社会人になってから看護師を目指す方法とは~資格取得にかかる時間や費用についてご紹介~

看護師になるには、養成ルートで学んで看護師国家試験に合格するのが基本の流れです。看護師は、医療や介護の現場を支える国家資格の専門職です。患者や利用者のいちばん近くで療養を支える存在であり、病院だけでなく介護施設や在宅でも需要が高まっています。

この記事は、これから看護師を目指す方に向けた内容です。養成ルートや国家試験、准看護師との違い、働く場所やキャリアの広がりまでを、2026年7月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • 看護師とはどんな資格か(保健師助産師看護師法に基づく国家資格)
  • 看護師になるまでの4つの養成ルートと期間
  • 看護師国家試験の合格率・日程・受験資格
  • 准看護師との違いと、准看護師から看護師になる方法
  • 看護師が働く場所と介護分野での役割
  • 看護師の年収の目安と保健師・助産師へのキャリア

看護師とは|国家資格としての位置づけ

看護師は、保健師助産師看護師法に基づく国家資格です。同法では、看護師を「傷病者もしくはじょく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行う者」と定めています。免許は厚生労働大臣が交付し、看護師国家試験に合格することで取得できます。

看護師の業務は幅広く、医療チームの中心的な役割を担います。患者のバイタルサイン測定や点滴・注射などの診療の補助から、食事・排せつ・清潔の援助といった療養上の世話までを担当します。医師や利用者・家族をつなぐ調整役としての側面も大きく、コミュニケーション力も欠かせない仕事です。

看護師になるまでの養成ルート

看護師になるには、まず看護師を養成する学校・養成所で学びます。必要な知識と技術を身につけ、看護師国家試験の受験資格を得る必要があります。中学卒業後や高校卒業後など、スタート地点によって選べるルートが異なります。主なルートは次の4つです。

養成ルート 修業年限 主な入学資格 特徴
看護系大学 4年 高校卒業 幅広い教養と看護理論を体系的に学ぶ。保健師・助産師の受験資格を得られる課程もある
看護短期大学 3年 高校卒業 大学より短い期間で看護師の受験資格を取得できる
看護専門学校(3年課程) 3年 高校卒業 実習が多く、実践的な技術を重視。最短で看護師を目指せる
高校衛生看護科+専攻科 5年(3年+2年) 中学卒業 高校の衛生看護科で准看護師を、専攻科で看護師の受験資格を目指す一貫ルート

大学は4年間かけて教養科目や看護研究も学びます。そのため、卒業後のキャリアの幅が広いことが特長です。一方、専門学校や短大は3年で受験資格を得られます。早く現場に出たい人や学費を抑えたい人に向いています。なお、いずれのルートを選んでも、卒業しただけでは看護師になれません。看護師国家試験への合格が必要です。

社会人から看護師を目指すには

社会人が看護師を目指す場合も、養成ルートに入学して受験資格を得るのが基本です。学費や生活費の負担を軽くする支援制度もあります。雇用保険の教育訓練給付や、自治体・病院の奨学金制度などを利用できる場合があります。年齢制限なく挑戦できる資格であり、別業界からの転身も少なくありません。

看護師国家試験について

養成ルートを修了(または修了見込み)すると、看護師国家試験の受験資格が得られます。試験は厚生労働省が年1回実施し、例年2月中旬に行われます。合格発表は3月下旬です。

直近の合格率・受験者数

第115回看護師国家試験の合格率は、88.3%でした。2026年(令和8年)2月15日に実施されたもので、受験者数5万9,614人に対し合格者数5万2,666人という結果です。このうち新卒者の合格率は94.1%と高い水準でした(出典:厚生労働省、2026年3月24日発表)。

合格基準は、必修問題が50点満点中40点以上、一般問題・状況設定問題が249点満点中166点以上でした。合格率はおおむね9割前後で推移しており、養成課程でしっかり学べば十分合格を狙える試験です。

項目 内容(第115回)
試験日 2026年(令和8年)2月15日
受験者数 5万9,614人
合格者数 5万2,666人
合格率(全体) 88.3%
合格率(新卒) 94.1%

次回(第116回)の日程

第116回看護師国家試験は、2027年(令和9年)2月中旬の実施が見込まれます。ただし、正式な試験日・出願期間は例年8月上旬に官報で公告されるため、2026年7月時点では確定していません。受験を予定している人は、厚生労働省の公式情報で最新の日程を必ず確認してください。

看護師と准看護師の違い

看護師とよく似た資格に准看護師があります。両者は、免許の種類や養成ルート、業務上の位置づけが異なります。混同しやすいので、違いを整理しておきましょう。

項目 看護師(正看護師) 准看護師
免許の種類 国家資格(厚生労働大臣免許) 都道府県知事免許
試験 看護師国家試験 都道府県が行う准看護師試験
主な入学資格 高校卒業(中学卒業からの一貫ルートもあり) 中学卒業
養成期間の目安 3~4年 2年(准看護師養成所など)
業務の進め方 自らの判断で療養上の世話・診療の補助を行える 医師・歯科医師または看護師の指示を受けて業務を行う

最も大きな違いは、業務の進め方です。看護師が自らの判断で業務を行えるのに対し、准看護師は医師・歯科医師または看護師の指示を受けて業務を行います。准看護師は中学卒業後2年の養成課程で目指せるため、より短期間で資格を取得できます。一方で、業務範囲や給与面で差が生じることがあります。

