重度訪問介護従業者養成研修について~研修内容や働ける場所についてご紹介!

この記事は、重度訪問介護で働きたい方に向けたものです。読めば、対象者・サービス内容・必要な資格・似たサービスとの違いが分かります。重度訪問介護とは、重度の障害がある方の生活を長時間にわたって支える仕事です。担当するには専門の「重度訪問介護従業者養成研修」を修了する必要があります。未経験からでも比較的短期間で取得できるのが特徴です。情報は2026年7月時点の最新内容です。

この記事でわかること

  • 重度訪問介護がどのような制度・サービスなのか
  • サービスの対象となる方(障害支援区分など)の要件
  • 仕事に必要な資格「重度訪問介護従業者養成研修」の課程と研修時間
  • 行動援護/同行援護/居宅介護との違い
  • 報酬や働き方の特徴(長時間支援)

重度訪問介護とは

重度訪問介護とは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つで、「介護給付」に位置づけられます。対象は、常時介護を必要とする重度の障害がある方です。具体的には、重度の肢体不自由者、または重度の知的障害もしくは精神障害により行動上著しい困難がある方が当てはまります。こうした方の自宅などをホームヘルパーが訪問し、総合的な支援を行います。

厚生労働省の定義では、支援の内容は幅広いものです。居宅での入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事、生活全般にわたる相談・助言を行います。さらに、外出時における移動中の介護も提供します。病院等に入院・入所している障害者への意思疎通の支援や、日常で生じる介護の事態に対応する見守り等も含まれます。この点が大きな特徴です。

一般的な訪問介護(居宅介護)は、短時間の区切られた支援です。一方、重度訪問介護は1回あたりの利用時間に制限がありません。長時間にわたって同じ利用者を見守りながら支えられます。これにより、重度の障害がある方が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることを後押しします。

重度訪問介護の対象者(障害支援区分)

重度訪問介護を利用できるのは、障害支援区分(必要な支援の度合いを示す国の区分。1~6があり数字が大きいほど重い)が区分4以上の方です。次のいずれかにも該当する必要があります。なお、病院等に入院・入所中に利用する場合は、入院・入所前から重度訪問介護を利用していた方が対象です。

  • 次のいずれにも該当する方:(1)二肢以上に麻痺等があること/(2)障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されていること
  • 障害支援区分の認定調査項目のうち、行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である方

対象となる状態像としては、次のようなものが挙げられます。筋ジストロフィー、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの難病、脊髄損傷、脳性麻痺、重度の知的障害や強度行動障害などです。なお、利用は原則として18歳以上の方が対象です。具体的な支給量(利用時間)は、市町村が一人ひとりの状況を踏まえて決定します。

重度訪問介護で働くために必要な資格

重度訪問介護のホームヘルパーとして働くには、原則「重度訪問介護従業者養成研修」を修了する必要があります。この研修は、平成18年9月29日厚生労働省告示第538号に基づくものです。各都道府県が指定した事業者(スクール)が実施しています。

大きな特徴は、無資格・未経験の方でも受講できることです。介護職員初任者研修などをあらかじめ取得していなくても、数日間の研修で現場に立てます。介護のキャリアの入り口としても選ばれています。なお、介護福祉士や実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者などは、研修の一部が免除されることもあります。重度訪問介護に従事できる範囲が定められている場合もあります。

研修の課程と研修時間

研修には主に「基礎課程」「追加課程」「統合課程」があり、修了した課程によって支援できる利用者の範囲が変わります。基礎課程・追加課程を修了すると、区分6を含む利用者へ対応できます。統合課程では、さらに喀痰吸引等(医療的ケア)の基本研修も学べます。標準的な内容は次のとおりです。

課程 主な目的・内容 研修時間の目安
基礎課程 重度の肢体不自由者の地域生活や基礎的な介護技術・コミュニケーション、外出時の介護を学ぶ。修了すると障害支援区分4~5の利用者へ従事できる 10時間(講義3時間・実習7時間)が国の標準
追加課程 基礎課程に加え、医療的ケアが必要な方の障害理解や緊急時対応などを学ぶ。修了すると障害支援区分6の利用者へも従事できる 10時間(講義7時間・実習3時間)が国の標準
統合課程 基礎・追加課程の内容に加え、喀痰吸引や経管栄養など医療的ケア(喀痰吸引等研修・第3号研修)の基本研修を含む 20.5時間が国の標準(喀痰吸引等の基本研修を含む)

