介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の
【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。
ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!
ご感想をお待ちしております。
そんな連載34回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩
厚生労働省は今春、有料老人ホームをめぐる様々な課題の解消を図る検討会を新たに立ち上げる。【Joint編集部】
入居者の囲い込み、介護サービスの過剰な提供の是正を議題とする。入居を希望する高齢者を施設側に紹介する事業者が、本人の心身の状態などに応じて高額な手数料を徴収している問題も取り上げる。
厚労省は17日に開催した審議会(社会保障審議会・介護保険部会)でこうした計画を明らかにした。今夏を目途に報告書をまとめる。その内容を、2027年度の制度改正・報酬改定に向けた議論に活かす方針だ。
厚労省は新たな検討会の論点として、
◯ 有料老人ホームへの指導・監督の効果を高める仕組み
◯ 過剰サービスへの実効性の高い対策
◯ 紹介事業者の透明性の確保
などを掲げた。この日の審議会では、入居者の本来のニーズに合った介護サービスの提供を訴える声が相次いだ。今後、自治体の関与やケアマネジメント、介護報酬・基準のあり方なども含め、国がどこまで踏み込んだ措置をとるかが焦点となる。
問題になっている紹介会社とは?
国会でも問題になっている紹介会社ですが、実際にどういったものが問題になっているのか?
実際に介護現場で働く人たちや、介護をしているご家庭では意識しづらいものになるでしょうから簡単に説明していきましょう。
利用者さんを施設へ紹介する紹介会社
ざっくり説明すると、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入りたい利用者さんを紹介するのが紹介会社となります。
流れとしては
- 在宅で介護している方や病院に入院している患者さんの家族、時には医療ソーシャルワーカーで有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居を考えているけど、どうしたらいいかわからない人、時間がない人がいる。
- インターネット等から紹介会社の一括、あるいは個別申し込み機能等を使ってサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームへ入居の申し込みをする
- 施設から返事が来て、入居の可否や不明点をすり合わせながら入居する。
こんな感じの流れです。
紹介会社の利用はメリットだらけ
【公式】ケアマネ介護福祉士は割と紹介会社に対して完全に悪という認識はなく、使う側は基本的にメリットが大きいと思っています。
昨今は一人暮らしの利用者さんも多く、家族が遠方っていうのはザラ…。
例え遠方でなくとも、今まで全く介護と無縁の生活をしてきた方々がどこに施設があるかなんてわかっていないもの…。
そんな中でどこにどんな施設があるのか?
施設の場所を調べ1カ所ずつ申し込みをするためにわざわざ動くのはとてもしんどいことでしょう。
お仕事や子育てをしている方だと更に時間を捻出する、移動費をかけるくらいならネットで一括申し込みができる紹介会社を利用するというのは大きなメリットになることでしょうね。
使う方はタダだけど価格はまるで人身売買
今回問題になっているのは大きな金額の紹介料が問題になっていますね。
申し込む利用者さんやその家族に関しては全くお金がかかりませんが、紹介を受けるサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム側は多額の紹介料を支払います。
一般的な高齢者さんで20万円程度
難病指定を受けている利用者さんで30万円程度
紹介会社や、紹介する利用者さんによって値段はそれなりに前後しますがそんな感じの相場
みたいですね。
紹介会社を通さず施設への申し込みをしてくれれば1円もかからないわけですし、20万円から30万円の費用がなければ施設の利用料が多少安くなったり、介護職員や事務職員へ給料を上乗せ出来たり。
新しい施設を建てたり、増築したり様々な機材を導入出来たりと色々できますね。
もともと介護業界は介護保険という税金が大部分であり、公的なお金が一見無駄に使われているように見え、国会でも話し合われているという所です。
利用者は紹介会社を使っている感覚がない
なぜ紹介会社を使っている感覚がないかというと、大体のサイトが施設情報を一括検索するようなサイトに見え、気になる施設への申し込みも直接その施設とやり取りするように見えるサイト構成になっています。
これに関しては介護業界に関わらず、職員をあっせんしている紹介会社も同様で、就職先を検索していて、あたかも働きたい企業に直接申し込んでいる感覚で紹介会社を利用しているっていう点がやや問題視されています。
また、使う側のリテラシーも皆無で、紹介会社を使うことによりこれから入居する施設や働く企業が言い方を気にしなければ大金を払って買い取っているという事実を知らないという
所も問題かなと【公式】ケアマネ介護福祉士的には思います。
叩かれ放題の紹介会社だがこのまま規制が厳しくなれば…
高額な費用を請求する紹介会社すべてが悪だという論調が高まりつつありますが、実際に紹介会社の規制が厳しくなり業界全体が消滅すれば介護難民が大量にあふれ、ケアマネジャーの負担が大きくなるでしょう。
その理由を解説していきます。
施設を探す家族やケアマネの手間が爆増
利用者さんの身体状況や個人情報とエリアや要望をさらさらっと入力すれば入居可能な施設を調べ上げてくる紹介会社ではありますが、このサービスが無くなるとどうなるのか?