准看護師から看護師になるルート

准看護師として働きながら、または退職して看護師を目指すことも可能です。准看護師の実務経験などの条件を満たすと、看護師養成の2年課程(全日制・定時制・通信制)に進学できます。修了すれば、看護師国家試験の受験資格を得られます。働きながら学べる通信制を活用してキャリアアップする人も多く、日本看護協会なども准看護師の進学を支援しています。

看護師が働く場所と介護分野での役割

看護師の活躍の場は、病院やクリニックにとどまりません。高齢化と在宅医療の広がりにより、介護・地域の現場でのニーズが急速に高まっています。就業先ごとに業務内容や働き方は大きく異なるため、進路選びの段階から知っておくと安心です。

就業先 主な業務 夜勤 向いている人
病院・診療所 病棟・外来・手術室・救急など。急性期の治療を支える 病棟は夜勤ありが多い 幅広い症例を経験し専門性を高めたい人
介護施設 健康管理、服薬管理、褥瘡ケア、急変時の一次対応、介護職との連携 施設により異なる(日勤中心も多い) 高齢者とじっくり向き合いたい人
訪問看護ステーション 在宅療養者の自宅を訪問し、医療と生活の両面を支える オンコール対応が中心 1対1で利用者に向き合いたい人
地域・行政 保健所や市町村、企業の健康管理・予防活動 基本的になし 日勤固定で長く働きたい人

介護施設では、看護師が医療の専門家として欠かせない役割を担います。利用者の服薬管理や褥瘡ケア、急変時の対応、医師や介護職との連携などです。看取りや在宅療養を支える訪問看護でも、看護師の需要は今後さらに高まると見込まれています。介護分野は夜勤の有無や勤務形態を選びやすく、ライフスタイルに合わせて長く働ける点も魅力です。訪問看護の仕事内容については訪問看護とはの記事もあわせてご覧ください。

看護師の年収の目安

看護師の平均年収は、約519.7万円でした(厚生労働省・令和6年賃金構造基本統計調査、2025年公表)。これは基本給に加え、夜勤手当や残業手当などの各種手当、年間賞与を含んだ金額です。勤務先の種類や夜勤の回数、地域、経験年数によって収入には幅があります。

一般に大学卒は専門学校卒よりも初任給がやや高い傾向があります。また、認定看護師などの資格取得や管理職への昇進で収入アップを目指せます。給与の内訳や手当の詳細は看護師の給料の記事で詳しく解説しています。

看護師からのキャリアの広がり

看護師の資格を土台に、さらに専門性を高めるキャリアパスもあります。代表的なのが保健師と助産師です。いずれも看護師資格を前提に、所定の養成課程を修了して国家試験に合格することで取得できます。

  • 保健師:保健所や市町村、企業などで、地域・職場の人々の健康づくりや予防活動を担う
  • 助産師:妊娠・出産・産後の母子を支援する専門職
  • 認定看護師・専門看護師:特定の分野で高度な看護を提供する資格

このほか、ケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格につながるなど、介護分野でのキャリアにも道が開けています。保健師の仕事内容については保健師の記事をご覧ください。

養成ルート選びで後悔しないための考え方

看護師になる入り口は複数あり、選び方を誤ると学費や年数で後悔しやすくなります。「最短」「学費が安い」だけで決めず、卒業後の働き方まで見据えて選ぶことが大切です。タイプ別の向き不向きを整理しました。

こんな人 向きやすいルート 注意したい点
将来は保健師・助産師や管理職も視野 看護系大学(4年) 学費・期間は長め。目的が曖昧だと負担が重い
早く現場に出たい・学費を抑えたい 専門学校・短大(3年) 実習が密で多忙。働きながらは難しいことが多い
社会人から転身したい 3年課程+給付・奨学金の活用 生活費の確保と両立計画が必須。途中離脱に注意
まず准看護師から段階的に 准看→2年課程(通信制など) 看護師まで通算で年数がかかる場合がある

資格取得後に知っておきたい現実

看護師は需要が高く活躍の場が広い一方、入職後のギャップで早期離職する人もいます。後悔を避けるため、就職前に次の点を確かめておきましょう。

  • 夜勤の有無と回数/病棟は夜勤が前提のことが多い。生活リズムを重視するなら外来・介護施設・訪問看護も選択肢
  • 配属先による業務の違い/同じ看護師でも救急と療養型では負担が大きく異なる
  • 年収は手当込みの数字/平均年収には夜勤手当が含まれる。日勤のみだと額面は下がる傾向
  • 教育体制(プリセプター制度など)/新人サポートが手厚い職場ほど続けやすい

学費支援や最新の試験制度は、厚生労働省など一次情報で確認しましょう。働き方の選択肢を早めに知っておくと、資格取得後のミスマッチを減らせます。

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まとめ

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看護師になるまでの道のりは、大学・短大・専門学校などの養成ルートで学び、看護師国家試験に合格するのが基本の流れです。准看護師との違いを理解し、自分のスタート地点や目指す働き方に合ったルートを選ぶことが大切です。第115回(2026年実施)の合格率は88.3%で、しっかり学べば十分合格を狙える試験です。資格取得後は病院から介護施設、訪問看護まで活躍の場が広く、保健師・助産師へのキャリアも開けています。最新の試験日程や制度は、厚生労働省など一次情報で確認しながら準備を進めましょう。

参考(一次情報)