研修時間や科目構成は、都道府県によって異なる場合があります。たとえば大阪府では令和8年改正の要綱で、基礎課程18時間/追加課程12時間/統合課程30時間と定められています。受講前には、お住まいの都道府県や受講するスクールの最新の募集要項を必ず確認しましょう。修了の目安は、基礎課程と追加課程をあわせて2~4日程度、統合課程で3~4日程度です。

似たサービスとの違い

重度訪問介護とよく比較されるのが、居宅介護・行動援護・同行援護です。いずれも訪問系の障害福祉サービスですが、対象者と支援内容が異なります。違いを整理すると次のとおりです。

サービス 主な対象者 支援の内容
重度訪問介護 区分4以上の重度の肢体不自由者、または重度の知的・精神障害で行動上著しい困難がある方 身体介護・家事援助・外出時の移動介護・見守り等を長時間総合的に提供
居宅介護(ホームヘルプ) 区分1以上の方(支援内容により要件が異なる) 自宅での身体介護・家事援助・通院等介助を短時間ごとに提供
行動援護 区分3以上で、行動関連項目等の合計点数が10点以上の知的・精神障害がある方 行動上の危険を回避するための援護や外出時の移動中の介護など
同行援護 視覚障害により移動に著しい困難がある方(障害支援区分の認定は不要) 外出時に同行し、移動に必要な情報提供や移動の援護を行う

重度訪問介護は「長時間・総合的な支援」と「見守りを含む」点が、ほかのサービスとの大きな違いです。それぞれのサービスで必要な資格(研修)も異なります。行動援護の従事者については行動援護従業者養成研修の記事を、外出支援に関わる資格はガイドヘルパーの資格を解説した記事もあわせてご覧ください。居宅介護そのものについては居宅介護とは何かを解説した記事で詳しく紹介しています。

報酬・働き方の特徴

重度訪問介護は、長時間の連続支援を前提とした報酬体系が特徴です。1日の支援が長時間に及ぶため、一定時間を超えると時間あたりの単価は逓減します。一方で、まとまった時間の勤務がしやすく、利用者と腰を据えて向き合えます。夜間や早朝、見守り中心の時間帯もあります。生活スタイルにあわせてシフトを組みやすいのも魅力です。

制度面でも改善が進んでいます。令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定では、入院中の支援の対象が障害支援区分4以上に拡大されました。医療機関との連携を評価する「入院時支援連携加算(条件を満たすと報酬が上乗せされる仕組み)」も新設されました。あわせて、処遇改善に関する加算が「福祉・介護職員処遇改善加算」として一本化され、加算率の引き上げも図られています。さらに2026年(令和8年)6月からは、処遇改善加算の対象が障害福祉に従事する職員全般へ広がるなど、待遇改善の流れが続いています。重度障害がある方の高齢化・重度化を背景に、担い手のニーズは今後も高まると見込まれます。

取得後の働き方の現実と向き不向き

研修は数日で修了できますが、現場の働き方は一般的な介護とは違います。始めてから「想像と違った」とならないよう、特徴を先に押さえておきましょう。最大の違いは、1回の支援が長時間に及ぶことと、見守り中心の時間帯があることです。

  • 勤務時間:半日や夜通しなど、まとまった時間の支援が多い。夜間・早朝のシフトもある
  • 仕事の中身:介助だけでなく、見守りや待機の時間も支援に含まれる
  • 報酬の特徴:長時間勤務でまとまった収入を得やすい。一方、一定時間を超えると時間単価は逓減する
  • 人間関係:同じ利用者と長く深く関わる。相性や信頼関係が働きやすさを左右する

次のような人に向いています。一人ひとりとじっくり向き合いたい人、まとまった時間で効率よく働きたい人、夜間の勤務に対応できる人です。逆に、短時間で多くの利用者を回りたい人や、待機・見守りの時間が苦手な人には負担に感じられることもあります。応募前に、勤務時間帯と1日の支援の流れを事業所に確認しておくと、ミスマッチを防げます。障害福祉サービスの制度は、厚生労働省(障害者福祉)でも確認できます。

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まとめ

重度訪問介護は、重度の障害がある方が地域で暮らし続けるために欠かせないサービスです。障害者総合支援法に基づく介護給付に位置づけられます。働くには「重度訪問介護従業者養成研修」の修了が必要ですが、無資格・未経験からでも数日間で取得できます。介護のキャリアの第一歩としても始めやすい仕事です。基礎課程・追加課程・統合課程の違いや、お住まいの都道府県ごとの研修時間を確認したうえで、ご自身にあった働き方を見つけてください。利用者一人ひとりの暮らしにじっくり寄り添える重度訪問介護は、これからますます求められる分野です。

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参考(一次情報)

※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。研修時間・科目は都道府県の要綱で最新情報をご確認ください。