この記事は、福祉用具の仕事を目指す方に向けた内容です。福祉用具専門相談員とは、車いすや介護ベッドなどを利用者に合わせて選び・調整する専門職です。資格の取り方・仕事内容・給料・2024年度の制度改正(貸与・販売の選択制)が一通り分かります。情報は2026年6月時点のものです。
記事でわかること
この記事でわかること
- 福祉用具専門相談員とは・配置義務
- 資格の取り方(50時間の指定講習)と講習が免除される資格
- 仕事内容と介護保険のしくみ
- 給料の相場
- 2024年度改定で導入された「貸与・販売の選択制」
福祉用具専門相談員とは
福祉用具専門相談員とは、利用者に合った福祉用具を選び、調整やモニタリングまで担う専門職です。介護保険の福祉用具貸与・販売事業所に置かれます。利用者の心身の状態や生活環境を踏まえ、用具の選定・提案を行います。さらに取り付けや調整、使い方の助言、その後の見守り(モニタリング)まで担当します。
この職種には配置義務があります。福祉用具貸与・特定福祉用具販売の事業所は、福祉用具専門相談員を常勤換算で2名以上置かなければなりません。福祉用具を安全・適切に使ってもらううえで欠かせない存在です。
福祉用具専門相談員の資格の取り方
資格は、50時間の指定講習を修了すれば取得できます。試験合格型ではなく、講習修了型の資格です。正式には、都道府県知事の指定を受けた事業者が実施する「福祉用具専門相談員指定講習会」(合計50時間)を受講します。修了時の評価(筆記)に合格すれば資格を得られます。
- 受講要件:なし。学歴・経歴・年齢を問わず、誰でも受講できる
- 期間:おおむね6~8日間
- 費用の目安:約3万5千~7万円(テキスト代込み)
なお、講習は新カリキュラムへの移行が予定されています。現行の合計50時間から、合計53時間に変わる見込みです。受講前に、お住まいの都道府県の最新の案内をご確認ください。
講習なしでなれる資格もある
一定の有資格者は、指定講習を受けずに福祉用具専門相談員として働けます。対象となる資格は次のとおりです。
- 保健師・看護師・准看護師
- 理学療法士・作業療法士
- 社会福祉士・介護福祉士・義肢装具士
これらの資格を活かして、福祉用具の分野で働く人も少なくありません。介護福祉士の資格については、ホームヘルパー(訪問介護員)の資格の記事もあわせてご覧ください。
福祉用具専門相談員の仕事内容
仕事の中心は、利用者一人ひとりに合った福祉用具を提供することです。実務は次の4ステップで進みます。
- アセスメント:利用者宅を訪問し、心身の状態や住環境、希望を把握する
- 選定・提案:複数の福祉用具を提案し、福祉用具サービス計画(選定提案書)を作成する
- 適合:用具を取り付け・調整し、使い方を説明する
- モニタリング:使用状況を定期的に確認し、必要に応じて計画を見直す
これらはケアマネジャー(介護支援専門員)が作るケアプランに沿って行います。利用者・家族の同意を得たうえで進めます。なお福祉用具貸与は介護保険が適用され、自己負担は原則1割です(所得に応じて2割・3割)。
福祉用具専門相談員の給料
給料はおおむね350万~400万円が目安です。調査によって幅があり、代表的な数字は次のとおりです。
- 厚生労働省の賃金統計ベースの集計:平均年収 約396万円
- 求人ボックス 給料ナビ:正社員の平均年収 約356万円、パート・アルバイトの平均時給 約1,154円
地域や勤務先、経験によって差が出ます。目安としては350万~400万円と考えておくとよいでしょう。
2024年度改定で導入された「貸与・販売の選択制」
2024年度の介護報酬改定で、福祉用具の提供方法に大きな見直しがありました。2024年4月から、一部の用具で「貸与(レンタル)」と「販売(購入)」を利用者が選べる「選択制」が導入されています。比較的安価で長く使うことが見込まれる用具が対象です。
選択制の対象は、次の4種目です。
- 固定用スロープ(持ち運びできる可搬型を除く)
- 歩行器(歩行車を除く)
- 単点杖(松葉づえを除く)
- 多点杖
この制度では、貸与と販売それぞれのメリット・デメリットを十分に説明することが求められます。説明は福祉用具専門相談員またはケアマネジャーが担います。また、対象品目を貸与する場合は、利用開始後6か月以内に少なくとも1回モニタリングを行います。貸与を続ける必要性を確認するためです。利用者がより納得して福祉用具を選べる仕組みになりました。
講習選びと取得後の働き方の現実
福祉用具専門相談員は誰でも目指せますが、講習選びや働き方を事前に知っておくと失敗を防げます。判断のポイントを整理します。
こんな人にこの取り方が向く
- 未経験から最短で:受講要件のない50時間の指定講習が近道。おおむね6~8日間で取得できる。
- すでに有資格者:看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士などは講習免除。今の資格を活かせる。
- 働きながら:日程・費用(約3万5千~7万円)と通える会場で講習を選ぶ。新カリキュラム(53時間)への移行予定も確認する。
始める前に確認したい注意点
- 講習修了型のため試験勉強は不要だが、入職後は用具の知識を継続的に学ぶ必要がある。
- アセスメントやモニタリングで利用者宅を訪問するため、対人対応や移動が多い。
- 2024年度改定の貸与・販売の選択制で、メリット・デメリットの説明責任が増えている。
取得後のキャリアと給料の見通し
給料はおおむね350万~400万円が目安です。経験を積めば、サービス提供責任者やケアマネジャー(介護支援専門員)へのステップアップも視野に入ります。事業所側にとっても、貸与・販売事業所は常勤換算2名以上の配置義務があるため、有資格者は安定して求められる存在です。最新の制度や講習情報は厚生労働省 介護・高齢者福祉や各都道府県の案内もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 福祉用具専門相談員の資格取得に試験はありますか?
A. 国家試験はありません。50時間の指定講習を受講し、修了時の評価(筆記)に合格すれば資格を取得できます。受講要件もなく、誰でも受講できます。
Q. 資格取得にかかる費用と期間はどのくらいですか?
A. 費用は約3万5千~7万円(テキスト代込み)、期間はおおむね6~8日間が目安です。
Q. すべての福祉用具が貸与・販売の選択制になったのですか?
A. いいえ。2024年4月からの選択制の対象は、固定用スロープ・歩行器・単点杖・多点杖の4種目に限られます。
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まとめ
福祉用具専門相談員とは、介護保険の福祉用具を利用者に合わせて選定・調整する専門職です。貸与・販売の事業所には2名以上の配置が義務づけられています。資格は50時間の指定講習を修了すれば取得でき、受講要件はありません。看護師や介護福祉士などの有資格者は講習が免除されます。給料はおおむね350万~400万円が目安です。2024年度の改定では一部の用具で貸与・販売の選択制が導入され、利用者がより納得して福祉用具を選べるようになりました。
福祉用具の仕事に興味がある方、資格を活かせる職場を探したい方は、お気軽にご相談ください。
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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。講習内容・制度・給与などの最新情報は公式情報や各都道府県の案内をご確認ください。
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