介護職員212万人の年間487人増で目標数値に遠く及ばず

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!

ご感想をお待ちしております。

そんな連載43回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

厚生労働省が19日に公表した「介護サービス施設・事業所調査」の結果によると、昨年10月1日時点の全国の介護職員数は212万6227人だった。【Joint編集部】

前年と比べて487人の増加。減少傾向に一応の歯止めはかかった。

昨年末に公表された前回の調査では、介護保険制度の創設以来初めて介護職員数が減少(約2.8万人減)し、業界に強い衝撃を与えた。今回は2年連続のマイナスこそ回避したものの、増加幅は極めて小さく、横ばいでの推移にとどまった格好だ。

政府は人材確保に注力する構えを見せている。今年度の補正予算に盛り込んだ処遇改善策に加え、来年度の介護報酬の臨時改定でも賃上げに向けた措置を講じる方針だ。
厚労省の推計によると、高齢者人口がピーク期を迎える2040年度には約272万人の介護職員が必要となる。ただ介護職員数は減少し、かつての勢いを取り戻す兆しも見えない。必要なサービス提供体制の確保が困難になるとの懸念が強まっている。

(引用介護joint)

2024年は介護職員が約500人増えた!

見出しこそ、2024年は介護職員が500人ほど増えたよと明るく言いたいところではありますが、そうはいっていられないこの世界情勢であることを少し細かくお伝えしていきましょう。

2023年の介護職員はとんでもなく減っていた

2023年は介護職員が約2.9万人の減少があり、そこから比べると思いっきり
減っているまま。むしろ状況は悪化しているといえるでしょう。

3万人近くの介護職員が減っているのにもかかわらず、今回は500人増えた。
流石にこの数字は喜べるものではありませんね。

2040年後には60万人不足

国が出している試算ですと、2040年には272万人の介護職員が必要とのことで、現時点で60万人が不足しているという所ですね。

つまり、のこり15年ほどで60万人介護職員を増やさなければならない。
年間4万人ずつ増やさなければいけません。

途方もない数字に聞こえますが、月間で3333人ずつ…。

1日110人ずつ介護職員を増やさなければ足りない計算です。

それが一昨年は3万人近く減って、去年は500人増えただけ…。

2023年に3万人介護職員が減った理由

そもそも介護職員を増やさなければいけないというのはわかっていたことですが、そんな中で2023年は介護職員が3万人減っているわけですね。

なぜ、2023年に介護職員が減ったのか?

これを紐解くと、介護職員が減ってしまう要因。

なかなか増えない要因を気づくことが出来るのではないでしょうか?

なぜ2023年に介護職員が減ったのかを考察していきましょう。

コロナ明けの他産業復活

2023年といえば、新型コロナウイルス感染症が明け、飲食店や観光業、製造業を中心に規模が縮小していた分野が復活しようと動き出した時期です。

どこの業種も、新型コロナウイルス感染症という情勢で同時期に縮小し、同時期に復活したため、人材確保が急務となっていました。

激しい人材獲得の中、時給の大幅な上昇もあり介護業界よりもともと高かった時給がさらに上昇。

介護業界で働きたいというよりも、働いてお金を稼ぎたいという思いが強い人は飲食や観光等の一次的かもしれないものの、高時給に魅力を感じ転職する方が一気に増えたのでしょう。

実際に、無資格未経験の介護職員さん等は処遇改善加算もあまりもらえないため、大手ファーストフードで働くほうが時給が高い。

季節的な観光業を渡り歩けば更に高時給が見込める状態。

生活のために介護職員として働くなら、飲食店でアルバイトしたほうがいいと考えるのも、短期的~中期的に考えれば間違っていない選択肢となるのかもしれません。

スタッフの高齢化も要因の一つ

いきなり2023年に大量のスタッフが辞めたわけではないでしょうが、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた段階で、自身が感染してしまったらという身の危険を感じて辞める人が多かった印象ですね。