入院中であれば医療ソーシャルワーカーさんやご家族、在宅での生活中でもケアマネや家族なんかが必死に施設を探すことになるでしょう。
入院中に次の行先を探すのが医療ソーシャルワーカーの仕事だとか、在宅に戻らないなら居宅ケアマネの仕事じゃないとかいろんなしがらみがあったりなかったりですが、その中で医療ソーシャルワーカーやケアマネが調べ上げても費用の兼ね合いだったり、要望が後から出
てきて結局水の泡。
利用者さんや家族からのアセスメント不足だといえばその通りなのかもしれませんが…。
そんなことが続いたりすると家族が探してって話になります。
他にも、医療ソーシャルワーカーの配置がない病院へ入院する場合は基本的にご家族が施設を探すことになります。
上記でも説明したとおり、そんな急に言われても施設の違いなんか分からないし、手当たり次第に突撃する時間も体力もない…。
施設を探す家族が疲弊しきった状態で、入院中であれば無理やり在宅へ帰るなんて言うこともしばしば…。
正直なところ、確かに施設側だったりサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームを運営する上では無駄なお金になるかもしれませんが、決して無益ではないサービス。
また、家族がいない利用者さんを支援しているケースではケアマネが必死に施設を探すことが多い…。
そんな時にこの一括紹介がとても楽なのは事実…。
このサービスが無くなることで、施設を探すことに多大なエネルギーをかけなければならなくなる家族、ケアマネがでてくることになるのは間違いないでしょう。
紹介会社が機能しなくなれば顧客獲得で現場の負担が大きくなる
今まで紹介会社へお金を払えさえすれば利用者さんを獲得できるため、何の労力もいらなかった有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の運営。
その費用がなくなった分、職員や施設の整備にお金をかけられるっていうのが国の考えなのでしょうが実際にそうなるのはごく一部の施設に限られるでしょう。
もともと、利用者さんの集客を紹介会社に頼っていた会社と、紹介会社を使わずとも利用者さんの獲得が行えていた施設と二通りに分かれている現状。
もともと紹介会社を使わなかった施設には紹介会社がどうなろうと、紹介料が下がろうと別に関係のないこと。
問題は紹介会社を使って利用者さんを獲得していた企業…。
今までやってこなかった病院への営業活動だったり、地域の方々へ名前を売るためのイベント活動だったり、チラシの配布、SNS活動なんかをあわててしなければならなくなるでしょう。
地域へ向けてのイベント活動をイチから取り組むわけですから、イベント参加に必要なテントを作ったりチラシを作ったり。
SNSのアカウント運用をしたり…。
上手くいかなければコンサルを導入なんてこともあるでしょう。
紹介会社を使っていなかったライバル企業はすでに医療機関との良好なコネクションや地域の認知度を何らかの形ですでに手にしており利用者さんの集客には困っていない状態なわけです。
その中でコネクションだったり認知度を後追いで獲得しなければならない…。
正直なところ勝ち目薄い戦いだけど、少しでも勝ちにいかないといけないっていう大問題なところですね。
結果的に介護職員が窮地に追い込まれる
ということでこれからはお金を払えば利用者さんを獲得できるという時代ではなくなるので、近隣の病院にサービス提供責任者だったり相談員だったりと現場で働く職員やちょっと上の層が常に営業へ回らなければならない状況が予見できます。
さらにSNSの運用のため、キラキラした写真や動画を編集含めて現場単位で作らなければならないでしょう。
もしかしたら多少は給料が一時的には上がるかもしれませんが、利用者さんの集客に失敗すれば会社の落ち込み、介護職員の給料減少にも全然つながりそうな展開です。
集客に失敗すれば身の丈に合わない利用者さんを受け入れる羽目に…
集客に失敗すれば、どうにか利益を確保するために段々と利用者さんを選ぶ余裕がなくなります。
割と軽度な人をターゲットにしていたであろうサービス付き高齢者向け住宅で、ターミナルケアを行わなければならなくなったり、看護師が常駐しているわけではないのに夜間の医療も必要そうな医療依存度の高い利用者さんを引き受けたり…。
結果的に、職員へしわ寄せがくる展開です。
大きな紹介料が問題なら公的データベースを作れば解決…
【公式】ケアマネ介護福祉士的にはこのサービスが無くなれば利用者さん、その家族、施設で働く職員に関しても大きな負担がのしかかるであろう事実は間違いありません。
大きな紹介料が問題であり、DX(デジタルトランスフォーメーション)を掲げている昨今の介護業界。
であればいっそのこと国が一括情報検索と、施設申し込みを行えるポータルサイトを作り運営するのが一番なのではないでしょうか?
民間が介入し、税金を原資とした介護業界において大金をむしり取る構造が問題であるというのであれば、厚労省がこのシステムを作ってくれるのを願います。
ケアマネのシャドーワークにおいて、施設を探すというのはイチイチ個人情報をある程度守りながら利用者さんの情報を電話、文書でお伝えし、その後施設からの返事を催促したり不足があった情報を再度お伝えしたりするものの、入居に結びつかないことの方が圧倒的に多い業務。
医療ソーシャルワーカーの仕事だろ、家族が最後には決めるのになぜこんなに窓口になっているんだろう…。
ケアマネの負担と不満は止まりません。
大切な公金が紹介会社に流れることが不適切だと判断するのであれば公的なシステムを作ればいいと思ってしまいます。
もちろん、システム維持にかかる費用等を捻出するために掲載料を取ればいいとも思う所ではありますね。
【公式】ケアマネ介護福祉士としても、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に関して一括サイトを利用することがありますが、紹介料がかかるため、施設の概要を調べるだけにとどまり、ここが公的サイトで一括申し込みできるのであればケアマネも医療ソーシャルワーカーも仕事が減るのではないでしょうか?
この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。
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