居宅介護従業者養成研修等について~研修内容や働ける場所についてご紹介!

この記事は、障害福祉の居宅介護ヘルパーを目指す方や、旧課程の修了証を持つ方向けです。居宅介護のヘルパーとして働くには、どんな資格や研修が必要なのでしょうか。かつては「居宅介護従業者養成研修課程」の1級・2級・3級という区分がありました。しかし、制度改正によって現在の位置づけは大きく変わっています。この記事では、居宅介護従業者養成研修とは何か、課程の種類やできる業務、介護職員初任者研修との関係、ほかの障害福祉ヘルパー研修との違いまでを、2026年6月時点の最新情報で解説します。

この記事でわかること

  • 居宅介護従業者養成研修とは何か(障害者総合支援法の居宅介護に従事するための研修)
  • かつての1級・2級・3級課程の現状と、現在の標準ルート
  • 介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士との関係
  • 居宅介護でできる業務(身体介護・家事援助・通院等介助など)
  • 重度訪問介護・行動援護・同行援護など、ほかのヘルパー研修との違い
  • 介護保険の訪問介護と障害福祉の居宅介護の資格の関係

居宅介護従業者養成研修とは

居宅介護従業者養成研修とは、障害者総合支援法に基づく「居宅介護」に従事するヘルパー(居宅介護従業者)を養成するための研修です。居宅介護は、障害のある人の自宅を訪問する訪問系の障害福祉サービスです。入浴・排せつ・食事などの介助や、調理・掃除といった家事援助を行います。

研修は、都道府県知事(または指定都市・中核市の長)が指定した事業者が行います。各自治体の実施要綱に沿って実施されます。受講に特別な要件はなく、未経験の方でも申し込める点が特徴です。

なお、よく検索される「居宅介護職員初任者研修」という名称があります。これは後述するとおり、かつての2級課程に相当する課程として各自治体の要綱に位置づけられているものです。介護保険のホームヘルパー資格である「介護職員初任者研修」と名前が似ています。混同しないよう注意しましょう。

かつての1~3級課程と現在の位置づけ

居宅介護従業者養成研修には、かつて1級・2級・3級の3つの課程がありました。しかし、現在は級による区分が整理・縮小されています。2013年(平成25年)4月、厚生労働大臣告示の改正により、居宅介護従業者養成研修3級課程は「障害者居宅介護従業者基礎研修課程」へ移行しました。現在は多くの自治体で一本化が進んでいます。後述する「介護職員初任者研修」などの修了をもって、居宅介護に従事できる形です。

旧課程と現在の研修の対応

これまでに旧課程を修了した人の扱いは、おおむね次のように整理されています。最終的な取り扱いは各都道府県の要綱で定められます。自身の修了証の扱いは、お住まいの自治体に確認すると確実です。

旧課程 現在のおもな取り扱い
居宅介護従業者養成研修 1級課程 介護職員初任者研修の修了者とみなされる扱い
居宅介護従業者養成研修 2級課程 介護職員初任者研修の修了者とみなされる扱い
居宅介護従業者養成研修 3級課程(廃止) 障害者居宅介護従業者基礎研修などの修了相当として整理

つまり、すでに1級・2級課程を修了している人は、研修を受け直す必要はありません。そのまま居宅介護に従事できます。一方で3級課程は、サービスの範囲が家事援助などに限られていました。現在は新たな養成が行われていません。

介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士との関係

現在、障害福祉の居宅介護に従事する「標準ルート」は、介護保険の訪問介護と共通の資格でカバーできます。次のいずれかを修了・取得していれば、居宅介護の身体介護を含むサービスに従事できるのが基本です。

  • 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級に相当する入門資格)
  • 介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級・介護職員基礎研修に相当)
  • 介護福祉士(介護の国家資格)

これらは「介護職員初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士」というキャリアパスでつながっています。ステップアップしていくのが一般的です。これから障害のある人の在宅支援に関わりたい人は、まず介護職員初任者研修からスタートするのが分かりやすいでしょう。介護職員初任者研修についてはホームヘルパーの資格を解説した記事もあわせてご覧ください。

居宅介護でできる業務

居宅介護で提供するサービスは、大きく次の3つに分けられます。利用には障害支援区分(必要な支援の度合いを示す区分)の認定が必要です。支援内容によって対象となる区分が異なります。