新型コロナウイルス感染症の流行時期は職員の感染やそれを機に辞めるスタッフが多く、長年働いてきた方々はそんなタイミングでは辞めづらかった。

新型コロナウイルス感染症が落ち着いたタイミングで、いつ第2、第3のパンデミックが起こるかわからない。

これを機に辞めようという人が増えた印象です。

また、ギリギリ団塊の世代が介護業界を支えており、その多くが定年したという所も一因ではないでしょうか。

介護業界の倒産、廃業もきっかけか

2023年にコロナ給付金をもらってから倒産、廃業する事業所が632件と一気に増えたのも大きな要因でしょうか?

要因はいくつかあるでしょうが、在宅サービスにおいては利用者さんが新型コロナウイルス感染症への感染を恐れ、利用を控えたことによる収入減少が大きな理由でしょうか?

新型コロナウイルス感染症の流行時期は助成金は出たものの、介護業界を対象にしたものは時期も遅く、十分なものではなかったため、職員にも光熱費の削減や物品の削減を強いる事業所が多かったですね。

経営者の方針なのか、現場のトップの支持なのか、どこかで内容が弯曲したのかは不明ですが、どうしても必要でしょうというものまで削減だという風土になり、嫌気がさしたり、働くこと自体に負担を感じたりして辞める人が増えたのは確実です。

確かによく、感染症流行時期なのにディスポーザブル手袋を削減だと騒がれた、ディスポーザブルエプロンを買ってもらえなかった等をきっかけに辞める人が増えた印象です。

更に一番の倒産、廃業に繋がった要因は新型コロナウイルス感染症の対策として行われた貸付制度。

いわゆる実質無利子、無担保のゼロゼロ融資の返済が始まったのが原因でしょう。
2023年から返済が始まる企業さんというのは、補助金申請が始まっていち早く借りた企業。

もちろん初年度に借りた企業全てがそうではありませんが、もともと経営状態が悪かったのにもかかわらず、そこに新型コロナウイルス感染症。

そしてゼロゼロ金融が始まったため、飛びついて借りた。

もともとそのお金がなければとっくに倒産していた企業が多かった。

これは介護業界だけの話ではなく、小規模の事業所はこれで延命をし、返済が始まった途端に廃業、倒産する企業が多く、ただ惰性で動いているだけで再起を図る状況ではないゾンビ企業を作った原因だったといわれていますね。

