために早めの対策をとることが大切です。では、共倒れにならないためにはどうすれば良いのでしょうか。
体調に変化があれば病院へ
老老介護・認認介護になったときは、要介護者だけでなく介護者の健康状態にも気を付けましょう。高齢者の場合、体調が悪くても病院に行かず我慢してしまいがちです。日々の介護に追われて病院に行くことが難しい場合もあるでしょう。しかし、小さな異変を放っておくと気付かないうちに体調が悪化したり介護の必要性が高まったりしてしまいます。
そのため、かかりつけ医を作り長期的に体調を管理しましょう。できる限り双方の健康を維持していくことで、老老介護・認認介護による負担軽減につながります。
専門家に相談する
老老介護・認認介護では、困ったことがあっても相談できない、誰に相談すればいいか分からないという状況になりがちです。しかし自分たちだけで抱え込んでいると、肉体的・精神的負担が大きくなり状況がさらに悪化する可能性があります。そのため、以下の相談窓口から専門家に相談して具体的な解決策やアドバイスをもらいましょう。
- 自治体の役所にある介護専門の相談窓口
- 病院の医療ソーシャルワーカー
- ケアマネジャー居宅介護支援事業所
- 地域包括支援センター
すでに老老介護・認認介護になっている場合でも、相談することで状況がよくなることがあります。共倒れにならないよう早めに専門家に相談しましょう。
介護サービスを利用する
要介護認定を受けていれば、デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護保険サービスを利用することができます。また、要介護認定を受けていなくても利用できる介護支援もあります。適切な介護サービスを受けることは、要介護者・介護者双方にとってメリットがあるため、必要に応じて利用しましょう。サービスの種類や利用条件、手続きなどが分からない場合は、上記で紹介した専門科に相談してください。
まとめ
昨今では、少子高齢化や核家族化などの影響により老老介護・認認介護になる世帯が増えています。身近な人に介護をしてもらえることは要介護者にとって安心感がある一方で、共倒れになるリスクもあるため、早めの対策をとることが大切です。周囲の人や専門家にも頼りながら、介護される側にとってもする側にとっても負担の少ない方法を検討しましょう。
e介護転職は、株式会社ベストパーソンが運営する、介護と福祉に特化した求人情報サイトです。
介護・福祉の求人情報を専門に扱う求人・転職サイトのため、介護・福祉の求人を探しやすいのが特徴です。
掲載求人件数は業界最大級で、全国の求人を取り扱っています。
介護・福祉に特化しているので、職種検索(介護職、ケアマネージャー、看護師、生活相談員、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者など)、サービス種類検索:介護(特養ホーム、有料老人ホーム、デイサービス、グループホーム、訪問介護など)・福祉の障害児/障害者支援関連(放課後等デイサービス、障害者就労支援など)、雇用形態での検索(正社員はもちろん、短時間パート、日勤のみ、夜勤のみなど)と充実しており、あなたに合った求人を探せます。
当サイトは、パソコンだけではなく、スマートフォンでも利用できます。これからの高齢化社会を支える業界で、是非あなたの力を発揮できる職場を見つけて下さい。
e介護転職に掲載している求人情報
- 介護職・ヘルパー
- サービス提供責任者
- 介護支援専門員
- 看護師
- 生活相談員
- 作業療法士
- 理学療法士
- 管理栄養士・栄養士
- 福祉用具専門相談員
- 福祉住環境コーディネーター
- 管理職
- 広報・営業職
- 介護事務・事務
- 送迎ドライバー
- 保健師
- 看護助手
- 言語聴覚士
- 医療事務
- 保育士
- 主任介護支援専門員
- 機能訓練指導員
- 相談員
- 訪問入浴オペレーター
- サービス管理責任者
- 児童発達支援管理責任者
- 児童指導員
- 調理職
- 支援員
- あん摩マッサージ指圧師
- 計画作成担当者
- 移動介護従事者(ガイドヘルパー)
- 居宅介護従事者
- 重度訪問介護従事者
- 行動援護従業者
- 相談支援専門員
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 視能訓練士
- 技師装具士
- 手話通訳士
- 歩行訓練士
- その他



