保健師とは、地域の住民や働く人の健康を守り、病気を未然に防ぐ「予防」の専門職です。看護師の資格を土台に、もう一段階上の国家資格を取って活躍します。この記事は、保健師を目指す人に向けて書いています。仕事内容、種類、なり方、最新の国家試験合格率、年収まで、2026年6月時点の情報で解説します。
記事でわかること
この記事でわかること
- 保健師とは何か・仕事内容
- 行政・産業・学校など保健師の種類
- 保健師になるには(看護師+保健師の国家資格)
- 最新の国家試験合格率と平均年収
- 看護師・助産師との違い
保健師とは?
保健師とは、地域や職場の人々の健康管理・疾病予防・公衆衛生を担う看護職です。「保健師助産師看護師法」に定められ、厚生労働大臣の免許を受けて保健指導(健康づくりや病気予防の助言・支援)に従事します。病気の人へのケアが中心の看護師とは、ここが大きく異なります。保健師は健康な人も対象にする点が特徴です。
具体的な仕事は次のとおりです。乳幼児健診や各種健康診査の企画・実施、生活習慣病予防の保健指導、メンタルヘルス対策、健康相談、地域の健康増進活動などがあります。「病気になる前に支える」ことが、保健師の役割の中心です。
保健師の種類(働く場所)
保健師は、働く場所によっていくつかの種類に分かれます。代表は行政・産業・学校・病院の4つです。
| 種類 | おもな勤務先と役割 |
|---|---|
| 行政保健師 | 都道府県・保健所・市区町村(保健センター)に勤務する地方公務員。乳幼児から高齢者まで地域全体の健康を支える。最も人数が多い。 |
| 産業保健師 | 企業・事業所に勤務。従業員の健康診断・保健指導、メンタルヘルスケア、職場環境の改善など。 |
| 学校保健師 | 大学や専門学校などに勤務。学生・教職員の健康管理やメンタルヘルスケアを担う。 |
| 病院保健師 | 病院や健診センターで、健診・退院後の療養指導・職員の健康管理などを行う。 |
就業している保健師のうち、約7割が市区町村や保健所などの行政保健師です。地域に密着して幅広い世代を支える行政保健師が、保健師の代表的な働き方といえます。
保健師になるには
保健師になるには、看護師と保健師、両方の国家資格が必要です。保健師国家試験に合格しても、看護師国家試験に合格していなければ保健師免許は取得できません。
最短ルートは、看護師と保健師の両課程を備えた4年制大学などで学ぶ方法です。最終学年で看護師・保健師をあわせて受験します(高校卒業から4年)。このほか、看護師資格を取得したあと、保健師養成課程(1年以上)に進むルートもあります。
保健師国家試験の最新合格率
2026年2月に実施された第112回保健師国家試験の結果は、次のとおりです。
- 受験者数:7,467人
- 合格者数:6,502人
- 合格率:87.1%(新卒者は89.9%)
例年は90%台で推移することが多く、第112回はやや低めの結果でした。それでも新卒者を中心に多くが合格しています。養成課程でしっかり学ぶことが、合格への近道です。
保健師の平均年収
保健師の平均年収は約521万円とされています。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(令和6年)」によると、月額給与約35万円+年間賞与約100万円、平均年齢は約39歳という結果でした。
働き方によって収入の傾向は異なります。行政保健師は地方公務員として給料表にもとづき、経験年数とともに安定して昇給します。一方、産業保健師は企業ごとの給与体系によります。大手企業では行政より高収入になる場合もあります。なお、この統計は保健師のサンプル数が他職種より少ないため、実際の求人票や自治体の給料表もあわせて確認し、目安として捉えるのがよいでしょう。
看護師・助産師との違い
保健師・助産師・看護師は、いずれも「保健師助産師看護師法」に定められた看護職ですが、役割が異なります。看護師は患者ケア、保健師は予防、助産師は出産が中心です。
| 職種 | おもな役割 |
|---|---|
| 看護師 | 傷病者への療養上の世話や診療の補助。患者への直接的なケアが中心。 |
| 保健師 | 地域・職場の保健指導や疾病予防。健康な人も含めた「予防」が中心。 |
| 助産師 | 出産の介助や、妊産婦・新生児の保健指導。現状は女性のみが取得できる。 |
保健師・助産師は、いずれも看護師資格が前提です。看護師として患者を支えるか、保健師として地域の健康を守るか、自分の関心に合わせて道を選べます。なお、令和6年(2024年)末時点で就業している保健師は約63,500人で、年々増加傾向にあります。
保健師を目指すときの進路選びと失敗回避
保健師でつまずきやすいのは、進路ルートの選び方です。結論から言うと、看護師と保健師を同時に取れる4年制大学が最短です。ただし、保健師課程は人数制限(選抜)がある大学も多く、希望者全員が進めるとは限りません。志望校を選ぶ前に、保健師課程の定員と選抜方法を必ず確認しましょう。
進学前の自己点検チェックリスト
- 志望大学に保健師課程があるか、定員と選抜の有無
- 看護師資格取得後に保健師養成課程(1年以上)へ進む道も検討したか
- 行政・産業・学校のどの働き方を将来像にしているか
- 公務員採用が前提か(行政保健師は自治体採用試験が別途必要)
よくある失敗は、保健師免許を取れば自動的に行政保健師になれると考えることです。行政保健師は地方公務員のため、免許とは別に自治体の採用試験に合格する必要があります。採用枠は少なく競争率が高い自治体もあります。早めに志望自治体の募集状況を調べておくと安心です。
働き方別のキャリアの現実
同じ保健師でも、働く場所で収入や働き方が変わります。進路選びの判断材料として整理します。
| 働き方 | 収入・キャリアの傾向 |
|---|---|
| 行政保健師 | 公務員の給料表で安定昇給。異動で幅広い分野を経験。採用試験の突破が必要。 |
| 産業保健師 | 企業の給与体系。大手では高収入も。求人数は少なめで競争率が高い。 |
| 学校・病院保健師 | 勤務先により待遇差。看護師経験を求められる場合がある。 |
まず行政で経験を積み、その後に産業保健師へ移る人もいます。自分が「予防」のどの場面に関わりたいかで選ぶと、長く続けやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 保健師になるには看護師資格も必要ですか?
A. はい。保健師は看護師と保健師の両方の国家試験に合格する必要があります。看護師に不合格だと、保健師試験に合格しても免許は取得できません。
Q. 保健師と看護師はどちらが給料が高いですか?
A. 一概には言えませんが、行政保健師は公務員として安定した給与体系で、経験とともに着実に昇給します。勤務先や働き方によって差があります。
Q. 保健師で一番多い働き方は何ですか?
A. 市区町村や保健所などに勤める行政保健師が最も多く、就業している保健師の約7割を占めます。
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まとめ
保健師とは、地域住民や働く人の健康管理・保健指導・疾病予防を担う看護職の一つです。行政・産業・学校など働く場所はさまざまで、なかでも行政保健師が約7割を占めます。看護師と保健師、両方の国家資格が必要で、4年制大学などで学べば最短4年で目指せます。「病気になる前に支える」予防の専門職として、地域や職場で長く活躍できる仕事です。
「保健師や看護職として働きたい」「資格を活かせる職場を探したい」という方は、お気軽にご相談ください。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表」(受験者数・合格者数・合格率の一次情報)
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(職種別の月額給与・賞与・平均年齢の一次情報)
- 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(就業保健師数・年次推移の一次情報)
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※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。国家試験・統計などの最新情報は公式情報をご確認ください。
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