余剰資金がない企業にとっては

①利用者さんの減少による収入悪化

②ランニングコストの上昇

③職員の離職

④補助金の遅れ

この辺の複合的な理由により経営状態が悪化。

トドメのゼロゼロ金融で借りた借金の返済開始。

倒産や、未来への展望が描けず黒字のうちに廃業。

あるいはある程度計画的な倒産や、廃業に至り、職員が働く場所を失った。

大規模法人でも、職員不足により赤字分野から休止し、他の分野へ配置転換。

これが全国各地で行われた状況です。

倒産、廃業で働く場所が大量に失われ、中小企業で働いていた職員は強制的に失業。

介護業界へは戻らなかった。

大規模法人でも、訪問介護やショートステイを中心に不採算部門が整理され、配置転換を望まなかった職員はそのまま離職。

介護職員が3万人減った要因となったことでしょう。

慢性的な職員不足の理由

ここまでは新型コロナウイルス感染症やそれに伴う他産業の復活を理由を説明、考察しましたが、介護業界は慢性的な人材不足。

その理由を紐解いていきましょう。

新型コロナウイルス感染症だけが理由じゃない慢性的な低賃金のイメージ

ここで大きな問題となっているのは新型コロナウイルス感染症だけが原因ではない介護業界が抱えている問題。

低賃金のイメージについてですね。

実際に低賃金なんじゃないのと思う方もいらっしゃいますが、その辺を一度紐解いてみましょう。

全産業平均からみる介護業界の低賃金

全産業平均でみると、平均月給が38万円ほど。

一方で介護業界は30万円ほどで、8万円低いという統計データになっていますね。

ただ、これは雇用形態のマジックですね。

パートや臨時職員等の比率が異常に高いのが介護業界です。

全産業平均、正社員以外の雇用は37%。

一方で介護業界全体にすると50%ほどが非正規。

訪問介護に至っては80%が非正規雇用。

これだけの格差があれば全産業平均よりも介護業界の方が低く出るのはその通りでしょう。

資格至上主義の介護業界

介護業界というのは明確な資格、条件等により給与が決まりやすい業界です。

基本給が低く、処遇改善加算という国からのボーナスに依存している状態。

ただ、この処遇改善加算は会社が決めたルールによって大きな格差で分配しなければいけないルール。

介護職員として現場を兼務していたころは【公式】ケアマネ介護福祉士も頂いていました。

介護職員一人につき、ざっくり大体の大手事業所が3万円前後給付される処遇改善加算ではありますが、全員の給与が3万円もらえるわけではありません。

上記で説明したとおり、大きな差を付けなければいけないものと国から決められているため、各事業所ごとに分配ルールを決めます。

事業所ごとにルールの差異はあるものの、大体の所が、資格の有無や勤続年数によって大きな差をつけています。

例として挙げれば、無資格で介護業界未経験の方には500円。

介護福祉士持ちで勤続年数ゼロの中途職員には3万円。

介護福祉士を持っていて、勤続5年以上は5万円。

というような感じです。

実際に【公式】ケアマネ介護福祉士も介護福祉士、介護支援専門員を取得している。

10代から介護業界で働く。

自法人での経歴もそれなりにある。

そんな状況だったので明らかに他の介護職員よりも多く処遇改善加算をもらっていました。

低賃金だといわれる一方で、ある程度の資格取得と経験年数を持つと、全産業平均くらいの年収に届いてしまうのが介護職員です。

また、介護報酬は地域差分を加味されているにしても、それほど大きくはない。

地方であれば20代前半で資格持ちの数年間働くをクリアし、年収400万円超えという勝ち組の給与を手にすることも割と容易いです。

決して給与が低いわけではなく、下積み時代が長く、ただ働いていれば給与が上がるものでもないという所ですが、しっかりと下積みと資格を積めば全産業平均へ到達することは難しくない業界ですね。

2026年から更に給料は上がる可能性

2025年の臨時国会において、介護職員一人に対し1.9万円の補助金を出すことが決定しました。

こちらも基本的には事業所の分配裁量が大きいため、全員が均等に上がるわけではなく、やはり資格を持った人たちが優遇されるでしょう。

それでも全産業平均には届かないという話ではありますが、有資格者で数年働いている介護職員さんたちにとっては2万円以上上がる可能性が絵に描いた餅ではなくある程度現実味を帯びた話になるため、これにより年収が20~40万くらい上がる可能性がある。

その一方で、無資格者や分配ランクの低い人たちは2万円上がると喜んでいる中で、厳しい現実を突きつけられ、また退職者が増えるのではないかという懸念もあります。

無資格者は夢を見れず次々に辞める

介護業界において、せっかく入ってきてくれた異業種からの転職組ですが、景気が良くなればこうやって他分野に戻るという事が今回の新型コロナウイルス感染症によりはっきりとしたところでしょう。

なぜ、せっかく他分野から介護業界に来てくれた職員がまた、転職してしまうのか?

それはキャリアパス制度が見えにくいという所でしょう。

いつになっても給料が低いままだと感じてしまう所。

確かに問題ではありますが、キャリアパスを順調に上り、給料が上がっている人は自分の歩みを隠してしまいます。

それはなぜか?