身体介護

利用者の身体に直接触れて行う支援です。入浴・排せつ・食事などの介助や、着替え、移動の手伝いなどが含まれます。専門的な技術が必要なため、原則として初任者研修などの修了が前提です。

家事援助

日常生活に必要な家事のサポートです。調理・洗濯・掃除・買い物などが含まれます。利用者が一人暮らしの場合に提供されます。また、同居家族が障害や疾病のために家事を行うことが難しい場合にも提供されます。

通院等介助

病院への通院や、官公署での手続きなどに伴う移動の介助です。身体介護を伴う場合と伴わない場合があります。対象となる障害支援区分などの条件が定められています。

居宅介護そのものの制度については居宅介護とは何かを解説した記事でさらに詳しく紹介しています。

ほかの障害福祉ヘルパー研修との違い

障害福祉サービスには、居宅介護以外にも訪問系のサービスがあります。それぞれに対応した養成研修があります。対象者やサービス内容が異なるため、目指す働き方に合わせて選びましょう。

研修 おもな対象者 サービスの内容
居宅介護従業者養成研修(初任者研修など) 身体・知的・精神障害のある人 + 障害児 自宅での身体介護・家事援助・通院等介助
重度訪問介護従業者養成研修 重度の肢体不自由など常に介護が必要な人 長時間の見守りを含む総合的な介護・外出支援
行動援護従業者養成研修 知的障害・精神障害で行動上の困難がある人 外出時の危険回避や行動の支援
同行援護従業者養成研修 視覚障害のある人 外出時の情報提供・移動の援護・代筆代読

重度の障害がある人を長時間支える働き方に興味があれば重度訪問介護従業者養成研修の記事を、外出の支援に関心があれば行動援護従業者養成研修の記事もチェックしてみてください。

介護保険の訪問介護と障害福祉の居宅介護の関係

介護保険の「訪問介護」と障害福祉の「居宅介護」は、よく似たサービスです。どちらも自宅を訪問して身体介護や生活援助を行います。資格の面でも整理が進んでいます。介護職員初任者研修を修了していれば、訪問介護と居宅介護の両方で働くことが基本的に可能です。

一方で、対象者には違いがあります。訪問介護は、介護保険の要介護・要支援認定を受けた高齢者などが対象です。居宅介護は、障害支援区分の認定を受けた障害のある人(18歳以上)や障害児が対象です。同じ人でも、65歳になると原則として介護保険が優先されます。訪問介護へ移行するケースが多くなります。研修で身につけた介護スキルは両方の現場で活かせます。活躍の場を広げやすいのが利点です。

結局、自分は何を受ければいい?(状況別チャート)

制度が変わって分かりにくいため、立場ごとに「次の一歩」を整理しました。まず自分がどれに当てはまるかを確認してください。

あなたの状況 結論(次の一歩)
これから居宅介護で働きたい(無資格) 介護職員初任者研修から始める。身体介護まで対応でき、訪問介護でも使える
旧1級・2級課程の修了証がある 受け直し不要。初任者研修修了者とみなされ、そのまま従事できる
旧3級課程の修了証がある 家事援助中心の扱い。身体介護まで広げたいなら初任者研修の受講を検討
介護保険の訪問介護でも働きたい 初任者研修以上があれば、居宅介護と訪問介護の両方で働ける

つまずきやすいのが名称の混同です。「居宅介護職員初任者研修」は障害福祉向けの課程で、介護保険の「介護職員初任者研修」とは別物です。求人票の研修名や、どのサービスに従事できるかを必ず確認しましょう。旧課程の最終的な取り扱いは自治体ごとに異なります。自分の修了証の扱いは、お住まいの都道府県の窓口に確認するのが確実です。

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まとめ

居宅介護従業者養成研修は、障害者総合支援法の居宅介護に従事するためのヘルパー研修です。かつての1級・2級・3級課程は、2013年の制度改正で整理・縮小されました。現在は介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士の修了・取得が標準的なルートです。これらの資格があれば、障害福祉の居宅介護だけでなく介護保険の訪問介護でも働けます。在宅支援の現場で幅広く活躍できるのです。重度訪問介護や行動援護、同行援護など関連する研修と比べながら、自分の目指す働き方に合った一歩を選びましょう。最終的な課程の取り扱いや受講方法は自治体ごとに異なります。お住まいの都道府県の窓口や指定事業者で確認することをおすすめします。

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