この辺りに介護業界の暗さがあるでしょう。

給料が上がってもやっていることは一緒だから

介護職員のキャリアパスが非常に見えにくくなっている。

それも意図的に見えなくしている部分が大きい。

その理由はすごく簡単です。

給料が大きく違っても、やることは新人とほぼ一緒という所だからです。

処遇改善加算で7万円もらっている介護福祉士を取得している介護職員も、無資格
の新人で500円しかもらっていない介護職員もやることは一緒。

入浴介助、オムツ交換、トイレ誘導、食事介助。

介護業務に違いは一切ありません。

それなのにこれだけ給料が違うのがバレると、もらっている職員へ他のもらっている職員からのヘイトが向きかねません。

故に介護業界では、

「私は介護福祉士を取って、処遇改善加算を7万円もらえるようになった。」

「だから介護福祉士を取れるように頑張って勉強しようね?」

みたいな教育方法を取るメンターや上司がいません。

営業職等であれば、

「今月のノルマ達成、これを年間通してクリアすると10万円もらえるから頑張ろう」

みたいな教育法が王道でしょう。

介護業界はオムツ交換を一日50人やる人と20人しかやらない人で給料が一緒どころか、仕事をしなくても資格や社内規定のランクが高ければ給料がひっくり返る可能性がある。

ここが大きな問題点なのでしょう。

年間4万人ずつ介護職員を増やすには?

今までの現状をお伝えしましたが、ここからは介護職員をどう増やしていくか?
これに関しては、人材採用担当だけでなく、現場での必要な動きについても考えていきましょう。

キャリアパスをOJT、FJTの中でしっかりと教育する

キャリアパスが見えづらい介護業界。

初回のFJTやOJTの中で、この資格を取ったらこれくらい給料が上がる。

勤続何年目で一気に給料が上がる。

ある程度単純に、具体的な数字を出せる教育プログラムが必要なのかもしれません。

介護業界の安定性を前面に

とはいえ、介護業界は圧倒的売り手市場かつ、国が運営する報酬により運営する形態。どこでも働ける。

潰れる企業が少ない。

AIが発達してもなくならない職業といわれている。

このように食いっばぐれない仕事としてのメリットが大きいです。

【公式】ケアマネ介護福祉士はずっと介護業界に身を置いていますが、失業の心配をしたことがありません。

リーマンショック、派遣切り、トランプ関税、さまざまな経済危機がありましたが、一度も働くことに不安を感じたことはないです。

そのうえで、育児や趣味に時間を割きやすく、スポーツに打ち込んだり、興味のある分野で副業をしたりと介護業界に身を置きながらも自分の私生活ややりたいことを優先できる環境で働いてきています。

DXでポジションを取れる

これは【公式】ケアマネ介護福祉士が個人的に考えるアピール方法です。

介護業界はDX化が著しく送れている。

そのため、一般企業で働いていて、当たり前のことも介護業界には最先端の能力となることが多いです。

企業とメールやスラック、チャットワークなどのコミニケーションツールでのやり取り。

書類のデータ化とファイル保存。

chatGPTやGemini等のAI活用。

今時は当たり前の世の中ではあるけれど、介護業界では上手く使えなくても、触れるだけで最先端です。

現場のDX化を進めるだけで、大きな法人であれば新たなDX課長的な役職で給与や処遇が改善する可能性がありますというのも大きな売りになるのではないでしょうか?

とはいえ一番は国が動く事

とはいっても、一番は国が介護業界全体の処遇を改善するために報酬を引き上げることでしょう。

介護業界に人材が殺到しても外貨を手に入れるための製造業に人が居なくなるのも困るでしょうから塩梅を見ながらの賃上げでしょうけれど…。

ただ、介護業界は処遇の改善と引き換えに常々DX化が求められています。

私たちは国が求める作業効率化を進める準備、それに伴った業界での変化。

働き方を意識から変えていく必要が出てくるでしょう。

この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール

高校生からホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得しアルバイトにて老人保健施設にて勤務。そのままアルバイト先の老人保健施設へ入職。
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。

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